2013年03月15日

「実は私は」第7話「全部忘れよう!!」(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

「実は私は」第7話「全部忘れよう!!」(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)です。

ネタバレあります、注意!!

第7話登場人物一覧:
黒峰朝陽:主人公、通称「アナザル」。
白神葉子:朝陽の意中の人物。ある秘密が……。
藍澤渚:クラス委員長。彼女にも秘密が……。
朱美みかん:朝陽の幼馴染。新聞部所属。通称「オレンジ」。
岡田:朝陽の友人の1人。割と友人想いの様子。
嶋:朝陽の友人の1人。軽い。

<ネタバレあらすじ>

〜〜〜これまでのあらすじ〜〜〜〜

「アナザル」こと「絶対に秘密を守れない男」黒崎朝陽は憧れのヒロイン・白神葉子の秘密を知ってしまった。
その秘密とは「白神葉子がハーフの吸血鬼である」こと。
朝陽は葉子の為に、この秘密を守らねばならない―――。
取り巻く人々を相手に、朝陽は秘密を守り抜くことが出来るのか?

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

(6話より)羽を生やし空を飛ぶ葉子、その姿をバッチリ目撃した渚。
そして、この事態をどう言い訳すべきか硬直する朝陽。

遂に破局の時が……と思いきや。

「白神さん、同じだったのね」
渚はぽつりと呟くや「どこの異星人だ!!此処は私たちのエリアだ!!」と本体が飛び出し光線銃を突き付ける。

「「へっ!?」」
呆気にとられる朝陽と、ミニ渚に自身のピンチも忘れ興味津々の葉子。
特に葉子は問われるがままに「異星人も何も、吸血鬼やけど」と正直に応じてしまう。

「吸血鬼ィ!?」
今度は渚が驚く番だ。

葉子と渚、此処で互いに隠すべき正体を明かしてしまったことにハタと気付く。
気まずい沈黙―――。

数分後、葉子と渚は壁に向かい正座すると互いに反省会を開いていた。
いち早く、立ち直ったのは渚だ。

「相手は吸血鬼、人間じゃないからバレても良い筈だ」
理論武装を果たすと葉子に歩み寄りを見せる。
これに葉子も安心感を抱いた様子。
弱味を見せ合った2人は互いに忘れることにしようと協定を結ぶ。

だが、目撃者はもう1人居た。
そう……朝陽である。

葉子の秘密に加え、渚の秘密まで。
アナザルとして知られる朝陽には荷が重い。

意を決した渚は、保身の為に朝陽の記憶を「自称・記憶消去装置」で奪おうとする。
だが、その手にしたモノはどう見てもただの金槌だ。
そして、使用法も至ってシンプル。
叩いて忘れさせる……要はただの金槌である。

これに恐れ戦いた朝陽はその場を逃走することに。
このまま逃げられ秘密がバレては……焦った渚は金槌を手に朝陽の後を追う。
1人、残された葉子は何やら考え込んで……。

逃げる朝陽、追う渚。
渚の姿はさながら、民話に登場する山姥の如し。

放課後の学校で、学内で1、2を争う美少女が金槌を振り上げ男子生徒を追っている。
ある意味、その筋の人にとってはご馳走な光景であろう。
だが、そんなことは当事者には関係ない。

逃げる朝陽に渚は「素性がバレると罰を受けなければならない」と説明。
その為に犠牲になってくれと訴える。
少し心が動いた朝陽はどんな罰か尋ねてみることに。

「母上にお尻ぺんぺんされるんだ!!この年でそんなのは絶対に嫌だ!!」
心が動きかけた朝陽だが、そんな自分を反省せざるを得なかった。

あくまで逃走を続ける朝陽に業を煮やした渚は「記憶を消去すれば葉子も安全になる」と持ちかける。
途端、朝陽の足が止まった。

真顔のまま、何やら真剣に悩み込み始める朝陽。
もしも、自分が葉子の秘密を守りきれなかったら……それを考えれば此処で秘密を忘れる方が良いのかもしれない。
自身のときと違い、葉子のことを思いやる朝陽の姿にショックを受ける渚。

意を決した朝陽は、葉子を守る為に金槌を受け入れることに。
出来れば、委員長(渚)の分も含めて1回でお願い……そう口にする朝陽。
一瞬、躊躇うも振り上げた金槌を下ろす渚。

しかし、金槌は朝陽に当たることは無かった。
葉子が飛び出して来たのだ。

葉子は自身の為に朝陽が犠牲になる必要はないと主張。
それが約束だったと告げ、秘密を忘れる必要はないと断言する。

信頼し合う朝陽と葉子の姿を目にした渚は、朝陽への想いを胸に秘め完敗を認めることに。
さて、愛は強しで終わると思いきや……。

「いやいや、ええねん。黒峰君は藍澤さんのことが好きなんやろ。ほらほら」
何故か、葉子が朝陽と渚の仲を取り持とうとする。

「私は恋愛に敏感やから。分かってるよ、ホンマ」
執拗に朝陽と渚をくっつけようとする葉子。

「「鈍感っっっ!!」」
そんな葉子に、朝陽と渚は声をハモらせて叫ぶ。

結果。

あああ、なんでこの人はこんなに鈍いんだろう……嘆く朝陽。
えっえっ、なんで私が責められるん……意味も分からず狼狽える葉子。
2人とも相思相愛ってワケでもないんだ……チャンスを見出す渚。
三者三様の世界が繰り広げられるのであった―――8話に続く。

<感想>

「週刊少年チャンピオン」にて「さくらDISCORD」を連載されていた増田英二先生の新作。
「さくらDISCORD」は未読の管理人ですが、1話を読んで注目している作品です。
本作、かなり面白い!!

ある意味、6話の後編とも言える7話。
今回も秀逸。
3話、4話、6話と本当にクオリティが高い。

渚の登場により、みかん以外でも物語を展開できるキャラクターが増えたのは大きい。
葉子、みかん、渚と軸が増えたことで物語の展開の幅も大きく広がりましたね。

そして、男ぶりを発揮しつつ報われない主人公・朝陽。
彼の想いが報われる日は来るのか……?

葉子のキャラがまた不動のヒロインぶり。
此処までのインパクトを持つヒロインはなかなか居ないぞ。

本作に興味を持たれた方には、是非、「週刊少年チャンピオン」本誌を捜して読んで欲しい。
最近の「週刊少年チャンピオン」は「名探偵マーニー」や本作など本当に粒揃いでクオリティが高い作品が多い。
注目の雑誌の1つと言えるでしょう。

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posted by 俺 at 12:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 漫画批評(レビュー) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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