紛糾する謎、混迷を極める事件、そして姿の見えない犯人。
そんな中、金田一少年の口から発せられた「謎はすべて解けた」。
そろそろ当ブログも結論を出したいぞ!!
ということで、通算3度目にわたる「今度こそ真犯人」にまたも挑戦!!
興味のある方は感想へどうぞ!!
ちなみに今回の犯人当てクイズが何時あるのかどうかも気になります。
【「薔薇十字館殺人事件」登場人物一覧】
金田一:主人公。最終エピソードまで犯人にも被害者にもならないでしょう。
美雪:言わずと知れた金田一少年のベストパートナー。最終エピソードまで犯人にも被害者にも(以下略)。
高遠遥一:ご存知「地獄の傀儡師」。今回に限っては犯人ではない。
白樹紅音:不動高校の教師、呪われし高校伝説に一役買いそうな予感。
佐久羅京:写真家。
祭沢一心:社長。第3の被害者に……。
冬野八重姫:フラワー・アーティスト。
月読ジゼル:歌人。
小金井睦:薔薇園経営者。第2の被害者に……。
禅田みるく:織物師。第4の被害者に……。
皇翔:第1の被害者。バラバラ死体で発見される。
毛利御門:薔薇十字館の執事を名乗る男。
ローゼンクロイツ:高遠に挑戦状を送りつけた怪人物。
<9話あらすじ>
・前回まではこちら。
【いよいよ佳境】「薔薇十字館殺人事件」第8話(「金田一少年の事件簿」、講談社刊「週刊少年マガジン」連載)ネタバレ批評(レビュー)
招待客のミッシングリンクに仲間外れが居ることを突き止めた金田一。
さらに「美咲」と「蓮花」という薔薇の品種に注目。
これこそが、被害者たちが恐怖していた対象であると気付く。
どうやら、ローゼンクロイツは「美咲」と「蓮花」を見せつけることで動揺した人物を標的として殺害しているらしい。
祭沢は風呂に浮かべられたコレを目にし、怯えて入浴しなかった。
だからこそ、殺害された。
そして、小金井は皇の死体に添えられたコレに怯え、逃げ出そうとした為に死亡したのだ。
同じ頃、高遠は父が口にした「お前は死ぬまで異母妹に会えない」と言葉を吟味していた……。
一方、金田一。
これでローゼンクロイツが標的を炙り出した方法も判明した。
だが、2つの不可能犯罪の壁が立ち塞がる。
まずは祭沢殺害の薔薇密室の謎。
祭沢の死体発見現場、その出入り口付近には薔薇が敷き詰められていた。
犯人はどうやって、敷き詰められた薔薇を踏むことなく脱出出来たのか?
祭沢の胸に縫いとめるように刺さっていた杭に注目する金田一。
さらに、出入り口の下にわずかな隙間を発見。
次いで、禅田殺害現場へ向かおうとするが……なんと、薔薇のアーチが毒薔薇に塞がれていた。
これでは、外回りからは移動できない。
仕方なく、地下を経由して発見現場へ。
其処は発見時と同じ状況であった。
扉付近からは大きなテーブルが禅田の死体を覆うように隠している。
禅田の死体付近にも、「美咲」と「蓮花」はばら撒かれているようだ。
あのときの状況を思い浮かべる金田一。
禅田の死体を発見し、室内へと踏み込んだのは金田一と高遠の2人。
高遠は「乱闘のようですね、着物の袖が破かれています」と考察。
これに、ジゼルが「射殺されたのよ」と口にした……。
金田一の脳裏に過る違和感、時計に関連して何かあったような……。
そんな金田一に、美雪は腕時計を見せる。
その瞬間、閃く金田一少年。
そして、あのセリフが!!
「謎はすべて解けた」―――10話に続く。
<感想&推理>
新シリーズ「薔薇十字館殺人事件」第9話です。
20周年記念のラストを飾る作品ということで、今回も力が入りまくりでしたね。
なんといっても雰囲気がいいですね、やっぱり「館モノ」は偉大です!!
そして、新事実が浮上する度に「白樹」、「毛利」、「佐久羅」とふらふら容疑者を変更し続けて来た管理人ですが、そろそろ結論を出そうと思います。
にしても、本当にふらふら変えてるなぁ……我ながら節操のない。
とはいえ、いよいよ結論……にしたい。
そんな管理人が指摘する犯人は「月読ジゼル」。
理由はただ1つ。
9話で「禅田殺害現場の振り返りが行われた」から。
この描写がある限り「少なくとも作者はジゼルを犯人と想定している」と考えられます。
「やっぱりか……」と思われた方、「え、なんで?」と思われた方、それぞれいらっしゃると思います。
早速、理由を。
今回、描写されたのはこんな感じ。
まず「禅田殺害時のテーブルの位置」。
次いで、禅田の死体に近付いたのは金田一と高遠のみとの事実確認。
そして高遠の「乱闘があったようだ」発言。
最後に「禅田が射殺された」とのジゼル発言。
ここから導き出されるのはただ1つ。
このシーンに大きな意味があるということ。
でなければ、まとめとでも言うべきこの時期にわざわざ描く筈がない。
では、この描写は何を指し示しているのか。
ジゼルからはテーブルが邪魔で凶器は見えない。
高遠は「乱闘」と格闘があったことを想起させる発言をしており、何も知らなければ禅田殺害法は刺殺などを思い浮かべる。
にも関わらず、ジゼルが「射殺」であると言い当てた?
