2013年06月04日

『狼と兎のゲーム』(我孫子武丸著、講談社メフィスト連載)ネタバレ書評(レビュー)まとめ

『狼と兎のゲーム』(我孫子武丸著、講談社メフィスト連載)ネタバレ書評(レビュー)まとめです!!

ネタバレあります、注意!!

DATA:講談社『メフィスト』にて連載。全6回。
2013年7月25日に単行本化が予定されています。

登場人物一覧:
智樹:主人公。コスモの横暴さに辟易しながらも友人を続けている。
コスモ:智樹の同級生。横暴な人柄で智樹を見下しているところがある。
ガイア:コスモの弟。1話で殺害されてしまう。
茂雄:コスモとガイアの父。子供に対し暴力的な虐待を繰り返している。
アンナ先生:コスモとガイアの担任。茂雄により……。
成美:智樹とコスモを助けることになる女性。

<感想>

『殺戮にいたる病』やゲーム『かまいたちの夜』で知られる我孫子武丸先生の2013年5月時点での最新長編です。
講談社刊『メフィスト』にて2011年9月から2013年4月まで全6回連載されました。
2013年7月25日には単行本化も予定されています。

あらすじとしては次のような感じです。

父・茂雄に虐待されるコスモとガイア。
コスモの同級生である智樹は、横暴なコスモに辟易しながらも友人として付き合っていた。
矢先、智樹は茂雄がガイアを庭に埋める現場を目撃してしまう。
まさか、茂雄がガイアを殺してしまったのか……。
茂雄に怯えるコスモと共に智樹の逃避行が始まった。

さて、ことの顛末は……となるのですが、些か不満の残る結末となっています。
何故かと言うと、管理人はリアルタイムで本作を読み、第2回から第4回まで“ある説”を主張していました。
ところが、第5回の茂雄の心象描写からその説を捨てました。
結果、実は当初の説が正しかったとなるワケですが、これが少し納得いかない。
第5回の描写はガイアではなく、ミスリードする為のある人物についてのことだろうとは分かるのですが、この描写が叙述トリックにしても少しアンフェアかな、と。

まぁ、此処は許容範囲内と言えなくもないか。
どちらかと言えば、次の点の方が気にかかる。

ラストに衝撃が待っており、こちらは全く予想していなかったモノになるのですが、この衝撃が作品的な完成度を上げる為の衝撃よりは、意外性を狙った衝撃に留まった印象。
正直、勿体ない。
そう言えば、アンナ先生の存在も茂雄の残虐性を強調するに留まっており、こちらも勿体ない気がします。

ちなみに、タイトル『狼と兎のゲーム』ですが「狩る者と狩られる者の逆転」ではなく「兎とされていた筈の1人も実は狼であった」との意味合いだったと言えそうです。

本作『狼と兎のゲーム』ですが、一冊の単行本になるとのことでまとめて読むとさらに印象が異なるかもしれませんね。
こちらも期待!!

2013年7月29日追記

単行本版『狼と兎のゲーム』、読みました。
連載時に比べ、ラストに追加が為されています。
描写が加えられたことで、趣が変わりましたね。
友人の死を契機とした兎が最後の最後に狼に対し一矢報いたと言えそうです。

それと「あとがき」によると本来は「ミステリーランド」に向けた作品だったとのこと。
なるほど、それで主人公が智樹だったのか。
こうしてみると、本作のテーマは「友情」だったんだなぁ……。

詳しくは、下記関連過去記事より『狼と兎のゲーム(最終回)』(我孫子武丸著、講談社メフィスト連載)ネタバレ書評(レビュー)をどうぞ!!

追記終わり


◆関連過去記事

・智樹の友人・コスモとガイアはその父である茂雄に虐待を受けていた……。
「狼と兎のゲーム(第1回)」(我孫子武丸著、講談社メフィスト連載)ネタバレ書評(レビュー)

・ガイアの死……智樹とコスモは茂雄から逃げることに。
「狼と兎のゲーム(第2回)」(我孫子武丸著、講談社メフィスト連載)ネタバレ書評(レビュー)

・茂雄は智樹殺害を思い立つ。一方、智樹たちは茂雄から逃げていた……。
『狼と兎のゲーム(第3回)』(我孫子武丸著、講談社メフィスト連載)ネタバレ書評(レビュー)

・茂雄の暴走が始まる……アンナ先生が餌食に……。
『狼と兎のゲーム(第4回)』(我孫子武丸著、講談社メフィスト連載)ネタバレ書評(レビュー)

・成美との出会い。そして、茂雄の旧悪が……。
『狼と兎のゲーム(第5回)』(我孫子武丸著、講談社メフィスト連載)ネタバレ書評(レビュー)

・茂雄との攻防もいよいよ決着!!衝撃のラストが!!
『狼と兎のゲーム(最終回)』(我孫子武丸著、講談社メフィスト連載)ネタバレ書評(レビュー)

・【速水三兄妹シリーズ】
「8の殺人」(講談社)ネタバレ書評(レビュー)

『夏に消えた少女』(我孫子武丸著、新潮社『Mystery Seller(ミステリーセラー)』掲載)ネタバレ書評(レビュー)

『里親面接』(我孫子武丸著、光文社刊『小説宝石』2012年10月号掲載)ネタバレ書評(レビュー)

「監禁探偵」(我孫子武丸原作、西崎泰正画)まとめ

『狙われた病室(監禁探偵2)』(我孫子武丸原作、西崎泰正画、実業之日本社刊『漫画サンデー』連載)まとめ

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(我孫子先生担当の「盗まれたフィギュア」について推理)

2013年7月25日発売予定!!
単行本化された「狼と兎のゲーム」です!!
狼と兎のゲーム





最終回が掲載された「メフィスト 2013 VOL.1 (講談社ノベルス)」です!!
メフィスト 2013 VOL.1 (講談社ノベルス)





『狼と兎のゲーム(第5回)』が掲載された「メフィスト 2012 VOL.3 (講談社ノベルス)」です!!
メフィスト 2012 VOL.3 (講談社ノベルス)





「監禁探偵2 ~狙われた病室~」です!!
監禁探偵2 ~狙われた病室~





我孫子先生が原作を担当したコミック「監禁探偵 (マンサンコミックス)」です!!
監禁探偵 (マンサンコミックス)





我孫子武丸先生の「殺戮にいたる病 (講談社文庫)」です!!
殺戮にいたる病 (講談社文庫)





同じく「弥勒の掌 (文春文庫)」です!!
弥勒の掌 (文春文庫)





◆我孫子武丸先生のその他の作品はこちら。


【関連する記事】
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