2013年03月23日

「実は私は」第8話「日焼け対策をしよう!」(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

「実は私は」第8話「日焼け対策をしよう!」(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)です。

ネタバレあります、注意!!

第8話登場人物一覧:
黒峰朝陽:主人公、通称「アナザル」。
白神葉子:朝陽の意中の人物。ある秘密が……。
藍澤渚:クラス委員長。彼女にも秘密が……。
紅本:教師。
朱美みかん:朝陽の幼馴染。新聞部所属。通称「オレンジ」。
岡田:朝陽の友人の1人。割と友人想いの様子。
嶋:朝陽の友人の1人。軽い。

<ネタバレあらすじ>

〜〜〜これまでのあらすじ〜〜〜〜

「アナザル」こと「絶対に秘密を守れない男」黒崎朝陽は憧れのヒロイン・白神葉子の秘密を知ってしまった。
その秘密とは「白神葉子がハーフの吸血鬼である」こと。
朝陽は葉子の為に、この秘密を守らねばならない―――。
取り巻く人々を相手に、朝陽は秘密を守り抜くことが出来るのか?

矢先、実は宇宙人であった委員長・渚も加わって……。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

(7話より)葉子と渚は互いに互いの秘密を共有することとなったが……。

雨の朝は憂鬱だ。
それはアナザルこと朝陽にとっても同様である。

だが、その日の雨は朝陽には嬉しい雨となった。
登校途中で想い人である葉子に出会ったのだ。
普段は日光を浴びると真っ黒に日焼けしてしまう為に、陽が昇る前に登校しなければならない葉子。
だが、雨の日は日光が雲に覆われる。
しかも、傘をさすことが出来るので日焼けを避けられるらしい。
大喜びの葉子に微笑ましさを感じる朝陽だったが……。

登校した2人に声をかける人物があった、渚である。
と、葉子を見た渚が硬直する。

葉子の白磁の肌は、珈琲を吸い上げたかのように真っ黒に染まっていた。
そう……日焼けしたのだ。
何故なら……雨は途中で止んでしまい晴れ間が訪れていたからである。

明らかに失敗であった。
天気予報に対し、不満をぶつける葉子。
事情を説明された渚は、葉子の弱点克服に協力を申し出る。
教官を気取る渚に、葉子もまた大乗り気である。
朝陽は不安を覚えるが……。

早速、校庭へと出向いた葉子と渚。
渚は弱点である日差しは弾丸と同じだと主張。
日陰に隠れ、弾幕が途切れた隙を突き、日陰から日陰へ移動するようにと告げる。

さて、日陰に隠れる葉子。
だが、お分かりの通り日差しは弾幕と違い途切れることは無い。
泣いて渚に訴えることに。
まさか……敵のあまりの強大さに挫折する渚。

これを傍から眺めていた朝陽は彼女たちの真剣さに打たれるが、同時に諦めも感じ取っていた。
彼女たちの努力は残念ながら実ることは無いだろう……。
だが、その努力は美しい。
瞳に涙を浮かべる朝陽、その隣には何時の間にか教師の紅本の姿が。

そして、朝陽は気付いた。
今が登校直後、つまり授業時間にあたることに。
つまり、意図せず授業をサボタージュしたことになるのだ。

こうして、紅本より大目玉を頂いた朝陽たちは授業を受けることに。
でもって、放課後―――未だ熱の冷めやらない渚と葉子は打倒太陽光を目指して特訓を重ねるのであった。

翌朝、登校途中の朝陽は葉子と渚に出会う。
葉子は何故か体操服に身を包んでいる。
どうやら、特訓は遅くまで続き渚は葉子宅に泊まり込んだらしい。
その甲斐あって、教えるべきことは教え尽くしたと語る渚。

だが、たった1日で教えられることにどのような意味があるのだろうか……何やら嫌な予感に囚われる朝陽。
その予感はすぐに証明された。

特訓の成果を示すとばかりに、葉子がとった行動は「日陰の中だけを移動する」とのもの。
言うなれば、昨日とさして進歩はしていない。

日陰を辿り移動し続ける葉子。
だが、体操服と言うスタイルとその異様な行動に周囲の注目を集めてしまう。

心が折れかける葉子。
そんな葉子を励ますべく、朝陽と渚は体操服に着替え共に挑むことを誓う。
確認された友情は美しい。
だが、彼らの前に立ちはだかる大きな壁が。

なんと、見渡す限り影になる物のない開けた場所に出てしまったのだ。
もはや、日陰移動は不可能である。
再度、挫折を味わう朝陽たち。

他に方法は無いのか……。
渚は紫外線を遮る宇宙服しか……と洩らす。

ここでふと朝陽が呟く。
「日焼け止めとか使ってみたら……って、これは流石にないか」
「まさかぁ」と応じる渚。
1人、葉子だけは無言で何やら考え込むが……。

まさか……。

翌日、何故か日差しの中を日焼けすることなく歩く葉子の姿があった。
葉子は朝陽と渚の姿を認めると逃げるようにその場を去ってしまう。

まさか……。

それから数日間、同じ調子の出来事が続いた。
葉子は特に日焼けした様子が無い。

まさか……。

遂に逃げる葉子を捕まえた朝陽と渚。
追い詰められた葉子は「実は私は……」と告白を始める。
「「いや、言わなくても分かってる」」朝陽と渚の声がハモる。

だが、葉子の告白は止まらない。
「実は私は……日焼け止めを使ってます」
今更ながらの告白に「あちゃー」と天を仰ぐ朝陽と渚。
葉子によれば、これまで日焼け止めを使ったことが無かったらしい。
何故、その発想に至らなかったのだろうか。
「これまでの苦労は一体……」俯いてしまう葉子であった―――9話に続く。

<感想>

「週刊少年チャンピオン」にて「さくらDISCORD」を連載されていた増田英二先生の新作。
「さくらDISCORD」は未読の管理人ですが、1話を読んで注目している作品です。
本作、かなり面白い!!

7話に続き、朝陽、葉子、渚パターン第2弾。
良かったですね!!

特に「登校直後の特訓→途切れぬ日差しに挫折→実は授業時間中」のコンボは効いた。
読んでて吹き出した。

次いで、ラストの「日焼け止め」。
これまた引っ張り具合と落とし方が秀逸。

今回もかなりの完成度ですね!!

紅本先生も名前に色が含まれているので、何か秘密のあるキャラの予感。
次回は彼女が絡むか。
要注目!!

本作に興味を持たれた方には、是非、「週刊少年チャンピオン」本誌を捜して読んで欲しい。
最近の「週刊少年チャンピオン」は「名探偵マーニー」や本作など本当に粒揃いでクオリティが高い作品が多い。
注目の雑誌の1つと言えるでしょう。

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