2013年05月13日

「ガリレオ」第5話「念波る(おくる) 距離200キロの目撃者!双子の神秘」(5月13日放送)ネタバレ批評(レビュー)

「ガリレオ」第5話「念波る(おくる) 距離200キロの目撃者!双子の神秘」(5月13日放送)ネタバレ批評(レビュー)です。

<あらすじ>

湯川(福山雅治)は美砂(吉高由里子)から、ある殺人未遂事件の捜査協力を求められる。被害者の若菜(桐谷美玲)は、自宅で何者かにハンマーで頭を殴られ、一命は取り留めたものの危険な状態だ。倒れている若菜を発見したのは、若菜の夫でビジネスコンサルタント・知宏(桐谷健太)と、彼の部下・山下(清水優)で、事件は、知宏がセミナーで講演中に起きたものだった。だが、若菜の双子の妹で、長野県に住む春菜(桐谷美玲=二役)が、東京に住む若菜の危険を察知し、助けを求める電話を知宏にかけたという。さらに美砂から、東京で若菜が襲われた瞬間、長野にいる春菜が犯人の顔を見た、と聞いた湯川は、この現象に興味を持つ。
(公式HPより)


では、続きから(一部、重複アリ)……

若菜と春菜は双子の姉妹。
その夜、東京の姉・若菜は夕食にシチューを用意していた。
同じ夜、長野の妹・春菜も夕食にシチューを用意していた。

姉・若菜が食器をテーブルに並べた。
妹・春菜も食器をテーブルに並べた。

姉・若菜が食卓に着席した。
妹・春菜が食卓に着席した。

行動が同期する姉妹。
ところが、ここから行動が異なってしまう。
本人たちが理由ではない。
若菜側に第3者が乱入した為である。

何者かはハンマーを振り上げると若菜の頭部に向けて何度となく振り下ろす。
若菜は頭部から血を流すと、床に倒れ込んだ。
同時刻、何かを感じた春菜は若菜の夫・知宏に電話を架けるが―――。

その頃、知宏はセミナーを開催していた。
知宏の部下・山下は春菜からの電話を受け、知宏に急報。
この報告を受けた知宏は自宅に急行し、意識を失った若菜を発見した。

発見が早かったこともあり、若菜は一命を取り留めたが意識が回復せず入院することとなった。

数日後、美砂が湯川のもとを訪れた。
もちろん、例の如く湯川を事件解決に協力させる為だ。

春菜が若菜の危機を察知したことをテレパシーだと主張する美砂。
だが、湯川は信憑性が無いと一顧だにしない。
なんとしても湯川を担ぎ出したい美砂は、複数の双子を用意しそのシンクロニシティについて訴える。

湯川はすべて偶然に過ぎないと切り捨てる。
ところが、美砂から春菜が「犯人の顔を見た」と証言していると知るや、捜査に乗り出す。
彼にとって、これこそが「実に面白い」ことだったのだ。

湯川は春菜に会うことに。
春菜は若菜と自分は常に繋がっており、だからこそ若菜が見た犯人が分かると言う。

湯川は春菜に犯人の似顔絵を描かせる。
ところが、その絵はとても人を描いたとは思えないようなものであった。

「なんで生きてんだよ、おめぇ」
同じ頃、意識のない若菜に対し、夫・知宏が冷たい言葉を浴びせていた。
知宏は若菜の死を願っていたのだ。

其処へ美砂が現れる。
美砂は春菜の似顔絵を見せ、心当たりを尋ねるが知宏は空とぼける。
似顔絵が似顔絵に見えないのだから、致し方が無いところもあるのだが……。

そこで、知宏に彼と若菜の友人や親族たちの撮影された写真を提供させることに。
その写真を春菜に見せることで犯人を突き止めようと言うのだ。

知宏の前で写真を確認する春菜。
1枚1枚写真が確認され、その度に何やら考え込む春菜だが首を横に振るばかり。
最後に披露宴の写真が確認されるが、これまた犯人はいないと語る。

