ネタバレあります、注意!!
講談社刊「月刊シリウス」にて連載中の「怪物王女」もいよいよ完結を迎える光永康則先生。
そんな光永先生が「月刊ヤングキング」誌上にて不定期連載されている本作。
2013年3月号に3話が掲載されていたので、こちらをネタバレ批評(レビュー)です。
<ネタバレあらすじ>
・1話はこちら。
「棺探偵D&W」(光永康則著、少年画報社刊)第1話(月刊ヤングキング2012年1月号掲載)ネタバレ批評(レビュー)
ヒサトの薦めで、温泉旅行に出かけた十郎は樫尾柊子、初生親娘との旅行を満喫していた。
と、報告もかねてヒサトに電話連絡を入れることに。
ヒサトに感謝の言葉を述べる十郎だったが、旅館の場所が分からず迷ったエピソードを告げる。
周囲は森に囲まれている、困っていたところを地元の住人と思われる親子連れに助けられたらしい。
だが、十郎は何処か違和感を抱いている様子。
電話口のヒサトはそんな十郎の違和感の正体を突き止めることに協力する。
まず、十郎と親子連れが出会った道は旅館と国道を結ぶ一本道で長距離であった。
にも関わらず、母親らしき人物は幼子を歩かせていたこと。
次に、母親らしき人物は車道側に子供を歩かせていたこと。
後方から十郎の車が近付いたにも関わらず、特に子供を庇う様子を見せなかったこと。
これらの事実から、ヒサトは2人が親子連れではなく他人であると指摘。
さらに、幼子に歩かせるには過酷な距離の移動を考えると、到底往復とは思えないことから片道であること。
だが、そこから先の移動手段を用意していたとも思えないこと。
これらから、幼子は旅館から国道までの間に居るに違いないと指摘。
つまり、2人は他人であり、その目的地は森の中になるのだ。
事件の香りを嗅ぎ付けた十郎は狼男の能力を用い、周囲を探索することに。
すると、森の中にコンクリが詰められたドラム缶を発見する。
ドラム缶の数は数十にも及んでいた。
もしや、これがすべて……。
息を飲んだ十郎は幼子の安否を確認すべく、近くの学校に潜入。
名簿を調べ、あの日以来欠席している生徒を捜し出す。
そして、自宅に向かうことに。
さりげなく訪問した十郎は幼子の部屋の前へ。
だが、幼子の姿は無い。
すると、住人たちが凶器を振り上げ襲い掛かって来るではないか。
しかも、その家の住人に限らず、付近の住民も襲い掛かってくる。
必死に対抗しつつ逃亡する十郎。
旅館へ戻ると樫尾親娘と共に脱出するのであった。
さて数日後、同じ町にヒサトの姿があった。
ヒサトの前には死体が累々と転がっている。
すべて、十郎を襲った人々である。
実は、彼らはある宗教団体のメンバーであった。
彼らは支部を構えると、地元住民を殺害しこれと信者を入替えることでその街を乗っ取っていたのである。
この街と同じ状況は全国各地で行われているらしい。
ヒサトは生前は支部長であった男の死体に呟く。
十郎を襲った以上、お前らは絶対に潰す―――と。
ヒサトが有言実行するのは、賢明な読者ならばご存知の通りである。
さて、さらに数日後―――父と会話するヒサトの姿が。
どうやら、ヒサトの父は団体の拠点となっていることを知りつつ十郎を送り込んだようだ。
今回の温泉旅行自体が十郎がヒサトに仕えるに相応しいかどうかの試験だったらしい―――エンド。
<感想>
推理パートかなり良かったですね。
特に「母親ならば子供を道路側に置かない」や「旅館と国道の間が長距離であることから目的地はその付近」とのロジックはシンプルながら強力でした。
そして、十郎を試すヒサトの父。
どうやら、主従関係があるようですが……ヒサト自身は十郎を親友と思っている様子。
十郎も特にヒサトを主人だと意識しているような描写はありません。
ヒサトはあくまで十郎を友人としたいと思っているのか。
そう言えば、1話も十郎に仇為す相手を陰からヒサトが排除していましたね。
今後も十郎に仇為す相手をヒサトが排除して行く展開になりそうか。
他の光永先生作品と世界観を共有しているのかも気になります。
4話に注目です!!
◆関連過去記事
・「棺探偵D&W」(光永康則著、少年画報社刊)第1話(月刊ヤングキング2012年1月号掲載)ネタバレ批評(レビュー)
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