<ネタバレあらすじ>
登場人物一覧:
里見:男性。警視庁機動捜査隊所属。相棒の猪熊と恋人同士。
猪熊:女性。警視庁機動捜査隊所属。相棒の里見と恋人同士。
カラ:女性マネージャー急性アルコール中毒死(実は他殺?)の犯人?猪熊に興味を持つ。
「断捨離、断捨離」
その日、猪熊は里見宅で服を捨てていた。
もちろん、里見の服である。
衣替えのシーズン故に恋人として良かれと思っての行動であったが……。
以来、猪熊は里見に口を利いて貰えなくなった。
相手を見ても視線を外され、無言の冷戦状態が続いている。
とはいえ、仕事はそんなときでもあるもので。
特に里見と猪熊は同僚である。
当然、出動がかかれば2人共に同じ現場となる。
今回も同様である。
だが、多少気楽な点もあった。
今回の仕事は山捜し―――大人数だったからである。
事の起こりは、ある拳銃強奪犯が逮捕されたことにあった。
犯人は男性で、交番から拳銃を盗み出し発砲していたのである。
この際、巡査が1人負傷していた。
犯人はすぐに逮捕された。
だが、拳銃を所持しておらず、本人の供述から山に捨てたらしいことが判明した。
そこで、捜査一課の応援で機捜が出向いたワケである。
2人きりではない点は気楽である……だが、山を侮ってはいけないのだ。
特に恐ろしいのは山ヒルの存在だ。
一度血を吸われると、一週間は離れない。
無理に引き剥がせば、皮膚にヒルの頭部が残る。
それは皮膚の下まで突き刺さっており、外科的手術でなければ取り除けない。
つまり、皮膚ごと切除する必要があるのだ。
戦々恐々する猪熊。
一方、里見は山捜しを眺める犯人の様子から山に捨てたとの供述が嘘ではないかと考え始めていた―――5話に続く。
<感想>
「週刊モーニング」では『レンアイ漫画家』や『シマシマ』、『はるか17』などで知られる山崎紗也夏先生の新連載です。
『レンアイ漫画家』は設定と展開が面白くて読みました。
それだけに新連載への期待も高まります。
そんな「サイレーン」、内容は刑事もの……しかも男女バディもので、「警視庁機動捜査隊(キソウ)」を取り上げた作品となりました。
設定に「キソウ」を採用している点が珍しいですね。
ドラマでも「キソウ」がメインになった作品は「警視庁機動捜査隊216」くらいか。
・月曜ゴールデン「警視庁機動捜査隊216V 命の値段 知らされなかった誘拐事件が生んだ最悪の偶然!?命か金か?選択を迫られた家族の運命と犯人を繋ぐ社会の暗闇!」(12月24日放送)ネタバレ批評(レビュー)
その第4話。
今回はカラのエピソードはお休み、別の事件への対応に追われることに。
これは同時に、カラが作品全体を通じての宿敵となるであろうことを示していますね。
里見の派出所配属直後(新人時代)の薬局店息子の殺害事件もカラの仕業と考えて良さそうです。
だとすると、あれがカラの初犯であり、以降、心を喪った(すなわち空=カラ)ゆえの犯行というのも俄然、現実味を帯びたか。
ちなみに今話の犯人は里見の予測通り、山中には銃を捨ててはいないんでしょうね。
何処か別の場所に隠している状態か。
果たして、これがどう明かされて行くのか?
次回の展開が気になります。
ちなみに、カラこそが女性マネージャー殺害の犯人だと思われます。
どうも仲良くなった女性を殺害する性癖の持ち主の様子。
あるいは、殺す為に仲良くなるのか。
彼女の次のターゲットは猪熊なんでしょうね。
果たして、里見は恋人を守れるのか……こちらも気になります。
5話に期待ですね!!
ちなみに、山崎先生と言えば『七瀬ふたたび』のコミカライズでも知られる方です。
・「七瀬ふたたび」(筒井康隆著、新潮社刊)ネタバレ書評(レビュー)
◆関連過去記事
・「サイレーン」第1話「相棒の秘密」(山崎紗也夏作、講談社刊「週刊モーニング」連載)ネタバレ批評(レビュー)
・「サイレーン」第2話「タイムリミット」(山崎紗也夏作、講談社刊「週刊モーニング」連載)ネタバレ批評(レビュー)
・「サイレーン」第3話「悪夢」(山崎紗也夏作、講談社刊「週刊モーニング」連載)ネタバレ批評(レビュー)
【関連する記事】
- 『スーサイド・パラベラム』第9話(道満晴明作、講談社刊『メフィスト 2016vo..
- 「実は私は」第1話から第160話まで(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオ..
- 「ダジャレ禁止令」(志水アキ画、講談社刊「週刊少年マガジン」掲載)ネタバレ批評(..
- 「実は私は」第160話「藍澤渚と藍澤渚E」(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャ..
- 「ABC殺人事件 名探偵・英玖保嘉門の推理手帖」最終話(第35話)「事件の先に」..
- 「実は私は」第159話「藍澤渚と藍澤渚D」(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャ..
- 「C.M.B. 森羅博物館の事件目録」第107話「いつかの文学全集」(加藤元浩作..
- 「黒霊ホテル殺人事件」(「金田一少年の事件簿R」、講談社刊「週刊少年マガジン」連..
- 「兄妹〜少女探偵と幽霊警官の怪奇事件簿〜」(木々津克久作、秋田書店刊「週刊少年チ..
- 「実は私は」第158話「藍澤渚と藍澤渚C」(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャ..
- 「ABC殺人事件 名探偵・英玖保嘉門の推理手帖」第34話「真犯人」(作画・星野泰..
- 「実は私は」第157話「藍澤渚と藍澤渚B」(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャ..
- 「C.M.B. 森羅博物館の事件目録」第106話「動く岩」(加藤元浩作、講談社刊..
- 「実は私は」第156話「藍澤渚と藍澤渚A」(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャ..
- 「ABC殺人事件 名探偵・英玖保嘉門の推理手帖」第33話「真相」(作画・星野泰視..
- 「実は私は」第155話「藍澤渚と藍澤渚@」(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャ..
- 「実は私は」第154話「勘違いしよう!!」(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャ..
- 【エピソード最終話】「黒霊ホテル殺人事件」最終話、第6話(「金田一少年の事件簿R..
- 「ABC殺人事件 名探偵・英玖保嘉門の推理手帖」第32話「二重人格」(作画・星野..
- 「ビーストコンプレックス」最終話(第4話)「カンガルーとクロヒョウ」(板垣巴留作..