2013年04月16日

『月は囁く』第2話「月とドッペルゲンガー」(宮崎克原作、青木朋画、小学館刊『ビッグコミックオリジナル5月増刊号』掲載)ネタバレ批評(レビュー)

『月は囁く』第2話「月とドッペルゲンガー」(宮崎克原作、青木朋画、小学館刊『ビッグコミックオリジナル5月増刊号』掲載)ネタバレ批評(レビュー)です。

ネタバレあります、注意!!

<ネタバレあらすじ>

登場人物一覧:
藤村月:陽一の父が再婚したことで、陽一の義妹となった。犯罪心理学と観相学を駆使する天才少女。
藤村陽一:警視庁捜査一課勤務、35歳。
陽一の父:犯罪心理学者。多くの事件解決に寄与した。

加山幸一:TV局プロデューサー。被害者。
柴田朋美:若手女優。容疑者。
三木卓:目高プロダクションのマネージャー。
土井美由紀:若手女優。朋美の同居人。


陽一とルナがゲームに興じている。
とはいえ、何故か興奮気味の陽一に比べるとルナはつまらなさそうである。
そのまま、握りしめられた陽一の左手を指し示すルナ。

「また、当たった!!」
驚く陽一の掌の中にはコインがあった。
2人は陽一が左右いずれかの手に隠したコインをどちらで隠しているか当てるゲームに興じていたのだ。
ところが、このゲーム。
ルナの7連勝に終わっていた。

2分の1の確率としても、7連勝はかなりの難易度だ。
「まるで魔術だ」と感想を述べる陽一に「魔術じゃなくて技術だよ」とそっけなく応じるルナ。
ヒントは「白目」にあるらしいが……。

とはいえ、陽一がルナとゲームを楽しんでいるのには理由があった。
陽一はある事件解決にルナの力を借りようとしていたのだ。

その事件とはTV局プロデューサー・加山幸一の殺害事件。
容疑者は若手女優の柴田朋美。
現場から逃げ去る後ろ姿が目撃された上に、犯行現場から検出された足跡が朋美の自宅から押収された靴と合致したのだ。
加山は女癖が悪く、朋美も交際を迫られていたらしい。
それが動機かと思われたが……。

ところが、拘束された朋美は「もう1人の自分の犯行かもしれない」と語り始めたのである。
なんと、朋美によれば「彼女のドッペルゲンガー」が居るらしい。

朋美の表情を確認したルナは「彼女は嘘を吐いていない」と断言する。
矢先、朋美のアリバイが成立。

朋美が所属する「目高プロダクション」のマネージャー・三木卓が彼女とバーで飲んでいたと証言したのだ。
三木と朋美、共通の知人の証言もあり、アリバイは確固たるものである。

やはり、ドッペルゲンガーの仕業なのか……頭を抱える陽一。
其処へ朋美と同居している女優・土井美由紀が現れる。
三木によれば、美由紀も加山から交際を迫られていたらしい。

ルナは朋美のかかりつけ医に相談。
すると、意外な事実が……。

朋美が語る「もう1人の自分」とは幻覚の一種らしい。
つまり、ドッペルゲンガーは存在しないのだ。
これを聞いたルナは「犯人は三木だ」と断言するが……。

陽一は三木の所持品を調べる為として目高プロダクションに捜査の手が入ると美由紀に教える。
美由紀は何故かソワソワし始めて……。

その夜、事務所のロッカーから何かを取り出した美由紀。
其処へルナと陽一が姿を現す。

すべてはルナの罠だったのだ。
こうして美由紀は逮捕されることに。

実は美由紀は加山と交際していたが、捨てられそうになっていた。
これを恨んでの犯行らしい。
その際、美由紀は朋美に変装して犯行に及んでいたのである。
朋美が普段から「もう1人の自分」を気にかけていたことを知ってのことであった。

美由紀がロッカーから取り出したのは朋美と同じ髪型の鬘と服一式。
彼女が変装に用いたものである。
どうやら、処分する暇がなく事務所に隠していたようだ。
それを陽一から事務所に捜査が入ると聞き慌てて処分しようとしたのだ。

こうして事件は解決。
冒頭のゲームのヒント、白目の正体は「指し示す視線」であった。
人間は互いに助け合う為に視線を判断できるよう白目を持つように進化したのである。
ルナがゲームで7連勝出来たのは、陽一がコインの入った手を知らず知らずに目で追っていた為であった。

そして、ルナは美由紀が三木の前で見せた視線の方向から、ロッカーに証拠が隠されていると確信していたらしい。

これを聞いた陽一はルナに「何故、味方である自分にも三木が犯人であると嘘を吐いたのか」と詰め寄る。
もちろん、ルナの返事は「陽一が嘘が下手だから」であることは言うまでもない―――3話に続く。

<感想>

先頃完結した「幇間探偵しゃろく」でお馴染みの青木朋先生が宮崎克先生とタッグを組み、新たなミステリコミックの連載を「ビッグコミックオリジナル 増刊号」で開始されました。
タイトルは「月は囁く」。
捜査官・藤村陽一とその義妹・藤村月が犯罪事件を解決する物語。

では、2話を読んだ感想を。

1話を受けてだいぶ陽一とルナは距離を縮めた様子ですね。
嘘が下手なだけに正直な陽一にルナも信頼を寄せているものか。
キャラに関しては良かったですね。

ただ、物語の内容自体はかなり薄味気味か。
2話目にしてはローテンション気味な印象。
「もう1人の自分」という素材自体も割と多用されるものだし、その用い方も直球気味か。
ある意味、王道ともいえるが……。
これがキャラを強調出来るように敢えてシナリオを薄めにコントロールした結果なら良いのですが……。
あるいは、この語り口こそが本作のカラーとなるか。
まだ2話目、3話に期待!!

ちなみに、ルナは父親に対しトラウマがある様子。
その天才的な力により、父に虐待されていたのかな。
結局、父と母はこれが原因で離婚。
そして、母が陽一の父と再婚といった流れか。

ルナとしては離婚の原因が自身にあると考えて、以来、人と距離を置くようになったか。
ところが、無邪気な陽一に癒されていく展開か。
イイですね。
最終的にはルナがトラウマとなった父と和解する(乗り越える)展開もありそうかな。

そして、全体的に漫画版「ライ・トゥー・ミー」的な印象も。
これに陽一と月の義兄妹キャラクターを加えたのが本作か。

興味を抱かれた方は是非、『ビッグコミックオリジナル 増刊号』にて本作を確認されたし。

◆関連過去記事
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posted by 俺 at 12:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 漫画批評(レビュー) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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