2013年5月3日追記:記事内容の訂正と感想部分に追記しました。
<あらすじ>
キャバクラ嬢の宗方栞(松本若菜)が商社マン・汐見悟志(和泉崇司)とともに、自室マンションで首を吊って死んでいるのを、栞の叔母・宗方咲枝(松浦佐知子)が発見。咲枝は印章店を営む夫・宗方慶一(山田明郷)とともに、幼いころ母に蒸発され、父もすでに病で亡くした栞のことを、いつも気に掛けていた。この日も咲枝は栞と連絡を取れなかったため、様子を見に来たという。
死体が発見された部屋には、パソコンで打たれた文面に2人分の血判が添えられた遺書が残されていた。その内容から、どうやら栞と悟志は心中したらしい。だが、捜査のために部屋を訪れた糸村聡(上川隆也)は、台所に調理器具が一切ないことに引っかかる。そして何よりも糸村の興味を引いたのは、悟志の上着に入っていたプレゼントの箱だった。栞へのプレゼントだと思われるその箱の中には香水が入っていたが、不可解なことに箱が開けられた形跡はなかったからだ。
栞と悟志の死は心中事件として片づけられることになったが、今回の一件が殺人事件だと直感していた糸村は単独で捜査を続行。悟志が香水を買った店を訪れ、彼が以前にも同じ香水を買っていたことを知る。そのころ、月島中央署の刑事課にも不審な証言が飛び込んできた。悟志は前途洋洋の有望株社員で、上司も同僚もみな「今回の心中はおかしい」と口を揃えているというのだ。しかも、悟志には橘千晶(小林涼子)という婚約者がおり、一方の栞も新庄彰俊(安居剣一郎)というホストと交際していたというではないか! やはり、これは心中に見せかけた殺人事件なのか…!?
月島中央署の面々は改めて、栞と悟志の周辺を調査。そんな中、森田宗介(西村雅彦)は栞が生前に生活安全課を訪れ、約1カ月前からストーカー被害に遭っていると相談していた事実を掴む。一方、悟志の部屋を訪れた糸村は、古い写真を発見。事件とは一見関係なさそうな写真――だが、そこに写っていた背景に、糸村は違和感を拭えず…。
(公式HPより)
では、続きから(一部、重複アリ)……
その日、宗方咲枝は思いも寄らぬモノを目にすることになった。
咲枝は姪であり、キャバクラで働いている宗方栞宅を訪問。
そこで、栞と商社マン・汐見悟志の首吊死体を発見したのだ。
こうして、糸村たちが現場に駆けつけることとなった……。
森田は栞と汐見の血判が押された遺書などから心中説を主張。
一方、糸村は栞宅に刃物がないこと、汐見が包装したままのプレゼント用の香水を所持していたことから、この説に疑問を抱く。
糸村はいつもの彼らしく、マイペースを貫くと遺留品の香水から攻めることに。
汐見の祖父は孫の死を知り、悲嘆に暮れる。
2ヶ月前、汐見の母が暴漢に襲われ高架橋から転落し死亡していたのだ。
犯人は未だ捕まっていないらしい。
一方、栞の叔父で、咲枝の夫である宗方慶一は「栞が自身の営む印章店を継いでくれる筈だったのに……」と涙する。
遠山たちが聞き込みした結果、汐見は五菱商事のエリート社員で心中するとは思えないことが判明。
しかも、汐見には別に橘千明という婚約者が居たことも分かる。
さらに、栞にも新庄彰俊というホストの恋人が居た。
だが、新庄は行方をくらませていた。
心中説が怪しくなる中、糸村は汐見宅を訪れ、汐見の母が生まれたばかりの赤ん坊を抱く写真を発見する。
この写真に違和感を覚える糸村。
栞が1月ほど前にストーカー被害の相談に訪れていたことが判明。
さらに、栞は心療内科「ハートメンタルクリニック」に通院していた。
