2013年05月26日

土曜ワイド劇場「遺品の声を聴く男4〜美人看護師殺人事件!残された一人暮らしの部屋と崖っぷちの毒草が真実を語る!!遺族の悲しい復讐と涙で滲む父娘の再会」(5月25日放送)ネタバレ批評(レビュー)

土曜ワイド劇場「遺品の声を聴く男4〜美人看護師殺人事件!残された一人暮らしの部屋と崖っぷちの毒草が真実を語る!!遺族の悲しい復讐と涙で滲む父娘の再会」(5月25日放送)ネタバレ批評(レビュー)です!!

<あらすじ>

「ジャーニーサポート」で働く遺品整理屋の各務章祐(奥田瑛二)は、主を失った品々から故人の性格や生活習慣、そして残された思いまで、まるで遺品の声を聴くかのように察することができる特別な感性の持ち主。遺族の代行で遺品を整理するという難しい仕事を、社長の玉枝陽子(渡辺えり)の下、後輩の樋口奈央(佐藤めぐみ)を指導しながら行っている。
ある日、娘の遺品をゴミ呼ばわりする弁護士の長谷川伸之(中尾彬)が、ジャーニーサポートに仕事を依頼してくる。金はいくらでも払うからすべてを廃棄しろと冷たく言い放つ長谷川に、若い奈央は強く反発。各務はそんな奈央を制し、7年間も音信不通だったという娘に対する、父親ならではの複雑な心情を思いやって、依頼を承諾する。
看護師だった長谷川の娘・香織(渋谷飛鳥)は、崖から転落し事故死を遂げていた。各務らは香織のアパート、事故現場の遺留品、そして職場の病院に残された遺品の整理を請け負うことに。
最初に訪ねたアパートで各務は、合鍵を使って侵入し、何かを物色していた若い男と鉢合わせになる。何も取らずに慌てて出て行く男を見送った各務は、さっそく遺品整理を始める。部屋には、香織の人柄がしのばれる、患者宛の押し花付きメッセージカードが、花の図鑑とともにいくつも残されていた。ほかに、桜のスタンプが押された沢村隼人という男性からの手紙の束。「小森」、「乾」、「羽田」の宛名がある、1万円ずつの現金が入った封筒。編みかけのセーター。そして、亡くなった1週間前に印が付けられたカレンダー…。
事故現場の遺留品には、今どき珍しいカセットデッキがあった。警察の捜索では、中身のテープは見つかっていないという。また、各務は警察官から、転落した香織の手には青紫の花が手に握りしめられていたと聞かされる。香織の部屋には、宛名はあるものの押し花がないメッセージカードが1枚残されていた。その患者に送る花を探している最中に、誤って足を滑らせたのだろうか…。
しかし、勤務先の病院を訪ねた各務は、患者が香織に伝えていた花はコスモスだったと知る。コスモスならばわざわざ山奥に行く必要などない。不審に思った各務は、香織の事故現場へと向かう。そこには確かに青紫の花があった。だが、サワギキョウというその花は毒性の植物。花の図鑑で勉強をしていた香織が、なぜ毒草を採りに行ったのか。疑問に感じた各務は、香織の死が単なる事故ではない可能性があるとみて、陽子に沢村隼人について調べるよう指示する。各務は、香織のアパートにあった沢村の手紙から、沢村がいたのは埼玉の刑務所で、カレンダーに印のあった日に出所したと読み解いていた。いったい沢村はどんな罪で服役していたのか?
一方、各務は、香織の部屋にあった編みかけのセーターを持って、長谷川の自宅を訪ねる。各務はこの遺品から、音信不通の間も香織が父を思いながら編んでいた、そんな声を聴いていたのだ。また、各務は長谷川に、香織の死は事故ではないかもしれないとも告げる。さすがに顔色を変える長谷川。だが、無念の思いを抱いていたかもしれない香織の思いを受け取ってほしいという各務の声に、耳を貸すことはなかった。
その後、各務が推察した通り、沢村の前科が明らかになる。陽子が集めた資料によれば、沢村は3年前、自動車事故で小学生3人を死亡させていた。被害者の名前は小森、乾、羽田。いずれも、香織がお金を入れた封筒を用意していた名前だ。香織は沢村に代わり、被害者遺族に賠償しようとしていたのか? また、当時の新聞に掲載されていた写真から、香織の部屋を物色していた男が沢村であったことも判明。沢村はいったい何を探していたのか…。
各務は、香織の真意を明らかにするため被害者遺族を訪ねる。小森芳雄(田中要次)によれば、やはり香織は毎月1万円の賠償金を持って来ていたという。だが、事故から3年が経っても、幼い我が子の命を奪われた母親の由起恵(加藤貴子)の、沢村への恨みの気持ちは強く、香織から金を受け取ることはなかったという。そんな思いの現れなのか、小森家のカレンダーにも沢村の出所日に印が付けられていた。
その日、各務はもう一度、香織の遺品を調べることにする。だが、保管庫に入った各務は、不法に侵入した沢村と遭遇。慌てた沢村は、奈央を羽交い締めにしナイフを突きつける!
(土曜ワイド劇場公式HPより)


