2013年04月06日

『金田一耕助VS明智小五郎』(芦辺拓著、角川書店刊)

『金田一耕助VS明智小五郎』(芦辺拓著、角川書店刊)ネタバレ書評(レビュー)です。

ネタバレあります、注意!!

<あらすじ>

老舗薬問屋の元祖と本家争いに端を発した惨事が大事件に発展するなか、若き名探偵・金田一耕助は雀の巣頭を掻き毟りながら真相究明に挑む。豪華二大名探偵による夢の共演、パスティーシュワールド!
(角川書店公式HPより)


<感想>

東京創元社版『明智小五郎対金田一耕助』の角川書店版です。
ちなみにドラマ「金田一耕助VS明智小五郎」の原作は東京創元社版、角川書店版両方に収録されている『明智小五郎対金田一耕助』。
詳しくは下記リンクよりどうぞ!!

『明智小五郎対金田一耕助』(芦辺拓著、東京創元社刊)ネタバレ書評(レビュー)

ちなみに角川書店版の内容は東京創元社版とほぼ一緒。
違いはタイトルが『金田一耕助VS明智小五郎』であることと、表紙、そして本作のみのボーナストラックの存在。
なんと、ボーナストラックとして書き下ろし短編『金田一耕助対明智小五郎』が収録されています。
これについては芦辺先生に教えて頂いた通りですね。

【訂正記事】芦辺拓先生、角川書店版『明智小五郎対金田一耕助』を3月に刊行予定!!その名は『金田一耕助VS明智小五郎』、書き下ろし短編『金田一耕助対明智小五郎』も追加される!!

表紙も洒落てていいですね。
同じ角川書店からは江戸川乱歩先生や横溝正史先生の作品も刊行されているのですが、それと意図的に表紙の装丁を同じものにしています。
なので、大乱歩や横溝先生によるシリーズの1作と言われても違和感が無いほど。
書店で並ぶと本当に気付かないかも。

それにしても、本作は原書房、東京創元社、角川書店と3社で刊行されたことになるんですね。
凄い!!

では、此処からは東京創元社版と角川書店版を大きく分ける点……つまり、書き下ろし短編『金田一耕助対明智小五郎』について語って行きたく思います。
つまり、『金田一耕助対明智小五郎』をネタバレ書評(レビュー)しちゃいます。
感想の後には、ネタバレあらすじもあるので注意されたし。

『金田一耕助対明智小五郎』ですが、まさにボーナストラックといった趣の作品。
時系列的には『明智小五郎対金田一耕助』よりもかなり後の出来事。
前回で最終的に明智が活躍していたことを受けて、今度は金田一が大活躍。

内容的にはメタ的な趣向を多く盛り込んでおり、此の点で『探偵小説ファン(敢えてミステリと表記しない)』必読と言えそうな作品になっています。
『明智小五郎対金田一耕助』ネタバレ書評(レビュー)でも取り上げた金田一と明智の特徴が根幹となっており、さらに「防御率」なる言葉も飛び出していて面白い。
それと、作中でたびたび語られる当時の探偵小説の立場などは、それを知らない者にとってはそれだけで新鮮な驚きとなるでしょう。
おまけ的なモノでありながら、かなり興味深いモノに仕上げられているのでご一読あれ!!

ちなみにあとがきにて芦辺先生が冗談交じりに「読者を混乱させる目的もあって、短編『金田一耕助対明智小五郎』はこのタイトルで出した」と語られていたのには、混乱した経験のある管理人にとってはニヤリとさせられるモノだったり。
確かに、タイトル自体が誤認トリックみたいになってるものなぁ。
ドラマ「金田一耕助VS明智小五郎」を視て原作を捜す人は、原作短編『明智小五郎対金田一耕助』と書き下ろし短編『金田一耕助対明智小五郎』とで混乱するよね。

<ネタバレあらすじ>

・『金田一耕助対明智小五郎』

金田一耕助のもとへ、ある依頼が持ち込まれた。
依頼者は岡山の旧家・斑井家。
何やら脅迫状が届き、命の危険を感じているらしい。
こうして、金田一は出向くのだが……。

