2013年09月18日

秋のスペシャルドラマ「秋の特別サスペンス 湊かなえ原作 花の鎖 ベストセラー待望のドラマ化!夫の疑惑死 謎の男Kに狂わされた3人の女達!毎年届く謎の花束…家族の秘密 冒頭60分に潜むワナ!衝撃のラストに震撼」(9月17日放送)ネタバレ批評(レビュー)

秋のスペシャルドラマ「秋の特別サスペンス 湊かなえ原作 花の鎖 ベストセラー待望のドラマ化!夫の疑惑死 謎の男Kに狂わされた3人の女達!毎年届く謎の花束…家族の秘密 冒頭60分に潜むワナ!衝撃のラストに震撼」(9月17日放送)ネタバレ批評(レビュー)です。

<あらすじ>

舞台は山間の小さな古都の街。3人の女性が暮らしている。

梨花(25)は、三年前に両親を事故で亡くし、祖母と二人暮らしだったが、その祖母が胃がんのため入院してしまう。
悪いことは重なり、勤めていた英会話学校が倒産してしまい、祖母の手術代にも困っている梨花。
そんな梨花に祖母は「金がかかるから手術はしない」と告げる。

考えあぐねた梨花は、毎年、母に謎の花束を送ってくる男「K」を探す。十三年前、梨花の両親が亡くなった時、なぜか「K」から援助の申し出があった。「K」なら今の私を助けてくれるかもしれない。
だが、「K」とはいったい何者なんだろう?――梨花が尋ねても、祖母は決して口を開こうとせず、謎は深まるばかりだった…。
梨花は手紙を送り、「K」と接触するチャンスを得る。
しかし、現れたのは「K」の秘書と名乗る人物。
梨花は深まる謎を追って、ついに、「K」の正体と謎の花束の真相を知ることになる…。

叔父の会社に勤める和弥と結婚した美雪(33)は、日々を幸せに暮らしていたが、悩みは結婚して3年経っても、子どもができないことだった。
夫・和弥の夢は設計士だった。
しかし、美雪の従兄・陽介が独立した建築事務所で、和弥が任されたのは営業。
それでも、和弥は仕事をしながら、ある画家が創立する美術館の建設コンペに参加、その画家の代表作『未明の月』をモチーフにコンペを勝ち残った。
だが陽介が、設計者の名義を自分へと書き換え、功績を取り上げる。
陽介に抗議する美雪に今まで隠していた思いをぶつける和弥。

初めての口喧嘩をした翌日、思いもよらぬ悲劇が起きてしまう…。

大学生の紗月(20)は、友人・希美子と一緒に入部した山岳同好会で、一つ先輩の浩一に恋をする。運命の恋と思っていた矢先、倉田という仲良しの先輩が白血病で倒れてしまう。

紗月は、図らずも浩一と同じ白血球の型を持っているということが判明。奇跡のような巡り合わせに運命を感じる二人だった。
が、二人の間には二人も知らない衝撃的な歴史があったのだった。

数年後、運命の悪戯が紗月を襲う。さらなる悲劇に見舞われた紗月が下した結論とは。

まったく異なる三人の女性。
それぞれの謎を紐解くうちに、物語は大きな大河となって一つに収斂されていく。そして、全ての謎が明らかになった時、美雪・梨花・紗月、三人の女性の『花の鎖』がつながっていく…。
(公式HPより)


では、続きから(一部、重複アリ)……

梨花は3年前に両親を事故で亡くし、芯の強い祖母と2人で仲睦まじく暮らしていた。
ところが、その祖母が病気の為に入院することに。
祖母には手術の必要があった。
だが、梨花の勤め先である英会話学校が倒産し手術代が捻出出来ない。
梨花に出来ることは祖母の大好物の「梅香堂」のきんつばを差し入れするくらいであった。
そんな梨花に祖母は「手術はしない」と告げる。
芯が強い祖母から生きる気力が失われつつあったのだ。

