<あらすじ>
京都の路上で女性を狙った猟奇的連続殺人事件が発生する。それは、絞殺したのちに被害女性のハイヒールを右手首に括りつけるという奇異な手口で、立て続けに3人の犠牲者が出ていた。第3の殺害現場近くで、偶然、逃走する犯人を目撃し、遺体の第一発見者となった盆六(橋爪功)は、現場に駆けつけた京都府警嘱託プロファイラーの朝生斗馬子(萬田久子)とアシスタントでフリーライターの岳見笙子(遊井亮子)に遭遇する。斗馬子は、アメリカの大学でプロファイリングを学び、FBIにも所属していたバリバリのプロファイラーだった。
京都府警の捜査本部で再会した盆六と斗馬子。ヘンテコな方言をはじめ、盆六の言動が癇に障る斗馬子は、野呂盆六を“ぼろのんろく”と呼ぶなど、不快感を露わにする。これには盆六も、なにかと斗馬子に突っかかり、ますます彼女の機嫌を損ねるのだった。そんななか、斗馬子は連続絞殺魔について、“雨”“水曜日”“右手”“ハイヒール”“紫”の5つが犯人に結び付くキーワードだとプロファイリング。そこから、斗馬子のクリニックでカウンセリングを受けている患者の楢井伸至(波岡一喜)が捜査線上に浮かびあがる。伸至は、ネットで自作の絵を売る一方、ボランティアで近所の子どもたちや施設のお年寄り相手に自作の紙芝居をする好青年だった。
斗馬子の説明によると、伸至の紙芝居には問題の5つのキーワードすべてが隠されているうえ、そのキーワードはすべて伸至の母親との辛い体験と結びついているという。斗馬子が盆六たちに見せたカウンセリングの映像がすべてを物語っていた。そこには、5つのキーワードが自身の根深いトラウマになった過程を語る伸至の姿があった。それを見た勝間(小木茂光)たちは、幼少の頃から母親に抑圧されてきた伸至の母親への歪んだ愛と憎悪が、今回の事件を引き起こしたと推測する。だが、その推測に釈然としない盆六は、直接、伸至と会ってみるが・・・。
翌日、斗馬子から緊急の招集を受け、捜査本部に集まった盆六たち。相変わらず斗馬子と意見を対立させる盆六に、斗馬子は伸至のカウンセリングの極秘映像を見せる。そこには、「水曜の夜に雨が降るとモヤモヤして、気がつくと、ハイヒールの女の後をつけている」と話す伸至の姿が映っていた。「その映像を本当は見せたくはなかった」という斗馬子だが、盆六が伸至と会ったことで事態が変わったという。そして、第4の殺人の可能性を示唆する斗馬子。斗馬子の話では、連続殺人犯は進化するため、キーワードにもこだわらなくなり、「早ければ、明日にでも」新たな犯行に及ぶ危険性があるという。
一方、斗馬子の評伝を執筆中の笙子は、斗馬子の実の父に興味を示し、取材していた。斗馬子の母親は優れた教育者だったが、父親は彼女が小学生のときに死亡。斗馬子の原点は父親だと考えていた笙子は何らかの情報をつかみかけていた。
そして、第4の猟奇殺人が発生。犠牲になったのは、あろうことか、笙子だった。雨でも水曜日でもなかったが、笙子の遺体には右手首に紫色のスカーフでハイヒールが括られていたのだ。さらに、府警の捜査で伸至の容疑を裏付ける証拠が次々と発見され、笙子が殺害された時間に現場近くにいたこともわかる。だが、伸至が犯人ではないと推理する盆六。真犯人は伸至を利用している。そう考える盆六だったが、伸至が逃走。いったい、なぜ!?
伸至の無実を信じる盆六は、殺された笙子の手に書かれていた携帯電話の番号を手掛かりに、真犯人の過去に隠された真実を突きとめる!
