<ネタバレあらすじ>
登場人物一覧:
里見:男性。警視庁機動捜査隊所属。相棒の猪熊と恋人同士。
猪熊:女性。警視庁機動捜査隊所属。相棒の里見と恋人同士。
カラ:女性マネージャー急性アルコール中毒死(実は他殺?)の犯人?猪熊に興味を持つ。
里見は猪熊と冷戦状態にあった。
猪熊が捨てた里見の衣服の中に、彼が大切にしていた赤い手袋が含まれていたからである。
そして―――彼らは今、雨の降り注ぐ山の中に居る。
とある事件の証拠品を捜す為だ。
事件は派出所に保管されていた拳銃を、ある男が盗み出したとのものである。
男は逮捕されたものの、肝心の拳銃が発見されない。
問い詰めたところ、男が明かしたのがこの山の中に遺棄したとのことであった。
だが……里見は男の供述に疑問があった。
折角、手に入れた物を無造作に遺棄するだろうか。
何処かに隠しているのではないか……上に意見具申するが、里見の声は黙殺された。
猪熊はそんな里見の力になりたいと願うが……。
朝から始まった捜索は夕方まで続いた。
この間、成果は全く上がっていない。
焦りと苛立ちが募る中、猪熊の目に木のうろが映る。
里見は言っていた―――「折角、手に入れた物を無造作に遺棄するだろうか」と。
もしや……。
猪熊がうろの中を調べたところ、中からは布にくるまれた拳銃が!!
遺棄したのではなく、隠していたのだ。
立ち会っていた被疑者は小さく舌打ちするのであった……。
この発見が里見の推測に基づくものであったと主張する猪熊。
さりげなく里見の手柄にしようとしているようだ。
こうして、拳銃が発見された為に山捜しは終わった。
安堵の溜息を洩らしつつ、下山して行く一行。
その夜、猪熊は里見に赤い手袋を捨てたことを謝罪する。
これを受けた里見は猪熊に赤い手袋の謂れを明かす。
その手袋は里見が新人時代、派出所に配属されていた折、ある少年から貰った想い出の品であった。
そんな大事な品だったなんて……と嘆く猪熊。
なんとか手袋を取り戻したいが……捨ててしまったのならば無理な相談である。
猪熊の気持ちを汲んで今回は許そうと決めた里見。
ふと雑誌を開いて驚いた!!
なんと、赤い手袋は雑誌の間に挟まれていたのである。
猪熊が捨てようとして、忘れていたらしい。
笑い合う2人、仲直り出来たようである―――6話に続く。
<感想>
「週刊モーニング」では『レンアイ漫画家』や『シマシマ』、『はるか17』などで知られる山崎紗也夏先生の新連載です。
『レンアイ漫画家』は設定と展開が面白くて読みました。
それだけに新連載への期待も高まります。
そんな「サイレーン」、内容は刑事もの……しかも男女バディもので、「警視庁機動捜査隊(キソウ)」を取り上げた作品となりました。
設定に「キソウ」を採用している点が珍しいですね。
ドラマでも「キソウ」がメインになった作品は「警視庁機動捜査隊216」くらいか。
・月曜ゴールデン「警視庁機動捜査隊216V 命の値段 知らされなかった誘拐事件が生んだ最悪の偶然!?命か金か?選択を迫られた家族の運命と犯人を繋ぐ社会の暗闇!」(12月24日放送)ネタバレ批評(レビュー)
その第5話。
すっかり騙されました。
てっきり、前回の流れから山中に銃は無いものかと思いきや、まさか「隠していた」だったとは!!
まさにサプライズ!!
ちなみに、次回は猪熊ブラザー登場とのこと。
果たしてどんな人物なのか、期待です!!
今回もカラのエピソードはお休み、別の事件への対応に追われることに。
これは同時に、カラが作品全体を通じての宿敵となるであろうことを示していますね。
里見の派出所配属直後(新人時代)の薬局店息子の殺害事件もカラの仕業と考えて良さそうです。
だとすると、あれがカラの初犯であり、以降、心を喪った(すなわち空=カラ)ゆえの犯行というのも俄然、現実味を帯びたか。
ちなみに、カラこそが女性マネージャー殺害の犯人だと思われます。
どうも仲良くなった女性を殺害する性癖の持ち主の様子。
あるいは、殺す為に仲良くなるのか。
彼女の次のターゲットは猪熊なんでしょうね。
果たして、里見は恋人を守れるのか……こちらも気になります。
6話に期待ですね!!
ちなみに、山崎先生と言えば『七瀬ふたたび』のコミカライズでも知られる方です。
・「七瀬ふたたび」(筒井康隆著、新潮社刊)ネタバレ書評(レビュー)
◆関連過去記事
・「サイレーン」第1話「相棒の秘密」(山崎紗也夏作、講談社刊「週刊モーニング」連載)ネタバレ批評(レビュー)
・「サイレーン」第2話「タイムリミット」(山崎紗也夏作、講談社刊「週刊モーニング」連載)ネタバレ批評(レビュー)
・「サイレーン」第3話「悪夢」(山崎紗也夏作、講談社刊「週刊モーニング」連載)ネタバレ批評(レビュー)
・「サイレーン」第4話「機捜VS.山の悪魔」(山崎紗也夏作、講談社刊「週刊モーニング」連載)ネタバレ批評(レビュー)
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