2013年06月11日

「Q.E.D.証明終了 初恋」(加藤元浩著、講談社刊「月刊少年マガジン 2013年7月号」連載)ネタバレ批評(レビュー)

「Q.E.D.証明終了 初恋」(加藤元浩著、講談社刊「月刊少年マガジン 2013年7月号」連載)ネタバレ批評(レビュー)です!!

ネタバレあります、注意!!

登場人物一覧:
燈馬想:言わずと知れた主人公。
水原可奈:言わずと知れたヒロイン。

古巴智利:礼奈から告白され交際を始めた男子学生。陸上部所属。
新都辺礼奈:男子生徒に人気の美少女。智利に告白し交際を始めた。
河内:智利の親友。
牛津:礼奈に一方的に想いを寄せる男子生徒。殺害されてしまう。
剣橋:女子に人気のプレイボーイ。礼奈にモーションをかけるがあっさりフラれる。
露西亜子:智利の後輩の陸上部女子。彼の事が好き。

<ネタバレあらすじ>

古巴智利は男子高校生。
成績は普通。
陸上部に所属するも特に目立ったこともない。

そんな彼に春が来た。
恋人が出来たのだ。

お相手は学校のヒロイン・新都辺礼奈。
男子生徒に人気の美少女である。
しかも、礼奈からの告白であった。

智利が有頂天になったとしても誰も責められないだろう。
智利は何故、自分が好かれたのか分からないままに美人の彼女に大喜び。
親友であり、智利の住むマンションの1つ下の階に生活する河内からも祝福されていた。

順調にデートを重ねた智利と礼奈。
ある日、智利は両親が留守の部屋に礼奈を招く。
ここはバッチリ決めるぞ!!と意気込む智利だが……。

鍵を開け、室内へ入った途端にドサッと何か重い音が。
音の発生源を追い、ベランダを確認した智利。
其処には袋からはみ出した死体らしき代物が!!
顔は確認出来ないようだ。

礼奈を守るべく、急いで帰宅させる智利。
すると、未だ通報していないにも関わらず、警察が到着する。

智利は自宅ベランダで発見した死体について告げることに。
だが、どうやら既に通報されていたようで智利は身柄を確保されてしまう。

実は礼奈周辺には2つのトラブルの種があった。
1つは、一方的に礼奈に執着していたが相手にされなかったストーカー牛津。
もう1つは、礼奈と交際していると周囲に嘘を吐いていたが、これまた相手にされていなかったプレイボーイ剣橋。

最近では、2人共に礼奈に嫌がらせを繰り返していたようだ。
その余波は智利にも及んでいた。

そして……殺害されたのは牛津であった。
危く殺害容疑をかけられかけた智利だが、礼奈の証言により救われることに。

だが、これにより礼奈がその場に居たことも明らかになり、礼奈は両親から反対され交際も立ち行かなくなる。
困った智利は燈馬想に相談を持ちかけるべく、可奈に仲介を依頼する。

一方、当の想は調査に批判的。
何故なら、可奈経由で既に1件事件を引き受けていたのだ(「失恋」のこと)。
とはいえ、可奈に頭を下げられてしまえば無碍にも出来ない。
結局、引き受けることに。

可奈は剣橋が怪しいと主張。
それもその筈、剣橋には牛津殺害時刻のアリバイが存在しなかったのである。
剣橋によれば、何者かに手紙で呼び出され智利のマンションの向かいに居たそうだが……。

可奈は剣橋が牛津を殺害後、向かい側から智利宅のマンションのベランダに死体を投げ込んだと考えていたのだ。
だが、これを想は否定。
ヒント代わりに「トリックドンキー」を解けば分かると伝える。

数日後、新たな事件関係者が浮上。
智利の陸上部の後輩・露西亜子だ。

彼女は智利に恋心を抱いており、礼奈を敵視していた。
何の目的もなく、礼奈が智利を選ぶ筈がないと言うのだ。
其処で、あの日も2人を尾行していたらしい。
だが、向かい側から剣橋が投げ込んだような様子は無かったと主張したのである。
困惑する可奈。

さらに数日後、牛津の葬儀が行われ関係者が一堂に会した。
礼奈は何処か智利によそよそしい。
いや、ハッキリ言えば距離を取っている。
これに、智利は礼奈の何処が良くて交際しようと決めたのか分からなくなってしまう。

そのことを河内に相談するが、途端に河内が逆上する。
礼奈と剣橋や亜子らも加わり、揉み合いになった末に、智利は誰かに突き落とされてしまう。

怪我を負った智利は入院することに。
だが、礼奈は見舞いにも来ない。
智利の不信感は募るばかり。

その頃、可奈は「トリックドンキー」の答えに辿り着いていた。
一見、答えのように見えるソレが実は答えではない。
想は今回、犯人のように見える剣橋もそれと同じことで、答えは単純だと告げる。

