2013年03月21日

「相棒season11(eleven)」最終話(最終回、第19話)「酒壺の蛇」(3月20日放送)ネタバレ批評(レビュー)

「相棒season11(eleven)」最終話(最終回、第19話)「酒壺の蛇」(3月20日放送)ネタバレ批評(レビュー)です!!

日本で100番目に早い(たぶん)、「相棒season11(eleven)」最終話(最終回、第19話)「酒壺の蛇」(3月20日放送)ネタバレ批評(レビュー)。

<ネタバレあらすじ>

その日、甲斐(成宮寛貴)は朝から苛立っていた。
ある電話が原因である。
電話の主は峰秋―――つまり、甲斐の父親だ。

漏れ聞こえる内容によれば、どうも峰秋が甲斐に対し再就職を勧めている様子だ。
聞く耳を持たず、苛立ち紛れに電話を切る甲斐。

その目の前のテレビではトウア民主共和国にて某国のスパイが拘束されたとの報が流れていた……。
レッドシステムに関わるスパイ容疑だそうだが。

同じ頃、角田(山西惇)は同期で組対二課課長の恩地(佐藤恒治)と出会っていた。
何か大きな事件を追っている様子の恩地。
ところがその夜、当の恩地が毒キノコ・ニガクリタケを食べ死亡してしまう。

外出していたと言う恩地の妻・由美子(メイサツキ)によれば、恩地は山歩きが趣味でキノコ狩りはしたことがないらしい。
さらに、恩地は料理が出来ない筈だがどうして食べたのだろうと疑問を口にする。

幹部が毒キノコを誤食したとの前代未聞の事態に大河内監察官(神保悟志)も現場に現れる。
特別に司法解剖も行われたが、特に不審な点は見当たらない。
伊丹たちは事故として処理しようとするが……。

大河内が乗り出したことに興味を抱いた右京も出馬。
右京(水谷豊)はニガクリタケを食べ苦しんだのにも関わらず、被害者がすぐに通報しなかったことを疑問視。
さらに、ニガクリタケの入手経路に興味を示す。

その頃、由美子も恩地が何処でニガクリタケを入手したかを気にかけていた。
しかも、「誰とキノコ狩りに行ったのだろう……」と繰り返す。
実は、由美子は恩地の帰宅時間が遅いことから浮気を疑っていた。
恩地は深夜に女性と電話連絡を取り合っていたのだそうだ。
3月6日の21時32分、3月8日の22時06分など具体的な日時を上げる由美子……。

角田が大河内に取り調べを受けることとなった。
大河内は右京たちが捜査に乗り出したと聞くや、事件性があるかも……と警戒心を強める。

由美子の口にした時刻の通話履歴から、航空会社の子会社で炭素繊維を扱う「AJファイバー」の存在が浮上。
早速、「AJファイバー」を訪れる右京たち。
該当する電話番号の部署の担当者として我孫子が応対に現れる。

炭素繊維はミサイルや戦闘機に使用される為に外為法が適用され繊細な取り扱いが必要な品。
去年、富山に工場を移したらしいが……。
一方で、我孫子によれば、部署の女性社員は君原いずみ(星野真里)一人だけだそうだが。

その頃、当の君原いずみ(星野真里)は悦子(真飛聖)と話し込んでいた。
2人はCA養成スクールで先輩後輩の仲だったのである。
「近く結婚するかもしれません……」そう告げたいずみに、AJファイバーから電話が入る。
そそくさと姿を消してしまういずみ。

