2013年06月12日

「遺留捜査(2013年)」最終話(第9話)「最後の遺留品!!森の中の真っ赤なドロップ」(6月12日放送)ネタバレ批評(レビュー)

「遺留捜査(2013年)」最終話(第9話)「最後の遺留品!!森の中の真っ赤なドロップ」(6月12日放送)ネタバレ批評(レビュー)です。

<あらすじ>

私が岡野太一(村田充)を殺しました――。糸村聡(上川隆也)に電話をかけ、自らの罪を告白した直後、特許庁職員・三枝達也(鈴木浩介)が自殺を図った。警視庁捜査一課の管理官・金子丈弥(小木茂光)は容疑者をみすみす死なせてしまった責任を、糸村ひとりに負わせようと画策する。そんななか、糸村が姿を消した! 月島中央署の面々は糸村の行方を追うと同時に、岡野が盗作だと訴えていた新人作家・浅井徹(伊勢谷能宣)のケータイ小説について、さらに詳しく調べることに。三枝の娘・長島明日香(石井萌々果)が誘拐された2年前の事件をベースにしたと思われる同小説には、「被害者の少女が誘拐犯のひとりを射殺した」という驚愕の記述があったからだ!

一方、三枝が自ら命を絶ったとは信じがたい糸村は、ふたたび三枝が亡くなった現場へ。執念深く現場を調べた結果、“ある重要な証拠”を発見する…! ところが、すでに容疑者が自殺したと公式発表してしまった警視庁にとって、糸村の身勝手な再捜査は顔に泥を塗られるようなもの。怒りを爆発させた金子は、糸村に1カ月の謹慎処分を言い渡し、警察バッジを取り上げてしまう!

しかし、月島中央署の面々は糸村の名誉を挽回するため、再捜査を強行しようと立ち上がる。一方、岡野殺しの動機を尋ねられた三枝が最期に遺した「森の中に隠れています」という言葉と、鞄の中にあった“赤いキャンディーだけが入ったドロップ缶”の存在が、ずっと心に引っ掛かっている糸村は…!?
(公式HPより)


では、続きから(一部、重複アリ)……

携帯小説『誘拐ゲーム』が世に出た。
誘拐を題材にした作品である。
センセーショナルな内容から世間の注目を集めるが……。

矢先、作者とされる浅井が何者かに殺害される。
しかも、『誘拐ゲーム』の内容が過去に起こった「明日香ちゃん誘拐事件」をモチーフにしたものと判明する。
その内容は犯人でなければ書けないものであった。

浅井を殺害した犯人と思われる岡野も殺害される。
そして、その岡野を殺害したと思われる三枝も銃を用いて死亡してしまう。
三枝は糸村に「真相は森の中」と言い残していた。
そして、その遺留品には赤色だけを大量に集めたドロップがあったが……。

管理官の金子は岡野を殺害した三枝の自殺と発表。
三枝を逮捕できなかったのは、糸村の責任であると吹聴する。
こうして、糸村は窮地に陥ることに。

水沢たち月島中央署の面々は糸村の窮地に立ち上がる。

水沢は『誘拐ゲーム』に「被害者の少女が犯人を射殺する」との記述があることに注目。
これが事実ではないかと考える。

一方、『誘拐ゲーム』は浅井だけの作品では無かったことが判明。
原案として協力した人間が居るらしい。

さらに、糸村と横山が三枝の自殺に用いたとされる拳銃から発射された2発目の銃弾を発見。
つまり、犯人は三枝を射殺後に、三枝の手に発射残渣を残すべくもう一度発砲したのだ。
こうして、三枝の自殺が偽装であることを突き止められたが……。