金田一の出馬は大々的に報じられた。
このニュースを明智小五郎は小林少年と共に目にし、興味を示すが……。

一方、金田一は斑井家に到着するも、次々と家人が殺害されてしまう。
後手後手に回り、犯人を逮捕できないのだ。

と、其処へ明智小五郎を名乗る人物が現れる。
明智は斑井家の人々は誰一人として殺害されておらず、殺害されたかに見えた死体は精巧な人形であったことを指摘。
本物の斑井家の人々が捕えられており、犯人の狙いが斑井家に人を近付けないように仕向け、地下で発見された財宝を奪うことにあったと断言する。

そして、明智が指名した犯人の名は―――金田一であった。
いや、正確には金田一のふりをした怪人二十面相である。
なんと、二十面相は金田一に成りすましていたのだ。

逃げ出そうとする二十面相だが、背後から現れた人物により虜とされてしまう。
驚くべきことにその人物もまた明智小五郎であった。

これはどういうことか。
実は後から現れた明智こそ本物。
先に偽金田一を告発した明智こそ、本物の金田一耕助の変装であった。

こうして、怪人二十面相は逮捕された。

先輩後輩として旧交を温める明智と金田一。
二十面相の狙いが「探偵小説のルール上、1つの事件に1人の探偵しか関われない」ことにあったと語り合う。

斑井家地下の財宝に目を着けた二十面相。
だが、天敵である明智が乗り出すことを怖れたのだ。
其処で金田一に成りすまし、その事件に仕立てることで、明智の関与を防ごうとしたのである。
この為に、冒頭にて斑井家の人間を騙り金田一を呼び出し拘束したが、事あるを予見していた金田一は脱出した。
此処で金田一は敢えて明智に変装し、告発に乗り出したワケであった。

それにしても……と金田一は思い悩む。
二十面相が他のどの探偵でもなく金田一を選んだのは“あの理由”があったからとしか思えないのだ。
そう、「防御率」の問題である。
先回りし未然に事件を防ぐ明智に比べ、金田一は圧倒的に事後が多いのだ。
だからこそ、二十面相も事件解決を急がず目的を果たすことが可能な金田一を選んだのだろう。
これには明智も気付いており、励ますしかないのであった―――エンド。

【ドラマ化情報】
【至急報】謎の推理ドラマ情報が!!果たして「KvsA」とは!?

「KvsA」の正体判明!!土曜プレミアムSPドラマ「金田一耕助vs明智小五郎」だった!!

「金田一耕助VS明智小五郎 犬神家の一族八つ墓村の金田一が名探偵明智と世紀の推理対決!切断された頭部 黒頭巾の男、黒焦げの焼死体…老舗薬問屋で続発する奇怪な連続殺人!予想を全て裏切る謎につぐ謎!驚愕の真相とは!?」(9月23日放送)ネタバレ批評(レビュー)

◆関連過去記事
【森江春策シリーズ関連】
・森江春策シリーズ第1作にして初々しい学生・森江青年が初登場する作品はこちら。
「殺人喜劇の13人」」(芦辺拓著、講談社刊)ネタバレ書評(レビュー)

「綺想宮殺人事件」(芦辺拓著、東京創元社刊)ネタバレ書評(レビュー)

・土曜ワイド劇場版「森江春策」シリーズ第1作となった「弁護士・森江春策の裁判員法廷 殺人レシピのさしすせそ」のネタバレ批評(レビュー)も含んでます。
「裁判員法廷」(芦辺拓著、文藝春秋社刊)ネタバレ書評(レビュー)

・「探偵Xからの挑戦状!」にあなたも挑戦!?「森江春策の災難」ネタバレ批評(レビュー)です。
「森江春策の災難」(芦辺拓著)ネタバレ批評(レビュー)

【その他】
『明智小五郎対金田一耕助』(芦辺拓著、東京創元社刊)ネタバレ書評(レビュー)

『明智小五郎対金田一耕助ふたたび(前篇)』(芦辺拓著、角川書店刊『小説野性時代』掲載)ネタバレ書評(レビュー)

【ドラマ版】
土曜ワイド劇場「弁護士森江春策の事件 殺人同窓会・すり替った友人の死体〜君は一体誰!!密閉空間の移動トリックで法廷が踊る!?」(8月21日放送)ネタバレ批評(レビュー)

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posted by 俺 at 12:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 書評(レビュー) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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