2013年03月29日

「名探偵マーニー」第33話「30年目の女盗賊」(木々津克久作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

「名探偵マーニー」第33話「30年目の女盗賊」(木々津克久作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)です。

ネタバレあります、注意!!

第33話登場人物一覧:
マーニー:主人公にして名探偵。本名は真音(マリオン)。
ロイド(パパ):ロイド探偵事務所所長にしてマーニーの保護者。元刑事らしい(3話)。
エリオット:マーニーの愛猫。

光輪:往年のヒーロー「ブリット」を演じた俳優。病を患っていたが回復した模様。11、33話で登場。
ブリット:光輪が演じた宇宙刑事。
安崎良則:映画会社の社長。11、33話で登場。
町会長:マーニーとロイドが住む町の会長。トルコ旅行から戻ったばかり。ちなみに20話の市長とは別人。33話より登場。
赤名日登美:女優。ある意外な秘密が。33話より登場。
ゼルディア:???

これまでの登場人物については過去記事リンクの後に記載しています。

<ネタバレあらすじ>

マーニー宅。
ロイドが電話での依頼に応じる中、マーニーは何かの映画に熱中している様子。
興味を示したロイドはマーニーが何を視聴しているのか確認してみることに。

と、画面の中では正義のヒーローが縦横無尽の活躍を示していた。
そう、マーニーが熱心に鑑賞していたのは、映画版「宇宙刑事ブリット」のDVDであった。
30年前に「ブリット」を演じていた光輪は社長の安崎と先頃まで対立関係にあった(11話「ブリット」参照)が、和解し俳優として復帰。
その復帰作として映画版「ブリット」が制作されたのである。
映画版「ブリット」は、どうやらマーニーの眼鏡に適ったようだが……。

一方、ロイドは依頼人から話を聞くべく外出の用意を。
これを目敏く嗅ぎ付けたマーニーは自身も同行することに。

今回の依頼人は、マーニーたちが住む町の町会長その人。
トルコ旅行から帰ったばかりと語る彼は、身も心もトルコに心酔したらしくトルコ土産をマーニーに差し出して来る。
土産を貰ってしまった以上、断るに断れない。
結局、引き受けることになった依頼の内容とは、ある連続窃盗事件についてであった。

被害額は合計で30万円。
どうやら、犯人はあまり高額ではない盗み易い物を選んで盗み出しているようだ。
ところが、発生件数が尋常ではなかった。
分かっているだけでも60件を超えていたのである。
町会長として事態を看過できず、犯人を捕まえて欲しいとの依頼である。

早速、被害に遭った人々から目撃証言を拾うマーニー。
ところが、目撃者の証言は「猫背であった」や「長身であった」など印象の喰い違う物ばかり。
困惑していたところ、犯人と直接対峙したとの被害者から話を聞くことに成功する。
被害者によれば、自宅に帰ったところ出くわし、相手は慌てて逃げたのだそうだ。
なんでも、犯人は「劇場版ブリット」のポスターを見て呆然としていたらしいが……。

これを聞いたマーニーは何かを感じ、ブリットこと光輪の自宅へ。
マーニーから事件について聞かされた光輪は、特に心当たりはないがと首を捻る。
まさか、此処には来ないだろうし……と冗談ともつかぬ冗談を口にし部屋へ戻ろうと戸を開けた光輪の目に衝撃の光景が!!

なんと、噂の犯人が其処に立っていたのである。
驚きながらも、撮影の為の訓練が役立ち相手を組み敷く光輪。
こうして、捕えることに成功した光輪の口からある人名が。

「まさか、赤名日登美さん?」
そう、捕まった犯人は女性だったのである……。

マーニーからの連絡を受け、ロイドも現場に到着。
光輪は犯人である赤名について語り出す。
赤名は30年前のテレビ版「宇宙刑事ブリット」の共演者、つまり女優である。
「ブリット」では「宇宙盗賊ゼルディア」を演じていたそうだ―――悪役である。