こうして、想のもと関係者が集められた。

想は剣橋が犯人のスケープゴートにされたことを指摘。
つまり、剣橋は犯人ではない。

同時に、剣橋に罪を着せようとしたのは礼奈を護る為との目的があったと主張する。
つまり、亜子でも無い。
当然、智利と礼奈にもアリバイがある。

残るは―――河内だけだ。

あの日、河内は剣橋を手紙で呼び出しアリバイを奪った。
その上で、牛津を殺害した。
智利の親友であった河内は、彼が礼奈を家に呼ぶことを知っており、到着を智利宅のベランダで待った。
この際、河内は袋に入り牛津の死体の振りをした。
やって来たことを確認すると、大きな音をたて注意を惹いた。

こうして、智利たちはベランダで袋に入った死体(実は河内)を発見する。
智利は礼奈を逃がすことに。
この隙に牛津の死体と入替ると、ベランダに備え付けられた避難口から下の自宅へと脱出したのである。

すべては礼奈を愛する故の行動だったらしい。
河内は逮捕され、智利は親友を失った。

数日後、礼奈に呼び出された智利。
別れ話を切り出されると身構える智利に、礼奈はメジロの写真について語る。
それは文化祭の展示物であった。

礼奈はその写真を見て笑い出してしまった。
ところが、誰も礼奈の笑いのツボを理解しようとしない。

そんな中、礼奈と同じように笑っていた人物がいた。
それが智利だったのだ。
もちろん、智利はそんなことは知らない。
だが、その姿を見た礼奈は智利に惹かれたのだそうだ。
一目惚れだったと言う。

これを聞かされた智利は礼奈に惹かれ、キスをする。
彼らの恋愛は今、始まったのだ―――エンド。

<感想>

「月刊少年マガジン」2013年7月号掲載「初恋」です。

甘酸っぱい物語でしたね。
青春だ。

ただ、今回はトリック的にかなり無理があるかなぁ。
マンションの避難口は、防犯上の理由から「上の階からでないと戸口は開けられない」から、河内宅から智利宅への移動の段階(下から上)で既に不可能。
いきなり詰んだ。

第一、河内が牛津の死体のふりをする必要性がそもそもない気も。
音さえ立てればいいので、他の方法を探した方が効率が良い。
もっと言えば、河内には牛津殺害時のアリバイが最初からないので、下手すると剣橋以上に容疑者筆頭です。
いろいろな意味であの工作は無意味でしょう。

そして、河内は智利も巻き込む気が満々ですよね。
最終的に別れさせるつもりとしか思えない。
でないと、あの日あの場所で殺害を実行しないでしょう。
礼奈を護りたいと言いつつ、やってることは真逆とは……。
ある意味、牛津と同じとは恐るべし……。

礼奈もミスリードの為とはいえ、見舞いにも行かないしなぁ。
智利の不信ももっともなような……。
今回はストーリーは好みなんだけど、人物造形に無理があったかな。
「トリックドンキー」もモチーフのみの使用で、勿体ない気がします。

さて、『月刊少年マガジン+ 6月販売号』にて本作と対になる「Q.E.D.証明終了 失恋」が掲載とのこと。
さらに、あのマウが活躍する「M.A.U.」も掲載と2本立て。
見逃すなかれ!!

「C.M.B. 森羅博物館の事件目録」がスピンオフ!!新探偵(?)が活躍する「M.A.U.」が『月刊少年マガジン+(プラス) 2013年6号』(講談社刊)に掲載予定とのこと!!

2013年6月20日追記

上記の謎の1つに、コメントにて「ace」さんより解答をご指摘頂きました。
ありがとうございます!!

上記の感想にて「マンションの避難口は防犯上の理由から、上の階からでないと戸口は開けられないから犯行は不可能ではないか」としたのですが、河内は普段から智利宅に出入りしており事前に工作する余地がありました。
なるほど、これならば犯行は可能になります。

やはり、河内はかなり確信した上で智利を巻き込んでいたと言えそうかなぁ。

追記終わり


◆関連過去記事
【「C.M.B. 森羅博物館の事件目録」シリーズ】
「C.M.B. 森羅博物館の事件目録(「月刊少年マガジン」2012年6月号掲載分)」(加藤元浩著、講談社刊「月刊少年マガジン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

「C.M.B. 森羅博物館の事件目録(「月刊少年マガジン」2012年7月号掲載分)」(加藤元浩著、講談社刊「月刊少年マガジン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

「C.M.B. 森羅博物館の事件目録(「月刊少年マガジン」2012年8月号掲載分)」(加藤元浩著、講談社刊「月刊少年マガジン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

