ネタバレあります、注意!!
<ネタバレあらすじ>
・前回まではこちら。
『ネメシスの杖』第3話『阿里玲の長い一日 前編』(朱戸アオ作、講談社刊『月刊アフタヌーン』連載)ネタバレ批評(レビュー)
江里口に接触した阿里と紐蔵。
江里口は何かに憔悴しきった様子ながらも、娘が食品被害に遭ったこととその死について語り出す。
事の発端はテレビの紹介番組であった。
其処でアレルギーに効果があるとされた商品に惹かれ購入したのだ。
ところが、これがとんでもないものであった。
江里口の娘は食品被害により登校出来なくなり、精神的に追い詰められ自殺してしまう。
江里口は阿里に、当時の関係者が今ものうのうと生きているのは許せないと憤慨。
正義の執行を口にする。
これを聞いた阿里と紐蔵は今回の関係者の罹患が人為的なものであると考える。
そして、その犯人は江里口しかありえない……。
江里口と別れた阿里と紐蔵。
阿里は一旦、職場に戻り善後策を講じようとするが思わぬ報に驚くことに。
なんと、阿里の留守中を狙って勝手に今回の事件の対策会議が行われ結論を有耶無耶にされてしまっていたのだ。
倉井局長の命令らしいが……。
実は、倉井局長も当時の関係者の1人であった。
どうやら、事実を隠蔽する気らしい。
紐蔵をその場に残し、局長に掛け合おうとする阿里。
当の紐蔵は何事かを思い立つと、公安調査庁に勤務する知人・時田を訪ねる。
紐蔵は時田に今回の事件で用いられたと思われる病原体の購入者を捜し出すよう依頼するのであった。
それから数時間後、ようやく倉井局長と面会した阿里だが、軽くあしらわれた挙句に地方への更迭を言い渡されてしまう。
一方、紐蔵は義手に異変を感じ、その場を後にする。
急ぎタクシーを拾うと自宅へ向かう紐蔵、その表情は苦痛に歪んでいた。
その頃、無力感を噛み締める阿里だったが最後の抵抗を見せようと決意していた。
そして、倉井は……こちらも帰路を急ぎタクシーを拾っていた。
その運転手こそ、江里口であった―――5話に続く。
<感想>
新進気鋭の朱戸アオ先生による連載「ネメシスの杖」、その第4話「阿里玲の長い一日 後編」です。
勢いのある線で描かれたキャラに骨太な内容と、第4話もなかなか重厚な物語が展開されました。
4話にて一気にストーリーが動きましたね。
今回で江里口が一連の事件の犯人であることが判明。
動機は娘の復讐か。
そして、江里口の次なる標的は倉井。
果たして、どうなるのか?
一方、様子がおかしい紐蔵。
義手が痛んでいるのか?
だとしたら、失われた腕が痛むと言う幻肢痛か。
その影で時田への依頼が江里口を炙り出すのか。
こちらも注目です。
タイトルである「ネメシス」はギリシア神話に登場する女神の名前。
「憤り」と「罰」を司り、「神罰の執行者」としての側面を持つとのこと。
ちなみに「シャーガス病」は実在の病気のようです。
『ネメシスの杖』はそれだけとってもかなり本格的な医療ミステリと言えそうですね。
それと、ネタバレあらすじはかなり改変されているので、オリジナルを読むことをオススメします!!
◆関連過去記事
・『ネメシスの杖』第1話『占い師の杖』(朱戸アオ作、講談社刊『月刊アフタヌーン』連載)ネタバレ批評(レビュー)
・『ネメシスの杖』第2話『オカピの群れ』(朱戸アオ作、講談社刊『月刊アフタヌーン』連載)ネタバレ批評(レビュー)
・『ネメシスの杖』第3話『阿里玲の長い一日 前編』(朱戸アオ作、講談社刊『月刊アフタヌーン』連載)ネタバレ批評(レビュー)
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