ネタバレあります、注意!!
第5話登場人物一覧:
三好善美:主人公、善行ポイントを集めている。ループの中心……の筈。
九條:上司(大浦)に解雇通告を受けた男。善美と共に事件解決に挑む。ループを理解している。
大浦:九條を解雇した。何故か何度も「通行止め」の手で殺害されてしまう。
石名坂:九條の同僚。何かある?
佐藤:野球部のエース。1周目以降、善美からコンビニ強盗対策に使われている。
アイカ:善美の親友。
時雨:元・アイカの担任教師。ある事件がきっかけで現在は引き籠りになっている。
寄谷得人(ダニエル):委員長。名前の真ん中(谷得)を取って「ダニエル」と呼ばれている。
寄谷父:「ナカハシ」に勤務するサラリーマン。5周目で死亡してしまう。
矢田刑事:3話で九條を逮捕した刑事。
成田刑事:矢田の後輩だが……。
通行止め:街で噂の連続殺人鬼。
謎の少女:善美が助けた謎の少女、実は……。
<ネタバレあらすじ>
「ナカハシ」に勤務するサラリーマン・寄谷は困り果てることになった。
50個のつもりで入荷した「ナカハシくん」ヌイグルミが桁を間違っていたのである。
もしも、捌き切れなければ寄谷はクビである―――。
オリジナルを含め6周目のループに突入。
今回も善美の前で、5周目の反省会を行う面々。
前回と異なる点はダニエルが参加していることだろうか……。
善美によれば、5周目の終わりにダニエルから父を助けて欲しいと頼まれたのである。
なんでも、ダニエルの父・寄谷は「ナカハシくん」ヌイグルミの入荷量を誤り、これを捌こうと奔走した結果、事故に巻き込まれ死亡してしまうらしい。
善美にはこれを回避する何らかの目算があるらしいが……。
一方、九條は「通行止め」対策に協力するよう善美に依頼するが、相変わらずの冷たさで無視されてしまう。
正直、九條には方法が残されていない。
「通行止め」逮捕こそが身の潔白を示す唯一の方法だったのだ。
ところが、5周目の終盤、矢田以外の警官が「通行止め」に変じ、銃を乱射。
命からがらこれから逃げるとの結末に終わっていた。
もう少しで、射殺されていたことだろう。
追い詰められた九條は、善美のやり方を見習うことに決める。
ループ確定になる周まではリセットされるものと割り切り、大胆な行動に出ることにしたのだ。
早速、大浦のもとへ向かった九條は周囲の目も気にせず「通行止め」との関係を問い質す。
だが、大浦は答えようとしない。
興奮した九條は大浦に掴みかかり、石名坂に取り押さえられてしまう。
石名坂にズルズルと引き摺られた先、其処で九條は石名坂から意外な告白を受ける。
彼も「通行止め」について調べているらしいのだ。
なんでも、工事現場へと消えて行く大量の「通行止め」を目撃したのだそうだが……。
敵か味方か判断しかねた九條だが、石名坂が善美を助けたことを思い出し、協力態勢を取ることに。
一方、善美。
6周目のダニエルは5周目のダニエルの話を信じようとしない。
業を煮やした善美はこれから起こることを予言。
当たればループを信じるようにと約束させる。
そして当然、これは当たるワケで。
ダニエルは一も二もなく善美に従うように。
善美はダニエルから寄谷に注意を促させる。
これで事故死は避けられる筈だ。
ところが、5周目のダニエルは「ナカハシくん」ヌイグルミを売り捌くことも善美に依頼していた。
それこそが本当の人助けだということらしい。
其処で、善美は「ナカハシくん」を売り捌くべく行動を開始。
まず、佐藤によりコンビニ強盗を捕まえる。
これがニュースとして報道されるに乗じ「ナカハシくん」を宣伝したのだ。
同時に、コミュニティサイトでの口コミ宣伝も忘れない。
一方で、佐藤、ダニエルコンビに「ナカハシくん」販売は任せ、いつもの善行回収に。
既に6周目である。
此処まで来れば慣れたもので、時間の隙間を縫って淡々とポイントを貯めて行く。
と、6周目にて新たな事実が発覚する。
なんと、夜の繁華街で善美の親友・アイカに出くわしたのだ。
何でも、教え子を亡くして以来、引き籠りになってしまった元担任・時雨の見舞いに行っていたらしい。
これは善行ポイント獲得のチャ〜〜〜ンス。
善美は7週目に、この見舞いに参加しようと心に決めながら、アイカと別れる。
佐藤とダニエルのもとへ戻った善美。
狙い通り、反響は凄まじく「ナカハシくん」は売り切れになっていた。
これで、更なる善行達成である。
その頃、九條と石名坂。
石名坂が目撃したという「通行止め」の集団を追ったところ、工事現場の地下に消えたことが判明。
地下を追跡した結果、意外なモノを目にすることに―――6話に続く。
<感想>
「月刊コミックブレイド」にて連載が開始されたヤマモトマナブ先生の作品です。
「善行をポイント化することが生きがいの女子高生が、ひょんなことから同じ1日を10回繰り返す」ことになる作品。
その中で「如何にして皆をハッピーにするか」がポイントの模様。
2013年7月には1巻も発売予定とのことでこちらも期待ですね!!