「C.M.B. 森羅博物館の事件目録(「月刊少年マガジン」2012年9月号掲載分)」(加藤元浩著、講談社刊「月刊少年マガジン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

「C.M.B. 森羅博物館の事件目録 67話 ガラスの楽園・前篇(「月刊少年マガジン」2012年10月号掲載分)」(加藤元浩著、講談社刊「月刊少年マガジン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

「C.M.B. 森羅博物館の事件目録 68話 ガラスの楽園・後編(「月刊少年マガジン」2012年11月号掲載分)」(加藤元浩著、講談社刊「月刊少年マガジン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

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「C.M.B. 森羅博物館の事件目録 70話「4枚目の鏝絵」(「月刊少年マガジン」2013年1月号掲載分)」(加藤元浩著、講談社刊「月刊少年マガジン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

「C.M.B. 森羅博物館の事件目録 71話「足摺厚焼き卵店」(「月刊少年マガジン」2013年2月号掲載分)」(加藤元浩著、講談社刊「月刊少年マガジン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

「C.M.B. 森羅博物館の事件目録 72話「Nobody」(「月刊少年マガジン」2013年3月号掲載分)」(加藤元浩著、講談社刊「月刊少年マガジン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

「C.M.B. 森羅博物館の事件目録 73話「グラウンド」(「月刊少年マガジン」2013年4月号掲載分)」(加藤元浩著、講談社刊「月刊少年マガジン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

「C.M.B. 森羅博物館の事件目録 74話「二笑亭」(「月刊少年マガジン」2013年5月号掲載分)」(加藤元浩著、講談社刊「月刊少年マガジン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

「C.M.B. 森羅博物館の事件目録」第75話「ダイヤ泥棒」(加藤元浩著、講談社刊「月刊少年マガジン 2013年6月号」掲載)ネタバレ批評(レビュー)

【「Q.E.D.証明終了」シリーズ】
「Q.E.D.証明終了(「月刊少年マガジン+(プラス)」2012年3号掲載分)」(加藤元浩著、講談社刊「月刊少年マガジン+(プラス)」連載)ネタバレ批評(レビュー)

「Q.E.D.証明終了(「月刊少年マガジン+(プラス)」2012年4号掲載分)」(加藤元浩著、講談社刊「月刊少年マガジン+(プラス)」連載)ネタバレ批評(レビュー)

「Q.E.D.証明終了 金星(「月刊少年マガジン+(プラス)」2013年5号掲載分)」(加藤元浩著、講談社刊「月刊少年マガジン+(プラス)」連載)ネタバレ批評(レビュー)

2013年6月発売予定「C.M.B.森羅博物館の事件目録(23) (月刊マガジンKC)」です!!
C.M.B.森羅博物館の事件目録(23) (月刊マガジンKC)





2013年6月発売予定「Q.E.D.証明終了(45) (月刊マガジンKC)」です!!
Q.E.D.証明終了(45) (月刊マガジンKC)





「C.M.B.森羅博物館の事件目録(1) (月刊マガジンコミックス)」です!!
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「C.M.B.森羅博物館の事件目録 コミック 1-19巻 セット (講談社コミックス月刊マガジン)」です!!
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posted by 俺 at 12:00| Comment(2) | TrackBack(0) | 漫画批評(レビュー) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
こんばんは、はじめまして。
コメント失礼いたします。

メジロの写真の何が面白いのかわからなかったので、どこかに説明がないかと検索してこちらにたどり着きました。

>上の階からでないと戸口は開けられない

最初の方の、ゲームをしながら会話してるシーンと、河内の証言で新都辺が来るって言ってたから行くのはやめとこうというのがあったので、智利家に日常的に入り浸っていたと推測できます。
事前に細工していたのでは?
Posted by ace at 2013年06月18日 02:35
Re:aceさん

こちらこそ、初めまして!!
管理人の“俺”です(^O^)/!!

今回の「初恋」、少し不満もありましたが青春もので良かったですよね(^O^)/!!

メジロの写真は「角度」とか「光の加減」、あるいは「目が近い」とか「澄まして見えた」あたりが理由かなと思います。

ただ、他の生徒は誰も笑わなかったところをみると通常面白いと思えるようなものではない筈なので、あくまで面白いと感じた2人の感覚が近かったことを示すエピソードで、物語上の必要性以外に特に理由はないのかも。
やっぱり感覚が近い人の方が話が合うみたいなものかもしれません。

そして、ベランダのトリック。
なるほど、河内が遊びに行く関係だったので、事前に工作しておいたのは大いにあり得ますね。
謎の1つが解消しました!!
早速、本記事に追記しますね。
ありがとうございます(^O^)/!!
Posted by 俺 at 2013年06月19日 23:51
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