これを受けて赤名自身もすべてを打ち明ける。
赤名は売れない女優であった。
昔から、ストレス発散を兼ね、いけすかない先輩などから盗みを重ねていたらしい。
他にも、女優として仕事を得る為に枕営業も行っていたそうだ。
すべては、いつしか主役の座を射止めんが為である。

ところが、30年前に「ゼルディア」という悪役を演じることとなった。
その際に「ブリット」演じる光輪に出会い、その存在だけで周囲を明るくする彼を見て「主役とは彼のような人にしか演じられない特別なモノなのだ」と諦めたらしい。
赤名自身、正当な手段で役を得たのではなかったことも影響していたのかもしれない。
だが、「ゼルディア」役は充実していた。

しかし、あろうことか「ブリット」は理由も分からぬ急な最終回を迎えた。
光輪も姿を消してしまった(11話参照)。
赤名は以降、特に何か役が貰えるでもなく、窃盗をしながら漫然と生きてきたのだそうである。

ブリットに逮捕して欲しいと頼み込む赤名。
光輪は此の頼みを受けることに。
ブリットに成りきった光輪は「罪を償ったら、また会いに来い」と告げる。
涙ながらに感謝の言葉を伝えた赤名は、ロイドたちによって警察に引き渡された。

ロイドによれば、被害件数は多いが被害額自体はそれほどでもないことからそれほど大きな罪には問われないだろうとのことである。
ロイドとの帰路、マーニーはふと呟く。
「あの人、光輪さんのことが好きだったんだね」と―――エンド。

<感想>

「フランケン・ふらん」で知られる木々津克久先生が、2010年の「ヘレンesp」以来2年ぶりとなる「週刊少年チャンピオン」本誌への連載を開始されました!!
連載作品のタイトルは「名探偵マーニー」。
コミックス1巻も発売中です!!
2巻も3月に発売開始されました!!

今回はその第33話「30年目の女盗賊」です。

11話「ブリット」の後日談でしたね。

「名探偵マーニー」第11話「ブリット」(木々津克久作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

11話だとロイドがDVD鑑賞、33話はマーニーがDVD鑑賞するシーンからそれぞれ物語がスタートしたりなど、構成自体も11話が意識されており、ほぼ対になっているのも良かった。
本作が33話になったのも、11話のようにゾロ目を狙ってのことなのかもしれませんね。

そして、11話「ブリット」後の光輪についても語られました。
11話時点では安崎を利するようなことを光輪はしない=映画にも出演しないのではないかと思っていました。
そもそも、映画話自体が光輪を捜す為の名分の疑いがありました。
ところが本話を見る限り、どうやら安崎は本気だった様子。
これに光輪が応じたことから、安崎もみどりに対しての行動を反省していたということになるのでしょうか。

さらに、早くも映画版「ブリット」がDVD化されていることから、作中時間はそれなりに経過している様子。
普通に考えれば、撮影から編集、公開期間、DVD化も含めて最短でも1年以上(1年半くらい?)は経過している筈ですが、マーニーが進級した素振りは無い。
どうやら、本「マーニー」の時空間は「サザエさん」と同じで良さそうですね〜〜〜。
つまり、少なくとも時系列は関係なく無尽蔵に物語を紡ぐことが出来るというワケで一安心。
季節ネタを意図的に避けているのも、その為なのかもしれませんね。

内容自体としては「目撃者の証言が食い違っている=女優による演技」と今回も伏線がありました。
やはり、芸が細かいです。

そして、赤名はブリットに逮捕して欲しかったんでしょうね。
でなければ、あのタイミングで光輪宅に侵入する意味は無い。
彼女にとって、光輪は憧れの人であり恋心を抱く相手でもあった。
だからこそ……とはマーニーの推理ですが、これに「ゼルディア役を演じていたから」というのも理由としてあるのかも。
「ゼルディア役」こそが赤名にとってもっとも美しい想い出であったからこそ、その一端を担ったブリットこと光輪に現状からの救いを求めたのかもしれませんね。
そして、それに光輪は見事に応えた。

マーニーはやっぱりイイ!!
次回も期待です!!