では、続きから(一部、あらすじと重複あり)……

「ジャーニーサポート」で働く遺品整理人の各務章祐は後輩の奈央と共に、弁護士の長谷川伸之からの依頼を引き受けることになった。
亡くなったのは長谷川の娘・香織、崖からの転落死であった。
香織は看護師であり、患者の為に押し花を作っていた。
その花を採取する途中での事故かと思われていたが……。

死に際して香織が手にしていたのが毒草であったことが判明。
毒草を患者の為の押し花にするとは考えられない。
花に詳しくない犯人が事故に偽装する為に、香織に握らせたと考えた方が自然であった。

さらに、香織の遺品からは沢村隼人からの手紙と、「小森」、「乾」、「羽田」との宛名が書かれた封筒が。
封筒の中には1万円ずつの現金が入っていた。
そして、編みかけのセーターに、カセットデッキ、香織が死亡した1週間前に印が付けられたカレンダーが見つかる。

中でも各務が気にかけたのはカセットデッキであった。
肝心のカセットテープが無いのだ。

次いで各務は、沢村隼人を調べる。
沢村からの手紙には検閲印があった。
そして、印が付いたカレンダーは沢村が罪を償い社会へと出て来る日に違いない。
つまり、沢村は過去に何らかの犯罪を犯し服役していたのだ。
当の沢村が1週間ほど前に社会復帰しているとすれば……彼もまた香織殺害の容疑者となる。

各務は、香織が長谷川の為にセーターを編んでいたことを彼に告げる。
さらにその死が他殺かもしれないとも。
最初は香織の死に冷淡な反応を示した長谷川だが、各務の話を聞き香織の死を悲しみ始める。
実は、長谷川と香織の親娘は些細な行き違いから不仲になっていた。
だが、彼らは互いに想い合っていたのだ。
長谷川は事件について独自に調査を始める。

沢村の犯行内容が判明。
3年前に3人の小学生を轢き殺していたのだ。
その苗字こそが、小森、乾、羽田であった。
この事故時に香織は沢村の車に同乗していたのだ。
しかも、他に2人の同乗者があったらしい。
香織は被害者遺族に償おうとしていたのか……。

一方、香織宅に沢村が出没。
どうやら、何かを探しているようだ……。

各務は小森たちを訪ね、香織が毎月1万円を届けていたことを知った。
だが、小森たちはこれを拒否していたのである。
当然、彼らにも香織殺害の動機がある。

矢先、沢村が「ジャーニーサポート」に忍び込み、管理していた香織の遺品を物色する。
これに気付いた奈央が捕まってしまうが、何故か、沢村はそのまま逃亡する。
しかも、その翌晩に沢村は何者かに殺害されてしまうのであった。

小森たちに沢村殺害の容疑が向かう中、各務は沢村が何かを探していたことに注目。
それこそが重要な品に違いないと考え、見つからないカセットテープを重要視する。
だが、どうしても見つからない。

