2013年05月29日

「遺留捜査(2013年)」第7話「テーラーのシュシュ」(5月29日放送)ネタバレ批評(レビュー)

「遺留捜査(2013年)」第7話「テーラーのシュシュ」(5月29日放送)ネタバレ批評(レビュー)です。

<あらすじ>

クラブホステスの島崎未紗(岩佐真悠子)が自宅で絞殺された。被害者はかつて老舗テーラーを営む夫・島崎真彦(岡田浩暉)とその父・島崎幸男(山本學)と三人暮らしだったが、現在は一人暮らし。真彦は現在老人ホームにいる幸男と折り合いが悪く、5年前に家出し、それ以来店も閉めてしまっていた。月島中央署の面々は、さしあたって真彦の行方を追うことに。そんななか、糸村聡(上川隆也)の目だけは、まったく違う矛先に向けられる。それは、被害者のバッグの中にあったシュシュ。被害者はショートカットで、髪を束ねる必要などないはずなのに、なぜシュシュを持ち歩いていたのか!? 糸村はその理由が気になってならない。

そんな折、糸村は刑事課長の水沢響子(斉藤由貴)とともに、被害者と付き合いのあった子供服専門店を訪問。経営者の仁科菜摘(中島ひろ子)から、未紗にしつこく結婚を迫っていた男性がいたこと、シュシュが未紗の手作りの品ではないかとの情報を掴む。どうやら未紗はこの店に、手作りのシュシュを提供していたらしい。

ちょうどそのころ、真彦が高校時代の同級生・山本和也(松田賢二)の経営するメンズアパレル企業で働いていることが判明。しかし奇妙なことに、真彦は事件当日から欠勤していた。森田宗介(西村雅彦)はさっそく真彦の自宅に押しかけ、事情を聴くことに。真彦は事件当日に“ある目的”があって未紗を訪ねていたが、事件とは無関係だと主張。だが、森田は真彦が放った一言に引っかかり…。

一方、菜摘の店に置いてあったシュシュを持ち帰り、遺留品のシュシュと見比べた糸村は、ある決定的な違いを発見する。さらに事件当夜、被害者宅の周辺を彼女の顧客・中川弘志(奥田達士)がうろついていたとの目撃証言も飛び出し、捜査は急展開を迎えるが…!?
(公式HPより)


では、続きから(一部、重複アリ)……

クラブホステスの島崎未紗が自宅であるテーラーで殺害された。
未紗は、夫・真彦と舅・幸男の3人で暮らしていたが真彦が家を出てしまった。
幸男も施設に入った為に、今は1人で暮らしていたのである。

今回、糸村が発見した遺留品は3つ。
まず、携帯電話。
次に、女性に似合わぬスポーツ紙。
最後に、髪の短い未紗が使うとは思えないシュシュである。
特に、糸村はシュシュに興味を抱く。

捜査が開始。

森田・横山組は通帳の現金の出し入れから真彦の行方を追うことに。

仙堂・遠山組は未紗が勤務していたクラブへ。
未紗の店での評判はかなり悪い。
新しい客から新しい客へと次々に乗り換えていたそうだ。
さらに、未紗の遺した手帳から、彼女に入れ上げていたと言う大学講師・中川の存在を突き止める。

糸村・水沢組は、未紗の携帯の通話履歴から子供服専門店に辿り着いた。
店主の仁科菜摘によれば、シュシュは未紗の手作りらしい。
菜摘から未紗作とされるシュシュも預かる糸村。
これで遺留品を含めシュシュは2つになった。

真彦を追っていた森田たちは、メンズアパレル会社の社長・山本のもとへ。
真彦は高校の同級生の伝手を頼り山本の会社に勤務しているらしい。

仙堂たちは中川に接触。
中川は未紗に結婚を申し込んでいたと明かす。
未紗の手帳には「シングル」「ダブル」と顧客の好きな酒の飲み方らしいメモまで控えられていた。

森田たちが山本経由で真彦の居所を突き止めた。
真彦は未紗の死亡当日に実家のテーラーを訪れていたことを認める。
真彦によれば、未紗に離婚届を渡し、テーラーを売却する計画を告げたと言う。
なんでも、山本と新事業を起こす計画らしい。
これに反応する森田。

