ネタバレあります、注意!!
第14話登場人物一覧:
黒峰朝陽:主人公、通称「アナザル」。
白神葉子:朝陽の意中の人物。ある秘密が……。
紫々戸獅狼:葉子の幼馴染。彼もまたある秘密を……。
紫々戸獅穂:葉子の幼馴染。彼女もまたある秘密を……。
藍澤渚:クラス委員長。彼女にも秘密が……。
紅本:教師。
朱美みかん:朝陽の幼馴染。新聞部所属。通称「オレンジ」。
岡田:朝陽の友人の1人。通称・岡。割と友人想いの様子。
嶋田:朝陽の友人の1人。通称・嶋。軽い。
桜田:朝陽の友人の1人。通称・サクラ。渋い。
葉子の父:吸血鬼。額に十字傷を抱く巨人。
<ネタバレあらすじ>
〜〜〜これまでのあらすじ〜〜〜〜
「アナザル」こと「絶対に秘密を守れない男」黒崎朝陽は憧れのヒロイン・白神葉子の秘密を知ってしまった。
その秘密とは「白神葉子がハーフの吸血鬼である」こと。
朝陽は葉子の為に、この秘密を守らねばならない―――。
取り巻く人々を相手に、朝陽は秘密を守り抜くことが出来るのか?
矢先、実は宇宙人であった委員長・渚と狼男で肉食系女子な獅穂も加わって……。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「藍澤渚充電騒動」を無事に凌いだかに思われた朝陽。
だが、騒動の余波は新たなる騒動に発展しようとしていた。
朝陽は紅本に呼び出されると、告げられたのだ。
調理実習の補習に参加して貰います―――と。
渚を保健室に運ぶ為に授業をサボった朝陽。
その授業こそ調理実習だったのだ。
人助けしたにも関わらず報われない……心の中で涙を流す朝陽。
だが、調理実習室に赴いた彼は、さらに涙を流すことに。
もちろん、後悔の涙だ。
(騙された、この為に実習参加を強要されたのだ―――)
絶句する朝陽だが、もう遅い。
これは罠であった。
その証拠に実習を監視する教師が誰も居ないではないか。
紅本さえも、後で来るからと早々に逃げ出してしまった。
そのワケは補習のメンバーにあった。
まず、朝陽がサボる理由となった渚。
そして、同じく保健室に居た獅穂。
さらに、何故か実習に参加していたはずの白神葉子も其処には居たのである。
葉子は朝陽にとって想い人。
こうして一緒に補習に参加できて嬉しくない筈はない、筈はないのだが……実習後の岡田、嶋田、桜田の様子を思い浮かべる朝陽。
彼らは一様に表情を硬くしていた。
何か見るべき物では無いモノをその目にしたような……そんな目をしていた。
そして、静かに朝陽の肩を叩いたのである。
お前も、苦労するねぇ……と言った様子で。
その意味が今、分かった。
それも、はっきりと。
当の葉子は苦手なニンニクを前に「キャア、キャア」と騒いでいる。
そして、口にする。
「あの……違うんやで。ほら、実力が発揮できないことってあるし……」
普段の葉子ならば問題は無い。
普通に手製のお弁当を持参できるくらいである。
だが、葉子はパニックに陥ると「とんでもない料理を完成させてしまう」との特技を持っていたのだ。
葉子のしどろもどろの弁をまとめると、こうである。
葉子にとってのニンニクは、常人にとって玉ねぎにあたるらしい。
このニンニクに動揺し「とんでもない料理」を作ってしまったのだそうだ。
うん、実習にただ1人参加していたにも関わらず補習になるワケだ。
今回はニンニクは使わないし……と涙目で訴える葉子。
レシピはカレーである。
うん、ニンニクは使わない。
だが、問題はメンバーだ。
渚、獅穂、葉子……このメンバー、まとめるのが一苦労なのである。
何かあれば葉子は前回の実習と同じくとんでもない料理を作るだろう。
そして、このメンバーである限り、何かある可能性が非常に高い。
だから、教師は全員逃げ出し、朝陽にまとめ役が振られたのだ!!
これは何とかしなければ……悲壮な覚悟を決める朝陽。
薄々、そんな朝陽の覚悟を悟った獅穂。
彼女もまた、葉子の「とんでもない料理」の被害者であった。
流石は幼馴染である。
こうして、今回ばかりは獅穂も朝陽の同志としてフォローに回ることに。
と、早速、葉子が何やらパニックに陥っている。
補習という特殊状況に、やはり浮足立っているようだ。
((まずい!!))
朝陽と獅穂の心の声がこだまする。
しかし、具体的にどうすれば良いのか!?
おろおろする2人。
だが、意外な方向から助けが現れた―――渚だ。
渚が葉子に助言する。
レシピの通りに作るべきだ、と。
渚によればレシピは命令指示書と同じ、従わなければ多くの犠牲を出すのだ!!