金子はあくまで三枝の自殺を主張。
糸村の責任を問い、水沢たちの捜査を封じようとする。
森田は彼らの監視を命じられるが……。

これに水沢が反発。
森田と水沢のしこりとなっていた事件について語り出す。

15年前、杉並東署時代のことである。
官僚の息子が事件を起こした。
上層部はこれを隠蔽しようとしたが、森田は1人で捜査を続け遂に逮捕に及んだ。
この責任を当時の捜査員全員が連帯させられたのである。
だが、水沢はそんな森田の行為を陰ながら支持していたと言う。

森田は水沢の言葉を受け、捜査を黙認することに。

一方、明日香が誘拐当時の記憶を取り戻した。
明日香によれば、事故で犯人を射殺してしまったそうだが……。

そんな中、糸村は三枝の最期の言葉「真相は森の中」に注目。
明日香が誘拐当時に捕えられていた小屋を捜す。
森田はといえば、糸村に対し愚痴りながらも行動を共にする。

小屋は三枝の言葉通り「森の中」にあった。
だが、小屋には先客がいた。

長島である、彼は小屋に油を撒いていた……火を点け証拠隠滅する気のようだ。
どうやら、長島は生前の三枝から「こうすることが明日香を救うことになる」と教えられていたらしい。

携帯小説『誘拐ゲーム』、その原案を担当していたのは浅井の恋人でマッサージ師の杉原であった。
杉原は常連客の岡野から、そのシナリオを聞き浅井に教えたのだ。
ところが、これを知った岡野は杉原を責めた。
矢先、浅井が殺害されてしまう。
恐怖を感じた杉原だが、岡野も死亡したことで金になると判断し編集部に売り込もうとしていたらしい。

杉原によれば、誘拐犯たちの狙いは身代金ではなかったそうだ。
犯人たちは少女に発砲させることを狙っていたのだそうである。
その事実を以て、少女の父……三枝を脅迫することが目的だったのだ。
なんでも、三枝の勤務先に岡野の語った「金のなる木」があるらしい。
三枝の勤務先は特許庁であったが……。

月島中央署の動きを知った金子は署長の東にまで圧力をかける。
だが、東はこれを拒否する。

一方、太陽電池の特許が「ベア・ソニック社」に流れていたことが判明。
どうやら、三枝が特許情報の横流しを行っていたようである。
岡野が三枝を脅迫し、特許情報を引き出したに違いない。

だが、この計画は岡野単独のものとは考えにくい。

これを証明するように「もう1人黒幕が居る」―――岡野は杉原にそう告げていたそうである。
その黒幕は「父親(三枝)の後輩」だそうだが……弁護士の工藤なのか?
いや、工藤にはアリバイがあった。

そして、浮かび上がった三枝の後輩の正体とは!!

その頃、明日香に近付く影があった。
正体は大沢である。
そう、三枝の後輩にして、黒幕とは大沢だったのだ。

矢先、明日香が大沢に連れ出された。
しかし、行く先が分からない。
糸村は、そのヒントが明日香自身のブログにあるのではと考える。
調べたところ、パスワードによるロックがかかっていた。
糸村はブログで明日香とコメントの遣り取りをしていた「森のくまさん」に目を留めるが……。

思い当たるパスワードを使用したところ、表示されたのは位置情報サービス。
明日香が所持するアクセサリーが発信機になっているようだ。

これが奏功し、埠頭からクルーザーで明日香を連れ出そうとした大沢を捕まえることに成功する。
大沢が三枝の後輩である……その意味は「ハッカーとしての後輩」だったのである。
ところが、三枝の引退後に大沢だけが逮捕されていた。
何故、あいつは逃げ切れたんだ……大沢は三枝を恨んだ。

しかも、大沢には特許に苦い思い出があった。
大沢の父親は特許情報を盗まれ、絶望から自殺してしまったのだ。

そこで三枝に復讐するべく、明日香を誘拐し発砲事件を演出したのであった。
こうして、大沢は三枝を脅迫することになった。

ところが、岡野が洩らしたことから『誘拐ゲーム』が世に出た。
これを目にした三枝は事件に疑問を持ち始めた。
大沢は岡野に何とかしろと迫った。
結果、岡野は浅井を殺害してしまう。