それと入れ違いに右京たちが空港に現れる。
もちろん、いずみを追って来たものだ。
だが、いずみは既に何処かへと去ってしまった後であった。

この光景を何者かが別室からひっそりと監視していた。
甲斐のスマホはスパイウェアに侵され盗撮、盗聴されていたのである。

以降、右京たちはどう連絡を取ろうとしてもいずみと擦れ違うばかり……。
遂にはいずみの自宅にまで訪ねるが、これも空振りに終わってしまう。

その翌朝、恩地の死が自宅にてニガクリタケによる事故死であると公式に発表されてしまう。

だが、右京は他殺を疑っていた。
角田によれば、恩地が単独で何かを調べていたことは間違いない。
先行捜査をしていたのでは……そう考える右京。

甲斐がいずみへのアポイントメントに成功。
自分の存在を秘し、悦子経由で約束を取り付けたのだ。
ところが、甲斐が約束の場所に向かうとドタキャンされてしまう。

その頃、いずみは「AJファイバー」の社屋から何処かへ出かけようとしていた。
其処へ右京が現れる。
右京は甲斐と別行動を取っていたのだ。

悦子の知人であることを告げ、同行する右京。
いずみの結婚相手に話が及び、相手がアドリア大使館に勤務する井川悟という人物であると聞き出す。

その午後、米沢と共に甲斐を待ち受けていた右京は彼からスマホを取り上げる。
米沢により、甲斐のスマホの盗聴機能が解除された。
やはり、甲斐の行動は監視され続けていたのだ。
だから、いずみに逃げられ続けていたのである。

甲斐のスマホを遠隔操作し、スパイウェアを仕込んだのは我孫子に違いない。
我孫子を追い詰めるべく、右京はスパイウェアの解析をサイバー犯罪対策課の岩月に依頼。
伊丹を信頼する岩月は伊丹にスマホの情報が洩らす。

恩地に、外為法違反の捜査依頼があったことが判明。
トーア民主共和国の戦闘機で使用された炭素繊維が日本発の技術だったのだ。
どうやら、恩地は「AJファイバー」に目を着けていたらしい。

岩月から情報を入手した伊丹も右京たちの捜査に参加。
角田たちも含め大所帯となった。

矢先、井川悟が実在しないことが判明。
この事実を突き付けられたいずみは「そんな……」と洩らす。
だが、恩地については「そんな人、知らない」とあくまで否定する。

恩地の写真を突き付ける右京に「警察の人が訪ねて来たのはあなたたちが初めてです」と否定するいずみ。
だが、恩地が警察関係者であることは右京たちは一度も洩らしていない。
ニュースで知っていたと口にするいずみだが、右京たちの押しに負け、事実を語り始める。

いずみは恩地にストーカー行為をされたと主張。
警視庁近くの公園で会いたいと呼び出しを受けた翌日に恩地が公園で死亡したと知ったのだそうだ。
動機がある為に殺害を疑われるのが嫌だったと述べるいずみ。
さらに、いずみから恩地が我孫子の情報に興味を持っていたらしいことも分かる。

恩地はいずみから我孫子の情報を聞き出す為に近付いたのだろう。
だが、ストーカーと誤解されてしまったのか?

もしや、我孫子が恩地からいずみへの電話を聞いていたとしたら。
この電話を利用して我孫子が恩地を呼び出し殺害したのではないか。

恩地を呼び出したと思われる電話を調べた右京。
それは「芝浦7−4」、つまり「AJファイバー」からであったことが判明。

岩月の捜査に時間がかかっていた。
焦った甲斐は右京の制止を振り切り、我孫子に詰め寄ろうとする。
これに右京も同行することに。

同じ頃、我孫子は何者かに連絡を入れるが……。

「AJファイバー」に辿り着いた右京たち。
その目の前で、当の我孫子が転落死を遂げてしまう。
遺書が残されており、自殺らしい。
さらに、我孫子の遺書は本人のものと確認される。

我孫子の妻より、最近になって冬のボーナスで大金が入っていた事が判明。
これが「AJファイバー」を騙る別の口座だったことが分かる。
しかも、この口座はアドリア共和国のものであった。

甲斐へスパイウェアを送り付けたPC端末が判明。
アドリア大使館かと思いきや、トウコク大使館であった。

だが、相手は強大である。
此処で捜査の壁に行き当たってしまう。

右京は米沢に働きかけ、公園内の徹底捜索を開始。
証拠となる痕跡を追い求める。
結果、怪しげなビニール袋片を発見する。

右京は我孫子と繋がっていたのが、いずみの語る井川悟ことトウコク大使館員Xであると断定。
このXの出入国記録、さらに持ち出し記録を調べる。
一方で、いずみが本当にXに騙されていたのか……との疑いを抱く。

Xには国外逃亡の恐れがある。
右京はいずみに詰め寄るが「ありえない」と否定される。
さらに「あくまで井川さんを信じます」とまで主張されてしまう。
これに対し、右京は井川が本物ならばそれを証明する為に呼び出して欲しいと依頼するのであった。

