ネタバレあります、注意!!
第4話登場人物一覧:
三好善美:主人公、善行ポイントを集めている。ループの中心……の筈。
九條:上司(大浦)に解雇通告を受けた男。善美と共に事件解決に挑む。ループを理解している。
大浦:九條を解雇した。何故か何度も「通行止め」の手で殺害されてしまう。
石名坂:九條の同僚。何かある?
寄谷得人(ダニエル):委員長。名前の真ん中(谷得)を取って「ダニエル」と呼ばれている。
矢田刑事:3話で九條を逮捕した刑事。
成田刑事:矢田の後輩だが……。
通行止め:街で噂の連続殺人鬼。
謎の少女:善美が助けた謎の少女、実は……。
<ネタバレあらすじ>
オリジナルを含め5周目のループに突入。
4周目にて善美に売られた九條はこれを根に持っていた。
実に15分に及ぶ留置体験をしたらしい。
そんな九條に近付く影が1つ。
風船を手にした幼い少女―――読者お馴染みの姿でお分かりのことであろう神である。
これまで、神と善美、善美と九條は互いに見知っていたが、こうして神、善美、九條の初顔合わせが行われたのである。
同時に善美と九條は携帯の連絡先を交換することに。
この際、4周目の経験から「通行止め」が複数犯であること、石名坂はその時刻にアリバイがあることが確認された。
和気藹々と語り合う3人。
ところが、この様子を眼鏡をかけた男子学生がじっと眺めていて……。
善美たちと別れた九條。
「通行止め」が何度となく大浦を殺害することに意味を見出した彼は、大浦の様子を窺うことに。
だが、やはり特に得られる情報は無い。
一方、善美にある人物が接近して来る。
あの眼鏡をかけた男子学生である。
彼を善美は知っていた。
その名は寄谷得人。
委員長を勤め、名前の真ん中(谷得)を取って「ダニエル」と呼ばれている男子生徒だ。
クラスからは浮いており、善美も特に重要視していない人物であったが……。
ダニエルは単刀直入に善美に問う。
「君は『今日』を繰り返している、そうだね?」と。
なんと、九條たちとの話を盗み聞きされていたようである。
動揺を表に出さないように押さえる善美。
ダニエルはと言えば、そんな善美の様子も気に留めず一方的に「どうやって周回してるの?意識だけ?肉体も?」などと捲し立てて来る。
取り敢えず、その場は誤魔化して逃げた善美だが……。
その頃、九條は大浦から5回目の解雇を言い渡されていた。
冷静に受け止めつつ、九條は以前から考えていた方法を実行に移す。
大浦に頭を下げて、普段よりも早く事務所から引き揚げて貰えるようお願いしたのだ。
「通行止め」の狙いが「事務所」なのか「大浦」なのか、それも突き止めるつもりであった。
驚く大浦だが、何かを考えてこれを受け入れることに。
去り際、何故か九條を気に掛ける大浦だったが……。
そして、善美はと言えば―――ダニエルにストーカーされていた。
そんな中でも、善行ポイント稼ぎは欠かさない善美。
コンビニの先輩には合コン参加を促しローテの変更を受け入れつつ、4周目で学習した別のコンビニの女性には合コン自体が中止になったと嘘を吐き参加を阻止する。
これで先輩の死は免れたワケだ。
同時に、酔っ払いたちの介抱をしてポイント稼ぐ。
確認してみたところ、10万善まではあと8ポイントにまで迫っていた。
こちらは九條。
大浦を先に帰宅させ、事務所にて「通行止め」を待ち構えることに。
案の定、其処へ「通行止め」が強襲。
しかし、これを予期していた九條は余裕を崩さない。
「もう1人、居るんだろ?出て来いよ」と挑発するが……。
九條の挑発により現れたもう1人。
ところが、その後ろからさらにもう1人現れる。
次いで、その後ろからさらにもう1人。
その後ろからさらにもう1人……その後ろからもさらにもう1人。
ひっきりなしに現れる「通行止め」に少しずつ顔色を変える九條。
結局、逃げ出さざるを得なくなってしまう。
同じ頃、ダニエルは善美のことを考えていた。
ダニエルは幼児期からSFが大好きであった。
祖母から父へと引き継がれたというソレ。
父にとっては単なる趣味であったが、ダニエルにとっては研究対象であった。
そんなダニエルに父から電話が……同時にダニエルは絶句してしまう。
その頃、「通行止め」により追い回され続ける九條。
苦戦しながらも中の1人を捕まえ、覆面を剥ぐことに成功する。
ところが、其処から出てきた顔は意外な顔で……。
