2013年06月20日

水曜ミステリー9「監察医篠宮葉月 新・死体は語る13 転落事故か殺人か?解剖が暴いた0.5ミリ極小傷の謎!28年前父の死の真相…娘の涙と影の告発者(0.5ミリの傷痕!事故か殺人か?法廷で争う損傷の写真 法医学者の痛い過去)」(6月19日放送)ネタバレ批評(レビュー)

水曜ミステリー9「監察医篠宮葉月 新・死体は語る13 転落事故か殺人か?解剖が暴いた0.5ミリ極小傷の謎!28年前父の死の真相…娘の涙と影の告発者(0.5ミリの傷痕!事故か殺人か?法廷で争う損傷の写真 法医学者の痛い過去)」(6月19日放送)ネタバレ批評(レビュー)です!!

<あらすじ>

金融業の村越吾郎(高橋昌志)を殺害した容疑で、沢田俊彦(湯江健幸)が逮捕された。沢田は警察の取り調べで犯行を自供したが、その後の法廷では否認に転じていた。
被害者の司法解剖を担当した関東監察医務院の監察医・篠宮葉月(高島礼子)は法廷で、金属バットや鉄パイプのようなもので殴られたのが死因と証言する。
一方、弁護士の菊地真理子(原沙知絵)が依頼した多摩中央医科大学の法医学教授・井岡進(山崎一)は、転落事故だと断言。葉月の証言を真っ向から否定する。

その法廷に遅れてやって来た関東監察医務院の監察医長・畑総一郎(金田明夫)は、真理子と井岡を見て呆然とする。裁判後、畑は真理子に挨拶するが、真理子はそっけない態度を取る。葉月はそんな二人の様子が気にかかる。

その後、タブロイド紙に「監察医務院が冤罪を生む」という記事と井岡のインタビューが掲載される。井岡は最近たびたびマスコミに出ており、今回の事件で沢田の冤罪を晴らすことが医師としての自分の使命だとコメントする。

そんな中、交通死亡事故が発生。現場検証に駆けつけた葉月は、遺体の顔を見て驚く。井岡だったのだ。目撃者によると、車はブレーキもかけずにガードレールに突っ込んだという。遺体の状況から見ても運転中に病気で急死した可能性が高いが、正確な死因を探るため、葉月が行政解剖をすることに。

その結果、針のようなもので腎臓を刺したことによる殺人事件だと判明。捜査にあたる警視庁捜査一課の警部補・風間亮介(細川茂樹)と仙川中央署の刑事・中森瞬(松尾諭)は、井岡の助手で大学の特任教授の千葉直也(滝藤賢一)に話を聞く。
千葉は死亡推定時刻の2時間ほど前、電話中の井岡が相手と言い争う様子で「今から行ってやる」と話し、大学を出て行ったと証言。そこに、風間の上司の警部・永瀬哲雄(六平直政)から連絡が入り、井岡は大学を出た後、コインパーキングに駐車していたことが分かる。
早速コインパーキングの防犯ビデオを確認すると、そこに映し出されていたのは、井岡と口論する畑の姿だった。畑は重要参考人として連行されてしまい…。
(水曜ミステリー9公式HPより)


では、続きから(一部、重複アリ)……。

村越が殺害され、その容疑者として沢田が逮捕された。
沢田は無実を主張。
沢田の妻・香苗から依頼を受けた弁護士・真理子は法医学教授・井岡を担ぎ出し、沢田の無実を証明しようと動き出す。
真理子に心服する助手・添田和夫も加わり、猛烈な反撃が開始された。

この槍玉に、村越を解剖した葉月が挙げられ苦境に立たされることに。

まず、井岡は自身の助手・千葉に村越の鑑定書類を提出させた。
千葉は動物を安楽死させる担当だそうだが……その鑑定書類によれば、村越は事故死らしい。

葉月は村越の死は明らかな他殺であると結論付けていた。
井岡や千葉の見解とは真っ向から対立する。
もちろん、監察医務院の畑たちは葉月を支持するが……。

葉月を応援していた畑が真理子と井岡を見るなり色を失ってしまう。
実は、畑と井岡たちの間にはある因縁があったのだ。

直後に井岡が急死した。
解剖を担当した葉月は虚血性心不全に偽装した注射針による他殺と看破する。
「解剖しなければ、虚血性心不全と判断していたでしょう」と風間に洩らすほど狡猾な殺害法らしい。

