ネタバレあります、注意!!
<あらすじ>
救援物資の横流し、麻薬の密輸から殺人事件まで、“神の名”のもとに行われた恐るべき犯罪の数々。日本の国際的な立場が弱かったために、事件の核心に迫りながらキリスト教団の閉鎖的権威主義に屈せざるを得なかった警視庁――。現実に起った外人神父による日本人スチュワーデス殺人事件の顛末に強い疑問と怒りをいだいた著者が綿密な調査を重ね、推理と解決を提示した問題作。
(新潮社公式HPより)
<感想>
長編です。
実際に起こった事件をもとにした作品ということで、作中描写が真に迫っています。
大筋は「ネタバレあらすじ」に盛り込んだのでご確認頂けたらと思います。
ちなみに、ネタバレあらすじは時系列など含んでかなり改変しているので注意。
江原ヤス子関連なども省略しています。
やはり、本作をお読み頂く方が良いかも。
<ネタバレあらすじ>
航空会社「EAAL」の客室乗務員・生田世津子が何者かに殺害された。
捜査を担当した藤沢六郎刑事や、S新聞社会部記者の佐野が真実を追う内にグリエルモ教会の関与に気付き、これを世に問うこととなった。
世間では一躍、騒動となるのだが……。
世津子が殺される前に話は戻る。
シャルル・トルベックはグリエルモ教会の神父として日本の地を踏んだ。
彼は理想に燃えていた。
だが、彼は知る。
彼の地で自身の同朋が行っていた非合法活動のすべてを。
管区長であるフェルディナン・マルタンのもと、主任であるルネ・ビリエらが密輸に手を染めていたのである。
闇社会と通じる組織ぐるみの犯行であった。
当初こそ抵抗を感じるトルベックだが、ビリエらを見ているうちにそれが自然だと思うようになってしまう。しかも、トルベックはビリエらを真似て日本人と情を通じた。
その相手は、生田世津子。
やがて、上の命令により密輸システムの補完の為に世津子を航空会社「EAAL」の客室乗務員にするよう命令を受けるトルベック。
世津子は無事に客室乗務員となったが、密輸への協力は拒否。
トルベックがこれを上に報告したところ、口封じの為に抹殺するよう指令を受ける。
情を通じた相手を殺すことに忍びないトルベックだが、上には逆らえない。
こうして、世津子を殺害してしまう。
哀れ、世津子は愛するトルベックに殺害された為に悲鳴を上げることもなく息絶えた。
再び現在。
そんな世津子の無念を汲んだのか、藤沢刑事らの捜査は遂にトルベックを捉えた。
同時に、グリエルモ教会の密輸にも辿り着く。
だが……此処で政治的な圧力がかかった。
体調不良と称し入院していたトルベックは、何時の間にか母国へ帰国。
事件は未解決のまま終了してしまう。
佐野は義憤に駆られ、藤沢も無力感を噛み締めることに。
それから幾らか時が経過した。
航空会社「EAAL」が密輸に関与していたとして、摘発を受けることになった。
関係者はすべて逮捕された。
だが、その関係者の中にグリエルモ教会のメンバーはいない―――エンド。
◆松本清張先生関連過去記事
【小説】
・「霧の旗」(松本清張著、新潮社刊)ネタバレ書評(レビュー)
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・『市長死す』(松本清張著、光文社刊『青春の彷徨』収録)ネタバレ書評(レビュー)
・『熱い空気』(松本清張著、文芸春秋社刊『事故―別冊黒い画集1』収録)ネタバレ書評(レビュー)
・『波の塔 上下』(松本清張著、文藝春秋社刊)ネタバレ書評(レビュー)
・『危険な斜面』(松本清張著、文藝春秋社刊)ネタバレ書評(レビュー)
・『疑惑』(松本清張著、文藝春秋社刊)ネタバレ批評(レビュー)
・『十万分の一の偶然』(松本清張著、文藝春秋社刊)ネタバレ書評(レビュー)
・『事故』(松本清張著、文芸春秋社刊『事故―別冊黒い画集1』収録)ネタバレ書評(レビュー)
・『留守宅の事件』(松本清張著、文藝春秋社刊『証明』収録)ネタバレ書評(レビュー)
・松本清張先生原作「砂の器」が5回目のテレビドラマ化決定。テレビ朝日制作、主演は玉木宏さん!!&「砂の器」ネタバレあらすじ
【ドラマ】
・月曜ゴールデン特別企画 松本清張生誕100年スペシャル「中央流沙」(12月14日放送)ネタバレ批評(レビュー)
・月曜ゴールデン特別企画 松本清張生誕100年記念スペシャルドラマ『火と汐』(12月21日放送)ネタバレ批評(レビュー)
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・金曜プレステージ「松本清張ドラマスペシャル 山峡の章」(1月29日放送)ネタバレ批評(レビュー)
・生誕100年記念作 松本清張ドラマスペシャル〜霧の旗「歌舞伎界のプリンスが現代劇初主演!原作と異なる衝撃のラスト!魔性の女3人に振り回される傲慢敏腕弁護士誰もが陥る心の闇と罠の先に待つ真実の幸せとは?真犯人は誰?」(3月16日放送)ネタバレ批評(レビュー)
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・金曜プレステージ 松本清張没後20年特別企画第3弾「疑惑 夫殺しの疑いをかけられた若き悪妻はシロかクロか?個性派女性弁護士が史上最強の悪女と闘う〜無実だったら覚えていろ!衝撃の真相とは」(11月9日放送)ネタバレ批評(レビュー)
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