これ以上はデメリットしかない。
そう判断した大沢は岡野殺害を決意、これを実行に移した。
そして、三枝を自殺に偽装し殺害したのも大沢だったのである。
三枝は最後まで明日香の秘密を守る為に、大沢に従ったそうだ。

大沢は完璧な計画だったと嘯く。
そんな大沢の計画を破ったのは、三枝の家族への愛であった。
糸村によれば、誘拐事件の現場となった小屋を調べた結果、床から血糊が検出されたそうだが……。

翌日、明日香たちを訪ねる糸村。
糸村は三枝の声を彼らに伝える。

三枝は遺産のすべてを彼らに遺していた。
そして、糸村はある映像を見せる。
その中では、犯人に向け発砲した明日香が録画されていた。
ところが、明日香が消えた後に撃たれた筈の犯人がむっくりと起き上がったのだ。
そう、すべては芝居だったのだ。

しかも、三枝が離婚したのは大沢に利用されることを怖れてのことであった。
さらに、例のキーホルダーも三枝のプレゼントであった。
明日香のブログ仲間「森のくまさん」こそ、三枝本人だったのである。
三枝は離婚後も妻子を気にかけ、それとなくフォローし続けていたのだ。

では、三枝が赤いドロップに拘ったのは何故か?

赤いドロップは明日香にとってラッキーアイテムであった。
明日香はドロップが好きであったが、1日に1つと決められていた。
そんな中、赤のドロップが出ればその日が幸せに過ごせる―――そんなジンクスがあったのだ。

三枝が赤いドロップを集めたのは、家族との繋がりを捨てきれなかったからであった。
いつか、また家族として暮らせるのではないか……そんな希望も其処には込められていたのである。

明日香は三枝の真意を知り、涙を流す。

金子に睨まれた森田は月島中央署に転属させられることとなった。
糸村たちは森田を暖かく迎え入れる。
森田は正式に彼らの仲間になったのだ―――最終話了。

<感想>

3度、我々の前に姿を現した「遺留捜査(2013年版)」。
その最終話です。

先週(第8話)を見逃し、これが最終話と前後編だった為によく分からない中での視聴となりました。
なので、「真犯人の大沢って誰?」状態だったりします。
そして、物語的な意味も最終話内の内容以外は「???」状態だったりします。

でも、それでも、三枝の家族への想いは伝わりましたね。
遺留品である「赤いドロップ」が示したのは、娘・明日香への愛情。
そして、それは家族との繋がりを求める三枝の心の叫び、すなわち希望でした。
良かったです。
最終回いろいろと楽しめました。

糸村の危機を救うべく、立ち上がる月島中央署の面々……良かったです。
圧力に反発する東。
糸村の正義を支持する水沢。
そして、糸村なりのアプローチを認める他メンバー。

特に森田が良かった。
最終話の此処に来て、遂にデレた!!
遂に本当の意味で月島中央署の仲間になったんですね〜〜〜。

明日香役の石井萌々果さんも熱演でした。
そして、三枝役の鈴木浩介さん。
管理人の目が滲んでしまったのは、お2人の演技と小田和正さんの歌声の為であることは秘密です。

もちろん、糸村も良かった。
彼らしく最後まで飄々としていたのもアリですね。
さらっと森田へ気遣いらしきモノを見せていたのもポイントでした。

ちなみに横山君、月島阿中央署への配属に特に意味はありませんでしたね。
さらに、佐久間と二宮の転属も普通に登場人物を絞る為の措置だったようです。
てっきり、糸村を巡り上層部の陰謀が……的なストーリーが展開されるかと思いましたが、淡々と終わりを迎えました。
でも、これこそが「遺留捜査」なんだよね。
物凄い大傑作とまでは言えないけど、中堅どころの良作的なポジション。
でも、それが良い。

これで最後と言わず、是非、第4シーズンの制作を待ちたいですね!!

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