ネタバレあります、注意!!
第28話登場人物一覧:
マーニー:主人公にして名探偵。本名は真音(マリオン)。
ロイド(パパ):ロイド探偵事務所所長にしてマーニーの保護者。元刑事らしい(3話)。
エリオット:マーニーの愛猫。
若島津ゆりか:マーニーの友人。4話、5話、9話、10話、14話、16話、23話、24話、25話、26話、28話に登場。
舞城天:マーニーと同じ学校の生徒。27話にて趣味は自転車ロードレースと判明。17話、27話、28話に登場。
片岡:ある特異な趣味を持った大学生。4話、23話、24話、28話で登場。
お腹の大きな猫:エリオットに連れられてやって来た猫。
これまでの登場人物については過去記事リンクの後に記載しています。
<ネタバレあらすじ>
帰宅したマーニー。
と、自宅玄関前に2匹のネコが―――愛猫・エリオットと見知らぬ猫だ。
見知らぬ猫は心なしかお腹が膨れているようだ。
エリオットの友達かな……そう考えたマーニーは猫を自宅に上げることに。
ところが、そのまま猫が産気づいてしまう。
思わぬ事態に、どうしてよいか分からずパニックに陥るマーニー。
ロイドはまだ帰宅していない―――頼るべき相手も居ない。
困ったマーニーは友人に助けを求めることに。
まずは、ゆりか。
だが、ゆりかは話を聞かない。
次いで、マーニーが頼った相手は……天である。
天はそのとき、とある山上に居た。
しかし、マーニーの電話を受けるや、愛車を駆り山を走り抜ける。
向かうはマーニーのもとである……。
こうして、驚異的なタイムでマーニー宅に現れた天の指導により、母猫は無事に出産を終えた。
生まれたのは数匹の子猫たち。
天に感謝するマーニーだったが、天は逆に「ゴーストライダー事件(27話)」の礼として依頼料を置いて行く。
これを凝視する母猫……。
その夜、帰宅したロイドは自宅の変化に驚く。
そんなロイドにマーニーは飼い主を捜すことを約束し、1ヶ月だけ保護する了承を得ることに。
マーニーはネット上で飼い主を募集すると共に、ゆりかにも相談。
だが、ゆりかの返答は「否」であった。
そして、月日が過ぎ―――何とか飼い主候補が見つかった。
この間に情が湧いたのか別れを寂しがるロイド。
ところが、当の猫が姿を消してしまった―――離れ離れにされることを察して逃げたらしい。
それからさらに数日が過ぎた。
マーニー宅の玄関前に小銭が置いて行かれるようになった。
時には1000円札も並ぶように。
これが連日続いた。
お金を残して行く謎の人物の正体を確かめようと、マーニーはカメラを置き監視することに。
そして、網にかかったのは……あの母猫であった。
何かを訴えるような母猫の仕種に興味を持ったマーニーは、母猫に導かれるまま神社へと向かう。
どうやら、猫の一家はマーニー宅を出ると神社で生活していたらしい。
そして、マーニー宅に運ばれた現金はお賽銭であった。
そこまでした母猫の目的は……。
母猫がマーニーを導いたのは、蓋の開いたマンホールの前であった。
其処で母猫は下を覗き込む。
そう言えば、子猫の姿が無い。
これに、マーニーは子猫たちがマンホールの下に落ちたのだと察する。
母猫は子猫を助けて欲しいと依頼しているのだ。
暗い所は苦手なんだけど……怯むマーニーだが、母猫を捨て置くことも出来ず果敢に挑むことに。
だが、穴は思ったよりも深い。
恐怖と戦いつつ進むマーニーは、梯子を下って行った先、其処に漸く子猫たちの姿を見出す。
子猫たちは無事であった。
子猫たちを抱え上げ、さて依頼を終えようとしたマーニーに異変が。
目の前に気持ちの悪い不定形の化物が現れたのだ。
(あいつだ……)
恐怖心に駆られるマーニー。
その前で不定形の化物は「愛しているよ」と呟く。
とても、見続けることが出来ず、心が折れそうになるマーニー。
そんなとき、マーニーの懐の子猫が爪を立てた。
痛みに改めて周囲を見回すマーニー。
だが、あの化物は消えている。
ほっと息を吐くと、外の世界へと続く梯子を上るのであった。
翌日、登校したマーニーにゆりかが声をかける。
「片岡さんに浮気の疑惑があって……マーニー、無料で調査してくれない?」
そんなゆりかの言葉にマーニーは。
(猫でさえ、依頼料を支払うのに……)
と断るのであった―――エンド。
<感想>
「フランケン・ふらん」で知られる木々津克久先生が、2010年の「ヘレンesp」以来2年ぶりとなる「週刊少年チャンピオン」本誌への連載を開始されました!!