井岡の死により、沢田の裁判は混迷の度を深めつつあった。
そんな中、沢田の無実を信じ奔走する真理子。

ところが、此処で香苗が真相を打ち明けた。
冤罪を訴えた沢田だったが、実は犯人であった。
香苗が協力し、証拠を隠滅していたのだ。
しかも、真理子に嘘を吐き弁護を引き受けさせていたのである。

これを知った真理子は正義を貫く為に、香苗を犯人隠匿、証拠隠滅で告発する。
さらに、沢田の裁判でも敢えて消極的な戦術を採用。

こうして、沢田に有罪判決が下された。
懲役15年である。
沢田はこれに猛反発。
真理子は殺人を犯しながら反省の見られない沢田に絶望する。

これまで守って来たモノが崩れ落ちる音を聞く真理子。
弱者を守りたい……そんな彼女のアイデンティティーが大きく揺らいでいた。

一方、葉月は博士号を取得しながら職につけない歌川と出会う。
歌川は乾坤一擲を目指し、近く愛媛県の大学講師に応募するらしい。
実に倍率50倍の難関だそうだ。
それだけ、研究職は志望者と職の供給がアンバランスなのだろう。

その頃、風間のもとに、井岡が香苗と密会していたとの情報が飛び込んで来た。
実は、井岡と香苗は男女の関係にあったのである。
直後に香苗が姿を消してしまう。

矢先、畑までもが姿を消してしまう。
こちらはどうやら伊豆周辺に潜伏しているらしい。

風間たちは井岡殺害は医療知識のある者による犯行と推測。
畑以外に、真理子と添田にも注目していた。
特に添田は医療弁護の為に医療知識に造詣が深いらしいが……。

消えた畑を追った葉月は、畑と井岡に思わぬ因縁があることを突き止める。
2人の研修医時代、真理子の父を医療ミスで亡くしていたのだ。
到底、力量に負えぬ真理子の父のオペを井岡が強行し、畑が止めきれなかった為に死なせてしまったのである。
葉月は畑のトラウマの正体を知り、彼を励ます。
畑はトラウマを克服するべく、監察医務院に復帰する。

栃木で香苗が死亡した。
虚血性心不全だったそうである。
解剖しなければ、虚血性心不全だと判断したでしょう―――井岡解剖時の葉月の言葉を思い出した風間。
疑惑があれば見逃すことは出来ない、葉月により解剖されることに。

すると、やはり井岡と同じ殺害方法であったことが判明する。
つまり、注射針による他殺だ。

今度は真理子が行方をくらました。
畑は彼女の犯行が信じられない。
風間は半信半疑ながらも真理子を追う。

その頃、香苗の血液からペントバルビタールとナトリウムが検出された。
これを知った葉月は「犯人が分かった!!」と叫ぶ。
葉月から犯人の名を知らされた風間は犯人のもとへ。

真理子が、井岡の助手・千葉のもとへ現れた。
真理子は千葉を告発しようとするが、千葉は真理子を口封じしようとする。

其処へ風間と葉月たちが助けに入る。
ペントバルビタールとナトリウムが千葉の犯行を立証したのである。
ペントバルビタールとナトリウムは動物の安楽死に用いる薬剤で、千葉が普段から用いているものであった。

「ポストドクターって知ってますか?」
問いかける千葉。
博士課程修了後に研究職に就いた者を指すが、立場は不安定らしい。
千葉は井岡から人間扱いされず、常に虐げられて来た。

そんな折、井岡は売名の為に村越の死が事故死であるとの鑑定書を偽造しようとしていた。
井岡は千葉にこれの作成を命じた。
無理だと主張した千葉だが、意見が容れられる筈もない。
結局、押し通されてしまった。

ところが、井岡が自身の不利を悟った。
流石に、騙し切れる物ではないと考えたのだ。
此処で井岡は全責任を千葉に押し付け切り捨てようとした。

千葉は激怒した。
そして、先手を打ったのだ。
擦れ違いざま、井岡に注射し殺害したのである。

次に香苗である。
香苗は井岡と男女関係にあり、千葉が井岡に操られていたことを知っていた。
自身と井岡の関係を知る香苗を生かしておくことはマズイ。
其処で口封じしたのであった。

「俺は、愛媛の講師に応募するんだ。あんな奴に邪魔されるワケにはいかないんだ」
繰り返しながら、連行される千葉。
こうして事件は終息した。

葉月は真理子に過去の医療ミスについて新事実を告げる。
当時、実は1人だけ病院側の医療ミスを内部告発していた人物が居たのだ―――それこそ畑であった。
これゆえに、畑は外科医師の道を捨て監察医の道を志したのである。

