<あらすじ>
多様化する現代の犯罪に対応するため、警視庁は科学捜査研究所の優秀な研究員5人を集め、特別捜査権を与えた。彼らはSTと呼ばれ、若いキャリアの警部・百合根(岡田将生)が加わり指揮官となる。ある日、銃乱射事件が発生、チームSTに出動命令が下される。百合根が事件現場へ向かうと、既にメンバーは、法医学担当の赤城(藤原竜也)を除いて全員到着。犯罪心理学の博士号を持つプロファイラー・青山(志田未来)、嗅覚に優れる黒崎(窪田正孝)、化学の専門家で僧侶でもある山吹(三宅弘城)、聴覚が異様に発達した物理担当・翠(芦名星)だ。彼らは、高い能力こそあるが、社会性に欠ける個性的な者ばかりだった。
(@nifty tv番組表より)
では、続きから(一部、重複アリ)……
高級マンション前で、無差別と思われる銃乱射事件が発生した。
結果、1人が死亡し4人が負傷するとの大事件に発展した。
死亡者は上原麻衣子。
犯人は凶器を現場に放置しその場を去っていた。
無秩序型の犯行かと思われたが……。
これにSTへ出動命令が下る。
STの指揮官として赴任したばかりの百合根も参加することに。
STのメンバーは5人。
法医学担当の赤城。
犯罪心理学の博士号を持つプロファイラー・青山。
嗅覚に優れる黒崎。
化学の専門家で僧侶でもある山吹。
聴覚が異様に発達した物理担当・翠であった。
それぞれがそれぞれに異能とも言うべき、技能の持ち主。
だが、それぞれに個性的過ぎる為に共通の弱点を抱えていた。
全員が全員、コミュニケーション不全だったのである。
赤城は自宅に籠り、現場にも出て来ないほどであった。
実はメンバーのコミュニケーション不全には理由があった。
赤城は対人恐怖症の為に引き籠り。
青山は秩序恐怖症。
黒崎は先端恐怖症。
山吹は不眠症。
翠は閉所恐怖症。
全員が悩みを抱えていたのである。
これにより、周囲と無用な摩擦を生み続けるSTメンバー。
百合根は頭を抱えるものの、前向きに彼らと向き合う。
そんな百合根に彼らは情報収集を命じる。
なんと、STは捜査本部からも疎まれており情報を遮断されていたのだ。
上原麻衣子の親友を名乗る車椅子の女性・玲子と親しくなった百合根。
麻衣子の死に涙する彼女の為にも、事件を早期解決すると誓う。
青山は秩序恐怖症の自分が犯行現場で落ち着かなかったことから、無秩序型ではなく秩序型の犯行であると主張。
さらに、自宅からの音声ではあるが赤城も捜査に参加。
弾痕の位置から、監視カメラを先に破壊するプロの犯行であると分析する。
どうやら、麻衣子は自宅で殺害されかけたところを外へと逃げ出し殺されたらしい。
加えて、麻衣子が若松組組長である若松の愛人であったことが判明する。
直後、清水朱美という女性が絞殺死体で発見される。
足の皮膚が剥がされており、猟奇殺人事件として処理されかけるが、青山は乱射事件と同じプロの犯行であると主張する。
被害者が左腕に嵌めた腕時計は右腕用のものだった。
つまり、自宅で殺害した被害者を死体発見現場で殺害された様に偽装したのだ。
麻衣子の際も自宅から屋外へと殺害現場が移動していた。
しかも、偽装の仕方が乱射事件に猟奇事件と派手である。
だからこそ、同一犯だと考えているらしい。
清水朱美が高梨組組長の愛人であったことが判明。
若松組と高梨組を争わせる者の犯行だと主張する青山だが、池田管理官を始めとする捜査本部の態度は冷たい。
青山は3人目の被害者が出ると予告するが……。
赤城に対して批判も噴出し、これを庇った青山が袋叩きにあってしまう。
矢先、3人目の被害者が出る。
被害者の名は尾崎カナ、これまでと同じく組織トップの愛人であった。
青山は自身の予告が的中したことで居丈高な態度をとる。
これに捜査一課の刑事・菊川は激怒。
青山は落ち込むことに。
青山は感情をどう表現してよいか分からず、居丈高になってしまったのである。
そんな青山を励ます百合根。
逆に百合根も病的な完璧主義者であることを青山に看破される。
2人は互いの至らなさを感じとり、共に努力することを誓う。
ところが、赤城は菊川と揉めた青木の行動を批難する。
これを聞いた百合根は赤城を担当から外すことに。
百合根はこの事件が終わったら、赤城を戻す代わりにSTから外して欲しいと三枝参事官に申し出る。
百合根にST創設について語る三枝参事官。
それはトキワ事件が発端であった。
資産家の常盤夫妻が死体で発見された。
当時の捜査担当者たちは強盗と判断したが、赤城たちは心中であると見抜いた。
実は、常盤の娘は保険金の為に遺書を隠していたのだ。
これが明かされたことにより、世間の非難を一身に浴びた娘は自殺してしまった。
常盤の娘の行動を薄々察していた捜査担当者たちは見逃すつもりであったことから、赤城たちの行動を批難した。
赤城はこのときのトラウマが原因となって引き籠りになってしまった。
だが、STが結成される際に「同じようなことを起こさない為に、人の心の分かる指揮官の就任を求めた」のだと言う。
そして、三枝によればその適任こそが百合根だったのだそうだ。
これを聞いた百合根は赤城を加え、立ち向かうことを決断する。
百合根の説得を受けた赤城はトラウマを乗り越えるべく、自宅からだが百合根に協力を約束する。
一方、青山は池田たちがSTの知らない重要情報を握っていると判断。
事件解決の為にと必死に訴える。
これに菊川が応じることに。
隠されていた重要情報とは、青山が連続殺人と主張した事件現場にそれぞれ「AB」、「O」、「A」と全く異なる男性の血液型が残されていたことであった。
池田たちは「別々の男性による別件」と考えていたのだ。
だが、赤城たちはこの情報から逆の事実を導き出す。
こうして、池田たちを集めプロファイリングを披露することに。
相変わらず、赤城は自宅から音声のみの参加だが……。
それによると、現場に残された犯人のものと思われる血痕は罠。
つまり、犯人は女性で同一人物であった。
しかも、プロファイルを逆手に取った犯行手口から、プロファイルに馴染みの深いアメリカ人女性と断定。
麻衣子殺害時の弾痕の位置から、身長170センチ台前半との推測も飛び出す。
池田はこのプロファイリングの正当性を評価。
女性を捜査対象に絞り込む。
結果、殺し屋と思われる女性が浮上。
百合根、菊川、青山、翠が逮捕に赴くが、隙を突き逃げられてしまう。
ところが、翠は犯人の声に聞き覚えがあった。
百合根と会話した人物のようだが……。
犯人は変装して国外逃亡を企んでいることも判明。
これを聞いた赤城は「犯人を見抜けるのは自分しかいない」と断言。
さらに「分かってやるべき犯行動機がある」とも口にするが……。
遂に「天岩戸」を出ようとする赤城。
だが、人目が気になりどうしても外出できない。
追い詰められた赤城の前に彼が大切にしている等身大の人形・ガッキーが……。
数時間後、空港内を異様なモノが闊歩していた。
周囲の人々は思わずそちらを振り向く。
その視線の先には「ガッキー」が歩いていたのである。
もちろん、中身は赤城だ。
黒崎、山吹と合流した赤城。
ふと目にした老人の華麗な動きに注目する。
どう見ても、杖を必要とする老人には思えない。
赤城の指示で老人を取り押さえようとする山吹と黒崎。
だが、相手はプロである。
山吹はあっさりのされてしまう。
ところが、黒崎は強かった。
相手と互角どころか、的確に追い込んで行く。
結果、老人と思われた犯人は取り押さえられる。
その正体は麻衣子の親友を名乗った玲子であった―――。
プロの殺し屋である彼女は玲子を名乗り百合根に近付いたのだ。
玲子を名乗る女性は逮捕され、取り調べを受けることとなった。
依頼人の名を明かさせる必要がある為だ。
黙秘を貫く犯人に対し、詰め寄る百合根。
対照的に赤城は押し黙っている。