いえいえ、これについては死体発見直後に金田一による「射殺された」との発言もあった。
不思議ではない。
問題は次。
テーブルが邪魔で凶器が見えないにも関わらず、ジゼルは「銀の矢による射殺」であると言い当てた。
つまり、テーブルの陰に隠れて見えない筈の凶器の色をジゼルが言い当てたことが問題。
だから、ジゼルが犯人。
「これについて前回も述べてたじゃん、なんでいまさら?」そんな声も聞こえてきそうです。
ええ、確かに既に述べています。
ですが、注目したいのは「このまとめの時期に再度、触れられた」こと。
それだけの理由がこのシーンにあるということ。
これを導き出す為に、テーブルで陰を作り、矢という凶器をセッティングしたのでしょう。
すべてはこのロジックの為、これにより「ジゼル犯人」を導くべし……とのメッセージに違いない!!
たぶん……いや、きっと。
そして、これこそ犯人が犯した3つのミスの1つでしょう。
コレがある限り、ジゼル犯人は動かない。
これで、もしもジゼル以外が犯人だった場合「あの描写はなんだったのか……」となってしまうし。
ちなみに他の2点は相変わらず分かってなかったりします。
1つはおそらく、禅田と同様に祭沢死体発見時の殺害方法に対する発言だと思われますが……。
さらに仲間外れの意味も分かっていなかったり。
でも、上記の1点で決まりでしょう。
動機は「ローズグランドホテル」の火事で母親を失ったことか。
この母親の名前が「美咲 蓮花」なのかな。
でもって、ジゼルにとっては誰が関係者かは皇以外に詳細を掴めていなかったものと思われます。
ちなみに、高遠の異母妹は既に故人のような気がしますね。
父の発言「死ぬまで会えない」=「死ななければ会えない」ということか。
これがローズグランドホテルの火災に絡むのか、そもそも全く関係ないのか。
でもって、ジゼルを犯人としたところで不可能犯罪のトリック解明を。
これについては過去記事で何度か言及している通りですが、もう少し詰めておきましょう。
まず、祭沢殺害。
今回、出入り口の下に隙間があることが強調されていたので、それを利用したトリック。
これまでは、床が回転すると考えていましたが、より厳密に「カーペットを回転させた」ものと思われます。
次に、禅田殺害。
これまでは「十字型の特性を活かし90度回転説」を唱えていましたが、「毛利を犯人とするボイラー室移動説」を主張しない限り、特に「90度に拘る必要がない」ことが判明。
なにしろ、「とりあえず、1階と地階がずれていればいい」ワケなので。
ただ、似た2部屋があることは以前の通り。
で、後は8話のネタバレ批評(レビュー)で述べた「佐久羅犯人説」を「ジゼル」に転用するだけ。
悲鳴を上げる、金田一たちが館内へ、こっそり外へ出て館内へ入るのコンボです。
でもって、両者に共通するのは「点を中心に角度をつけずらすこと」ですね。
これについては時計がヒントになるのでは……との予測も当たったので満足です。
さぁ〜〜〜て、いよいよ「ジゼル犯人説」を主張してしまった管理人。
今更ながら「本当に大丈夫か」との不安を抱えつつ、次回の展開を見守りたいと思います。
えっ?ああ、もちろん新事実が出てくれば前言撤回することも……あったりして。
そのときは、笑って許して下さると助かります。
思えば、この言葉は偉大です。
「ゆえあれば、自説も翻すんだよ(byシーマ・ガラハウ 「機動戦士ガンダム0083」より)」
いや、あれは「寝返るんだ」ったか。
【9話感想】
冒頭でも述べたけど、今回も面白かったですね。
ただ、9話まで読んでの感想だけど、本作は「難易度が高い」のではなく「手掛かりとなるべき絶対的な情報量が少ない」ような気がするなぁ。
そもそも館内は十字で見通しがいい筈なので「1階ホール中央の白樹と南に居た佐久羅が互いにアリバイを証言」したり「地下ホール中央の毛利と南に居た高遠が互いにアリバイを証言」出来たりしても不思議ではない(一直線上に居る筈)のに、それをしないし。
「ローゼンクロイツ」に呼び出された以上、周囲を警戒しても不思議ではないと思うが。
全員が揃いも揃って、天井でも眺めていたのだろうか……。
この為に、現状だと結構恣意的に全員のアリバイを崩すことが可能なのが不安要因。
でもって、何より主張したいことが1つ。
持ち物検査をすべきでしょう。
9話は此処まで。
以上を踏まえつつ、10話に期待!!
