<35話あらすじ>
〜〜〜これまでのあらすじ〜〜〜〜〜
エル文化大学に通う女子大生・原田愛理はシャーロッキアン。
同じくシャーロッキアン(ホームズ譚の実在を信じる熱狂的なファン)である車教授と親交を結ぶことに。
ここから愛理の見つけて来た謎に車が挑むとの名コンビが結成された。
やがて、愛理と車教授の間には愛が芽生える。
だが、車は亡き妻を想うばかりに素直になれない。
そんな中、愛理が病気の為に倒れてしまう。
此処に至り、車は愛理への気持ちを告白。
2人は相思相愛の仲になるのであった。
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・「シャーロッキアン!」第34話「アガサ・クリスティの失踪(前編)」(池田邦彦著、双葉社刊「漫画アクション」連載)ネタバレ批評(レビュー)
消えた女流作家・来生妙子の姿はエル文化大学の教授棟にあった。
そして、其処には車教授も居たのである。
支えを求めて何かを渇望するような表情を浮かべる妙子。
そんな妙子に車は一瞥以来と何処か距離を置いた態度をとる。
これにショックを受けてしまった妙子はその場を飛び出してしまう……。
数時間後、車から妙子が訪問して来たとの話を耳にした愛理。
車によれば、昔から妙子は家族愛に恵まれず両親は常に不仲で、いつも屋外に座り込んでいたらしい。
これを見かねた車が声をかけ、共に自転車で遠出した。
妙子とは兄妹のような感覚があり、彼女が気晴らし出来ればと考えたのだそうだ。
その帰路、妙子は両親の離婚と、母に着いて転居することを打ち明けた。
これを聞いた車は、いつも傍に居ると慰めるつもりで結婚を口にしたのであった。
愛理はそんな約束をしていたにも関わらず、頼って来た妙子を突き放した車を批判。
『恐喝王ミルヴァートン』でのホームズにも何か理由があった筈だと論を進め、車の不誠実さを責める。
これに言葉のない車。
翌日の夜、友人である陽子にバイキングに誘われた愛理は自棄食いしてしまう。
陽子は自身が愛理に救われた(2話参照)ように、妙子も車に救われたのだろうと述べる。
その上で、車の苦しい心境に思いを馳せる。
妙子の想いを受け入れれば愛理が苦しむことになる車は、愛する愛理の為に妙子と距離を置いたのだ。
もしや、自分の為に車は信念を曲げたのか……愛理は車への想いに悩む。
車と妙子の間を取り持つことで、車は妙子に奪われてしまうかもしれない。
でも、此処で車が愛理の為に信念を曲げればそれはもう車ではない。
車が「らしさ」を失うことを怖れた愛理は、例え自分が彼を失うことになっても車と妙子の間を取り持つべきだと決断。
車を説得するべく、ホームズとアガサの関係を解き明かし始める。
こうして、時間をかけて『恐喝王ミルヴァートン』を読み込む愛理。
ホームズたちがミルヴァートン邸に侵入した描写にて「電灯のスイッチを入れた」と記載があることに注目、遂にある事実に至る。
当時の電力網を調べ始める愛理。
「フィラメント式」であることに意味があるらしいが……。
さらに、アガサ・クリスティ失踪事件当時の地図と重ね合わせ、愛理が出した結論とは―――36話へ続く。
<感想>
シャーロッキアンの意外な真実を縦軸に、車教授と愛理の関係を横軸に置いた作品「シャーロッキアン!」が堂々の完結から半年ほどで帰還となりました。
そんな新シーズン第8話は「アガサ・クリスティの失踪(中編)」です。
ファンの間で謎とされているアガサ・クリスティの消えた11日間。
それと、同じく女流作家である来生妙子の失踪を重ねることで、意外な真実を浮かび上がらせるものですね。
此処までは前回の予測通り。
車も愛理も良かったですね。
車は彼のスタイルよりも愛理を優先し、妙子を遠ざけようとした。
愛理は車を失うことになっても、彼がらしさを失うことを怖れ車と妙子の間を取り持とうとする。
まるで、賢者の贈り物です。
互いが互いを想うがゆえに導き出した結論は、彼らを護るのでしょうか。
気になるのは愛理が辿り着いたホームズとアガサの結論。
アガサの失踪事件もこれに関わるようですが。
『恐喝王ミルヴァートン』の「電灯描写」から「当時の電力網」に注目し「フィラメント式」であることが重要な意味とは……次回に注目です!!
ちなみに、車先生と妙子の関係は幼馴染というよりは兄妹に近いものの様子。
これは妙子の側も同様のように思われるのですが……。
おそらく車を真剣に愛する愛理を見て妙子も身を退くのではないでしょうか。
ちなみにアガサ・クリスティの失踪事件と言えば、過去に映画化された『アガサ 愛の失踪事件』などが存在し、最近では同様のテーマで『アガサ(仮)』としてアクション映画化されるとのこと。
当ブログでも取り上げていますね。
なんともタイムリー!!
・【映画情報】アガサ・クリスティ、謎の失踪事件をテーマにした映画『アガサ(仮)』が制作されるとのこと。
こちらも要注目です!!
◆関連過去記事
・1話から27話までのまとめです。
「シャーロッキアン!」(池田邦彦著、双葉社刊「漫画アクション」連載)まとめ
・「シャーロッキアン!」第28話「カレーの問題(前編)」(池田邦彦著、双葉社刊「漫画アクション」連載)ネタバレ批評(レビュー)
・「シャーロッキアン!」第29話「カレーの問題(後編)」(池田邦彦著、双葉社刊「漫画アクション」連載)ネタバレ批評(レビュー)
・「シャーロッキアン!」第30話「追跡!ビートンのクリスマス年鑑(前編)」(池田邦彦著、双葉社刊「漫画アクション」連載)ネタバレ批評(レビュー)
・「シャーロッキアン!」第31話「追跡!ビートンのクリスマス年鑑(中編)」(池田邦彦著、双葉社刊「漫画アクション」連載)ネタバレ批評(レビュー)
・「シャーロッキアン!」第32話「追跡!ビートンのクリスマス年鑑(後編)」(池田邦彦著、双葉社刊「漫画アクション」連載)ネタバレ批評(レビュー)
・「シャーロッキアン!」第33話「騎士と漱石」(池田邦彦著、双葉社刊「漫画アクション」連載)ネタバレ批評(レビュー)
・「シャーロッキアン!」第34話「アガサ・クリスティの失踪(前編)」(池田邦彦著、双葉社刊「漫画アクション」連載)ネタバレ批評(レビュー)
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