ネタバレあります、注意!!
第6話登場人物一覧:
黒峰朝陽:主人公、通称「アナザル」。
白神葉子:朝陽の意中の人物。ある秘密が……。
藍澤渚:クラス委員長。彼女にも秘密が……。
朱美みかん:朝陽の幼馴染。新聞部所属。通称「オレンジ」。
岡田:朝陽の友人の1人。割と友人想いの様子。
嶋:朝陽の友人の1人。軽い。
<ネタバレあらすじ>
〜〜〜これまでのあらすじ〜〜〜〜
「アナザル」こと「絶対に秘密を守れない男」黒崎朝陽は憧れのヒロイン・白神葉子の秘密を知ってしまった。
その秘密とは「白神葉子がハーフの吸血鬼である」こと。
朝陽は葉子の為に、この秘密を守らねばならない―――。
取り巻く人々を相手に、朝陽は秘密を守り抜くことが出来るのか?
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
時は放課後、場所は教室。
委員長こと藍澤渚から「葉子のことばかりを見ている」と指摘された朝陽。
「そんなにも分かり易いのだろうか」と今更ながら悩む彼の目の前で当の想い人は呑気に弁当を食べていた。
ああ、何故肝心な葉子にこの想いは伝わらないのだろうか……溜息ばかりを吐き続ける朝陽。
葉子はと言えば、弁当のおかずに一喜一憂している。
よほど楽しみにしていたのだろう、表情から甘い辛いなど、どんな味を楽しんでいるのか丸分かりだ。
この様子を見た朝陽はふと「(葉子は)分かり易いよね」と洩らしてしまう。
これを聞きつけた葉子、流石に朝陽に言われるのは心外だとばかりに押し黙る。
そのまま沈黙……するかと思いきや、よほど納得できなかったのであろうか。
クールビューティーを目指す葉子にとって、あってはならないことであると主張。
葉子はどちらがより分かり易い人間か朝陽に「ババ抜き」を挑む!!
これを真っ向から受けて立つ朝陽。
だが、彼らは知らなかったのである……互いのレベルを。
手札が配られ、初期状態で朝陽の手元にジョーカーが。
朝陽の表情を見遣った葉子はジョーカーの位置を確認すると、それを避けるようにゲームを進める。
結果、第一ラウンドは葉子の圧勝である。
続いて第2ラウンド。
今度は葉子の手元にジョーカーが。
朝陽もまた表情からこれを確認すると、それを避けるようにゲームを進める。
結果、第2ラウンドは朝陽の圧勝に終わる。
「やった〜〜〜初めて勝った!!」
狂喜乱舞する朝陽。
心底、悔しがる葉子。
賢明なる読者諸氏にはお分かりであろう。
朝陽と葉子の間では、初期手札にジョーカーを持った者が負けるのだ。
何度も繰り返すうちに、認めたくないがその事実に気付いた2人は愕然としてしまう。
まさか、そんなまさか……ゲームが成立していないとは!!
言葉もない朝陽。
これにプライドを痛く傷つけられた葉子は、次なるゲームの提案を。
モノはみかんより差し入れされたロシアンシュークリームだ。
先の「葉子宅訪問遭難事件(4話)」の意趣返しらしい。
葉子によれば1つだけ外れがあるそうだが……。
朝陽の背中を悪寒が走る。
あのみかんが1つだけで済ませるだろうか?
そんな朝陽の気も知らず葉子はロシアンシュークリームを開始。
無造作に1つまるごと呑み込むが……。
席を立つと無言のまま外へと消える葉子。
暫くして戻って来た彼女の顔は青褪めていた。
明らかにヤバい!!
だが、葉子は己のプライドをかけ次のシュークリームに挑む。
1つに手を伸ばしかけ、その重さに違和感を抱く葉子。
と、その目に何故か動くシュークリームが。
もはや、確認するまでもない完全にヤバい!!
いやでも、(みかんが)食べられる言うとったもん……みかんの言葉を信じ次のシューに手を伸ばす葉子。
馬鹿な……みかんの言葉を信じるなんて詐欺師の言葉を信じるよりも危険だ!!
朝陽の心の声を聞くこともなく、葉子は雄々しく次のシューを口にした。
だが、反応がない。
良かった、流石にみかんと言えど葉子相手にハッスルするほど無分別では無かったか……安心する朝陽。
だが、静かなる葉子は虚空の一点を眺め続けている。
そして……やおら羽を広げると教室内を飛び始めた。
「はばねろ、たかのつめ〜〜〜」
叫びながら空をのたうつ葉子。
どうやら、みかんに分別を期待したこと自体が誤りだったようだ。
こんなところを誰かに見られたら!!
必死に葉子を押し留める朝陽の懸念は当たる。
ガラガラと戸板の音と共に現れたのは……委員長こと藍澤渚!!
渚は空を飛ぶ葉子を見て凍り付く―――7話に続く。
<感想>
「週刊少年チャンピオン」にて「さくらDISCORD」を連載されていた増田英二先生の新作。
「さくらDISCORD」は未読の管理人ですが、1話を読んで注目している作品です。
本作、かなり面白い!!
今回物凄く良かった!!
3話、4話に続く出来で、思わずゲラゲラ笑ったほど。
かなり良いバランス。
渚に秘密を目撃された葉子ですが、渚は地球人のことを知らないだけに「羽が生えて空を飛ぶことも地球人には可能なのか」とある種の特殊技能として納得してしまう展開かな。
これに納得したことを逆に驚く朝陽と葉子的な感じかも。
ちなみに、今回のサブタイトルは「ドングリの背比べ」からですね。
朝陽と葉子、実はどっちもどっちでした。
「ババ抜き」「ロシアンシュークリーム」「ラスト」と山場が3回もあり贅沢でした。
そして、朝陽の特異体質が活かされたのも二重丸。
みかん不在であるものの「不在の在」とでも言うべきインパクトも圧巻。
本当にバランス良し!!
本作に興味を持たれた方には、是非、「週刊少年チャンピオン」本誌を捜して読んで欲しい。
最近の「週刊少年チャンピオン」は「名探偵マーニー」や本作など本当に粒揃いでクオリティが高い作品が多い。
注目の雑誌の1つと言えるでしょう。
◆関連過去記事
・「実は私は」第1話「告白します!」(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)
・「実は私は」第2話&第3話「弁当を食べよう!」(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)
・「実は私は」第4話「お見舞いに行こう!」(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)
・「実は私は」第5話「真面目に授業を受けよう!」(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)
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