(公式HPより)
では、続きから……(一部、重複アリ)。
猟奇連続殺人事件が発生。
被害者は絞殺された後に、右手首にハイヒールを括りつけられるとの凄惨な姿で発見されていた。
これに対し、プロファイラーの朝生斗馬子は自身の患者の1人・楢井伸至が犯人だと主張する。
伸至は父親が大量殺人事件を起こし逮捕され自殺、母親は若くして彼を産んだ後に奔放な異性関係を結び、伸至に虐待紛いの教育を施していた。
その象徴が母からの叱責であり右手でぶたれた記憶。
それこそが今回の事件に至った動機である―――だからこそ右手にハイヒールを括り付けたのだ。
そう分析する斗馬子。
だが、これに対し盆六は斗馬子自身の行動に疑惑を抱く。
あまりに伸至に批判的に過ぎたのだ。
矢先、猟奇殺人の新たな被害者が発生。
今度の被害者は斗馬子の助手・笙子であった。
笙子は斗馬子のルーツを追っていたらしいが……。
斗馬子の自伝によれば、彼女の母は厳格な教育者。
父はテディと愛称で呼ばれていたそうだ。
笙子の追っていた事実に興味を抱いた盆六はこれを引き継ぐことに。
結果、アニキと呼ばれる人物に辿り着く。
そして、明かされた真実とは―――。
斗馬子もまた伸至と同じ境遇で育っていたのである。
盆六はアニキから斗馬子の過去を聞き出すことに成功したのだ。
アニキとは斗馬子の母・詩京の文字通り兄貴分に当たる人物であった。
アニキによれば、斗馬子の父・テディは熊堂林蔵と呼ばれた死刑囚だったのだ。
これこそが、斗馬子の隠しておきたい秘密であった。
この秘密に迫った為に笙子は殺害されたのだ。
しかも、伸至の境遇に自身と同じものを見出した斗馬子はいつしか彼にシンクロし憎悪を募らせていた。
これまでの猟奇殺人事件の犯人も斗馬子だったのである。
さらに、斗馬子の2番目の父は不審な転落死を遂げており、母である詩京自身もまた不審な死を……。
これにも斗馬子が関与していると考える盆六だが……。
斗馬子は証拠が無いと一笑に付す。
だが、盆六は証拠も用意していた。
なんと、伸至の母は左利きであったである。
つまり、斗馬子の分析は外れていたことになる。
右利きだったのは詩京であった。
さらに笙子を紫のスカーフで絞殺出来るのは斗馬子しか居なかった。
こうして動かぬ証拠により罪を認める斗馬子。
そんな斗馬子に、2番目の父親と朝生詩京の死も斗馬子の犯行だと断言するのだった。
だが、連行される斗馬子は2番目の父親の殺害は否定。
それは詩京の犯行だったのである。
これもまた斗馬子の人格形成に大きな影響を与えたのかもしれない―――エンド。
<感想>
「天才刑事・野呂盆六」シリーズ7作目。
シリーズ前作は2011年9月17日に放送されているので実に1年半ぶりの新作となりました。
前作については、感想の後に過去記事があります。
興味のある方はどうぞ!!
シリーズの生みの親だけに当然と言えば当然ですが、脚本は長坂秀佳先生。
長坂先生は「江戸川乱歩賞」を受賞したミステリ作家でもあります
詳しくは下記過去記事をどうぞ!!
・「刑事・野呂盆六シリーズ」の脚本家・長坂秀佳先生がミステリ作家であることを知っていますか?