連載作品のタイトルは「名探偵マーニー」。
コミックス1巻も発売中です!!
2巻も3月発売予定!!
今回はその第28話「母猫」です。
おそらく「母親の子供への愛情」がテーマか。
マーニー自身が過去にトラウマを持っており、これが「その母親に起因しているのではないか」とは作中描写にて触れられている点。
そこで今回は、「子供を守ろうとする母猫」と「未だ姿を現さぬマーニーの母」を比較したものと思われます。
マーニーが幻覚でまで視た化物の正体はマーニーの母親の可能性が高そう。
「愛しているよ」とか伝えていたし、やはり、過去に虐待があったとみるべきか。
以前の暗闇の中の箱に押し込まれた記憶もこの時のモノか。
う〜〜〜ん、なかなか根が深そうです。
ちなみに、最初にお金が届いた時点で「猫の恩返し展開」を思い浮かべましたが、これは違いましたね。
思わぬミスリードでした。
そう言えば、天も再登場。
前回同様に超絶テクニックを披露。
もはや、人の域を些か超えているか……天、恐るべし。
一方で、友達甲斐のないゆりかもクローズアップされていましたね。
とはいえ、ゆりかはあれが本領のような気もするが。
ただ、ゆりか本人は自身が猫と比べられているとは思っても無いんだろうなぁ。
因果応報か?
きちんと登場したキャラを活かしきっているあたり、マーニーはやっぱりイイ!!
次回も期待です!!
ちなみに、上にもある通りマーニーのコミックス1巻の発売中。
2巻も3月に発売予定とのこと。
これでいつでもマーニーの活躍を読むことが出来ます。
興味のある方は本記事下部アマゾンさんリンクよりどうぞ!!
木々津克久先生といえば「フランケン・ふらん―OCTOPUS―」が『拡張幻想 年刊日本SF傑作選』(大森望・日下三蔵編、東京創元社刊)に掲載されています。
こちらも注目。
・木々津克久先生が「週刊少年チャンピオン」本誌に帰還する!!2012年8月16日より探偵物語「名探偵マーニー」連載開始!!
さて、作者である木々津克久先生と言えば、管理人にとっては「週刊少年チャンピオン」本誌での「ヘレンesp」の作家さんとのイメージ。
「ヘレンesp」は、盲目のヘレンがその特別な力(ESP能力)を駆使し、愛犬や叔父さんたちに見守られながら同年代の友人や幽霊など様々なものと交流する物語。
衝突したり理解し合えなかったりと苦難がヘレンを襲うものの、その都度ヘレンの純粋な心で相手に向き合い相手との心の壁を乗り越えていくさまは、心に響きました。
確かにあらすじだけ聞くとよくある展開かと思うものの、本作は不思議な“熱”と“説得力”を持っており、透明感のある淡い絵柄も加え、なかなかの名作といえるでしょう。
既に連載自体は終了していますが、こちらもオススメです。
◆「名探偵マーニー」関連過去記事
・「名探偵マーニー」第1話から20話まで(木々津克久作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)まとめ
・名探偵マーニー」第21話「ラッキーバード」(木々津克久作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)
・「名探偵マーニー」第22話「ニセモノ」(木々津克久作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)
・「名探偵マーニー」第23話「ゲーマー」(木々津克久作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)
・「名探偵マーニー」第24話「彼と彼女の事情」(木々津克久作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)
・「名探偵マーニー」第25話「事故物件」(木々津克久作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)
・「名探偵マーニー」第26話「枯野」(木々津克久作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)
・「名探偵マーニー」第27話「黒い自転車乗り」(木々津克久作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)
◆関連過去記事
・「フランケン・ふらん 最終話(最終回) Dream」ネタバレ批評(レビュー)
・「フランケン・ふらん 59話 BestFriend」ネタバレ批評(レビュー)
・「Phase20」(木々津克久作、「チャンピオンRED 2012年1月号」掲載)ネタバレ批評(レビュー)