ちなみに「香港九龍財宝殺人事件」が2013年1月12日土曜日にドラマ放送されました。
ドラマ版について詳しくはこちらをどうぞ!!
ドラマ版はブルーレイ、DVDも発売とのこと、興味のある方はアマゾンさんのリンクを下記に用意したのでどうぞ!!
・ドラマ版「金田一少年の事件簿 香港九龍財宝殺人事件・アジア北米同日放送〜美雪誘拐!破滅の街の悲劇…死体出現密室トリックの謎はすべて解けた!」(1月12日放送)ネタバレ批評(レビュー)
さらに「リアル脱出ゲーム」さんとコラボすることも判明。
タイトルは「からくり館からの脱出」とのこと。
さらに「若桜町ミステリーウォーキング 〜消えた金田一少年を追え!!〜」イベントも開催予定。
こちらも注目です!!
・超イベント開催判明!!「金田一少年の事件簿×リアル脱出ゲーム『からくり館からの脱出』」とは!?
・「金田一少年の事件簿」ファンは鳥取へ向かえ!!「若桜町ミステリーウォーキング 〜消えた金田一少年を追え!!〜」が2012年11月3日、4日開催予定!!
◆「薔薇十字館殺人事件」関連過去記事
・「薔薇十字館殺人事件」第1話(「金田一少年の事件簿」、講談社刊「週刊少年マガジン」連載)ネタバレ批評(レビュー)
・【トリック予想開始】「薔薇十字館殺人事件」第2話(「金田一少年の事件簿」、講談社刊「週刊少年マガジン」連載)ネタバレ批評(レビュー)
・【第1回犯人予想】「薔薇十字館殺人事件」第3話(「金田一少年の事件簿」、講談社刊「週刊少年マガジン」連載)ネタバレ批評(レビュー)
・【第2回犯人予想】「薔薇十字館殺人事件」第4話(「金田一少年の事件簿」、講談社刊「週刊少年マガジン」連載)ネタバレ批評(レビュー)
・【薔薇密室のトリックに挑戦!!】「薔薇十字館殺人事件」第5話(「金田一少年の事件簿」、講談社刊「週刊少年マガジン」連載)ネタバレ批評(レビュー)
・【第4の殺人トリック予想】「薔薇十字館殺人事件」第6話(「金田一少年の事件簿」、講談社刊「週刊少年マガジン」連載)ネタバレ批評(レビュー)
・【犯人を絞り込みました!!】「薔薇十字館殺人事件」第7話(「金田一少年の事件簿」、講談社刊「週刊少年マガジン」連載)ネタバレ批評(レビュー)
・【いよいよ佳境】「薔薇十字館殺人事件」第8話(「金田一少年の事件簿」、講談社刊「週刊少年マガジン」連載)ネタバレ批評(レビュー)
・「薔薇十字館殺人事件」は2012年12月26日より「週刊少年マガジン」にて連載開始!!
・「金田一少年の事件簿」20周年記念最終エピソードのタイトル判明、その名も「薔薇十字館殺人事件」!!遂に「あの人」も登場!?
◆シリーズ関連過去記事
・「金田一少年の事件簿」より「香港九龍財宝殺人事件」のまとめはこちら。
「香港九龍財宝殺人事件」(「金田一少年の事件簿」、講談社刊「週刊少年マガジン」連載)まとめ
・「金田一少年の事件簿」より「暗黒城殺人事件」のまとめはこちら。
「暗黒城殺人事件」(「金田一少年の事件簿」、講談社刊「週刊少年マガジン」連載)まとめ
・「金田一少年の事件簿」より「人喰い研究所殺人事件」のまとめはこちら。
「人喰い研究所殺人事件」(「金田一少年の事件簿」、講談社刊「週刊少年マガジン」連載)まとめ
・「金田一少年の事件簿」より「ゲームの館殺人事件」のまとめはこちら。
「ゲームの館殺人事件」まとめ(「金田一少年の事件簿」より)
・「金田一少年の事件簿」より「錬金術殺人事件」のまとめはこちら。
「錬金術殺人事件」まとめ(「金田一少年の事件簿」より)
・同じく「高度1万メートルの殺人」のまとめはこちら。
「高度1万メートルの殺人」まとめ(「金田一少年の事件簿」より)
・さとう先生による読み切り「トキメキトキナ消失宣言」のネタバレ批評(レビュー)はこちら。
「別冊少年マガジン」(講談社)より「トキメキトキナ消失宣言」ネタバレ批評(レビュー)
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◆金田一少年の事件簿シリーズコミックはこちら。
◆金田一少年の事件簿シリーズ映像作品はこちら。
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