さ〜〜〜て、ループも6周目に突入ということで、折り返し地点を通過。
残るはあと4周か。
1巻に5話収録と考えると本作は全10話、全2巻の予定と思われますね。
着地点までが丁寧に想定されているだけに、読者は伏線を拾いつつ楽しみたいですね〜〜〜。
そして、今回もかなり気になる展開になってますね。
まず、一番気になるのは九條。
ラストにて石名坂と共に目撃した光景は何か?
大浦も何かを隠しているようですが……。
一方、善美側にも時雨先生が登場。
「通行止め」発生に一役買っているのか、あるいは「善行ポイント」に一役買うのか。
個人的には「善行ポイント」側だと思われますが。
現状のところ、九條が「通行止め」、善美が「善行ポイント」と一見別々と思わせつつ、実は根底が繋がっているとの説を取りたい。
前回も主張した通り、「通行止め」は「特定の誰か」ではなく「人の悪意の象徴とでも言うべき不特定の精神的な存在」だとすると、やはり「善行ポイント」と引き換えにこれを消すことが出来るとなるのか。
1話冒頭での善美の独白からも、この後(9周目あたり?)に壁が生じるのは間違いないだろうし。
ちなみに、5話時点での「通行止め」の正体予想ですが、「誰それが通行止め」なのではなく「誰もが通行止めになりうる可能性がある」と見ています。
3話のコンビニ女性店員も「通行止めだった」のではなく「合コンに参加したことで通行止めになった」ものか。
石名坂も通行止めであったが、善美と九條が事象を変化させたことで通行止めの呪縛から逃れたと思われる。
だが、条件さえ揃えば再び「通行止め」になってしまうのだろうか。
つまり、「通行止め」は原因に対処しない限り、永遠に消えないことになる。
ただし、善美はもちろん九條や大浦、ダニエルや矢田刑事が「通行止め」化しないことから、何らかの条件があると考える方が自然だとも思われるが……!?
こうなってくると善美が同じ日を繰り返しているのは「通行止め」を解除させる為と考えるべきだろう。
そもそも「善美の周回」に対し「通行止め」だし「善美の善行」に対し「人の悪意の象徴」でもある。
初めから仕組まれていたことだったのかも。
10万善まで残り8ポイントとなった「善行ポイント」が鍵を握るのは間違いなさそう。
これと引き換えに「人の悪意の象徴」である「通行止め」を消すことが出来るのかな。
だからこそ、善美が「周回者」として選ばれた?
一方、大浦も何かを知っているような行動を……。
ちなみに、「ミステリ」で1日を繰り返すと云えば、西澤保彦先生『七回死んだ男』が思い浮かびますが、本作はどちらかと言えば「ひぐらしの鳴く頃に」に近いかもしれない。
・『七回死んだ男』(西澤保彦著、講談社刊)ネタバレ書評(レビュー)
おそらく結末としては「何度挑戦しても事態は改善されず1話冒頭の諦めシーンへ、其処からラスト10回目がスタートし善行10万ポイントと引き換えに神様が奇跡を起こしベストな形に繋がる」と言ったパターンが予想されますが……果たして!?
おそらく構成的に全10話から11話、長くても12話と思われます。
その分、結末へ向けて綺麗に伏線を配している筈。
伏線好きな読者には堪らない本作、次回にも期待!!
◆関連過去記事
・「リピートアフターミー」第1話「今日という日は2度と来ない」(ヤマモトマナブ作、マッグガーデン刊「月刊コミックブレイド 3月号」掲載)ネタバレ批評(レビュー)
・「リピートアフターミー」第3話「仰るとおりソイツです」(ヤマモトマナブ作、マッグガーデン刊「月刊コミックブレイド 5月号」掲載)ネタバレ批評(レビュー)
・「リピートアフターミー」第4話「君は『今日』を繰り返している」(ヤマモトマナブ作、マッグガーデン刊「月刊コミックブレイド 6月号」掲載)ネタバレ批評(レビュー)
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