このままでは祖母が死んでしまう―――困り果てた梨花は「K」を思い出す。
「K」は母に宛て、毎年花束を贈って来る謎の人物であった。
3年前、母が亡くなった折には資金援助の申し出まであったほどだ。
あのときは断ってしまったが……「K」ならこの窮状を助けてくれるのではないか!?
一縷の望みを頼りに梨花の「K」探しが始まる。
やがて、祖母の病院に「K]の代理が現れた。
そして、意外な事実が明らかになる―――。

美雪は幸せであった。
大好物である「梅香堂」のきんつばをつまみつつ、今を振り返る美雪。
3年前、美雪は叔父の会社に勤める和弥と結婚した。
和弥は人柄も良く、自慢の夫であった。
ただ1つ、美雪に不満があるとすれば2人の間に子供が出来ていないことか。
だが、和弥は美雪を責めることも無い。

今、和弥は夢に向かって努力している。
和弥の夢は設計士。
しかし、美雪の従兄・陽介が独立開業した建築事務所で、和弥が任されたのは畑違いの営業であった。
それでも、和弥は「香西路夫」が創立する美術館の建設コンペに参加すべく図面を描く。
後輩の森山の助力もあって図面は完成。
遂には香西の代表作『未明の月』をモチーフにコンペを勝ち残ることに成功するのであった。

喜ぶ美雪。
ところが、どこから知ったものか陽介が設計者の名義を和弥から書き換え、功績を取り上げてしまった。
和弥は鬱屈し、美雪と衝突。

その翌日、美術館の建設予定地「雨降り渓谷」を訪れた陽介、和弥、森山。
事故が発生し、和弥が転落死を遂げてしまう。

和弥の死を「迷惑なことだ」と罵る陽介とその妻・夏美。
夏美は生まれたばかりの赤ん坊を抱きつつ「当てつけ紛いの自殺ではないか」とまで口にする。
あまりに配慮に欠けるその発言に、美雪は「陽介たちこそが和弥を死に至らしめたのだ」と叫ぶ。
だが、そんな美雪の声も陽介たちには届かない。
こうして、美雪と陽介・夏美夫妻は不倶戴天の仇敵同士となった。
傷心の美雪は自殺を試みる―――。

大学生の紗月は、友人・希美子と山岳同好会に入部した。
紗月は其処で一つ先輩の浩一に恋をする。
矢先、紗月と仲の良い倉田先輩が白血病で倒れてしまう。
倉田はそのまま死亡してしまった。

だがこの際、図らずも紗月と浩一が同じ白血球の型を持っているということが明らかになる。
まさに奇跡―――2人は運命を感じることに。
そのまま2人の交際が始まった。
ところが数年後、紗月は希美子から浩一と結婚出来ない事実を突き付けられてしまう。

その事実とは―――浩一が陽介と夏美の息子であり、紗月が和弥と美雪の娘であることであった。
あの日、自殺を試みた美雪だったがギリギリのところで一命を取り留めた。
この際、あれだけ望んでも得られなかった和弥の子供を妊娠していることを知った。
美雪には隠していたが和弥も子供を望んでおり、子供の名前候補を遺していた。
その中には「紗月」という名が。
この子の為にも、亡き和弥の為にも生きて行こうと決めた美雪は生まれた娘に紗月と名付けた。
そして育て上げたのである。

つまり、浩一と沙月が仇同士だったのだ。
亡き父の無念……そして母の想いに報いるべく、沙月は泣く泣く浩一に別れを切り出すことに。
傷心の浩一には希美子が近付き、2人はそのまま結婚することとなった。

ところが、此処でまた紗月の心を揺るがす事件が発生する。
なんと、浩一が倉田と同じ白血病で倒れたのだ。
紗月ならば救うことが出来る。
希美子は紗月に頼み込み、紗月は愛した人を捨て置くことも出来ずこれに協力した。
結果、浩一は一命を取り留め、紗月に花を贈るようになった。