「未紗は美味しい所だけ持って行きやがったんだ!!」
真彦は未紗を批判する。
どうやら、真彦は未紗が幸男を追い出しテーラーを奪ったと考えているようだ。
さらに、未紗がクラブの客に貢がせているとまで口にする。

そもそも真彦が家を出たのは幸男と衝突したのが原因らしい。
利益を重視する真彦。
職人としての誇りと技術を重視する幸男。
互いに仕事へのスタンスが違い過ぎたのだ……。

森田は「山本と共に新事業を起こす」との真彦の言葉に疑問を抱いていた。
山本の会社は「清和ファイナンス」から資金を借りていたのだ。
到底、新規事業を起こす余力があるとは思えない……。

糸村は村木に2つのシュシュの鑑定を依頼。
村木はシュシュの裁断面から、遺留品のシュシュと、糸村が菜摘から預かった未紗が作ったシュシュとが別人の手によるものと断定。
さらに、ギャバジンという布の折り方に注目するが……。

未紗の顧客リストから「仁志裕也」と名乗る人物が浮上。
ところが、この仁志は実在しない人物であった。
つまり、偽名である。
趣味は社交ダンスとなっていたが……。

この報告を耳にし狼狽える東署長。
仁志の正体は東署長であった。
水沢は偽名まで使って遊んでいた東に呆れ果て「ダブルばかり飲んで!!」と愚痴る。
この愚痴に「ダブル?」と首を傾げる東。
東はシングルでしか飲まないそうだが……。

山本の会社に不審を抱いた森田。
調べてみたところ、経営自体が傾いていたことが明らかになる。

一方、糸村は施設に幸男を訪ねる。
すると、幸男に息子を名乗る人物が訪問していたことが判明。
その正体は山本であった。

山本の会社は借金を抱えており、新事業を立ち上げられる状態ではなかった。
其処で幸男のテーラーを売却し、その金を経営資金に充てようとしていたのである。
だが、この計画の提案者は山本ではなく、真彦だったらしい。

仙堂たちが、タクシー会社の運転手から不審な人物が周囲をうろついていたとの証言を得た。
その人物の正体は中川であった。
だが、中川は未紗を護っていただけだと主張。
何でも、未紗は誰かに狙われていると怯えていたらしい。
未紗を護るべく張り込んだ中川は、その証拠写真も撮影したのだそうだが……。

その頃、被害者の司法解剖結果に糸村が注目していた。
手に何かの跡が残されていたのだ。
糸村は未紗が何かを握っていたと推測。
テーラーを調べた糸村たちは、隅に転がった赤いボールペンを発見する。
ボールペンの先には何者かの血痕が付着していた。

数時間後、取調室に子供服専門店店主・仁科菜摘の姿があった。
真彦に未紗の近況を吹き込んでいたのは菜摘であった。
しかも、菜摘は未紗を毎晩のように訪ねていたのだそうだ。
未紗が怯えていた相手は菜摘であった。
これは中川の写真が証明した。

さらに、糸村たちが発見したボールペンのペン先から犯人のものと思われるDNAが検出された。
犯人に襲われた未紗が抵抗した際に相手に刺したのだ。
このDNAこそ、菜摘のものだったのだ。

菜摘は真彦に横恋慕していた。

(真彦さんは私と一緒ならば幸せになれる。あの女じゃない!!)
狂気に近い妄想をこじらせた菜摘は未紗を憎んだ。

未紗にクラブ勤めを勧めたのはそもそも菜摘であった。
テーラーの宣伝になると唆したらしい。
しかも、未紗は男に貢いでもらってなど居なかった。
すべて、未紗と真彦の間を裂こうとする菜摘の陰謀だったのだ。

あの日、真彦から離婚届を突き付けられた未紗は菜摘に詰め寄った。
彼女の悪意を察していた未紗は遂に対決したのだ。
そこで菜摘は自身の計画があと一歩のところまで迫っていることを知った。
だが、未紗には真彦の妻から引くつもりは毛頭ない―――当然である。
衝突した結果、菜摘が未紗を殺害したのだ。

