ネタバレあります、注意!!
<ネタバレあらすじ>
・前回まではこちら。
『ネメシスの杖』第2話『オカピの群れ』(朱戸アオ作、講談社刊『月刊アフタヌーン』連載)ネタバレ批評(レビュー)
地下室らしい部屋の中、1人の男が呻いていた。
そんな男にかけられたのは機械が作った合成音。
内容は「男が何をしたか」を問うものであった。
これに男は「何もしなかった」と応じる。
そう―――男にとっては「何もしなかった」ことこそが罪だったのだ。
男は椅子に縛りつけられ、監禁されていた……。
その頃、紐蔵の協力を得ることに成功した阿里。
紐蔵は口には出さないが、阿里の正義を追い求める姿勢に共感。
実地で確認する必要性を提案すると、1日だけとの条件で共に患者と思われる人々を見て回ることに。
ところが、患者と思われる人物の1人は消息不明。
もう1人は農学部の教授であったが、「シャーガス病」に罹患していることを確認する。
農学部の教授は過去に「アレルギーに効果的な食品」として「桶谷食品」を推奨していた。
つまり、関係者の1人だったのだ。
最中、紐蔵がFBIのバイオテロ対策専門スタッフだったことが判明。
意外な紐蔵の経歴に、阿里は驚くことに。
調査の結果、過去の「食害事件」が関わっていることを確信した阿里と紐蔵。
被害者を洗い出し、江里口という男性の娘が死亡していた事実を突き止める。
彼らは江里口を訪ねるが、江里口は「何度も説明し続けて疲れた」と呟くのであった。
江里口に何があったのか―――4話に続く。
<感想>
新進気鋭の朱戸アオ先生による連載「ネメシスの杖」、その第3話「阿里玲の長い一日 前編」です。
勢いのある線で描かれたキャラに骨太な内容と、第3話もなかなか重厚な物語が展開されました。
現代の被害者が、過去に起こった「桶谷食品の食害事件」の関係者(加害者)であることが明らかになりましたね。
冒頭に登場した監禁されている人物は、消息不明の患者でしょうね。
となると、やはり人為的な犯行のようです。
タイトルである「ネメシス」はギリシア神話に登場する女神の名前。
「憤り」と「罰」を司り、「神罰の執行者」としての側面を持つらしい。
そこから考えても「桶谷食品の食品被害」が発端なのは間違いないか。
おそらく桶谷の死は謀殺となるのでしょう。
1話冒頭にて女子高生が飛び降り自殺していましたが、これが江里口の娘のようですね。
江里口の娘は食品被害に遭い、悲観して自殺した。
その復讐が真っ先に考えられます。
前回までは「桶谷の背後に黒幕がおり、これによる口封じ」の線もあると考えられましたが、3話冒頭の監禁を見るに「何をしたか、しなかったか」を問うていることで、復讐でほぼ固まったものと思われますね。
そして、紐蔵の過去も気になる。
何故、腕を失うことになったのか。
実は凄腕の専門家であった紐蔵の過去が明かされる日は何時か?
次回が気になりますね。
ちなみに「シャーガス病」は実在の病気のようです。
『ネメシスの杖』はそれだけとってもかなり本格的な医療ミステリと言えそうですね。
それと、ネタバレあらすじはかなり改変されているので、オリジナルを読むことをオススメします!!
◆関連過去記事
・『ネメシスの杖』第1話『占い師の杖』(朱戸アオ作、講談社刊『月刊アフタヌーン』連載)ネタバレ批評(レビュー)
・『ネメシスの杖』第2話『オカピの群れ』(朱戸アオ作、講談社刊『月刊アフタヌーン』連載)ネタバレ批評(レビュー)
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