その頃、独自の調査の結果により小森たちの存在に辿り着いた長谷川。
彼はカオリの復讐を決意していた。
長谷川の決意を知った各務は彼を止めるべく、香織の真実の声を伝えようとする。
その為にも、真犯人を突き止めなければならない。

3年前の事故で、沢村の同乗者が判明。
香織の勤務していた病院の医師・岡部と事務長・坪倉の2人である。
2人は自身が巻き込まれただけと主張し、沢村を悪しざまに罵るが……。

奈央の必死の捜索により、事故現場付近にてカセットテープが見つかった。
だが、カセットテープの内容は何の変哲も無いもの。
特に事件にかかわる物では無いようだが……。
各務は他に何かキーになるアイテムがあるのではと捜し始める。

香織にとって「すぐには見つからないが、いずれは見つかる隠し場所」を考えた各務は長谷川へ贈るセーターに注目。
その襟首から、携帯用のSDカードを発見する。
其処には衝撃のデータが残されていた……。

その翌日、小森の息子たちの3回忌が行われた。
小森たちの他に坪倉と岡部も参列しているが……。

と、集まった小森たちに向け、隠れていた長谷川が出刃包丁を手に斬りかかろうとする。
娘・香織を想う長谷川は復讐の鬼と化していた。

そんな長谷川に対し、間一髪で現場に駆け付けた各務は重大な事実を告げる。
香織と沢村を殺害したのは別の人物だと言うのだ。

カセットテープを持ち出す奈央。
すると、坪倉がそれを引っ手繰るように奪う。

「こんなものがあっちゃ困るんだ!!」叫ぶ坪倉。
「やはり、それが目的で参列していたんですね」と呟く各務。
だが、視聴者はご存知の通り、真の証拠はそれではない。

各務が携帯を突き出した。
それには真の証拠―――例のSDカードが挿入されている。
携帯の画面に映っていたのは運転する坪倉の後ろ姿であった。

そう、香織と沢村を殺害した犯人は事務長の坪倉であった。
そして、小森たちの子供たちを轢き殺したのもまた彼。

3年前の事故―――その運転手は沢村ではなく坪倉だったのだ。
坪倉は5千万円で沢村に身代わりを依頼していた。
だが、坪倉は知らなかった。
沢村が事故直前に運転席の坪倉を携帯で撮影していたことを。

沢村は身代わりを終え、報酬を要求した。
ところが、坪倉は支払を拒否した。
この際、沢村は証拠品があることを匂わせる。

一方、香織は沢村の名誉回復を願い、真相の暴露を計画していた。
これに坪倉は香織が証拠品を持っていると考え、これを奪おうと襲撃し殺害してしまう。
ところが、肝心の証拠が見つからない。

其処に香織を殺された沢村が烈火の如く詰め寄った。
坪倉は口封じすべくこれを殺害したのである。
しかし、SDカードは遺品であるセーターの中。
坪倉に見つかる筈もなかった。

坪倉は逮捕された。
岡部も犯人隠匿により逮捕されることに。

小森たちは沢村を恨んでいたことが無意味どころか、間違っていたことを知り放心してしまう。
長谷川もまた深い心の傷を抱いた。
そんな彼らに香織の声が届く。

香織の遺品のテープ、その中身は幼い香織と長谷川の会話であった。
チューリップの歌を歌う2人。
それは仲睦まじき父娘の想い出―――香織の心の支えそのものであった。

これを耳にした長谷川たちは親子の情愛の意味を知り、前向きに生き直すことを誓う。

後日、長谷川は香織が積み立てていた小森たちへの慰謝料を交通安全への寄付金に充てたそうである―――エンド。

<感想>

「遺品の声を聴く男」シリーズ第4弾です。
前作は2012年1月21日に放送されているので、実に1年4ヶ月ぶりの新作となりました。
ほぼ第2弾から第3弾の放送にかかったのと同じだけ期間が空いたことになりますね。
ちなみに、これまでのシリーズについては過去記事よりネタバレ批評(レビュー)をご覧ください。

では、ドラマの感想を。

今回(第4弾)も前回(第3弾)同様にきっちり伏線を張ってますし、その回収にも成功してたので良かったですね。
ただ、第3弾に比較するとロジック面が些か弱くなっていたのは否めないかも。
とはいえ、その分「情」に重きを為しており、充分に突き動かされました。
前回に引き続き、このシリーズはレベル高い!!