こうして、菜摘が逮捕された。

翌日、テーラーを売却しようとする真彦のもとを糸村が訪れた。
「3分だけ時間を下さい」糸村の願いを真彦は聞き入れた。

手帳に書かれたダブルとシングルについて明かす糸村。
ダブル、シングルとはズボンの裾のことだったのだ。

未紗がシュシュを作っていた理由。
それは真彦がテーラーに残したハサミが錆びつかないようにする為であった。
つまり、いずれも何時か真彦がテーラーに戻って来たときに仕事の糧になるよう計らったものであった。

幸男が施設に入ったのも、未紗が原因ではなく幸男自身の意志であった。
真彦が未紗のもとへ戻って来やすいようにとの配慮だったのだ。

未紗の両親は彼女が幼い頃に死亡していた。
嫁ぎ先の幸男と真彦こそ、彼女にとっての家族だったのだ。

そして、遺留品となった作り手の違うシュシュ。
それは、新婚時代に妻へと贈った真彦の作であった。
未紗にとってシュシュは宝物だったのである。

そもそも、ハサミを錆びつかないようにするだけならば、シュシュである必要はない。
其処には未紗の想いが込められていたのである。

これを知った真彦は亡き未紗の為にテーラーの再起を期す。
幸男も施設から戻り、2人でテーラーを盛り立てることとなった。

そして、ある日の刑事部屋。
森田は菜摘の供述調書を検察に届けるべく外出することに。
入替りに、糸村が大福を土産に帰って来た。
「森田さんに食べさせたかったんだけどなぁ……」と呟く糸村。
「森田さん食べないと思いますよ。まぁ、その理由について詳しくは調べた上で結果次第で教えますけど」
思わせぶりな仙堂の台詞に、驚いたように彼を見詰める面々―――7話了。

<感想>

3度、我々の前に姿を現した「遺留捜査(2013年版)」。
その第7話です。

なかなかでしたね〜〜〜今回も良かったです!!

未紗の「一豊の妻」的な貢献を受けて、幸男と真彦が向き合ったラストも良し!!

ただ、未紗の目的は「客からスーツの情報を入手し、いずれ真彦がテーラーに戻った際に顧客として営業をかけられるようにすること(同時にテーラーの宣伝をすること)」でした。
果たして、これに実効性があるのか……此処は流石に「ん?」と疑問に思う点もありますが。
実際、東署長のように偽名を使う人も居ますし。
他にもクラブのホステスさんにテーラーを紹介されるということがあり得るのかな……と。
上司や先輩の紹介なら聞いたこともあるが……かなり難しい気もする。

そもそも、スーツのサイズを聞くなり、別の新規客に移ってしまうとの接客法で其処まで人気が出るのだろうか……。
まぁ、でも、貢がせないのだから話易い人だったのかなぁ。

とはいえ、未紗の想いはグッと来た。
「シュシュ」=「未紗の真彦への愛」とシンプルだったことで、視聴者の胸へ強く訴えたのでしょう。
うん、これくらいの方が情感を揺さぶり易いと思います。

仙堂君ネタも健在。
そして「東」だからこそ「仁志(西)」と、東署長ネタも手堅かったですね。

何より、ラストの仙堂からの謎提起はサプライズでしたね。
あの形で提示されるとは……。

そして、森田には大福に関連してトラウマがある模様。
これに検察や捜査一課へよく出かけていることを併せると、意外な事件の姿が浮かび……上がるのだろうか?
ここも注目!!

ちなみに横山君。
公式HPの人物紹介には、彼の加入には何らかの意味があるらしいことが……。
さらに、佐久間と二宮が捜査一課に呼ばれたのも「ある事件の捜査」に関連してらしい。
森田の関わる事件こそが「ある事件」なのか……此処も気になる。
この「ある事件」が最終話になってしまうと、佐久間も二宮も最終話まで登場しないのかも……。

これらの謎に注目しつつ、8話に期待ですね!!

