ネタバレあります、注意!!
第13話登場人物一覧:
黒峰朝陽:主人公、通称「アナザル」。
白神葉子:朝陽の意中の人物。ある秘密が……。
紫々戸獅狼:葉子の幼馴染。彼もまたある秘密を……。
紫々戸獅穂:葉子の幼馴染。彼女もまたある秘密を……。
藍澤渚:クラス委員長。彼女にも秘密が……。
紅本:教師。
朱美みかん:朝陽の幼馴染。新聞部所属。通称「オレンジ」。
岡田:朝陽の友人の1人。通称・岡。割と友人想いの様子。
嶋田:朝陽の友人の1人。通称・嶋。軽い。
桜田:朝陽の友人の1人。通称・サクラ。渋い。
葉子の父:吸血鬼。額に十字傷を抱く巨人。
<ネタバレあらすじ>
〜〜〜これまでのあらすじ〜〜〜〜
「アナザル」こと「絶対に秘密を守れない男」黒崎朝陽は憧れのヒロイン・白神葉子の秘密を知ってしまった。
その秘密とは「白神葉子がハーフの吸血鬼である」こと。
朝陽は葉子の為に、この秘密を守らねばならない―――。
取り巻く人々を相手に、朝陽は秘密を守り抜くことが出来るのか?
矢先、実は宇宙人であった委員長・渚と狼男で肉食系女子な獅穂も加わって……。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
委員長こと藍澤渚は冷静さを欠いていた。
それは目の前で繰り広げられる光景を見て、嫉妬に駆られた為である。
目の前の光景、それはまさにソドムであった。
なんと、転校生(獅穂のこと)が黒峰朝陽の背中に胸を押し当てて喜んでいるのだ。
何がどうなっているのか分からない……激しく動揺した渚はその場から離れると、落ち着こうと深呼吸する。
そう、何より必要なのは冷静さなのだ。
渚の本体である小さい中の人は、常に冷静であるべきと自分に言い聞かせて来た。
だからこそ、これまで宇宙人でありながら地球上での生活を上手く誤魔化してこられたのだ。
これまでを振り返りつつ、自身を落ち着かせた渚。
もうだいじょう……えっ!?
此処で渚をさらに慌てさせる事態が!!
なんと、渚(中の人)が操縦しているボディ(外の人)がエネルギー切れを訴えていたのだ。
ええ〜〜〜〜〜っ!?
焦る渚だが、ボディはそのまま……。
数分後、朝陽は教室に忘れ物を取りに戻っていた。
すっかり、獅穂にからかわれてしまった……と反省する朝陽。
その後頭部に何かの刺激が。
あれ、これは何処かで……と振り返りながら下を見てみれば。
居た、渚の本体が銃を構えて何やらこちらを眺めているではないか!!
よくよく聞けば、ボディのエネルギーが切れてしまい困っているらしい。
渚の正体を知る朝陽に、エネルギーの充填を手伝ってほしいそうだ。
困っている渚を見捨てるワケにはいかない。
こうして、朝陽は渚を助けようとするのだが……この先に幾多の困難が待ち構えていることを彼らは知らないのであった。
さて、先にやらなければならないのは渚のボディの回収だ。
ところが、ここからして難題が。
エネルギーが切れる寸前、廊下に放置するワケにはいかなかった渚は女子トイレの個室にボディを隠したのだ。
となれば、朝陽は女子トイレの個室に入り込み、ボディを救い出さなければならない。
男子である朝陽にとって、そのハードルはあまりにも高かった。
だが、自分がやらねば誰がやる。
授業中ゆえに大丈夫……と、これっぽっちも安心できない言葉を繰り返し自分に言い聞かせ突入する朝陽。
渚の誘導で無事に個室からボディを回収することが出来た。
早速、保健室へ向けボディを抱きかかえて運ぶ朝陽。
だが、よく考えてみて欲しい。
朝陽と渚の今の状況を。
事情を知らない第3者が見ればどういった状況なのかを。
ぐったりとした渚を抱える朝陽の図である。
誤解を生む要素はあり過ぎた。
其処へ紅本先生が通りがかり、この姿を見咎められてしまう。
ヤバい―――焦る朝陽。
だが、彼は負けなかった。
渚が体調を崩したので保健室へ連れて行く……アナザルらしからぬ言い訳でその場を逃れたのだ。
人を助けようとするとは感心感心、と紅本は納得しかけるが……どうも朝陽の様子がおかしい。
まさか、良からぬことをしようとしているのでは……冗談交じりにカマをかけてみることに。
当然、朝陽は華麗にスルーしようとする。
だが、忘れてはならない。
この場にはもう1人居るのだ。
朝陽を想う渚(本体)は隠れていたのも忘れて、顔を真っ赤にして「あり得ない!!」と叫んでしまう。
ヤバい!!またもピンチに、朝陽もまた「あり得ない!!」と叫ぶ。
なんとか、誤魔化せたようだが……。
あまりに挙動不審な朝陽の様子に疑問を抱く紅本だが、まさか黒峰だしなぁ……と見逃すことに。
こうして、さらなる危機も回避出来た。
それにしても、この調子だと保健室まで身が持たない。
命の危機すら感じ始める渚だったが……。
実は、其処こそが保健室の前であった。
既に目的地には辿り着いていたのだ。
後は充電するだけだ。
意気揚々と室内に入り……愕然とした。
保健室内には先客が居た。
凍りつく朝陽と渚。
それもその筈、その人物は獅穂であったのだ。
「今後も兼ねて予習の為に」と嘯く獅穂。
何の予習だかは知らないが、獅穂に見咎められないよう渚をベッドに寝かす朝陽。
だが、このままでは充電出来ない。
それどころか、獅穂は本能のままに動かない渚のボディに悪戯を始めようとしてしまう。
もしも、息をしていないことを知られたら一大事である。
窮した朝陽は彼が知る獅穂の弱点を用い追い払おうとする。
だが、月の写真は手元にない。
そして、採用した朝陽最後の手段とは!?
