<ネタバレあらすじ>
登場人物一覧:
里見:男性。警視庁機動捜査隊所属。相棒の猪熊と恋人同士。
猪熊:女性。警視庁機動捜査隊所属。相棒の里見と恋人同士。
カラ:女性マネージャー急性アルコール中毒死(実は他殺?)の犯人?猪熊に興味を持つ。
渡:猪熊の寮の向かいに住む。カラを家に置くこととなった。
千歳:生活安全課所属。
・前回までのあらすじはこちら。
「サイレーン」第10話「耐えがたきを、耐え。」(山崎紗也夏作、講談社刊「週刊モーニング」連載)ネタバレ批評(レビュー)
動物を違法に売買している疑いのある尾行対象を追い「おしゃべり喫茶」に入店した里見と猪熊。
対象と猪熊はそれぞれ若い女性を相手に話に花を咲かせている様子。
ところが、里見の担当となった女性はオーナーらしき老女であった。
しかも、口さがない。
里見は猪熊との交際を真っ向から否定されてしまう。
此処で反論すれば目立ってしまう。
尾行対象に顔を覚えられることは避けたい。
里見は自身をグッと抑え、相手の言葉を聞き流す。
これに調子づいたのか、老女は次々と里見を否定するような発言を繰り返すことに。
遂には、「あんたは面白くない」とまで断言されてしまう。
耐えがたきを耐え続けた里見。
日頃の忍耐が実を結んだのか、何とか凌ぎ切ることに成功する。
おしゃべり喫茶を出た尾行対象。
これを追った里見と猪熊は映画館へ。
すると、明らかに尾行対象の様子がおかしい。
しかも、見知らぬ女性と合流する。
尾行対象と女性は映画館の中へと消えて行く。
どうやら、館内が取引現場のようだ。
慌ててチケットを購入しようとした里見。
その拍子にバッグから「大人のおもちゃ屋」さんで買取させられたDVDが飛び出してしまう。
これを目撃した猪熊は途端に渋い顔に。
状況を説明する余裕はない。
猪熊の冷たい視線を受けつつ、里見たちはチケットを購入し館内へ。
数時間後、尾行対象と女性が映画館を出た。
尾行対象は女性と別れ、帰宅するようだ。
後は、尾行対象が帰宅する姿を確認すれば千歳からの依頼は終了である。
ところが、来た道を戻り、先のおしゃべり喫茶まで引き返したところで例のオーナーらしき老女と出くわしてしまう。
相手に苦手意識を持つ里見は硬直しつつも躱そうとする。
ところが、老女は里見を呼び止めた。
おそるおそる、そちらを見遣る里見。
すると、老女は先程とは別人のようにニッコリ微笑んだ。
どうやら、里見に忘れ物を届けようと捜していたらしい。
尾行途中で行った着替えを忘れていたことに気付く里見。
それを受け取ろうとするが……尾行対象者が老女とぶつかってしまう。
途端、尾行対象者の鞄の中身が路上に溢れた。
その中身はケースに詰められたカメであった。
やはり、映画館で取引を行っていたらしい。
ケース入りのカメに「可愛い」と洩らす猪熊。
一方、逆上した尾行対象者は老女を突き飛ばす。
傷害罪の現行犯だ。
こうなれば尾行に拘ってはいられない。
里見は尾行対象者の男を取り押さえる。
そして、周囲に警察官であることを証明しようと警察手帳を取り出し……た筈だったが、出て来たのは例のDVDであった。
こうして、かかなくても良い恥をかくことになるのであった。
尾行対象は逮捕対象となり、連行されることとなった。
里見は連行しながら、猪熊にDVDについて必死に説明する。
数時間後、千歳は対象が別件で逮捕されたことに大喜びしていた。
これで堂々と違法売買の件も着手できるからだ。
被疑者が所持していたケース入りのカメが大量に届く中、ふと手にしたのは……あのDVDであった。
(なんで、こんなものが此処に……!?)
千歳の疑問は虚空に消えて行った―――12話に続く。
<感想>
「週刊モーニング」では『レンアイ漫画家』や『シマシマ』、『はるか17』などで知られる山崎紗也夏先生の新連載です。
『レンアイ漫画家』は設定と展開が面白くて読みました。
それだけに新連載への期待も高まります。
そんな「サイレーン」、内容は刑事もの……しかも男女バディもので、「警視庁機動捜査隊(キソウ)」を取り上げた作品となりました。
設定に「キソウ」を採用している点が珍しいですね。
ドラマでも「キソウ」がメインになった作品は「警視庁機動捜査隊216」くらいか。
・月曜ゴールデン「警視庁機動捜査隊216V 命の値段 知らされなかった誘拐事件が生んだ最悪の偶然!?命か金か?選択を迫られた家族の運命と犯人を繋ぐ社会の暗闇!」(12月24日放送)ネタバレ批評(レビュー)
その第11話。
サブタイトルは「災難な日」。
誰にとってかは言わずもがな、里見にとってですね。
そして、逮捕された尾行対象の彼にとっても自業自得ですが同様であったと言えるでしょう。
キーになったのは「カメ」ではなく「DVD」でしたね。
・猪熊に目撃。
・警察手帳と誤って提示。
・千歳に送り付ける。
と、実に都合3回も登場です。
まさに今回のオチの役割を果たしていました。
また、DVDのタイトルも凄いからなぁ……里見、かなりの人に誤解されてそうだ。
里見にとって「災難な日」だったと言えるでしょう。
一方、カラは搦め手(渡)から猪熊へと接近中。
遂には渡宅に住み着くことに……恐るべし!!
彼女の次のターゲットは猪熊。
果たして、里見は恋人を守れるのか……こちらも気になります。
12話に期待ですね!!
ちなみに、山崎先生と言えば『七瀬ふたたび』のコミカライズでも知られる方です。
・「七瀬ふたたび」(筒井康隆著、新潮社刊)ネタバレ書評(レビュー)
◆関連過去記事
・「サイレーン」(山崎紗也夏作、講談社刊「週刊モーニング」連載)第1話から第10話までネタバレ批評(レビュー)まとめ
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