2013年04月13日

「実は私は」第11話「狼男がやってくる!」(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

「実は私は」第11話「狼男がやってくる!」(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)です。

ネタバレあります、注意!!

第11話登場人物一覧:
黒峰朝陽:主人公、通称「アナザル」。
白神葉子:朝陽の意中の人物。ある秘密が……。
紫々戸獅狼:葉子の幼馴染。彼もまたある秘密を……。
紫々戸獅穂:葉子の幼馴染。彼女もまたある秘密を……。

藍澤渚:クラス委員長。彼女にも秘密が……。
紅本:教師。
朱美みかん:朝陽の幼馴染。新聞部所属。通称「オレンジ」。
岡田:朝陽の友人の1人。通称・岡。割と友人想いの様子。
嶋田:朝陽の友人の1人。通称・嶋。軽い。
桜田:朝陽の友人の1人。通称・サクラ。渋い。
葉子の父:吸血鬼。額に十字傷を抱く巨人。

<ネタバレあらすじ>

〜〜〜これまでのあらすじ〜〜〜〜

「アナザル」こと「絶対に秘密を守れない男」黒崎朝陽は憧れのヒロイン・白神葉子の秘密を知ってしまった。
その秘密とは「白神葉子がハーフの吸血鬼である」こと。
朝陽は葉子の為に、この秘密を守らねばならない―――。
取り巻く人々を相手に、朝陽は秘密を守り抜くことが出来るのか?

矢先、実は宇宙人であった委員長・渚も加わって……。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

葉子との遊園地の帰り道。
上機嫌の葉子の隣で、朝陽は沈み込んでいた。
葉子の幼馴染の存在を耳にした為である。

一体、どんな奴なんだろう?
朝陽は気になって気になって仕方がない。

ところが……答えは向こうからやって来た。
ふと見れば、明らかに怪しい牙を誇る目つきの悪い男が立っていたのである。

男は自らを葉子の幼馴染・紫々戸獅狼と名乗る。
何処からどう見ても狼男だ。

獅狼の存在に動揺する葉子。
獅狼は「何故、連絡をくれなかったのか」と葉子に迫る。
葉子は「獅穂とは連絡し合っているんだけど……」と呟く。

その傍らで、朝陽は如何にも狼男らしいがホンモノだろうか?
こう見えて、実は違うのではないか……と思い悩む。

何やら言い合う葉子たちをさて置き、スタスタと周囲を歩くと枝に目を点ける。
あとは簡単だ。
枝を「そーれっ」とばかりに空へと放り投げる朝陽。
本能のままにつられた獅狼は枝を口でキャッチする。

当然、朝陽にツッコミが向かうのは真っ当な流れである。
今更ながら朝陽に気付いた獅狼。
そして、葉子たちが何処からの帰路かに思い至ると……露骨なほどに肩を落とし背中を向けて帰ろうとしてしまう。

あっ、まさか……獅狼が何を考えているかピンと来た朝陽はその背中に声をかける。

「白神とはそんなのじゃなくて友達だから……」
「そんなの……?」
これに葉子も何かに気付いた様子。
取り繕うように慌てて、朝陽との関係は単なる友達に過ぎないと連呼する。
自分で言い出したとはいえ、その度に心にダメージを負う朝陽。

だが、朝陽の犠牲の甲斐あってか獅狼は友達であることに納得した様子。
漢として、恋仲の2人の邪魔をするワケにはいかないからな……と虚勢を張る。
どうやら、葉子に恋している獅狼は朝陽と葉子が恋仲であると考えて身を退こうとしていたらしい。

思ったより悪いやつでは無さそうだ……ほっと胸を撫で下ろす朝陽。
ところが、そんな朝陽の想いを裏切るように獅狼は睨みつけて来る。

「もしも、人間に正体がバレていたら連れ戻すように仰せつかったんです」
そう語る獅狼は、朝陽が人間であると知るや疑いの目を向けて来る。
朝陽が葉子の正体を知っているとすれば、葉子を連れ戻す気なのだ。

葉子のことを想う朝陽は認めるワケにはいかない。
知らないとシラを切ることに。

よく分からない言いがかりをつけてると、張っ倒すぞ!!
慣れぬ罵声を獅狼に浴びせかける朝陽。
だが、獅狼は退かない。
自分の牙を見ても、不思議に思わないのはおかしいと詰め寄る。

アア、ソレキバダッタンダ……ファッションカトオモッタ。
必死にシラを切る朝陽。
これに獅狼は……キレた。

ファッションだと!?
狼男の誇りをファッションとは何だ!!

もはや、正体を隠すことなど忘れている。
自ら狼男であると明かすほど、逆上しているようだ。
胸倉を掴まれた朝陽。
その頭上で月が輝いて……。

「しまった!!獅狼が月を見たら、さらに凶暴になってしまう……」
焦る朝陽の目の前で、その心の内を代弁するように獅狼もまた「しまった!!」と叫ぶ。
はて……朝陽はともかく、何故、獅狼が?

月を見た獅狼が変身して行く。
いや、葉子によれば戻っているらしい。

そして変身を終えた獅狼。
其処には1人の女性が立っていた。
その名は獅穂、葉子が連絡を取っていたのは彼女であった。

え〜〜〜っ、狼関係ないじゃん。
朝陽の想いは儚くも夜の空に溶け込んでいく―――12話に続く。

<感想>

「週刊少年チャンピオン」にて「さくらDISCORD」を連載されていた増田英二先生の新作。
「さくらDISCORD」は未読の管理人ですが、1話を読んで注目している作品です。
本作、かなり面白い!!

その11話です。

獅狼、硬派なまさに“漢”でしたね。
そして、葉子のことを好きなのは確実。
ところが、葉子はそんな気持ちを全く理解していない。
まるっきり、朝陽と同じです。
朝陽も真っ直ぐな性格だけに、出会い方さえ別だったならば良い友人になれただろうに。

ところが、そんな獅狼にも秘密が。
それが狼男であること……と思いきや、どうやら変身後が獅狼である様子。
つまり、変身前が別にある。
そして、その正体が獅穂といったところでしょうか。
狼男で言えば、人間状態が獅穂で狼状態が獅狼といった感じ?

この獅狼から獅穂へのキーが月を見ることのようですね。
あれ、狼男って月を見ると狼になる筈……この辺りには何か秘密がありそうか。

それにしても、獅穂は獅狼と違って理解がありそうな印象。
獅穂の登場で、葉子の帰郷は回避されそうか。
同時にお姉さんタイプの新ヒロインが誕生したと言えるか。
でもって、これで朝陽を巡るヒロイン戦線もさらに激しさを増しそうか。
葉子といい、朝陽といい、知らぬは本人ばかりなりだなぁ。

主人公の恋敵兼新ヒロインの登場!!
次回も注目です!!

本作に興味を持たれた方には、是非、「週刊少年チャンピオン」本誌を捜して読んで欲しい。
最近の「週刊少年チャンピオン」は「名探偵マーニー」や本作など本当に粒揃いでクオリティが高い作品が多い。
注目の雑誌の1つと言えるでしょう。

◆関連過去記事
「実は私は」第1話から10話まで(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)まとめ

「さくらDISCORD 1 (少年チャンピオン・コミックス)」です!!
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