湯川は知宏にさらなる写真の提供を求める。
写真が無ければこれから撮影しろとまでの意気込みだ。
これに知宏は焦りを募らせるがどうしようもない。

焦り?
そう、若菜襲撃は知宏が人を雇っての犯行であった。

知宏は雇った実行犯に電話を架け問い詰める。
「あいつらには本当にテレパシーがあるんだって!!なんで殺せなかったんだ?」
「いや、あんたらが帰って来たからだろ?」
「義妹から電話があったから仕方ないだろ!!」
春菜の電話により、知宏は帰宅せざるを得なくなった。
知宏が帰宅した為に実行犯は止めを刺し損ねたのだ。

こうして、知宏の意に反し写真確認は続くことになった。
集められた写真は膨大。
その膨大な写真が、若菜の病室の壁に貼りつけられた。
写真を前に、春菜は若菜とシンクロし始める。

だが、面倒臭くなった美砂は写真確認を中断させようとする。
しかし、湯川はそれを許さない。
ところが、春菜は「分からない」と主張して……。

こうして、実験は失敗に終わった。

これ幸いと去って行く美砂。
1人残った湯川は「これは物理学者の領域ではなかった」と語る。
そんな湯川に、春菜は「若菜が死んだら、後を追う」と決意を告げる。

姉妹の絆に驚く湯川。
試みに「春菜が若菜について理解できなかったこと」を尋ねる。

春菜にとって若菜が理解出来ないことが1つだけあった。
それは、知宏と結婚したことであった。
春菜は知宏の優しさが身勝手なものに感じられていたのだ。

その頃、知宏は若菜の人工呼吸器を外し殺害しようとしていた。
其処へ戻って来た湯川と春菜。
知宏は自身の犯行を取り繕うように「若菜を実験に利用するな」と湯川に詰め寄る。

そのとき、壁に貼られた膨大な写真の1枚が剥がれ落ちた。
急ぎ写真に駆け寄った知宏は拾い上げると「僕らの仲人ですよ」と口にする。
この瞬間、湯川は何かに気付いたかのような素振りを見せる。

「もう1度、実験しよう!!」
湯川の提案で脳磁計を用いての実験が行われることとなった。
再度、春菜に写真を確認させ、脳波に反応があればその人物こそが若菜を襲った犯人らしい。

渋々、立ち会う美砂だが、態度は頗る悪い。
「テレパシーはない」と駄々をこね続ける。

実験が開始。
だが、前回と同じく春菜に反応は無い。

最後の1枚になった。
やはり、反応はない。

実験はまたも失敗に終わったのか……しかし、湯川は次に「高次元マトリックス技術開発センター」での実験を希望する。
其処ならば脳内のイメージを画像化出来るらしい。

拘る湯川に追い詰められた知宏は実行犯に連絡を取り、春菜の殺害を依頼する。
知宏の狙いは若菜の保険金と妻の資産のすべてであった。

一方、美砂はこれ以上は付き合いきれないと湯川に実験中止を申し出る。
これに「さて、本当のことを教えよう」と呟く湯川だが……。

その翌日、美砂たちは知宏の交友関係を再度調べ始めた。
同日夜、知宏に雇われた男は春菜を襲おうとしたところを張り込んでいた美砂たちに逮捕された。

知宏に雇われた実行犯、その名は後藤。
こうして、知宏も逮捕されることに。

「さて、本当のことを教えよう」
あの日、湯川は美砂に実験のすべてが茶番であることを告げた。
脳磁計とされた物は「NMR」という機器で、湯川が説明したような効果は無い。
「高次元マトリックス技術開発センター」での脳内映像の解明も不可能だ。

湯川は知宏が犯人だと睨んでいた。
春菜のテレパシーを怖れる知宏にとって、本当の実行犯の写真を提供出来る筈もない。
つまり、知宏の交友関係から提供された写真の人物を消去し、残された人物が犯人なのだ。
こうして、後藤が突き止められたのである。

