ネタバレあります、注意!!
第24話登場人物一覧:
黒峰朝陽:主人公、通称「アナザル」。
白神葉子:朝陽の意中の人物。ある秘密が……。
紫々戸獅狼:葉子の幼馴染。彼もまたある秘密を……。
紫々戸獅穂:葉子の幼馴染。彼女もまたある秘密を……。
藍澤渚:クラス委員長。彼女にも秘密が……。
藍澤涼:渚の兄、意外な形で登場することに……。
紅本茜:紅本の親族らしい。彼女にも秘密が……。
紅本明里:教師。
朱美みかん:朝陽の幼馴染。新聞部所属。通称「オレンジ」。
岡田:朝陽の友人の1人。通称・岡。眼鏡が特徴。割と友人想いの様子。
嶋田:朝陽の友人の1人。通称・嶋。軽い。
桜田:朝陽の友人の1人。通称・サクラ。渋い。
フクちゃん:「福の神見習い」を名乗る眼鏡。
葉子の父:吸血鬼。額に十字傷を抱く巨人。
<ネタバレあらすじ>
〜〜〜これまでのあらすじ〜〜〜〜
「アナザル」こと「絶対に秘密を守れない男」黒崎朝陽は憧れのヒロイン・白神葉子の秘密を知ってしまった。
その秘密とは「白神葉子がハーフの吸血鬼である」こと。
朝陽は葉子の為に、この秘密を守らねばならない―――。
取り巻く人々を相手に、朝陽は秘密を守り抜くことが出来るのか?
矢先、実は宇宙人であった委員長・渚、狼男で肉食系女子な獅穂、悪魔っ娘の茜も加わって……。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
その日のみかんは様子がおかしかった。
ソワソワと落ち着かず、あちらこちら何かを捜しているかのように彷徨い続けていたのだ。
普段の強気な表情は何処へやら、まるで迷い犬のようであった。
無言で新聞部室を訪れるも、無言のまま外へと出てしまう。
みかんの目は各教室から廊下へと忙しなく動く。
はて、みかんの顔……何かが足りないような……。
そして、廊下にて出会うみかんと朝陽、葉子。
連れ立つ朝陽たちを前に、みかんは露骨に顔を隠す。
これに朝陽が気付いた。
普段のみかんに比べ、今のみかんに欠けたもの。
それは「外道クイーン」のシンボルマーク・眼鏡であった。
気付かれたと察したみかん。
朝陽はみかんの眼鏡が伊達眼鏡であることを葉子に教える。
本来ならば、余計なことを口走った時点で朝陽がみかんにお仕置きされるのだが……。
今日は何故かない。
それもその筈、お仕置きするにも「外道クイーン」になる必要があり、そのスイッチがあの眼鏡なのだ。
みかんによれば、あの眼鏡には特別な想いが込められているらしいが……。
そんなみかんと対照的に、朝陽は「眼鏡が見つからなければ……」などとあらぬことを思い浮かべていた。
眼鏡探しを再開したみかん。
もしや……と思い新聞部室の下にあたる裏庭を調べてみるが、其処には草しか生えていない。
しかも、そんな眼鏡を探すみかんの様子を見た者は口々に叫ぶのだ。
「ネタ探し、お疲れ様で〜〜〜す」と。
この姿がネタを探しているように見えるのだろうか……。
みかんが溜息を吐く間にも、嶋田が「いいネタあった〜〜〜?」などと呼びかけて来る。
そんな目でしか見られていないのか……と今更ながらに情けなくなるみかん。
と、その視界を黒い影が塞ぐ。
身構えるみかん……相手は渚であった。
みかんにとって、渚は「朝陽が告白する前から、これをフッた嫌な奴」との認識しかない。
警戒するみかんに「その節はどうも」と応じる渚。
そう、すっかり忘れていたが渚が朝陽をフッたことを校内新聞のネタにしたのはみかん自身だったのだ。
むしろ、プライベートを曝された渚の方が被害者であろう。
これに気付いたみかんは素直に謝罪の言葉を述べる。
「まさか、君から謝罪の言葉を聞けるとはな……」
渚は珍しい物を見たとばかりに、肩を竦めた。
その様子に軽く反感を抱くみかんだったが……。
渚はその場で座り込むや、みかんに眼鏡探しのを手助けを申し出た。
なんでも、朝陽と葉子から事情を聞かされ捨て置けなくなったらしい。
朝陽と葉子たちも、別の場所で眼鏡を探していると言う。