何と言っても特筆すべきは、「子供の復讐の為に沢田を狙う小森たち」と、同じく「子供の復讐の為に小森たちを狙う長谷川」との構成。
共に子供の為の復讐であり、共に復讐対象者は実は犯人ではなく、共に復讐は未遂で終わり、共に復讐の無為を知る。
まさにこの「重ね合わせた」構成こそが本作のメインと言えるでしょう。

これにより、視聴者は「前半は小森たち、後半は長谷川」と2時間フルに「子供の復讐に動く親心」を目にし、その心境に心を動かされることに。
其処へ、ラストにて各務から「子供たちの親を想う心」が明かされ、彼らに同調していた視聴者の心に染み入ります。

親から子へ、子から親へ……いずれの立場でも物凄くグッと来ることでしょう。
視聴直後なので贔屓目もあるかもしれないけど、此処最近ではベストと呼んでも過言ではない出来かもしれない。
是非、シリーズ次回にも期待!!

◆関連過去記事
土曜ワイド劇場「遺品の声を聴く男2白骨遺体が語る愛憎劇美人妻と愛人との交錯する執念…遺品整理屋は見た!!15年前の誓い…哀しき殺人者の逃亡の果て」(9月18日放送)ネタバレ批評(レビュー)

土曜ワイド劇場「遺品の声を聴く男3〜美人社長の笑顔に秘められた壮絶人生!介護ビジネスに渦巻く欲望の罠と連続殺人の謎?遺品が語る転落死の真実とは?」(1月21日放送)ネタバレ批評(レビュー)

<キャスト>

各務章祐:奥田瑛二
樋口奈央:佐藤めぐみ
小森由起恵:加藤貴子
小森芳雄:田中要次
乾勲:森下能幸
羽田祐介:趙a和
沢村隼人:反田孝幸
長谷川香織:渋谷飛鳥
松崎刑事:デビット伊東
坪倉晴彦:山口翔悟
長谷川伸之:中尾彬
玉枝陽子:渡辺えり ほか
(敬称略、順不同、公式HPより)


「遺品整理屋は見た!(扶桑社文庫)」です!!
遺品整理屋は見た! (扶桑社文庫)





「遺品整理屋は聞いた! 遺品が語る真実 ~消せなかった携帯の履歴、孤独死のサイン、女の遺し物…~ (青春新書INTELLIGENCE 220)」です!!
遺品整理屋は聞いた! 遺品が語る真実 ~消せなかった携帯の履歴、孤独死のサイン、女の遺し物…~ (青春新書INTELLIGENCE 220)





【関連する記事】
この記事へのコメント
まさか犯人役は山口さんとは・・・しかもその犠牲者役が渋谷さんというのは・・・。

お2人とも、今野敏先生の「安積班シリーズ」を原作にした「ハンチョウ・神南署安積班」シリーズの出演者ですからね。

山口さんは安積の部下で、一番若い桜井刑事役です。渋谷さんは安積の娘・涼子役で、今回の役同様、こちらも看護師です。

もし、また神南署編が始まった時には、中村さん(村雨役)や塚地さん(須田役)にこのことをネタにされてそうですね。

「翔悟は、渋谷さんを殺す役で出演してます」なんて記者発表でボケていじってそうです。

中村さんあたりはそんなこと言ってそうです。佐々木さんも言いそうですね。
Posted by Me at 2013年06月24日 21:24
Re:Meさん

こんばんわ!!
管理人の“俺”です(^O^)/!!

なるほど、ご指摘頂くまで気付きませんでしたが意外なキャスティングだったんですね。
これもまた2時間ドラマ視聴の醍醐味でしょうね〜〜〜。

そう言えば「ハンチョウ」新作も視たい(^O^)/!!
Posted by 俺 at 2013年06月25日 00:43
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバック