ネタバレあります、注意!!
第9話登場人物一覧:
黒峰朝陽:主人公、通称「アナザル」。
白神葉子:朝陽の意中の人物。ある秘密が……。
藍澤渚:クラス委員長。彼女にも秘密が……。
紅本:教師。
朱美みかん:朝陽の幼馴染。新聞部所属。通称「オレンジ」。
岡田:朝陽の友人の1人。通称・岡。割と友人想いの様子。
嶋田:朝陽の友人の1人。通称・嶋。軽い。
桜田:朝陽の友人の1人。通称・サクラ。渋い。
<ネタバレあらすじ>
〜〜〜これまでのあらすじ〜〜〜〜
「アナザル」こと「絶対に秘密を守れない男」黒崎朝陽は憧れのヒロイン・白神葉子の秘密を知ってしまった。
その秘密とは「白神葉子がハーフの吸血鬼である」こと。
朝陽は葉子の為に、この秘密を守らねばならない―――。
取り巻く人々を相手に、朝陽は秘密を守り抜くことが出来るのか?
矢先、実は宇宙人であった委員長・渚も加わって……。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
葉子に迫る白い影〜〜〜。
そ〜〜〜の〜〜〜正体はッッッッッ!!
朝陽の幼馴染にして「新聞部所属」の「外道クイーン」こと“みかん”であった!!
というワケで、今日も今日とて追いかけっこを繰り返すみかんと葉子。
もちろん、追う側がみかん、追われる側は葉子である。
狙いは「葉子の秘密」についてだ。
そんな葉子を守ろうと、みかんの前に立ちはだかる朝陽。
だが、そんなモノでみかんが止まる筈もない。
見かねた岡田がバナナの皮を使い、スッテンコロリンでみかん排除を目論むが……。
朝陽はバケツに特攻、みかんは窓から飛び出し木の枝にぶら下がる結末に。
みかんの安否を気遣う葉子だが、嶋田や桜田など周囲の面々にとってそれが無意味であることは自明の理であった。
逃げるように勧められた葉子は逃走。
案の定、その直後にみかんは復活を果たす。
ぐへへへへへへへへぇぇぇぇぇぇぇ。
異名に相応しい厭らしい笑みを浮かべるみかん。
そんなみかんにも葉子や渚のような秘密があるのだろうかと思い悩む朝陽。
これを聞いた桜田は「みかんが周囲や自身が言うほど外道ではない」と口にする。
そうだろう、なにしろわざわざ新聞記事にする前に掲載の許可を取りに来るのだから。
桜田のこの言葉に、虚を突かれたような表情の朝陽。
凍りつくみかん。
「それは秘密を暴露してやると本人に伝えることでその絶望を目の前で味わう為さ」
反論できないみかんに代わり、何故か応じる朝陽。
これに力強く「うんうん」と頷くみかん。
ところが、「だったら、事実かどうか関係なく100%フィクションにすればいいのに……」とのツッコミを受けてしまう。
「何を言う。この方を舐めるな!!告白寸前のカップルには先に恋心を暴き恋の成就を妨げ、既にカップルの場合にはありもしない浮気によりその仲を引き裂く……それこそ外道な方だぞ!!」
これに今度は何かに目覚めたかのように嶋田が割って入る。
「もっとも、記事の最後にフィクションですと注意書きを入れてるんだけど」
余計な一言も忘れない。
「いや、それはそうしないと学校から発行の許可が取れないから……って、お前は何のために出て来た!!」
怒りのみかんの一撃を喰らい気絶させられる嶋田。
ああ、やっぱり……と言った表情の面々。
その影で「外道だって」と密かに笑う岡田。
これはマズかった。
次に朝陽が目にしたモノは男としては屈辱的な光景であった。
岡田(と、何故か嶋田も)は水道のホースで身体を拘束され天井から吊るされると、放水口を股間に固定された状態で水を流されたのだ。
みかん曰く「小便小僧」の出来上がりである。
どうしても「外道ではないこと」を認めたがらないみかん。
桜田は「みかんのおかげで新聞部が読者数が増え廃部を免れた」ことを口にするが……。
これまた、みかんの逆鱗に触れ岡田、嶋田に並び「小便小僧」にされてしまう。
屈辱的なモニュメントの数だけが増えて行く。
この状況に「どうして、頑なに外道であろうとするのか分からない」と洩らす朝陽。
これを聞き何故か表情を緩めるみかん。
しかし。
次の瞬間、みかんはホースを手にニタリと朝陽に微笑みかけた。
そして、10以内に逃げるように宣告する。
もちろん、追撃する気は満々だ!!