◆関連過去記事
「遺留捜査(2013年版)」第1話「ハーモニカ」(4月17日放送)ネタバレ批評(レビュー)

「遺留捜査(2013年)」第2話「ルビーの指輪」(4月24日放送)ネタバレ批評(レビュー)

「遺留捜査(2013年)」第3話「赤の香水」(5月1日放送)ネタバレ批評(レビュー)

「遺留捜査(2013年)」第4話「ふたつの茶杯」(5月8日放送)ネタバレ批評(レビュー)

「遺留捜査(2013年)」第5話「折れた絵筆」(5月15日放送)ネタバレ批評(レビュー)

「遺留捜査(2013年)」第6話「スタンプカード」(5月22日放送)ネタバレ批評(レビュー)

「遺留捜査DVD-BOX【DVD】」です!!
遺留捜査DVD-BOX【DVD】





「遺留捜査2 DVD-BOX」です!!
遺留捜査2 DVD-BOX



【関連する記事】
posted by 俺 at 23:00| Comment(3) | TrackBack(0) | ドラマ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
おはようございます。

良かったですね〜

思い出のシュシュを大事にしているなんて、健気でしたね〜 (自分のまわりには、そんな健気な人はいないけど(^_^;))

そういえば、ズボンの裾をダブルにするのは、昔流行ってましたね〜 懐かしい!


Posted by ピエロ at 2013年05月30日 09:32
こんにちは
真彦と未紗のシュシュの件は「賢者の贈り物」を思い浮かべました
お互いを思いやるが故のすれ違いだなと
真彦達はお互い意地を張って謝ることが出来なかった
そんな真彦親子を死した後に和解させた
そんな未紗の存在こそまさしく「賢者の贈り物」かなと
菜摘は真彦が離婚しても菜摘の元に来るとは限らないよなぁと思いました。
定期的に会ってたのも菜摘にというより未紗の近況が知りたいだけだったっぽいですし
菜摘の言い分も真彦が好きというより「自分の思い描く未来に必要な相手」としか見てなかったようにも思えます。
最初は純粋に好きだったのかもしれませんが
案外真彦はその辺を感じて菜摘を相手にしなかったとかありですか?
Posted by 花 at 2013年05月30日 13:10
こんばんわ!!
管理人の“俺”です(^O^)/!!

Re:ピエロさん

やっぱり、今回良かったですよね!!

>思い出のシュシュを〜〜〜

未紗にとってのシュシュのように、表にしないものの人によって違う何かを大切にしているのかも……ですよ?
と言いつつも、管理人も確かにはっきりとそういった状況を目にしたり口にしたりと言ったことはないかも……。
だからこそ、未紗のエピソードが胸に来たのかなぁ。

>ズボンの裾をダブル〜〜〜

あれが未紗なりの精一杯だと思うと、余計に健気な……。

そして、最終回も近づく「遺留捜査」。
次回(第8話)にも期待(^O^)/!!

Re:花さん

>「賢者の贈り物」を〜〜〜

オー・ヘンリーでしたっけ。
なるほど、確かに未紗のイメージに適うのはソレですね。
そして……。

>真彦達はお互い意地を〜〜〜

まさに未紗自身がソレであった、と。
やっぱり、胸にグッと来ます。

>菜摘は真彦が〜〜〜

たぶん、真彦は菜摘の真意に気付いていなかった気がします。
ご指摘の通り、真彦は菜摘を通じて近況確認していた節がある。
この際、おそらく菜摘のタイプ的に彼女から真彦に接触していたと思われます。
此処で、もし真彦が菜摘の真意に気付いていたら、そんな菜摘を近況確認する相手に選ばないでしょうし、鵜呑みにもしない筈……。

菜摘が真彦の信頼に値する人物だったなら……と思うと切ないですね。
真彦、未紗夫婦の間に冷静な第3者が立つことで未紗が犠牲にならずに済んだだろうに。

とはいえ、これこそが「遺留捜査」。
次回(第8話)にも期待(^O^)/!!
Posted by 俺 at 2013年05月31日 00:59
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバック