<ネタバレあらすじ>
その日、あるパーティー会場に兎の覆面を着用した人物の姿があった。
本来なら目立つその格好も、仮装パーティーというこの環境下では特に目を惹くことも無い。
その人物は適当にパーティー会場で提供されていた食べ物を見繕うとそのまま部屋を出る。
途中、パーティーの主催者であるドン・アンブロージュと擦れ違う兎覆面。
アンブロージュはパーティーの成功に上機嫌の様子である。
兎覆面は会場を出ると、エレベーターホールへ。
そのまま階下へと降りて行く。
着いた先は謎の小部屋。
扉の前に立つ見張り役の男によると、中に誰かが捕まっているらしい。
兎覆面は無造作に室内へと入ると、食事とワインを差し入れと称して振る舞う。
見張りたちは喜んでこれに手を着けようとして……兎覆面に立ち位置を調整された。
何の意味があるのか……疑問に思う見張りたちに鉛玉が解を与えてやった。
哀れ、見張りたちは兎覆面により射殺されてしまう。
兎覆面は覆面を外す、中から出て来たのはポニーテールの美少女。
美少女は椅子に拘束された人物の戒めを断つ。
そして、相手の顔を見て……唖然とした。
見ず知らずのオカマだったからである。
美少女が助けようとした相手―――オウカではなかった。
しまった……と後悔する美少女にオカマは礼を告げると逃走する。
去り際にボスは滅多に人前に姿を現さないらしいと言い残して。
これを聞いた美少女は銃を刀に持ち替えてパーティー会場へと向かう。
一方、パーティー会場では大きな衝撃音と共に壁が崩れ始めた。
慌てて逃げだそうとするアンブロージュの前に、あの少女が刀を突き付ける。
縦一閃―――真っ二つにされたアンブロージュの中から別の美少女が現れた。
アンブロージュは人前に姿を現さない。
その人物が人の多いパーティー会場に居ることには意味があったのだ。
来てくれると思ってたわ。
オウカと呼ばれた少女は、ポニーテールの少女をチハヤと呼んだ。
瞬間、オウカの足元が虚空に呑まれ消えた。
オウカは垂直落下して行く。
次の第9階層(ステージ)で待ってるわ……と言い残し。
これをチハヤが追いかける。
彼女たちの目的は何か。
一体、何を意味するのか―――第2話へと続く。
<感想>
『メフィスト』の新連載です。
謎が謎を呼ぶ第1話となりました。
今回の登場人物はメインで3人。
チハヤ、オウカ、ドン・アンブロージュ。
このうち、ドン・アンブロージュはオウカの擬態だったので実質2人か。
ただ、このドン・アンブロージュの扱いが謎だな。
ドン・アンブロージュはあの世界で実在しており、オウカが化けていたものか。
そもそも、あの世界自体が架空の物であり、アンブロージュというキャラもオウカの隠れ蓑として用意されたものだったのか。
どちらかと言えば、後者のような気がします。
だとすると、2人の居る世界は仮想現実……あるいはそれに類する世界なのか。
これはオウカの足元が消えたり、壁が崩れたりしたこと、オウカ自身の次は第9層との台詞からも分かりますね。
2人は仮想現実(架空世界)で追いかけっこを繰り広げていることになるが……。
これは自分の意志によるものなのかどうかも気になるなぁ……。
全体的に抒情的な世界で繰り広げられる追いかけっこ。
次回に注目です!!
【関連する記事】
- 『スーサイド・パラベラム』第9話(道満晴明作、講談社刊『メフィスト 2016vo..
- 「実は私は」第1話から第160話まで(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオ..
- 「ダジャレ禁止令」(志水アキ画、講談社刊「週刊少年マガジン」掲載)ネタバレ批評(..
- 「実は私は」第160話「藍澤渚と藍澤渚E」(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャ..
- 「ABC殺人事件 名探偵・英玖保嘉門の推理手帖」最終話(第35話)「事件の先に」..
- 「実は私は」第159話「藍澤渚と藍澤渚D」(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャ..
- 「C.M.B. 森羅博物館の事件目録」第107話「いつかの文学全集」(加藤元浩作..
- 「黒霊ホテル殺人事件」(「金田一少年の事件簿R」、講談社刊「週刊少年マガジン」連..
- 「兄妹〜少女探偵と幽霊警官の怪奇事件簿〜」(木々津克久作、秋田書店刊「週刊少年チ..
- 「実は私は」第158話「藍澤渚と藍澤渚C」(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャ..
- 「ABC殺人事件 名探偵・英玖保嘉門の推理手帖」第34話「真犯人」(作画・星野泰..
- 「実は私は」第157話「藍澤渚と藍澤渚B」(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャ..
- 「C.M.B. 森羅博物館の事件目録」第106話「動く岩」(加藤元浩作、講談社刊..
- 「実は私は」第156話「藍澤渚と藍澤渚A」(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャ..
- 「ABC殺人事件 名探偵・英玖保嘉門の推理手帖」第33話「真相」(作画・星野泰視..
- 「実は私は」第155話「藍澤渚と藍澤渚@」(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャ..
- 「実は私は」第154話「勘違いしよう!!」(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャ..
- 【エピソード最終話】「黒霊ホテル殺人事件」最終話、第6話(「金田一少年の事件簿R..
- 「ABC殺人事件 名探偵・英玖保嘉門の推理手帖」第32話「二重人格」(作画・星野..
- 「ビーストコンプレックス」最終話(第4話)「カンガルーとクロヒョウ」(板垣巴留作..