Xの正体がワンと判明。
彼こそはいずみの前で井川を名乗っていた人物であった。

いずみによりワンを呼び出すことに成功。
日時は明日である。
いよいよ大詰めかと思いきや……。

同じ頃、峰秋の耳に右京たちの捜査活動が報告されてしまう。
峰秋は右京たちの捜査自体が規律違反であると大河内を詰問。
一度は切り抜ける大河内だったが、峰秋は内村に手を回す。
大河内に先回りして、トウコク大使館にワンの身柄を差し出すよう求めたのだ。

数時間後、特命係。
甲斐、伊丹、角田たちが勢揃いしていた。
逃げられる前に、身柄を押さえようと語る彼ら。
不在の右京に代わり、明日の計画を語る甲斐。
甲斐によれば、右京には「最後の手」が残されているらしい。

その頃、右京からこの「最後の手」を聞いた大河内は唖然としてしまう。
右京の策は国外へ脱出しようとする者を物理的に拘束してしまうものであった。
つまり、航空機ごと押さえるのだ。
右京は既に神戸の協力も得ているらしい。

これに大きく頷く大河内。
航空会社ごと2つに対応を分ける。
国外の航空会社の場合、管制局を通じて目的地の悪天候。
国内の航空会社の場合、バードストライクを主張する気らしい。
いずれにしろ、最終的には領空内誘導に持ち込むのである。

数十分後、右京はワンの顔写真を甲斐に手渡していた。
悦子に見せるかどうか判断するようにと甲斐に語る右京。
念には念の為だそうだが……。

翌朝、峰秋はトウコク大使館からの返答を聞き、ほくそ笑んでいた。
トウコク大使館はワンの聴取への協力を拒否したのだ。
「良かったのでしょうか」と洩らす内村に、「狙い通りである」と明かす峰秋。
峰秋はワンに捜査の手が迫っていることを教えたのだ。
これに難色を示す内村。

峰秋は「酒壺の蛇」を持ち出す。
「あなたに見えているのは蛇でも、私に見えているのは酒かもしれない」意味ありげに呟く峰秋。

同時刻、伊丹たちはワンの身柄を押さえるべく空港へ。
しかし、峰秋は甲斐にかまをかけることで領空内誘導を聞き出していた……。

いずみと共に「AJファイバー」旧工場跡地でワンを待ち受ける右京と甲斐。
だが、いずみたちはどうしても右京たちを信じようとしない。
そんないずみにつられるように工場内へと入った右京。
しかし、甲斐のスマホが鳴ると同時に顔色を変える!!

「出ましょう!!」

甲斐のスマホをその場に残すと、必死に脱出する右京たち。
残されたスマホが奮え出すと共に、辺りに響き渡る轟音が!!
室内が人を一瞬で焼き殺すほどの熱量により満たされて行く……。
危機一髪、右京により難を逃れることに成功するのであった。

同じ頃、茨城空港にて勤務中の悦子はワンを発見していた。
だが、周囲には誰も居ない。

一方、病院を訪れた右京たち。
工場内はガスで満たされており、甲斐のスマホのバッテリーに負荷を与えることで発火させ爆発させたのだそうだ。

悦子から右京にワンについての連絡が。
茨城空港、11時10分発の飛行機で出国すると知った右京たちは角田に人員派遣を依頼する。
大河内は事前の計画通り、領空内誘導を開始しようとするが。

領空内誘導の要請は峰秋により破棄されていた。
これにより、ワンは国外へと逃亡してしまう。

怒りに駆られた大河内は峰秋に詰め寄るが、其処は峰秋の方が役者が上であった。
領空内誘導を用いワンを確保したところで、起訴までは持ち込めない。
だとすれば、取引に持ち込んだ方が得との判断らしい。

いずみはワンの指示に従い右京たちを引き付ける囮になっていたことを認める。
ワンの正体を知った上で、彼に協力していたのだ。
いずみは考えることを放棄し、ワンの言葉に従いたかったと口にする。
そんないずみにワンはトウコクへ呼び寄せると約束までしていた。

ワンに騙された被害者として涙を流すいずみ。
だが、右京はそんないずみの欺瞞を見逃さなかった。

「あなたを逮捕します」そう告げる右京。
「まさか、何の罪で?」心底意外だとばかりに目を向けるいずみ。

右京が口にした罪状は「恩地殺害」であった。

恩地の死亡ニュースでは「自宅で毒キノコを食べたニュースによる事故死」とされていた。
だが、いずみは「あの公園に呼び出されたなんて言ったら疑われる」と公園が現場であるように語っていた。