この言葉に落ち着きを取り戻した葉子。
さて、レシピは……と周囲を見回すと、当のレシピが風に乗って開け放たれていた窓の外へと流されて行くではないか!!
(敵は自然だ、と……)
強大な敵の前に指針を失った渚は沈黙。
指示書を失うなんて失格だ……と、膝を抱え隅に座り込み、そのまま戦線離脱してしまう。
(ああ、上手く行きそうだったのに……)
偉大なる仲間を失った朝陽と獅穂。
案の定、葉子はかなり動揺している。
(こうなれば、出来ることをするしかない!!)
決意した朝陽は獅穂と共に葉子のカレー作りをフォローする。
しかし、此処にも1つ問題があった。
獅穂は料理が出来ないのだ。
料理は獅狼の方が得意らしい。
空回りするうちに、獅穂もまた戦線離脱してしまう。
もはや、残されたのは朝陽と葉子のみ。
朝陽は葉子を落ち着かせつつ、一歩一歩着実な完成を目指す。
「いや、補習やし。普通を上回るカレーでないと」
「それはいい。普通でいいから」
暴走しかける葉子を正道へと立ち返り続けさせる朝陽。
彼の献身的なサポートは功を奏し、後はカレー粉を投入するのみとなった。
安心しかけた朝陽。
ところが、此処で思わぬ伏兵が登場したのである。
指示書を失うなんて失格だ……失格だ……と繰り返していた渚。
その脳裏に、兄の声が甦る。
「えっ、遅刻?寄り道したっていいじゃん」
台詞から何が起こったのか、薄々理解できそうな内容である。
うん、恐らく碌でもないことであろう。
ところが、この言葉を天啓のように閃いた渚にとっては違っていた。
そう、指示書通りでなくとも良いのだ。
自分らしい特別なモノで良いのだ。
渚は叫ぶ―――特別なカレーを作ろうと。
これに反応する葉子。
顔を強張らせる朝陽。
数十分後、そろそろ頃合いだろうと調理実習室を訪れた紅本はその惨状に顔を歪めた。
そして、そっと扉を閉じると見なかったことにした。
「なんで、たったの1工程でこうなるの?」
「余計なことを言った私の所為だ。責任を以て食べよう!!」
「やめて、死んでしまう」
「……………」
室内では、それぞれがそれぞれに補習の失敗を痛感していたのである―――15話に続く。
<感想>
「週刊少年チャンピオン」にて「さくらDISCORD」を連載されていた増田英二先生の新作。
「さくらDISCORD」は未読の管理人ですが、1話を読んで注目している作品です。
コミックス1巻の発売も決定とのことで、目出度い。
そして、本作かなり面白い!!
その14話です。
葉子、渚、獅穂の3人が登場してのカレー作りとなりました。
とはいえ、実際に調理に関わったのは、朝陽と葉子くらいのようですが……。
そう言えば、朝陽と葉子は渚と獅穂の正体を知ってるけど、渚と獅穂は互いにその正体を知らないのもポイントでしたね。
それにしても、まさに安定の面白さを見せていますね〜〜〜。
今回も良かった!!
今回、明かされた秘密……それは「葉子は動揺すると、とんでもない料理を作る」ことでした。
普通だと、特に問題ないのにねぇ……。
葉子は牙を隠すためにお弁当を放課後に食べている(第3話「お弁当を食べよう!」参照)ので、朝陽たち以外は料理が出来るのを知らない筈。
だとすると、周囲からは「料理が残念な美人」と思われているんだろうなぁ。
それにしても、動揺すると葉子は羽を出したり凡ミスを連発した筈だけど、料理の出来以外に実習はどうだったのだろうか……物凄く気になる。
そして次回は新キャラ登場とのことで、こちらも注目です!!
上記のあらすじは本作の魅力を伝えられるよう改変を加えてまとめていますが、その面白さを伝えきれていません。
やっぱり、あの絵とコマ割りなどのテンポあっての本作。
是非、「週刊少年チャンピオン」本誌を読んで欲しい。
コミックス1巻も発売決定とのことで、次回も注目です!!
もう1度繰り返しましょう。
本作に興味を持たれた方には、是非、「週刊少年チャンピオン」本誌を捜して読んで欲しい。
最近の「週刊少年チャンピオン」は「名探偵マーニー」や本作など本当に粒揃いでクオリティが高い作品が多い。
注目の雑誌の1つと言えるでしょう。
◆関連過去記事
・「実は私は」第1話から10話まで(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)まとめ
・「実は私は」第11話「狼男がやってくる!」(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)
・「実は私は」第12話「狼女がやってきた!」(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)
・「実は私は」第13話「冷静になろう!」(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)
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