逮捕された知宏は動機を語る。

若菜は知宏と離婚しようと考えていた。
知宏の会社は失敗続き、若菜の会社は大きな利益を上げていた。
この利益が知宏の会社の損失補填に充てられたのだ。
これが原因で知宏と若菜は夫婦仲が上手く行かなくなった。
不満を抱いた知宏は浮気を繰り返していたのだ。
其処で、離婚される前に若菜を殺害し、保険金を受け取ろうとしたのだ。

こうして事件は解決した。

春菜の似顔絵はテレビで視た男のものであった。
あくまで、双子のテレパシーは存在しないと主張する湯川。
そんな湯川に、反発する美砂。
美砂によれば、春菜は「若菜がもうすぐ目が覚める」と主張したらしい。
これはテレパシーに違いないと言うのである。
一笑に付す湯川。

ところが、春菜が主張した通り若菜が意識を回復した。
見舞いに訪れた美砂と湯川に、一面識も無い筈の若菜は口にする。
「湯川先生ですよね」
「ねっ、先生。私たち繋がっているんですよ!!」春菜が笑う。

たじたじの湯川は呟く「実に面白い」―――6話に続く。

<感想>

遂に放送された「ガリレオ」。
原作は『禁断の魔術 ガリレオ8』(文藝春秋社刊)収録『念波る』。
過去にネタバレ書評(レビュー)してますね。

『禁断の魔術 ガリレオ8』(東野圭吾著、文芸春秋社刊)ネタバレ書評(レビュー)

その第5話『念波る』。

今回はちょっと否定的にならざるを得ないかなぁ。
ある謎が最後まで解決されないことがその理由。
その謎がコレ。

若菜が襲われたことを何故、春菜が知ることが出来たのか?

実はこの謎、原作『念波る』のメイントリックだったりします。
原作では合理的な理由がありました。

活字媒体の映像化に、アレンジを加えたりオリジナル要素を入れるのはアリだと思うけど、原作同様にドラマ版にも同じ謎を提示しながらスルーするのはどうかなぁ……。
『心聴る』のように草薙、内海が必要なワケでも無いし、特にあのトリックがドラマで再現できないものでもない。
特に省略しなくても良いと思うんだけど。
此の点が納得いかない。

う〜〜〜ん、ドラマ版はラストなどから「若菜、春菜のテレパシー」をあくまで肯定しているスタンスなのだとは思う。
だからこそ、ラスト同様に「春菜が若菜の危機を知ったのもテレパシーであった」となるのかもしれない。

でも、だとしたら若菜が知宏に人工呼吸器を外された際に春菜が危機を感じないのも変だと思うし。
なおかつ、『念波る』では「テレパシーの存在があくまで不確定であることで、姉妹愛が強調される点」に面白さを感じていたので、この点は不満かなぁ。

ただ、ここは視聴者の好みで別れそうなので、作品自体の否とは言えないかもしれませんね。
個人的には今回はモヤモヤでした。

でもって、次回(第6話)は『密室る』。
『ガリレオの苦悩』に収録された同名原作のドラマ化です。
原作自体は過去にネタバレ書評(レビュー)してますね。
興味のある方はどうぞ!!

『ガリレオの苦悩』(東野圭吾著、文藝春秋社刊)ネタバレ書評(レビュー)

でもって、ドラマ版のあらすじはこちら。
此処からは『密室る』の要素は殆ど感じられないなぁ。

<あらすじ>

大企業の研究員・祐子が企画した山歩きのイベントで、彼女の同僚・真希がつり橋から谷底に転落死した。警察は自殺と判断するが、同じ企画に参加していた美砂(吉高由里子)は祐子が真希を殺したのではと疑い、湯川(福山雅治)の元へ向かう。
(@nifty tv番組表より)


ちなみに東野圭吾先生と言えば、その著作『さまよう刃』が韓国にて映画化されるとのこと。
こちらも注目です!!

東野圭吾先生『さまよう刃』が韓国にて映画化!!

そうそう、ガリレオ本編とは別にスピンオフドラマ『タガーリン』もお忘れなく!!

『ガリレオ』スピンオフドラマ制作決定!!その名は『タガーリン(仮)』!!

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