つまり、いずみは恩地の死亡現場が公園であると思っていたのだ。
しかも「恩地殺害には動機がある」とも、ニュースでは「殺人」などとは報じられていないにも関わらず。

その時点で、いずみを疑った右京は公園を調べた。
そして、公園で発見されたビニール。
それが決め手となった。
ビニールの中にはニガクリタケと同じ成分が含まれていたのだ。
しかも、ビニールの外にはいずみの指紋が付着していた。

つまり、恩地を殺害したのはいずみだったのである。

半年前、井川ことワンが水素発生装置に使用するので炭素繊維が欲しいといずみに告げた。
そこでいずみは我孫子に相談した。
我孫子はサンプルならと許した。

実は、この時点で我孫子はワンに取り込まれていた。
しかし、流石に炭素繊維を渡すことまでは考えていなかった。
悩んでいた我孫子だが、ワンからいずみ経由でも炭素繊維を入手可能であると脅迫された。
さらに、大金をちらつかされ買収されたのだ。

この事実に恩地が気付き、殺害された。
恩地が殺害されたことで、右京たちが動いた。
追い詰められた我孫子は自殺したのである。

「そんなこと知らなかった……」ぽつりと呟くいずみ。

恩地が接近したことを井川に教えたいずみ。
井川は怯えるような表情を見せると、数日後に自殺の狂言を行った。
この際に使用されそうになったのが「ニガクリタケの成分」だったのだ。

いずみは井川が窮地だと思った。
其処で助けるべく恩地を殺害したのだ。

恩地を公園に呼び出したいずみ。
飲み物を一口、口にした恩地に「AJファイバー」から連絡があった。
その隙を突き、ニガクリタケの成分を投入した。
そんなこととは露知らず恩地は毒殺されてしまったのだ。
恩地の遺体は井川の仲間がその自宅へ運び込み、事故を偽装したらしい。

最後まで井川を庇ういずみ。
其処へワンが逃亡に成功したことを伝える報が右京に届く。

その頃、内村は峰秋から事件の裏で行われた取引の詳細を聞かされていた。
ワンとトウア民主共和国に拘束されている某国の工作員とを交換したのである。
これで彼の国に恩を売ることが出来た。

工作員なんて初めから居なかった。
峰秋は「恩地殺害はいずみと我孫子の共犯」とのシナリオを用意していたのだ……。

恩地の葬儀が行われた。
角田はライバルにして盟友の死を惜しむ。
本来ならば、恩地の死はスパイを追っての殉職。
だが、表向きは事故死である。
二階級特進となる筈であったが、寂しいものとなった。

最中、伊丹が到着。
いずみが逮捕され、その死が殉職であったことが明らかにされた……。

一方、取り調べを受けるいずみ。
そのもとにワンから手紙が。
ワンからの手紙を読んだいずみは激しく泣き出す。

ワンは手紙の中で次のように告げていた。
ワンは難しいことを考えない。
いや、難しいことを考えてはいけない国に居る。
だから、考えたくても考えられない。
でも、いずみは難しいことを考えることが許される国に居る。
分からなければ、調べればいい。
だが、いずみはそれを放棄した。
ワンに溺れたのだ。
そんないずみを軽蔑する。
もともと、いずみのことは嫌いであった。
そうワンからの手紙は締め括られていた。

これこそは、思考という人間に与えられた権利を放棄したいずみへの罰だったのかもしれない。
「まるで、恋文でしたね」
本来なら残す必要のない手紙を残したワンの行動をそう評する右京。

その夜、右京と峰秋はとあるバーで飲んでいた。
「酒壺の蛇」を持ち出す峰秋。

餅を誰にも分け与えず独占していた僧侶が酒壺に餅を隠した。
ところが後日、酒壺の中身を確認したところ蛇に変わっていた。
驚いた僧侶は酒壺を捨てた。
これを拾ったものがあった。
中身は酒になっていた。

そんなエピソードらしい。
これを受けて「餅を蛇に変えたのは愚かな人間の所為だ。優秀な人間ならば蛇を酒に変える」と洩らす峰秋。
静かに耳を傾ける右京。

其処へ店員が右京に声をかける。
どうやら会計らしい。
右京は自分の飲み代は自身が支払うと、あくまで割り勘を貫いたのだ。

峰秋は右京が甲斐を特命係に招いたことを「失敗」だと評する。
これに、右京は「甲斐が峰秋に無いものを持っている」と語る。
それは「警察官にとって一番必要なモノ」だそうだ。