そう、「K」の正体こそ浩一であった。
つまり、梨花は紗月の娘なのだ。
そして「梨花」の名もまた和弥が選んだ命名候補に遺されていたものであった。

「雪月花」この言葉を愛した和弥。
この意を汲んだ美雪はこの想いを継いだ。
妻・美雪、娘・紗月、孫娘・梨花―――3代に渡り名を繋いだのだ。

梨花の前に「K」の代理として現れた人物の正体は、和弥の後輩・森山であった。
森山の導きで、陽介、夏美、希美子と出会った梨花は彼らの罪を知った。
だが、夏美や希美子は罪を認めようとしない。
それどころか、美雪が謝罪を受け入れようとしないと批判する。

これに祖母・美雪の苦労と忍耐を察する梨花。
そんな梨花に陽介と森山は罪を認める。
彼らの罪は和弥の死にあった。

実は和弥の死は陽介を助けた為の事故死だったのだ。
無茶を押した陽介の代わりに和弥が転落死したのだ。
陽介と森山は美雪に謝罪することに。
しかも、和弥の設計を陽介に報告したのは森山の仕業であった。
2人は和弥に嫉妬していたのである。

こうして、和弥の死の真相を知った美雪。
さらに、陽介が隠していた和弥の手紙により、美雪は当時の和弥と再会する。
これに生きる気力を見出した美雪は手術を受けることを決意するのであった。

数日後、梨花が美雪の病室を訪れた。
差し入れは美雪の大好物「梅香堂」のきんつばである―――エンド。

<感想>

ドラマ原作は湊かなえ先生『花の鎖』(文藝春秋社刊)。
過去にネタバレ書評(レビュー)していますね。

『花の鎖』(湊かなえ著、文藝春秋社刊)ネタバレ書評(レビュー)

原作は叙述による時系列誤認が肝となっており、其処こそが最大の魅力でした。
このドラマ版もこの魅力を活かすべく最大限の努力が為されていたように思います。
原作既読の身で言えば「頑張ってるなぁ!!」と楽しみながら視聴出来ました。
『花の鎖』という原作のドラマ化としては高評価です。

ただ、前半部は本作の構造を知らないとあまり楽しめなかったかもしれないですね。
並行して起こる急展開に何が何やらと思いながら興味を持って視聴する方も多いとは思いますが、同時にチャンネルを変えてしまう方も多かったのではないでしょうか。
また、途中から視聴し始めた方にとっては最初の1時間を見逃すと本作最大の仕掛けが効果を喪失してしまうし。
どちらかといえば、叙述系原作の映像化は映画の方が適しているのかもしれません。
簡単には席を立たないし、途中離脱もまずないし。
此の点は難しいところですね。

一方、基本こそ原作に忠実ながらも、それなりに改変点もありましたね。
特に気になったのは「香西路夫」があれだけ強調されながら、原作であったラストの『未明の月』のくだりを省略されたことかな。
おそらく原作だと夏美からの手術費用(手切れ金)を断り、美雪にとって意味のある『未明の月』を貰うことになるのですが、これだと「結局、物を貰った」事実が生じ、視聴者の間にフラストレーションが残るから改変したのかもしれませんね。
とはいえ、ドラマ版でも「ただ、真相を明かして謝罪すりゃイイってものでもないしなぁ……」とモヤモヤが残ったのは事実。

やはり、本作最大の魅力はあの仕掛けにこそあり、其処から浮かび上がる3代の絆や想いに集約されていると思います。
よって、原作版とドラマ版、いずれの結末においてもフラストレーションが残るのは致し方が無いことなのかもしれません。

それと、原作を読んでいたときは重要視していませんでしたが、花を贈るのは「あなたを忘れない」ということで2時間ドラマのセオリーだと脅迫者と相場が決まっているんですよね。
つまり、純粋な善意でなければ悪意の仕業の可能性もある。
浩一と紗月の間には経緯がある以上、花が届くたびに浩一が紗月の心の傷を抉っていたようなモノなんだよなぁ……。

ちなみに、「K」の本当の意味は和弥の「K」です。
其処から考えるとサブタイも意味深長だなぁ……。

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【ネタバレ書評(レビュー)】
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ドラマスペシャル 境遇「あの“告白”の湊かなえ初のドラマ書き下ろしミステリーすべては幼児誘拐から始まった!過去に翻弄された女達…35年前の殺人事件に驚愕の謎」(12月3日放送)ネタバレ批評(レビュー)

【その他情報】
“本の雑誌”こと「ダ・ヴィンチ」にて湊かなえ先生特集が掲載、しかも古屋兎丸先生によるコミック版「贖罪」も!!