ちなみに、上にもある通りマーニーのコミックス1巻、2巻が発売中。
これでいつでもマーニーの活躍を読むことが出来ます。
興味のある方は本記事下部アマゾンさんリンクよりどうぞ!!

木々津克久先生といえば「フランケン・ふらん―OCTOPUS―」が『拡張幻想 年刊日本SF傑作選』(大森望・日下三蔵編、東京創元社刊)に掲載されています。
こちらも注目。

木々津克久先生が「週刊少年チャンピオン」本誌に帰還する!!2012年8月16日より探偵物語「名探偵マーニー」連載開始!!

さて、作者である木々津克久先生と言えば、管理人にとっては「週刊少年チャンピオン」本誌での「ヘレンesp」の作家さんとのイメージ。

「ヘレンesp」は、盲目のヘレンがその特別な力(ESP能力)を駆使し、愛犬や叔父さんたちに見守られながら同年代の友人や幽霊など様々なものと交流する物語。

衝突したり理解し合えなかったりと苦難がヘレンを襲うものの、その都度ヘレンの純粋な心で相手に向き合い相手との心の壁を乗り越えていくさまは、心に響きました。
確かにあらすじだけ聞くとよくある展開かと思うものの、本作は不思議な“熱”と“説得力”を持っており、透明感のある淡い絵柄も加え、なかなかの名作といえるでしょう。

既に連載自体は終了していますが、こちらもオススメです。

◆「名探偵マーニー」関連過去記事
「名探偵マーニー」第1話から30話まで(木々津克久作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)まとめ

「名探偵マーニー」第31話「秘密のゆりかちゃん」(木々津克久作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

「名探偵マーニー」第32話「少年探偵」(木々津克久作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

◆関連過去記事
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これまでの登場人物一覧:

【ロイド探偵社】
マーニー:主人公にして名探偵。本名は真音(マリオン)。
ロイド(パパ):ロイド探偵事務所所長にしてマーニーの保護者。元刑事らしい(3話)。
母親:マーニーの母親、不在。事情があるらしい(1話)。
エリオット:マーニーの愛猫。

【学校関係者】
若島津ゆりか:マーニーの友人。4話、5話、9話、10話、14話、16話、23話、24話、25話、26話、28話、30話、31話、32話に登場。
前花:マーニーの友人。オカルトに造詣が深いらしい。
那智先輩:学校のヒーロー。2話、4話、16話で登場。
白鳥:マーニーの先輩、白鳥財閥の令嬢。1話、7話、13話、16話、19話、21話で登場。
累:白鳥の友人。1話、22話にて登場。
香坂:生徒会書記、2年生。7話で登場。
宮島小百合:マーニーの学校に勤務する教師。10話、15話、21話、30話に登場。
鈴村蝶子:カーディガンズの1人。12話で登場。
黒屋明彦:雪彦の双子の兄、社交的。13話に登場。
黒屋雪彦:明彦の双子の弟、内向的。13話、20話、25話(25話は名前だけ)に登場。
露島:新聞部部長。自腹でニュースサイトを運営し多大な影響力を持つ。16話に登場。
吉沢:新聞部員の1人。16話に登場。
舞城天:マーニーと同じ学校の生徒。27話にて趣味はロードレースと判明。17話、27話、28話に登場。
マキちゃん:本名は真希田、マーニーの級友。
波峰りあ:マーニーとゆりかの同級生。巻野という名の幼馴染で年上の彼氏が居るらしいが……24話に登場。
浜沢志乃:マーニーの同級生、不動産を多数所持する。「幽霊マンション」もそのひとつ。25話に登場。
枯野:目立とうとしない天才。マーニーも一目置く。26話に登場。
3人組:マーニーのファンたち。探偵団を結成しようとするが……。26話に登場。
万田:マーニーたちの通う学校の副校長。30話に登場。