右京が甲斐を特命係に招いた理由。
ロンドンからの帰路、妻を亡くした三井副領事に「それでいいんですか?」と詰め寄った甲斐(シーズン11 1話「聖域」での出来事)。
その姿に「必要なモノ」を見出したのだそうだ。

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「餅を蛇に変えたのは人間です。ただ、蛇を酒に変えたのは優秀な人間ではなく、純粋な人間である」
そう言い残して去る右京。

「本当に惜しいね……」
孤独を抱えた峰秋は呟くとグラスを傾けるのであった。

その頃、峰秋の息子はと言えば……自身の適正に疑問を抱いていた。
取り返しのつかない失敗をしたかもしれない。
それは峰秋に領空内誘導という切り札をバラしてしまったこと。
そんな甲斐に悦子は「人のことを考えているのだから、向いてるよ」と励まされる。

翌朝、甲斐は右京に「自身の失言が、領空内誘導を相手に報せることになった」と謝罪。
さらに「峰秋を避けたことが、これまでに何度も捜査妨害に繋がった。これからは逃げない」と決意を述べる。
これを耳にした右京は「僕の眼鏡違いではありませんでした」と感想を口にするのであった。

其処へ角田が現れる。
「ここはもっとも自由な部署だ。前向きに明るくないとな」
言い残すと立ち去る角田。
少しだが、甲斐の表情が柔らかくなる。

「そういえば……」と特命係設立のいわれを知りたがる甲斐。
「そろそろいいかもしれないですね」これに応じる右京。
こうして右京と甲斐、2人は遂に「相棒」になった。

その夜、花の里にて2人が如何ような言葉を交わしたのか。
それは我々視聴者1人1人の胸の中に―――最終話(19話)了。

<感想>

シーズン11(eleven)最終話(19話)。
脚本は櫻井武晴さん。

リアルでしたね。
放送当日に「報道ステーション」で報道された事件とリアルにリンクしていました。
もう一方の報道された事件も「X DAY」を想起させる事件でしたし。
決して、何処か遠い場所での出来事ではないのかもしれません。
本作に込められた「思考を放棄してはいけない」そんなメッセージを思い出しました。
「人間は考える葦」ですもんね。

『相棒シリーズ X DAY』(大石直紀著、櫻井武晴脚本、小学館刊)ネタバレ書評(レビュー)

そして、全体的に「シーズン11」の総まとめ的な作品でもありました。

まず、「甲斐の特命指名の理由」などで1話「聖域」。
「甲斐がスマホに興じていた」り「特殊な逮捕法」などで2話「オークション」。
ラストあたりの「右京と峰秋の会話」あたりは3話「ゴールデンボーイ」。
「航空会社舞台」で4話「バーター」。
「ワンが井川に成りすまし」で5話「ID」。
「甲斐が適正に悩み、悦子に励まされる」のは6話「交通巡査・甲斐享」。
「キノコ狩り」で9話「森の中」10話「猛き祈り」。
「意外な動機や事件への犯人の関わり方」などは11話「アリス」12話「オフレコ」。
「逸話タイトル」で13話「幸福な王子」。
「爆弾」で15話「同窓会」。
「サイバー犯罪」と「右京と伊丹の我孫子の妻への聴取」などは17話「ビリー」を彷彿とさせました。

一部に牽強付会な点もありますが、割と全体を包括した物語だったような印象。
そして何より、シーズンを通じて甲斐の成長譚でもありました。

さて、では肝心のストーリー部分について。

右京が評した通り、ワンはワンなりにいずみを愛していたのかもしれませんね。
いや、愛憎がないまぜになっていたのかも。
いずみを巻き込んだのは、嫉妬があったんだろうし。
とはいえ、憎しみだけであんな手紙を残す必要ない。
そもそも、ワンにとってあの手紙を残すことは本国の意志に反する危険な事の筈だし。
ワンとしては憧れを抱きつつも、批判も抱いていた感じなのかな。