2010年公開ミステリ系映画(「告白」、「悪人」、「インシテミル」)、DVD化続々

湊かなえ先生『贖罪』がドラマ化!!

湊かなえ先生原作『二十年後の宿題』(『往復書簡』収録)が映画化!!そこには意外なエピソードが……

湊かなえ先生がドラマシナリオを!!フジテレビ系列土曜ドラマ「高校入試」に注目か!?

【ドラマ情報】湊かなえ先生『夜行観覧車』(双葉社刊)がTBS系金曜23時枠にて連続ドラマ化決定!!

湊かなえ先生原作『花の鎖』がスペシャルドラマ化か!!

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この記事へのコメント
こんばんは。

最後まで観ましたが、自分は面白くなかったです(>_<) 
役者さんは豪華でしたが、ストーリーが何せ駄目でした。

今日の「淋しい狩人」は、今のところなかなか面白いです!!!
ワクワクしております。

Posted by ピエロ at 2013年09月20日 21:39
お久しぶりです。

ドラマになったら訪れますと書評のところに書き込んだので約束通り来ました。

本を読んだ時も思いましたが、叙述トリックものは難しいです。でも時系列がわかってしまわないようにうまくドラマにしてありましたね。「きんつば」のお店や「雪月花」のおまじないやいろんな工夫に感心しました。

>ちなみに、「K」の本当の意味は和弥の「K」です。
そうなんですか?確かに設計図にサインがありましたが…。私は浩一のKだと思っていました。

本も読んでドラマも観てもまだ深いところで理解できていないかも。

ドラマのあとここで感想を読むのも楽しみなのでまた来ますね。
Posted by あおによし at 2013年09月21日 15:34
こんばんは。

なんかエラーが出まくったので、10回ぐらい連続押ししたのですが、全て送信されておりましたか(>_<) 

失礼致しました!!!

Posted by ピエロ at 2013年09月22日 00:01
こんばんわ!!
管理人の“俺”です(^O^)/!!

Re:ピエロさん

ストーリー的に好みが分かれるところがあったかもしれませんね。

そして、ドラマ版「淋しい狩人」。
原作とは異なっていましたが、良かったです!!

たまに読み込みエラーがあるっぽいです。
管理人も経験あります。
大丈夫ですよ(^O^)/!!

Re:あおによしさん

お待ちしてました!!

叙述の映像化ということで難しかったと思われるのですが、極力フェアであるよう多くの工夫が行われていましたね。
此の点、好印象でした。

「K」の意味についてですが、誤解を招く書き方だったかもしれません。
原作では花の贈り主である浩一だと思われます。
これに、和弥や香西などのイニシャル「K」の人物が重なって行く。

ただ、今回はドラマ版サブタイトルに「謎の男Kに狂わされた3人の女達」とあり、これに沿うと3人共に影響を与えているのは和弥(美雪には浩一が関わらない)となるのでそういった記述をしています。
ただ、今考えると其処までサブタイを重視する必要は無かったかもしれなかったり……。

此処はさまざまな捉え方があるのかも。
読者や視聴者の数だけ答えがあるとした方が良さそうかな。

原作を読んでいるとドラマ版と比較する楽しみがありますね。
一方、原作未読だと未知の楽しみがある。
いずれもなかなかに楽しいです。
これこそがドラマ視聴の醍醐味なのかも(^O^)/!!
Posted by 俺 at 2013年09月22日 00:02
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