2013年07月07日

「サイレーン」第10話「耐えがたきを、耐え。」(山崎紗也夏作、講談社刊「週刊モーニング」連載)ネタバレ批評(レビュー)

「サイレーン」第10話「耐えがたきを、耐え。」(山崎紗也夏作、講談社刊「週刊モーニング」連載)ネタバレ批評(レビュー)です。

<ネタバレあらすじ>

登場人物一覧:
里見:男性。警視庁機動捜査隊所属。相棒の猪熊と恋人同士。
猪熊:女性。警視庁機動捜査隊所属。相棒の里見と恋人同士。
カラ:女性マネージャー急性アルコール中毒死(実は他殺?)の犯人?猪熊に興味を持つ。
渡:猪熊の寮の向かいに住む。カラを家に置くこととなった。
千歳:生活安全課所属。

里見と猪熊が喫茶店でテーブル越しに向き合っている。
傍目にはカップルにしか見えない。
いや、事実カップルだから正しいのだが……。

彼らの隣には、小太りの若い男性が座っている。
男性は特に里見たちを気にかけるでもなく、会計を済ませると店を後にした。

これを追う里見と猪熊。
そう、彼らは男性を尾行しているのだ……。

事の起こりは、生活安全課の千歳に尾行を依頼されたことにある。

先日、里見と猪熊は公園で捨てられたカミツキガメを捕獲した。
千歳によれば、この亀がどうも男性のペットショップで不正に輸入され売買された疑いがあるらしい。
其処で内偵調査を行っているのである。

尾行を知ってか知らずか、男性は大人のおもちゃ屋さんへ入店。
これは猪熊にはついて行けない。
里見が後を追うことに。

店内を物色すること暫し、男性は満足したのか店を出た。
これを追う里見だが、棚にぶつかり商品を落としてしまう。
すると、店長から「それ、落としたから買取ね」との声が……。

数分後、先に店を出た男性を尾行する猪熊に里見が追い付いた。
里見は着替えたのか服装も変わっている。

次に男性が向かったのはおしゃべり喫茶。
店内では、客1人に若い女性店員1人が応対し何やらおしゃべりを行っていた。
メイド喫茶の亜流だろうか……若い女性と会話を楽しむもののようだ。

男性は若い女性従業員と楽しそうに話している。
猪熊も若い同性と楽しそうだ。

ところが、里見の表情は浮かない。
里見の担当だけ、年嵩の老女だったのである。
しかも、やけに里見のプライベートに踏み込みたがる。

遂には「(猪熊とは)上手く行かないから別れた方がいい」とまで切り出されることに。
激高寸前の里見だが―――11話に続く。

<感想>

「週刊モーニング」では『レンアイ漫画家』や『シマシマ』、『はるか17』などで知られる山崎紗也夏先生の新連載です。
『レンアイ漫画家』は設定と展開が面白くて読みました。
それだけに新連載への期待も高まります。

そんな「サイレーン」、内容は刑事もの……しかも男女バディもので、「警視庁機動捜査隊(キソウ)」を取り上げた作品となりました。
設定に「キソウ」を採用している点が珍しいですね。
ドラマでも「キソウ」がメインになった作品は「警視庁機動捜査隊216」くらいか。

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その第10話。

サブタイトルは「耐えがたきを、耐え。」。
もちろん、この後には「忍び難きを忍ぶ」が続きます。

まさに、現在の里見の心境が表現されているワケですね。

千歳の依頼に応じることに耐え。
カメの捕獲に駆り出されることに耐え。
尾行の辛さに耐え。
大人のおもちゃ屋さんでは、買取を強要されて耐え。
おしゃべり喫茶では、良いように言われてコレに耐え……られるのだろうか?
問われてますね、里見。

ここで怒ってしまえば、尾行対象者にバレる。
かといって、怒らずに済ますには相手は無礼。
果たして里見の人間力や如何に……。

いずれにしろ、ラストは「大人のおもちゃ屋でのあの商品が猪熊に見つかり顰蹙を買う」オチか。
これも里見は耐える、と。
果たして里見の人間力や如何に……。

カラは搦め手(渡)から猪熊へと接近中。
遂には渡宅に住み着くことに……恐るべし!!
彼女の次のターゲットは猪熊。
果たして、里見は恋人を守れるのか……こちらも気になります。

11話に期待ですね!!

ちなみに、山崎先生と言えば『七瀬ふたたび』のコミカライズでも知られる方です。

「七瀬ふたたび」(筒井康隆著、新潮社刊)ネタバレ書評(レビュー)

◆関連過去記事
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「レンアイ漫画家(5)<完> (モーニング KC)」です!!
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