数分後、多数の同僚警官と共に警察署に居た矢田刑事を九條が訪ねた。
ご丁寧なことに捕まえた「通行止め」も一緒である。
その正体を目にした矢田刑事は驚きのあまり叫び声を上げてしまう。
「成田?」
そう、九條が捕まえた「通行止め」の正体は矢田刑事の後輩・成田刑事だったのだ。
九條から事態を耳にした矢田刑事は取り調べを行うと振り返って言葉を失った。
つられた九條も彼方を見遣り、同様に言葉を失う。
なんと、その場に居た警官全員が「通行止め」のマスクを被り、矢田たちに拳銃を向けていたのだ。
先程まで、矢田と楽しげに会話していた婦警でさえも、その中に混ざっている。
「まさか……」
事態の推移に混乱する矢田と九條。
そして、発砲音が鳴り響いた。
そんなこととは露知らぬバイト中の善美。
さて、そろそろ九條がコンビニにやって来る頃だ……と待ち構える。
ところが、やって来たのは全く別の人物であった。
「父さんが死んだ。助けて欲しい」
そう口にして飛び込んで来たのはダニエル。
自分から善行を施すことはあっても、他者から助けを求められたことはない善美は戸惑ってしまう。
そして、5周目が終わりを告げた―――5話に続く。
<感想>
「月刊コミックブレイド」にて連載が開始されたヤマモトマナブ先生の作品です。
「善行をポイント化することが生きがいの女子高生が、ひょんなことから同じ1日を10回繰り返す」ことになる作品。
その中で「如何にして皆をハッピーにするか」がポイントの模様。
今回も、かなり気になる展開になってますね。
前回、「通行止め」は時の復元力ではないかとの説も上げましたがこれは無さそうですね。
もう1つ予想した通り「通行止め」は「特定の誰か」ではなく「人の悪意の象徴とでも言うべき不特定の精神的な存在」の様子です。
つまり、「誰それが通行止め」なのではなく「誰もが通行止めになりうる可能性がある」ということ。
前回のコンビニ女性店員も「通行止めだった」のではなく「合コンに参加したことで通行止めになった」ものか。
石名坂も通行止めであったが、善美と九條が事象を変化させたことで通行止めの呪縛から逃れたと思われる。
だが、条件さえ揃えば再び「通行止め」になってしまうのだろうか。
つまり、「通行止め」は原因に対処しない限り、永遠に消えないことになる。
ただし、善美はもちろん九條や大浦、ダニエルや矢田刑事が「通行止め」化しないことから、何らかの条件があると考える方が自然だとも思われるが……!?
こうなってくると善美が同じ日を繰り返しているのは「通行止め」を解除させる為と考えるべきだろう。
そもそも「善美の周回」に対し「通行止め」だし「善美の善行」に対し「人の悪意の象徴」でもある。
初めから仕組まれていたことだったのかも。
10万善まで残り8ポイントとなった「善行ポイント」が鍵を握るのは間違いなさそう。
これと引き換えに「人の悪意の象徴」である「通行止め」を消すことが出来るのかな。
だからこそ、善美が「周回者」として選ばれた?
一方、大浦も何かを知っているような行動を……。
ちなみに、「ミステリ」で1日を繰り返すと云えば、西澤保彦先生『七回死んだ男』が思い浮かびますが、本作はどちらかと言えば「ひぐらしの鳴く頃に」に近いかもしれない。
・『七回死んだ男』(西澤保彦著、講談社刊)ネタバレ書評(レビュー)
おそらく結末としては「何度挑戦しても事態は改善されず1話冒頭の諦めシーンへ、其処からラスト10回目がスタートし善行10万ポイントと引き換えに神様が奇跡を起こしベストな形に繋がる」と言ったパターンが予想されますが……果たして!?
おそらく構成的に全10話から11話、長くても12話と思われます。
その分、結末へ向けて綺麗に伏線を配している筈。
伏線好きな読者には堪らない本作、次回にも期待!!
◆関連過去記事
・「リピートアフターミー」第1話「今日という日は2度と来ない」(ヤマモトマナブ作、マッグガーデン刊「月刊コミックブレイド 3月号」掲載)ネタバレ批評(レビュー)
・「リピートアフターミー」第3話「仰るとおりソイツです」(ヤマモトマナブ作、マッグガーデン刊「月刊コミックブレイド 5月号」掲載)ネタバレ批評(レビュー)
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