「怖い人に追われている」と相談していたらしい。
しかも、3年前には先端恐怖症について相談していたことも判明。
だから、栞宅には包丁が存在しなかったのである。
これを知った森田も密かに捜査を開始。
2ヶ月前、汐見の母親が殺害されたのは、若い男女の喧嘩を仲裁した為との情報を得る。
次いで、森田は汐見のIC乗車券の利用履歴を調べ始めることに。
汐見悟志は名古屋で生まれたとされていた。
だが、汐見宅で発見された赤ん坊の写真には東京タワーらしき赤い塔が映っていたのだ。
何かある……と考える糸村だが、水沢たちに光の加減で名古屋タワーが赤く見えただけと否定されてしまう。
これに、どうしても納得出来なかった糸村は村木に写真の分析を依頼する。
さらに、ある依頼をも……。
その頃、森田は栞が語っていた怖い人の正体が汐見悟志だと考えていた。
栞が相談したストーカーの容姿が汐見悟志そっくりだったのである。
汐見のIC乗車券の利用履歴もそれを示していた。
森田は、汐見の母が仲裁に入った若い男女の正体が新庄と栞と断定。
結果、新庄は汐見の母を殺害してしまった。
そこで、汐見が母の仇を捜し栞に行き当たった。
栞に詰め寄りこれを殺害してしまった汐見は、苦悩の末に自殺を選んだ。
新庄がこれを発見し、自身の罪を隠すべく心中に偽装したと結論付ける。
だが、糸村は森田の説ならば血判つきの遺書まで用意し心中を偽装する必要が無いと指摘。
自説に執着する森田と対立する。
糸村は汐見の婚約者・橘千晶を訪ね、香水について質問する。
千晶によれば、薔薇の香水は彼女の実家が薔薇園であることに由来しているらしい。
それを知る汐見が買い求めたのだそうだ。
例の写真について千晶に問う糸村。
すると、意外な事実が判明。
赤ん坊は汐見ではないと言うのだ。
母親は汐見の母で合っている……だが、赤ん坊は汐見ではない。
どうなっているのか?
汐見の祖父によれば、汐見の母は汐見以外にもう1人子供を産んでいたそうだが……。
汐見の母親殺害の犯人として、新庄が逮捕された。
だが、新庄は心中偽装については否定する。
司法解剖の結果、汐見が殺害された疑いがあることが判明。
栞が汐見に殺害されたとする森田の推理と真逆の結果となったのだ。
しかも、糸村が新たな情報を掴んで来た。
なんと、汐見が所持していた写真は栞の写真であった。
栞と汐見の2人は同じ母親から生まれた姉弟だったのだ。
栞の源氏名は「イトコ」。
それは汐見の母と同じ名前であった。
さらに、村木から調査結果が届いた。
栞の部屋には刃物が無かった。
では、どうやって血判に捺印できたのか。
当然、別の刃物を使用した筈である。
糸村は、村木にこの刃物の特定を依頼していたのだ。
村木によると、血判の為に使ったと思われる刃物には柘植の木屑が付着していたらしい。
さらに村木は決定的な言葉を口にする―――使用されたのは「彫刻刀」だったのだ。
こうして、印章店店主である栞の叔父・宗方慶一が逮捕された。
慶一は栞の部屋を訪れ、自殺した栞を発見した。
栞の死の原因が自身にあることに気付いた慶一は逃げ出そうとして、やって来た汐見と出会ってしまった。
口封じするべく慶一は汐見を殺害してしまったのだ。
慶一は栞と肉体関係にあったのである。
慶一は栞が育てた恩に応じなかったのだから当然の報いだと嘯く。
自身の後を継がなかったことを恨んでいたのだ。
だが、栞が後を継げる筈が無い。
何故なら、彼女は先端恐怖症だったのだから……。
数日後、千晶を訪ねる糸村の姿があった。
汐見は栞に千晶を紹介するべく、あの日に自宅を訪れていたのだ。