そして、当のいずみ。

いずみは騙されてはいません、そこまで愚かな人じゃない。
ワンが指摘した通り、いずみは現実から目を逸らし自分の夢に溺れたんですね。
どうみてもいずみは、ある程度事実を知ってて協力しています。
ただ、都合の悪いことから目を背けてはいた。
これを愚直な愛と捉えるか、狡い行為と捉えるか。
なにしろ、そんないずみの行為で恩地は死亡し、その妻は悲しみに突き落とされているのですから。

恩地の死に方を見れば、ワンが嘘を吐いていることはすぐに分かる筈です。
にも関わらず、いずみは自分自身にまで嘘を吐いた。
これは物凄く怖い事です。

その怖さ、恐ろしさをワンは最後に手紙でいずみに教えた。
やっぱり、愛していたのかもしれませんね。

「私、知らなかった……」
作中でいずみが洩らす言葉です。
でも、いずみは「知らなかった」のではなく「知ろうとしなかった」。
結果、殺人者になり、また殺されかけることにもなった。
これこそが、いずみへの罰だったのか……。

世の中には「無知は罪」との言葉もあります。
ただ、「知らないことはどうしようもない」のも事実なワケで。
けれど、それを理由にいずみのように開き直るのは間違い。
つまり、「知らないことに甘んじず、知る努力を怠るなかれ」としてまとめさせて頂きます。
人間、生きている限り勉強だよ!!

ちなみに、ラストにて右京と甲斐が遂に「心を許す関係」になりました。
コメントでご指摘頂いたのですが、「酒壺の蛇」自体が「思考放棄したいずみ」と「思考し続け成長した甲斐」の対比の物語でした。
シーズン11は甲斐の成長譚だったんですね。
その意味で、まさに「シーズン11」の締めに相応しい作品だったと言えるでしょう。
ただ、どちらかと言うと右京と甲斐の関係は「相棒(対等)」よりは「師弟関係」に見える。
右京が甲斐を指名した理由も「右京の正義」を引き継ぐ人物として甲斐を見込んでいるようにも見えます。
この関係がどうなるのか……次シーズンにも期待ですね!!

そう言えば、2013年5月から「劇場版 第3弾」が制作開始されるとの噂が……事実だとしたら嬉しい(^O^)/!!
さらに、「相棒12」制作も決定したとの情報も出ていますが……これも事実だとしたら嬉しい(^O^)/!!
要注目!!

さらにさらに、今年も相棒パンが発売中!!
ファンは要チェック!!

2013年3月22日追記

和泉さん、J-PETERさん、青山さんよりコメント頂きました。
それに伴い記事内容を訂正(「トーア」表記を「トウア」表記に、いずみと甲斐の対比など)させて頂きました。
ありがとうございます(^O^)/!!

追記終わり


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この記事へのコメント
こんばんは! 


物語自体は最終回っぽくて良かったです。 




右京がカイトを相棒に指名した理由。 
それは警察官として人として真っ直ぐで勇敢だからなのだと思いました。


若さゆえの失敗もあるけど右京にとってそれはドンマイ程度なのかもしれません。


警察庁のトップになってしまった峰秋にはそれがない。 


最終回で峰秋と右京の仲は完全に壊れるのかと思いきや峰秋は相変わらずな右京LOVEな感じ(笑) 



スピンオフ映画もseason12も楽しみです! 



Posted by 青山 at 2013年03月21日 00:24
遂に、相棒11も終了しました。今回は、最終回の感想と今シリーズの総括を書きたいと思います。

 (感想)
 1、最終回、2時間でしたが、質が落ちることも無く、出来がよかったですね。櫻井さんらしい、細かい点にまで注意を要する脚本になっていました。特に、カイトが見ていたニュース映像、最後に重要事項として登場するあたり、お見事としか言いようがありません!峰秋との電話での口論に気を取られていたら、スルーしがちな部分ですから。

 2、今作のテーマが、「思考放棄の愚かさ」ですが、いずみの言葉、ワンからの手紙の部分を取り出しても、それは明確でした。いずみの場合は、思考を放棄し恋愛という快楽に走ったわけで…。但し、今作の良かった点は、思考放棄しなかった側の人間を描き出していたことでしょう。特に、カイトが、「自分は警察官という職業が適職なのか?」と思い悩むシーン、そして、右京さんに峰秋から逃げないと宣言したシーンは、思考放棄をしないことが、多かれ少なかれ、人間としての成長につながるのだということを、我々に提示をしている気がしてなりません。この両サイドの存在の提示ができているからこそ、ストーリーの中にあるメッセージに重厚感が生まれているのだと思います。現代人に対する警鐘とも捉えても良いと思いました。