これを知った真理子は畑に謝罪する。
畑もまた自身の力不足を謝罪する。
数十年を経て2人は和解したのだ。

数日後、歌川は50倍の倍率を乗り越え、愛媛の講師に見事合格した。
一方、真理子は自身を殺そうとした千葉の弁護でさえも引き受けるらしい―――エンド。

<感想>

上野正彦先生原作の「監察医篠宮葉月」シリーズ第13弾です。
前作は2012年11月28日の放送なので、ほぼ7ヶ月ぶりの新作となりました。

さて、そんなドラマ版の感想を!!

職の空席に比して、志望者が溢れる世相を描いた作品だった……のかなぁ。
決して、研究職に限らないだけに辛いですね。
そして、ラストで歌川と千葉が同じ愛媛の講師の職を目指していたのが判明するシーンはゾクッとしましたね。
歌川が50倍の求人を勝ち取った陰で49人(千葉を除けば48人か)が泣いていることも、忘れてはならないだろう。

ただ、テーマ自体をもっと深く描いても良かった気もするなぁ……。
ちょっと薄味でした。

それにしても、歌川を監察医務院にスカウトしたら駄目なのかなぁ……。
前作でもずっと人手不足を主張してたのになぁ……と思ったり。
あれだけスカウトに必死だったのに……。

そして、添田君は事件に関係なかったんだねぇ。
あれだけ、怪しそうだったのに……ミスリードだったか。
次回にも期待!!

◆関連過去記事
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<キャスト>

篠宮葉月:高島礼子
風間亮介:細川茂樹
畑総一郎:金田明夫
菊地真理子:原沙知絵
永瀬哲雄:六平直政
井岡進:山崎一
坂巻仁美:北川弘美
沢田香苗:須藤温子
三上良一:西田健
岡耕介:中村靖日
千葉直也:滝藤賢一
中森瞬:松尾諭
添田和夫:水上剣星
清水史也:山口翔悟
沢田俊彦:湯江健幸 ほか
(順不同、敬称略、公式HPより転載)


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この記事へのコメント

こんばんは!篠宮先生のシリーズ、早速見ましたので、いつものように感想を。

 (感想)
 1、今回は、医長の過去に焦点が当てられていましたが、篠宮先生以外の人物にスポットがこれだけ当たったのも、珍しい気がします。しかも、医長は、1作から出演されていたはずですから、ここまで全く医長の半生に触れてこなかったのも驚きました。

 2、今作は、薄味との見解ですが、その点は私も同感です。事件の動機が、個人の感情ですから…。私としては、医長の過去にこれだけ焦点を当てたのですから、そこを中心にいけば、薄味にならなかった気がするのですが…。この医長の過去が、ミスリードに使われたとも思えてなりませんでした。

 3、歌川が、愛媛の講師を目指し、そして受かった事が分かった時には、驚きました。そこで、愛媛の件を出すか!と言った感じでした。

 4、監察医務院が人手不足なのは、このシリーズでずっと描かれている事ですが、監察医務院志望の清水君、早く大学卒業して加入しないかと、待っていたんですが…。それと、篠宮先生、あの大学でまだ講師やっていたんですね。前々作で、大学内に変なビラまかれたりして、篠宮先生大変でしたから。

 いずれにしても、次作を楽しみしたいです!
Posted by J-PETER at 2013年06月21日 02:03
Re:J-PETERさん

こんばんわ!!
管理人の“俺”です(^O^)/!!

1.畑さん、1作目から皆勤なんですね。
その背景を描いたこの13弾は記念碑的な作品と言えるかもしれませんね。

2.ご指摘を受けて思ったのですが、本作はテーマが2つあったんですね。
「ポストドクターの立場の弱さ」と「畑の過去」の2つ。
これにより、互いが薄味になってしまったのかもしれませんね。

3.歌川と千葉がリンクしたシーンは凄かったですよね。
あれは衝撃的でした。

4.前々回と言えば、中傷ビラが撒かれた回ですよね。
そう言えば、あれもその後は特に触れられていなかったですね。
そして、清水君は前回限りだったのかなぁ……。

シリーズ作品だけに前作の設定を活かしているとニヤリとしますね。
次回にも期待ですね(^O^)/!!
Posted by 俺 at 2013年06月22日 00:11
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