「そう言えば、エロ本があっちにあったよ」
コレであった。
そんなことで騙される筈がない。
渚はおろか、当の朝陽まで失敗したと反省ムードが漂っていた。
が。
「あっごめん。急用思い出したので行くわ。じゃ」
言うや否や、獅穂は期待に胸を弾ませるようにさっさと保健室を出て行ってしまう。
なんということであろうか……。
獅穂はとても残念な子であったのだ。
ある意味、ショックを受けた朝陽と渚。
だが、これでやっと目的が達成出来る。
助かった……。
ほっと胸を撫で下ろす渚だが……。
「いや〜〜〜ありがとう。見つけたよ!!」
電光石火で獅穂が戻って来てしまう。
その手には如何にもなアレが握られていた。
(本当にあったのかよ!!)
心のうちでツッコミを入れる朝陽。
驚き慌てた渚はその拍子に朝陽の胸ポケットに隠れてしまった。
全身を包み込む朝陽の鼓動に、うっとりとする渚。
その外では―――。
朝陽が獅穂にエロ本を無理に見せつけられ困惑していたり。
先程の挙動不審ぶりがやはり気にかかって様子を見に来た紅本にその現場を目撃され、バッチリ怒られていたりするのだが……関係ない。
とはいえ、これ以来、渚は獅穂に苦手意識を抱くようになったそうな―――14話に続く。
<感想>
「週刊少年チャンピオン」にて「さくらDISCORD」を連載されていた増田英二先生の新作。
「さくらDISCORD」は未読の管理人ですが、1話を読んで注目している作品です。
コミックス1巻の発売も決定とのことで、目出度い。
そして、本作かなり面白い!!
その13話です。
渚と獅穂の回でしたね。
いや〜〜〜面白かった!!
何より、お姉さま系として頼りになるキャラだと思われていた獅穂が思った以上にアレなキャラであることが発覚。
朝陽への過剰な接触も葉子の嫉妬心を煽り素直にする為かと思いきや、どうも素の様子。
獅穂はもっと葉子と絡まない限り、ネタキャラ化は止められないか。
一方、小ネタもスパイスが効いてましたね。
冒頭にて、渚が朝陽と獅穂の姿を目撃するシーン。
みかんの表情が……。
そして、やっぱり渚ボディのバッテリーは携帯の電池と同じ表示だったり。
何より、渚兄がまた……。
あの兄は何時か朝陽たちの前に姿を現すのでしょうか?
獅穂用の切り札に月の写真を使おうとした朝陽。
あの場で獅狼に変身した方があらゆる意味で危険だったような……。
おそるべし朝陽。
いや、本当に面白かった。
コミックス1巻も発売決定とのことで、次回も注目です!!
本作に興味を持たれた方には、是非、「週刊少年チャンピオン」本誌を捜して読んで欲しい。
最近の「週刊少年チャンピオン」は「名探偵マーニー」や本作など本当に粒揃いでクオリティが高い作品が多い。
注目の雑誌の1つと言えるでしょう。
◆関連過去記事
・「実は私は」第1話から10話まで(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)まとめ
・「実は私は」第11話「狼男がやってくる!」(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)
・「実は私は」第12話「狼女がやってきた!」(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)
【関連する記事】
- 『スーサイド・パラベラム』第9話(道満晴明作、講談社刊『メフィスト 2016vo..
- 「実は私は」第1話から第160話まで(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオ..
- 「ダジャレ禁止令」(志水アキ画、講談社刊「週刊少年マガジン」掲載)ネタバレ批評(..
- 「実は私は」第160話「藍澤渚と藍澤渚E」(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャ..
- 「ABC殺人事件 名探偵・英玖保嘉門の推理手帖」最終話(第35話)「事件の先に」..
- 「実は私は」第159話「藍澤渚と藍澤渚D」(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャ..
- 「C.M.B. 森羅博物館の事件目録」第107話「いつかの文学全集」(加藤元浩作..
- 「黒霊ホテル殺人事件」(「金田一少年の事件簿R」、講談社刊「週刊少年マガジン」連..
- 「兄妹〜少女探偵と幽霊警官の怪奇事件簿〜」(木々津克久作、秋田書店刊「週刊少年チ..
- 「実は私は」第158話「藍澤渚と藍澤渚C」(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャ..
- 「ABC殺人事件 名探偵・英玖保嘉門の推理手帖」第34話「真犯人」(作画・星野泰..
- 「実は私は」第157話「藍澤渚と藍澤渚B」(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャ..
- 「C.M.B. 森羅博物館の事件目録」第106話「動く岩」(加藤元浩作、講談社刊..
- 「実は私は」第156話「藍澤渚と藍澤渚A」(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャ..
- 「ABC殺人事件 名探偵・英玖保嘉門の推理手帖」第33話「真相」(作画・星野泰視..
- 「実は私は」第155話「藍澤渚と藍澤渚@」(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャ..
- 「実は私は」第154話「勘違いしよう!!」(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャ..
- 【エピソード最終話】「黒霊ホテル殺人事件」最終話、第6話(「金田一少年の事件簿R..
- 「ABC殺人事件 名探偵・英玖保嘉門の推理手帖」第32話「二重人格」(作画・星野..
- 「ビーストコンプレックス」最終話(第4話)「カンガルーとクロヒョウ」(板垣巴留作..