 3、「領空内誘導」ですが、右京さんらしいウルトラCの発想ですよね(笑)。以前にも、亀山を救うために、地方公務員法を逆手に取るというウルトラCを見せていますからね。それにしても、峰秋が「領空内誘導」に気が付いたのは驚きでした。カイトに電話をした時点では、最終確認をしたくらいのレベルだったのではと思いました。峰秋も手強いな思いましたね。

 4、神戸が名前だけですが登場しましたね。今後も、おそらく大河内さん絡みにはなると思いますが、今回のような登場をしてくるでしょうね。その反面、岩月は、今作では必要でしたが、岩月を初登場させるのは、次シーズンの伊丹回あたりでもよかったのでは?と思ってますが…。今まで、映画封切前に本編に映画初登場の人物が出演したことはなかった気がするので…。

 5、気になる細かな点も1点ありました。ワンが悦子にいずみ宛の手紙を渡すシーンがありましたが、ワンが、悦子といずみが知り合いであることを知っていたのか?という疑問が生じました。切手が貼ってありましたから、ポストに投函すればいいだけの話なのに、なぜ、悦子に渡そうとしたのか?電話を聞いていたからか?謎です。

 (今シーズンの総括)
 6、右京さんがカイトを選んだ理由、真実に目をそむけない姿勢をカイトに感じたから、そいう解釈になりますよね。右京さんが峰秋に対して、「彼(カイト)は、人としての基本が出来ている」と、評していましたからね。その点も考慮したのでしょうね。

 7、今シーズン全19話、全体的に良質な作品が多かった気がしますが、ちょっと難ありの作品も存在したことも事実です。その中でも、「ボーダーライン」との比較を通じることで深い思考を可能にした「ID」、仲間意識の歪みがカイトへの暴行事件につながった「森の中」・「猛き祈り」、そして、今作の「酒壺の蛇」は、質だけでなく思考を要求する良質な作品でした。私は、「相棒には過去作の復習が必要である」との持論があるのですが、復習していてよかったなと思うときが何度かありました。

 8、今シーズンで、お!と思ったのは、角田課長の部下2人(大木と小松)に、セリフが用意されており、それなりの長さがあったことでした。今までだったら、見てるだけか短いセリフでしたからね。良い傾向だと思います!

 相棒今シーズン最後なので、かなり多めの分量を書いてしまいました(笑)。長文ですみません。次のシーズンが楽しみですね。その前に、映画でしたね(笑)。
Posted by J-PETER at 2013年03月21日 01:35
お邪魔します。いつもながら神速の更新ですね。

取引が成立したということは、トーア国とやらがトウコクということになるのでしょうか。
犯人の名前がワン(王?)さんですから東亜なんちゃらとかいう国を略して東国だったり?

ワンはプロの工作員ですから、ターゲットを籠絡するために暗示でいずみを愛していると錯覚しながら接していた可能性もありますね。
ワンはいずみのことを道具として割り切っていたからこそ利用して使い捨てることができた。
でも暗示とはいえいずみに愛情を感じていた時間もあったため手紙を残すことにした。

いずみは嘘に気づいていながら真実から目を背け続けた。そんないずみに対してワンが嫌悪を感じていたのは事実なのでしょう。
黙って消えればいずみは愛のためにやったのだと言い張って自分を正当化し続ける。
だからこそ敢えていずみに騙されたのだという真実を突きつけ、犯した罪の重さを自覚させようとした。

愛憎が入り交じる複雑な心理状態なのでしょうが、大体こんなところではないかなと感じました。


正直な感想としては、それなりに見ごたえはあったものの事件自体はそれほど複雑ではなかったように思います。
1時間に納められる程度の内容をわざわざ2時間に引き伸ばしたようなテンポの悪さを感じ、中弛み感が目立つ仕上がりだったような気がします。
もっと短くすっきりとまとめられていれば楽しめる話になっただろうと思うので残念な感じでした。
Posted by 和泉 at 2013年03月21日 06:15
こんばんわ!!
管理人の“俺”です(^O^)/!!

Re:青山さん

シーズン11最大の謎もこうして明かされました。
その理由が「正義」にあったのは良かった。

そして、峰秋が小野田のように次シーズンに登場しそうなのも良し。

スピンオフ映画にシーズン12も期待したいですね(^O^)/!!