長年の経験から身の危険を察した朝陽は脱兎の如く逃げ出す。
「朝陽か?」
1人残されたみかんの背中に岡田が声をかける。
「だって、外道だったら好かれもしないし。今のままの関係で居られるじゃない」
普段は見せないような優しい笑顔で応じるみかん。
みかんは朝陽との関係を壊さない為に、敢えて外道を演じていたのだ。
「……それに、この方が楽しいし」
いや……やはり、みかんにとってはこれが素なのかもしれない。
数分後、予想通り岡田、嶋田、桜田の隣に朝陽が吊るされることとなった。
そんな朝陽にみかんは問う。
「ベッドの下で見つけたエロ本なんだけど、白神さんに見せるのがいい?それとも、お母さん?」
年頃の男子学生にとって、悪夢とでも呼ぶべき選択を嬉々として突き付けるみかん。
やはり、彼女の本心は……謎のままの方が良いのかもしれない―――10話に続く。
<感想>
「週刊少年チャンピオン」にて「さくらDISCORD」を連載されていた増田英二先生の新作。
「さくらDISCORD」は未読の管理人ですが、1話を読んで注目している作品です。
本作、かなり面白い!!
そんな9話では、遂にみかんがヒロイン戦線に加入。
朝陽への切ない恋心を明かしました。
そして……それこそがみかんの「実は私は」だったと。
つまり、「実は私は朝陽の事が好き!!」だったワケですね。
とはいえ、本人の居ないところで明かすのがなんともみかんらしい。
かなり変則的なツンデレキャラか。
これにより。
葉子が天然ヒロイン(正ヒロインポジション)。
渚が真面目ヒロイン(委員長ポジション)。
みかんがツンデレヒロイン(幼馴染ポジション)。
と、キャラのバリエーションも充実して来ました。
これで色が名前に含まれる女性キャラはほぼヒロイン候補と呼んで差支え無さそう。
ということは、紅本先生も教師ポジションのヒロインで来るでぇ!!
果たして、紅本先生の「実は私は」は何なのか?
次回(で明かされれば……)に期待!!
それにしても……ベッドの下で本を見つけるなんて、みかんは朝陽の部屋にも堂々と出入りしているんだなぁ。
恋心を隠しているらしいので朝陽と距離を置いているのかと思っていただけに、この点は意外。
出入りしつつ平常心を装い朝陽の恋を見守るなんて切ないだろうに。
本作に興味を持たれた方には、是非、「週刊少年チャンピオン」本誌を捜して読んで欲しい。
最近の「週刊少年チャンピオン」は「名探偵マーニー」や本作など本当に粒揃いでクオリティが高い作品が多い。
注目の雑誌の1つと言えるでしょう。
◆関連過去記事
・「実は私は」第1話「告白します!」(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)
・「実は私は」第2話&第3話「弁当を食べよう!」(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)
・「実は私は」第4話「お見舞いに行こう!」(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)
・「実は私は」第5話「真面目に授業を受けよう!」(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)
・「実は私は」第6話「背比べしよう!」(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)
・「実は私は」第7話「全部忘れよう!!」(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)
・「実は私は」第8話「日焼け対策をしよう!」(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)
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