・「鋏女(チャンピオンRED 5月号掲載)」ネタバレ批評(レビュー)
・「ヴァンパイア・アナライズ (チャンピオンRED 7月号掲載)」(木々津克久著、秋田書店刊)ネタバレ批評(レビュー)
これまでの登場人物一覧:
【ロイド探偵社】
マーニー:主人公にして名探偵。本名は真音(マリオン)。
ロイド(パパ):ロイド探偵事務所所長にしてマーニーの保護者。元刑事らしい(3話)。
母親:マーニーの母親、不在。事情があるらしい(1話)。
エリオット:マーニーの愛猫。
【学校関係者】
若島津ゆりか:マーニーの友人。4話、5話、9話、10話、14話、16話、23話、24話、25話、26話、28話に登場。
前花:マーニーの友人。オカルトに造詣が深いらしい。
那智先輩:学校のヒーロー。2話、4話、16話で登場。
白鳥:マーニーの先輩、白鳥財閥の令嬢。1話、7話、13話、16話、19話、21話で登場。
累:白鳥の友人。1話、22話にて登場。
香坂:生徒会書記、2年生。7話で登場。
宮島小百合:マーニーの学校に勤務する教師。10話、15話、21話に登場。
鈴村蝶子:カーディガンズの1人。12話で登場。
黒屋明彦:雪彦の双子の兄、社交的。13話に登場。
黒屋雪彦:明彦の双子の弟、内向的。13話、20話、25話(25話は名前だけ)に登場。
露島:新聞部部長。自腹でニュースサイトを運営し多大な影響力を持つ。16話に登場。
吉沢:新聞部員の1人。16話に登場。
舞城天:マーニーと同じ学校の生徒。27話にて趣味はロードレースと判明。17話、27話、28話に登場。
マキちゃん:本名は真希田、マーニーの級友。
波峰りあ:マーニーとゆりかの同級生。巻野という名の幼馴染で年上の彼氏が居るらしいが……24話に登場。
浜沢志乃:マーニーの同級生、不動産を多数所持する。「幽霊マンション」もそのひとつ。25話に登場。
枯野:目立とうとしない天才。マーニーも一目置く。26話に登場。
3人組:マーニーのファンたち。探偵団を結成しようとするが……。26話に登場。
【警察&探偵】
毛利刑事:ロイドの後輩刑事。3話、18話、24話で登場。
武頼:ロイドの先輩。22話にて登場。
【再登場しそうなゲスト】
亜羽:ロイドの過去の依頼人。3話で登場。
片岡:ある特異な趣味を持った大学生。4話、23話、24話、28話で登場。
村枝紗平:政財界のフィクサー。ロイドによれば「黒い噂」で知られる有名人らしい。8話で登場。
野宮真理:ニュース番組の人気キャスター。9話で登場。
舟木真治:宮島の初恋の相手、10話、21話(名前のみ)に登場。
光輪:往年のヒーロー「ブリット」を演じた俳優。現在では病を患っている。11話で登場。
鈴村都:蝶子の妹。12話で登場。
マックス鞠野:高名なマジシャン。効果を最大限に発揮するマジックがモットー。18話より登場。
真希田流:マキの姉。18話より登場。
玄武:大学生。日本有数のセレブで白鳥の知人。19話より登場。
宝蔵院はるか:大学生。玄武のフィアンセ。玄武同様にセレブ。19話より登場。
市長:マーニーとロイドが暮らす地域の市長。20話より登場。
阿刀孟:世界的に著名なアニメクリエーター。20話より登場。
瀬尾俊幸:阿刀のマネージメントを担当していたスタッフ。20話より登場。
ラッキー:白鳥が保護した「首なし鶏」。21話に登場。
君津和臣:化粧品メーカーの重役。今回の依頼人。22話にて登場。
日出有吉:木ノ崎順也の功績はこの人物の物であった。22話にて登場。
武藤遊助:片岡のいとこ。国公立トップである東都大学のエリート学生。23話で登場。
【その他ゲスト】
西郷:那智の親友。2話で登場。
徳吉すばる:亜羽の同僚。3話で登場。
望月楓:ラクロス部のイケメン。6話で登場。
謎の女性:望月の周辺に現れた謎の女性。6話で登場。
亀井:村枝の文通相手。8話で登場。
安崎良則:映画会社の社長。11話で登場。
安崎みどり:良則の娘。故人。11話で登場。
ゆりかの祖父:幽斉の中学時代の同級生、緊急入院してしまう。14話に登場。
河野幽斉:祖父の中学時代の同級生。同窓会の主催者。14話に登場。
幽斉の妻:幽斉とは犬猿の仲。14話に登場。
甲本:宮島の大学時代の同級生、宮島曰く「オタクっぽい人」。15話にて登場。
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大神:自転車のチューンナップを生業とする男性。27話に登場。
ゴーストレーサー:髑髏マスクに黒装束の怪人。その正体は……。27話に登場。
お腹の大きな猫:エリオットに連れられてやって来た猫。
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