Re:J-PETERさん

1.最初に出て来た情報が最後に繋がったのは驚きましたね。良かったです!!

2.なるほど!!
いずみにばかり注目していましたが、その対極に「悩み成長する人」として甲斐が居たワケですね。納得です!!

3.右京さんの行き着いた最後の手段に気付いた峰秋。
甲斐にかまをかけていましたが、かけるには其処に気付く必要があるワケで……峰秋も流石の人物ですね。

4.神戸君、名前だけでしたね。
今回に登場してくれれば、良かったのに。
其処が惜しいですね。

5.甲斐のスマホを通じて監視していたので知っていた……ということだと理解しています。
それと、いずみに接触するべく周囲を調べた際に悦子の名も上がっていたのかもしれません。

6.右京さんは「正義」に拘る点があるので、そんな右京さんの「正義の後継者」になれるとの見込みがあるのかもしれません。

7.確かに前シリーズを知っていると楽しめる作品も多々ありましたね。
しかも、それが過去キャラ(マーロウとか)を再登場させることなく達成していたのは凄いと思います。
これに過去キャラが加われば、さらに1話ごとの深みが出るかもしれませんね。

8.シーズン11はレギュラーキャラをフル活用していた印象ですね。

シーズン12、スピンオフ映画ともに楽しみ(^O^)/!!

Re:和泉さん

ありがとうございます。「100番目に早い(たぶん)」の自称は伊達ではありません……なんて言ってみたり(^O^)/。

なるほど、「トウア民主共和国」の略称で「トウコク」。
管理人は「トウコク」陣営に属する別国「トーア」だと思っていましたが、漢字であてると同一国を指していますね。
音は「トーア」ではなく「トウア」になるワケですね。
納得です(^O^)/!!

ワンの胸中を慮るのはかなり難しそうですよね。
あの手紙を残すこと自体が彼にとって危険な行為(本国の指示に反する)である筈なので、それを押してまで行ったことには意味がある。
そして、その手紙こそがいずみを覚醒させた。
右京さんの「まるで、恋文みたいでしたね」の意味は重そう。

19話は全体として、心情描写やテーマに重きが置かれていたように感じられました。
ただ仰る通り、些かテーマ性が後半に集中し過ぎた印象はありますね。
バランス改善の余地はあったような気がします。

一方で、19話単体ではなく、シーズン11自体を1つの大きな物語と捉えたとき、「思い悩み成長した甲斐を表現するストーリー」としては「これこそがシーズン11の結末だ!!」と胸を張れる作品だったと思います(^O^)/!!
Posted by 俺 at 2013年03月21日 23:30
右京の「まるで恋文」というセリフが印象にのこりました。日本にとって仮想敵国のスパイという立場上、愛する彼女とは連れ添えないわけで、彼女に諦めさせようという気持ちがワンにはあったのではないかと思います。

ワンに騙されてやった、ということになれば、その分罪は軽くなるでしょうから。

彼女のほうも、愚かだと酷評されているけど、恋愛にはそうさせてしまう魔力があるとも思うのです。
Posted by ななし at 2013年06月13日 06:11
Re:ななしさん

こんばんわ!!
管理人の“俺”です(^O^)/!!

いずみのことを想っての行為、恋愛の魔力。
互いに想えども立場の違いがそれを阻む……。
2人の恋が周囲から祝福されるべき類の物だったらどれだけ良かったか……切ないですね。

ある意味、「相棒」版「ロミオとジュリエット」的な物語だったと言えそうですね。
まさに、「シーズン11」を締め括るに相応しい重厚な物語でした。

そして、「シーズン12」制作も公式に発表されました。
こちらも期待!!
Posted by 俺 at 2013年06月14日 22:38
続編が出てきて欲しいですね。逃げたワンに法の裁きを受けさせるというエピソードがあればいいのに。峰秋に一矢報いることが出来るし。
Posted by 匿名希望 at 2014年07月18日 22:44
Re:匿名希望さん

こんばんわ!!
管理人の“俺”です(^O^)/!!

本作の続編、良さそうですね〜〜〜。
そう言えば些か状況が異なっては居ますが「相棒シーズン7」12話「逃亡者」でも同じようなテーマが取り扱われていましたね。
Posted by 俺 at 2014年07月19日 01:00
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