だが、言葉だけでは千晶を伝えられるとは思えなかった。
其処で、千晶のパーソナリティをもっともよく表現する香水を届けようとしたのである。
だが、殺されてしまったのだ。
これを伝え聞いた千晶は涙する―――3話了。
<感想>
3度、我々の前に姿を現した「遺留捜査(2013年版)」。
その第3話です。
ある意味、汐見の母の因果が子らに報いたというべきか。
ただ、ちょっとなぁ……。
え〜〜〜結論から言うと、流石に今回の話は無茶があるなぁ……との印象。
偶然に頼り過ぎなのはもちろん、内容的にも盛り過ぎで無理があるような。
少なくとも説明不足で、視聴者の想像に頼る部分が多過ぎる。
視聴者の想像に頼る部分はあってもいいけど、多過ぎるのはどうか。
あれで「感動しろ、泣け」と言われても無茶振り過ぎる。
まとめると「生き別れの姉弟が居て、姉の恋人が2人の母親を殺して、姉は叔父に弄ばれることに疲れ自殺して、その現場を目撃した為に弟も叔父に殺された」ストーリーです。
つまり、姉の関係者に母と弟が殺害されたワケなのですが……。
正直、感想として浮かぶのは「本当に酷いなぁ……」と「汐見の祖父と千晶が可哀想だ」の2つ。
少なくとも感動は出来ない。
一応、「もっと早く栞と汐見が出会っていればこんな事態にはならなかったのかなぁ……」との感想が出るかと思わせといてそれもあり得ない。
何故なら、汐見が栞の存在に気付いたのは、新庄に母を殺害されその遺品を調べた後の事だから。
つまり、どう足掻いても「姉の恋人に母を殺害された」との事実からは逃げられない。
しかも、母の死自体が無ければ、そもそも気付かなかったのだろうし。
寧ろ、栞は最後までその事実(新庄が殺したのが母である)を知らなくて良かったのかもしれないと思うほど。
そして、汐見は気付いたからこそ殺害されてしまう結果になってるし。
さらに、汐見が栞に千晶を紹介するにあたり香水を使うのもなぁ……。
極論すれば「じゃあ、同じ香水を使っている人は皆同じ人間性なのか」となっちゃうし。
いや、分かるんですよ。あくまでイメージとして香水に代理させようとしたことは。
でも、本編の内容がアレなだけに納得出来ない。
香水は内容から外した方がスッキリしたかもしれないなぁ……。
そもそも、栞周辺の男性が悉くアレなのもなぁ……。
叔父が原因なのか、叔父は結果に過ぎないのか。
イロイロ問題だなぁ。
流石に今回は「無理矢理過ぎるなぁ」との印象。
次回(第4話)に期待!!
ちなみに横山君。
公式HPの人物紹介には、彼の加入には何らかの意味があるらしいことが……。
さらに、佐久間と二宮が捜査一課に呼ばれたのも「ある事件の捜査」に関連してらしい。
森田の関わる事件こそが「ある事件」なのか……此処も気になる。
この「ある事件」が最終話になってしまうと、佐久間も二宮も最終話まで登場しないのかも……。
これらの謎にも注目ですね!!
2013年5月3日追記:
盛り過ぎな設定と余りに救いのない物語内容にショックを受けて昨日は過剰反応をしてしまったと反省中の管理人です。
1日経過して落ち着いてみると、結末に救いこそありませんでしたが、物語自体は無理こそあれ頑張っていたような気がしてきました。
もともと、遺留品に基づいて捜査する作品ですし、たまには「感動」や「救い」が無い回もあるかと思った次第です。
そう言った目で振り返ってみると、なかなかに思うところがあるような気がします。
それと、「花」さんよりコメントにてご指摘を頂きました。
「花」さん、ありがとうございます(^O^)/!!
コメントの内容ですが「あらすじ中の訂正箇所」と「栞の先端恐怖症について」などで、特に「栞の先端恐怖症について」の考察を拝見させて頂き「なるほど」と深く頷かされました。
是非、ご紹介させて頂きたく思います。
次の「」内がコメントの抜粋部分となります。
「栞の先端恐怖症の理由はわかりませんが案外叔父は無意識に栞をそういう目で見ていた栞のその辺を感じ取って叔父=「彫刻刀」となって先端恐怖症になったのかなとちょっと邪推してしまいました
栞にしてみれば母親はいなくて父親は病死、父親代わりの叔父に迫られてなんて絶望でしかないですよね」
納得できる考察だと思います。
確かに、栞にとって叔父・慶一は印章店店主として「彫刻刀」それ自体であった。
何しろ、幼い頃から栞は慶一の傍でずっとその仕事を見続けているので自然にそんなイメージとなっても不思議ではない。
そんな「彫刻刀」が怖い=「慶一の本質を見抜き、それが自身に迫ることを怖れている」あるいは「それが自身を傷付けることを怖れている」ともとれます。
つまり、叔父の欲望に繋がる原因と思われた先端恐怖症それ自体が、実は古くからあった叔父の欲望の結果だった。
そして、栞の死後となりますが、彼女が拒否した「彫刻刀」=「慶一」が死後も彼女とその弟の指を傷付けたとの事実。
なかなかに意味深長な気がしてきます。
そもそも慶一にとって、栞が店を継がなかったからと言って、これまで育てて来た姪に即関係を迫るとの発想には至らないだろうし、その下地は充分にあったと見るべきでしょうね。
ううう、慶一はかなりヤバい人ですね……。
ここらをもう少し本編中で盛り込んでくれていたら……もう少し評価が変わって来たような気もするなぁ。
敢えて視聴者に考えさせる為だったのかもしれませんが、ならばいっそのこと「香水」ではなく「先端恐怖症」を示す「彫刻刀」あるいは「心療内科の通院カード」を遺留品に設定した方がスッキリしたのかもしれませんね。
追記終わり
◆関連過去記事
・「遺留捜査(2013年版)」第1話「ハーモニカ」(4月17日放送)ネタバレ批評(レビュー)
・「遺留捜査(2013年)」第2話「ルビーの指輪」(4月24日放送)ネタバレ批評(レビュー)
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汐見の母は刺されたんじゃなくて階段から突き飛ばされたんですよ
どちらにしても真実を知ったら栞は苦しむと思いますが
汐見の祖父や千晶もですが栞の叔母も結構な立場だと思います
旦那が姪に手を出して甥を殺害とか商売してる人にしてみれば致命的ですよね
栞の先端恐怖症の理由はわかりませんが案外叔父は無意識に栞をそういう目で見ていた栞のその辺を感じ取って叔父=「彫刻刀」となって先端恐怖症になったのかなとちょっと邪推してしまいました
栞にしてみれば母親はいなくて父親は病死、父親代わりの叔父に迫られてなんて絶望でしかないですよね
これ結構酷い話なような
こんばんわ!!
管理人の“俺”です(^O^)/!!
>階段から突き飛ばされた〜〜〜
ああっ、間違ってますね……。
ご指摘ありがとうございます!!
早速、こっそりと訂正しておかねば……。
>栞の叔母も〜〜〜
確かにそうですね。
今回の物語はゲストの登場人物全員が辛い結末となりましたね……。
>栞の先端恐怖症の理由〜〜〜
なるほど、叔父の欲望に繋がる原因と思われた先端恐怖症それ自体が、実は古くからあった叔父の欲望の結果だったワケですね。
店を継がなかったからと言って、即関係を迫るとの発想にはならないだろうし、その下地は充分にあったと見るべきでしょうね。
ううう、叔父はかなりヤバい人だなぁ……。
う〜〜〜ん、栞にとっては彼氏の新庄もアレですし、心の休まる時が無いなぁ。
やっぱり、登場人物全員が救いのない物語だったと言えそうです……。
次回は明るめの物語だといいのだけど。
追記まで読ませてもらい、叔父=彫刻刀→先端恐怖症という深い考察に感心しました。本当に叔父はひどい人です。
私は汐見の母親の階段転落について少し考えてみました。
母は栞が離れ離れになった自分の娘だと気づいていて見守っていたところ、階段の上で暴力的な恋人と喧嘩をはじめたため、止めに入って娘の代わりに階段から突き落とされた…と考えたのですが。
つまり母が娘を守ったと。
だから2カ月前の事件も偶然ではなかったのではないかと。
もちろんそれでも栞の人生の悲惨さは変わりませんが。
それでも自殺はしないでほしかった。
私も次は明るめの話希望です。
こんばんわ!!
管理人の“俺”です(^O^)/!!
>母は栞が離れ離れになった自分の娘だと気づいていて〜〜〜
なるほど、転落死自体も偶然ではなかったということですね。
栞を気にかけていた汐見の母が栞を捜し続け、遂に見出した。
そして、栞を助けようとして犠牲になった。
確かにありえますね。
汐見の母が栞に辿り着いていたとすると、それまでに手にした栞に関する何らかの情報や資料が残されていた可能性もある。
だとすれば、それに汐見が気付いたことにより、栞を突き止めることが出来たとも考えられそうです。
すべて必然だったという可能性ですね。
うん、これの方がスッキリしますね。
納得です!!
次は明るめのストーリーに期待ですね(^O^)/!!