このまま膠着状態が続くと思われたそのとき。
赤城がガッキー人形を脱いだ。
赤城は、人として犯人と接する必要があると考えたのだ。
赤城は依頼人の正体が「一般市民1万人」であると口にする。
顔色を変える犯人。
なんと、依頼人の正体は「暴力的組織の被害者たち」であった。
彼らはネットに集い、寄付金を集めるとプロに依頼したのだ。
互いに互いの犯行を疑い復讐させ合うことで、その勢力にダメージを与えることが狙いだったらしい。
さらに、赤城は犯人である彼女がこの依頼を引き受けたのは、彼女もまた被害者の1人であるからだと主張。
彼女の両親が暴力的組織により自殺に追いやられていたことを看破する。
だが、彼女はこの依頼に疑問を抱いていた。
殺害する対象はその愛人であって、本人ではない。
果たして、本当に良いのだろうか―――と。
そこで、玲子として百合根に近付き犯人逮捕を依頼したのである。
これを認めた彼女は、ネット上の依頼人に計画の失敗と、赤城の「どの立場にしろ被害者を出させない」との決意を伝えるのであった。
こうして事件は解決した。
赤城の推理を褒め称える百合根を始めとするSTメンバー。
だが、赤城は他者の視線を感じることに耐え切れず、自宅に戻ってしまう。
再び「天岩戸」に籠ったのだ。
一方、この事件を通じSTを続けたいと考えた百合根は継続することを希望。
三枝は「だからこそ君を選んだんだ」とばかりに微笑むのであった―――エンド。
<感想>
ドラマ原作は今野先生原作『ST 警視庁科学特捜班シリーズ』(講談社刊)。
<あらすじ>
プロファイリングで解き明かす猟奇殺人
多様化する現代犯罪に対応するため新設された警視庁科学特捜班、略称ST。繰り返される猟奇殺人、捜査陣は典型的な淫楽殺人と断定したが、STの青山は1人これに異を唱える。プロファイリングで浮かび上がった犯人像の矛盾、追い詰められた犯罪者の取った行動とは。痛快無比エンタテインメントの真骨頂!
(講談社公式HPより)
読みたいと思いながらも、まだ読めていない原作です。
『ST 警視庁科学特捜班シリーズ』は「初期シリーズ」「色シリーズ」「伝説シリーズ」などに分かれている様子。
「初期シリーズ」が3冊。「色シリーズ」が5冊。「伝説シリーズ」が3冊。
これに外伝が1冊あるとのことで、計12冊も既刊があるワケですね。
ストックも多いし、スペシャルドラマの結果如何に関わらず連続ドラマ化を狙っていそう。
そんなドラマ版の感想。
インパクトのある設定、ストーリー展開、そして意外な依頼人と楽しめましたね〜〜〜。
良かったです!!
特にユニークな設定が凄いですね。
黒崎の警察犬、翠の嘘発見器的な活躍には驚かされました。
そして、黒崎強えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ。
最初こそ、設定に展開が振り回されていると思いましたが、青山が心底を明かし出した中盤からグイグイ惹き込まれました。
赤城のトラウマや、それを乗り越えようとする姿も良かった。
何気にラストで復活するガッキーも良し。
原作のイメージが無かったからかもしれませんが、キャストも嵌っていたように思います。
これも良し!!
全体的に飄々としつつ、芯の感じられる作風も好印象。
決して意外性だけの作品ではないです。
かなり高評価。
明日はリアル書店やネット書店から『ST』原作が消える……かもしれないなぁ。
そう思わせるだけの面白さを持ったドラマでした。
これは連続ドラマ化すべきでしょう。
◆関連過去記事
・「ハンチョウ神南暑安積班シーズン2」(TBS系、2010年)まとめ
・「ハンチョウ」シリーズで知られる今野敏先生の「同期」がWOWOWでドラマ化決定!!
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