ネタバレあります、注意!!
<あらすじ>
ドミノ倒しはいったい、どこまで続いていくのか――。瞠目の最終回!
(東京創元社公式HPより)
<感想>
『ハーシュソサエティ』シリーズも好調な貫井徳郎先生の作品です。
結論としては、なかなか面白い作品だと思います。
多分、好きな人は物凄く好きなタイプのストーリーかな。
読後、アガサ・クリスティのあの作品を思い出しました。
フェアかアンフェアか……。
ただ、本作は其処にポイントを置いていないようではある。
如何に物語が転がるかを楽しむ作品かな。
ちなみに貫井先生は『ななつのこ』で知られる加納朋子先生の旦那様でもあります。
NHKさん「探偵Xからの挑戦状!」に「殺人は難しい」を提供していらっしゃるのでご存知の方も多いのではないでしょうか。
そんな貫井先生の著作について興味をお持ちの方は本記事下部に過去作のネタバレ書評(レビュー)があるのでどうぞ!!
<ネタバレあらすじ>
犯罪行為に手を染めていた人々が、次々と殺害されていた。
探偵・十村は依頼を受け、殺人事件の調査を始めた。
だが、事件はまさに「ドミノ倒し」的に続き止まらない。
事件の謎を追い「月影村」へ向かう十村。
地元署のエリート署長の協力を得て、調査を続けるが……。
容疑者らしき人物にはアリバイが存在していた。
ところが、当の署長が行方不明に。
矢先、県外へ逃げようとしているらしい署長から十村に「村から逃げるように」との連絡が入る。
署長は村の出身ではなかったがゆえに、村の秘密に気付いてしまい追われていたのだ。
実は「月影村」こそは住民の半分以上が自警的組織を形成し、彼らの掟に反する者に私的制裁する村であった。
その私的制裁の中には、死刑も含まれていたのだ。
そう、これまでの殺人は村ぐるみの犯行だったのだ。
アリバイが存在するのは当然であった―――全員で口裏を合わせるのだから。
「月影村」のシンパは県内にも多く居るらしい。
捕まれば命は無い。
この秘密を知った十村もまた追われることに。
月影村の住人のほとんどを敵に回し追われることとなった十村。
彼に明日は来るのか―――エンド。
【貫井徳郎先生関連過去記事】
・「乱反射」(貫井徳郎著、朝日新聞出版刊)ネタバレ書評(レビュー)
・「慟哭」(貫井徳郎著、東京創元社刊)ネタバレ書評(レビュー)
・「光と影の誘惑」(貫井徳郎著、東京創元社刊)ネタバレ書評(レビュー)
・『憑かれる(「崩れる 結婚にまつわる八つの風景」収録)』(貫井徳郎著、角川書店刊)ネタバレ書評(レビュー)
・『オール・スイリ2012』(文藝春秋社刊)ネタバレ書評(レビュー)
・『灰色の虹』(貫井徳郎著、新潮社刊)ネタバレ書評(レビュー)
・探偵Xからの挑戦状!「殺人は難しい」(貫井徳郎著)本放送(4月21日放送)ネタバレ批評(レビュー)
・ドラマスペシャル「灰色の虹〜刑事、検事、弁護士…7年目の殺人連鎖!!浮かび上がる全てを奪われた男!?暴かれる姿なき殺人者の驚くべき真実!!全てを奪われた家族の結末とは…」(2012年5月19日放送)ネタバレ批評(レビュー)
【関連する記事】
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