【警察&探偵】
毛利刑事:ロイドの後輩刑事。3話、18話、24話、29話で登場。
武頼:ロイドの先輩。22話にて登場。

【再登場しそうなゲスト】
亜羽:ロイドの過去の依頼人。3話で登場。
片岡:ある特異な趣味を持った大学生。ゆりかと交際中。4話、23話、24話、28話、31話で登場。
村枝紗平:政財界のフィクサー。ロイドによれば「黒い噂」で知られる有名人らしい。8話で登場。
野宮真理:ニュース番組の人気キャスター。9話で登場。
雨畑:テレビ局プロデューサー。9話、32話に登場。
舟木真治:宮島の初恋の相手、10話、21話(名前のみ)に登場。
光輪:往年のヒーロー「ブリット」を演じた俳優。病を患っていたが回復した様子。11、33話で登場。
鈴村都:蝶子の妹。12話で登場。
マックス鞠野:高名なマジシャン。効果を最大限に発揮するマジックがモットー。18話より登場。
真希田流:マキの姉。18話より登場。
玄武:大学生。日本有数のセレブで白鳥の知人。19話より登場。
宝蔵院はるか:大学生。玄武のフィアンセ。玄武同様にセレブ。19話より登場。
市長:マーニーとロイドが暮らす地域の市長。20話より登場。
阿刀孟:世界的に著名なアニメクリエーター。20話より登場。
瀬尾俊幸:阿刀のマネージメントを担当していたスタッフ。20話より登場。
ラッキー:白鳥が保護した「首なし鶏」。21話に登場。
君津和臣:化粧品メーカーの重役。今回の依頼人。22話にて登場。
日出有吉:木ノ崎順也の功績はこの人物の物であった。22話にて登場。
武藤遊助:片岡のいとこ。国公立トップである東都大学のエリート学生。23話で登場。
メカニック:マーニーの宿敵。最凶最悪の愉快犯。29話より登場。
佐賀瀬清:元特捜班刑事。ロイド、毛利の先輩。29話に登場。
久儀良太郎:少年探偵。23話に登場。
町会長:マーニーとロイドが住む町の会長。トルコ旅行から戻ったばかり。ちなみに20話の市長とは別人。33話より登場。
赤名日登美:女優。ある意外な秘密が。33話より登場。

【その他ゲスト】
西郷:那智の親友。2話で登場。
徳吉すばる:亜羽の同僚。3話で登場。
望月楓:ラクロス部のイケメン。6話で登場。
謎の女性:望月の周辺に現れた謎の女性。6話で登場。
亀井:村枝の文通相手。8話で登場。
安崎良則:映画会社の社長。11、33話で登場。
安崎みどり:良則の娘。故人。11話で登場。
ゆりかの祖父:幽斉の中学時代の同級生、緊急入院してしまう。14話に登場。
河野幽斉:祖父の中学時代の同級生。同窓会の主催者。14話に登場。
幽斉の妻:幽斉とは犬猿の仲。14話に登場。
甲本:宮島の大学時代の同級生、宮島曰く「オタクっぽい人」。15話にて登場。
相葉:宮島の大学時代の後輩、宮島曰く「他人の恋人を寝盗る男」。15話にて登場。
甲本の元恋人:相葉に殺されかけたが……秘密が!?15話にて登場。
天の大叔父:年嵩の紳士然としたドイツ人。17話に登場。
はるかの母:はるかの母。健康志向であった筈だが……。19話より登場。
木ノ崎順也:『悪意の天国』で知られる往年の名監督。その正体は誰も知らない。
巻野大輝:波峰の彼氏とされる人物、誰も姿を見た者がいない。24話に登場。
古書泥棒:2人組、リーダー格は「LUCK」と指に刺青している。
大神:自転車のチューンナップを生業とする男性。27話に登場。
ゴーストレーサー:髑髏マスクに黒装束の怪人。その正体は……。27話に登場。
お腹の大きな猫:エリオットに連れられてやって来た猫。
高齢の女性:迷子になった息子を捜す老婦人。30話に登場。

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