では、ドラマ感想。
諸事情により移動しながらの視聴となりました。
飛び飛びだったのですが、管理人的にはあらすじのような理解になります。
どちらかと言うと、サスペンスよりもネタ的な作品だったような印象。
プロファイルの内容もプロファイルと言うよりはこじつけに近い点もあり、やっぱりネタ的な作品だったのかなぁ……。
パープルマンとか、ハイヒール型の馬とか……遊びの要素がかなり見受けられたのが特徴的でした。
◆関連過去記事
・土曜ワイド劇場「天才刑事・野呂盆六(5)〜いい死、旅立ち〜富山・宇奈月温泉復讐殺人!難病の娘と父を奪った男を殺せ!哀しき美女の挑戦状」(6月12日放送)ネタバレ批評(レビュー)
・土曜ワイド劇場「天才刑事・野呂盆六(6)〜哀しみ館の惨劇!殺しを見られた令嬢に迫る姿なき脅迫者!青のトラウマの恐怖!千羽鶴に隠された美人母子の秘密〜」(9月17日放送)ネタバレ批評(レビュー)
<キャスト>
野呂盆六:橋爪功
朝生斗馬子:萬田久子
楢井伸至:波岡一喜
岳見笙子:遊井亮子
勝間吾郎:小木茂光
田久保則夫:渡辺 穰
朝生詩京:赤座美代子
アニキ:伊吹吾郎 ほか
(公式HPより、敬称略)
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ありがとうございました^_^
こんばんわ!!
管理人の“俺”です(^O^)/!!
確かに、直前のCMも場合によりけりですよね。
見逃してしまう原因になる場合もあるし。
飛び飛びの視聴となったので、拙いあらすじになっていますが、お役に立てたようで良かったです(^O^)/!!
(感想)
1、「ちょっと…」の理由ですが、盆六シリーズらしくない点が、多々見受けられた事にあります。まず、盆六の真骨頂である、真相を言い当てるときの、訛りがなくなって標準語になる部分、今回、そうなったのは、私が記憶している範囲の中では、最後の部分だけでした。過去作を見ると、それなりに、標準語になる時間が確保されていた気がします。あまりにも短くて、ちょっと驚いてしまいました。
2、その次に、今作は、初期の作品の構図である、「盆六VS大物女優」の形が復活した回となりました。前々作は、「親族の名前をアナグラムにする」に代表される様に、やり過ぎ感が否めなかったですし、前作は、3姉妹の形は取っているものの、推理の内容は「お茶の子さいさい」といった遊び心もありつつ、適度に凝っていたのですが、この2作とも初期の構図を取ってはいませんでした。今回、初期の構図が復活したので、前作で見られた適度な凝りと遊び心が入っていることを期待していたのですが、管理人さんの言われる「ネタ的作品」だった気がしてなりません。「適度な凝り」という点では、凝っているというよりも、無理矢理感は否めませんでした。「遊び心」の方は、ありましたが…。
3、その反面、最近の盆六シリーズでは、お目にかからなかった、1人置いてけぼりを食うシーン、出てきました。これは良かったですね。
4、「ちょっと…」という気持ちになってしまったのは、萬田さんの独特の雰囲気が、前面に、そして、強く出ている気がしてしまって、盆六が、かすんだように感じてしまったからかもしれません。萬田さんの役を遊井さんがされていらしたら、どうなったのかな?などと想像してみていますが(笑)。
今回は、良い点を見つけたかったのですが、難しかったですね。次回作に期待しましょう!
こんばんわ!!
管理人の“俺”です(^O^)/!!
1.ああっ確かに。
管理人も違和感を抱いていたのですが、其処だったんですね。
ラストだけ標準語でした。
2.意欲的過ぎてその意図がドラマに上手く反映されていないのかもしれませんね。
3.車に置いて行かれるシーンですね。
其処は視てました(^O^)/!!
4.女優さんの個性が前に出過ぎたのかもしれませんね。
仰る通り、今回の犯人はニュートラルな方の方が良かったかもしれません。
やっぱり、流石にネタ的な回でしたよね。
同じく次回に期待!!
こんばんわ!!
管理人の“俺”です(^O^)/!!
役者さん、やっぱりスゴイですよね。
格好良い方やお綺麗な方が多いし、衣装のセンスが優れていらっしゃる方も多いです!!