これを聞いたみかんの胸に熱いモノが込み上げて来た。
それを隠すように俯くみかん。
こうして、みかんと渚の2人による捜索が開始された。
直後、2人の前を通り過ぎる人影が。
見上げれば、角を生やした女子生徒らしき人物が誇らしげに眼鏡をかけて強調していた。
「ツノ!?」
みかんが叫ぶ。
「何処の星の者だ!?」
誰何する渚。
だが、相手はそんな2人を捨て置き、スタスタと歩き去ってしまう。
この女子生徒らしき人物の正体は、既にお分かりの通り紅本茜なのだが、茜の存在を知らない2人に分かる筈もない。
みかんは渚に、茜が着用していた眼鏡が自身の捜し物であると告げる。
2人は茜を追うことに。
一方、茜は思い通りの展開に大喜び。
どうやら、みかんの眼鏡を茜が盗んだらしい。
「外道クイーン」に「宇宙人」を戸惑わせることが茜の狙いのようだ。
校舎内、人気の少ない廊下にて茜に追い付いたみかんと渚。
追い詰めたと思いきや、茜は術で大量の眼鏡を空中に出現させる。
茜得意の幻術であろう。
「くっ、これでは君の眼鏡が分からない」
悩む渚に……。
「いや、全部フレームが違うし。第一、あの娘がまだかけてる」
冷静なみかん。
図星を突かれた茜は、自身が激しく動揺してしまう。
弱った茜は、次いで複数の自身の分身を呼び出した。
これまた茜得意の幻術であろう。
「一体、どうやったんだ?」
驚く渚に……。
「でも、眼鏡をかけているのはあの娘1人だし」
冷静なみかん。
みかんの発言にハッとした気付いた表情を見せた茜。
ゆっくりと分身たちが眼鏡を着用した。
流石にこれでは分からない。
「初めからこうするつもりだったのだ!!」
取り繕うように声高に宣言する茜だったが、指摘されて気付いたのはバレバレである。
「しまったぁ〜〜〜口にしなければ……」
後悔するみかんを尻目に、多数の茜は一塊になって逃走を開始する。
(よしよし、やったやった)
胸中にて無邪気に快哉を叫ぶ茜。
ところが……。
突如、教室から手が伸びたかと思うと特徴的な角が掴まれてしまう。
この対処方法は……。
恐怖に凍り付いた茜がそちらを見遣れば、其処には明里の姿が!!
「また、私の教え子にちょっかいをかけましたねぇ」
静かに、だが、間違いなく怒りを込めた声を聞かされた茜は涙目である。
「全員、教室に入れ!!」
止めを刺す明里の怒号。
茜の分身は1人ずつ列を作り、教室の扉から中へと消えて行く。
最後の1人が呑み込まれると同時に、中から明里の手が伸び眼鏡が廊下へと差し出された。
それを最後に扉はピシャリと閉じられたのだった……。
以降、中の様子を知る術は無い。
だが、何が行われたのかおぼろげならば想像には難くないであろう。
悲鳴?
いえいえ、な〜〜〜んも聞こえませんでしたよ。
さて、この様子を廊下から呆然と眺めていたみかんと渚。
みかんは廊下に置かれた眼鏡を拾い上げると、胸に抱える。
遂に、眼鏡を取り戻すことに成功したのだ!!
みかんの脳裏に、朝陽から眼鏡を貰ったあの日のことが甦る。
もう朝陽は忘れてしまったのかもしれないが、これは縁日の籤で朝陽が当てたものだった。
朝陽との繋がりが欲しくてみかんは無理に譲って貰ったのだ。
それがみかんの心の支えであった。
「良かったな」と祝う渚。
そのとき、みかんでも渚でも無い第3者の声が2人の間から聞こえた。
「「誰!?」」警戒するみかんと渚。
すると、眼鏡が答えた。
「福の神見習いのフクちゃんだ」と。
フクちゃんと名乗った眼鏡によれば、これからみかんを幸せにするべくやって来たらしいが……。
急展開に何が何やら驚くしかないみかんと渚―――25話に続く。
<感想>
「週刊少年チャンピオン」にて「さくらDISCORD」を連載されていた増田英二先生の新作。
「さくらDISCORD」は未読の管理人ですが、1話を読んで注目している作品です。
コミックス1巻も重版出来とのことで、目出度い。
2巻も発売予定で、表紙は委員長こと渚ですよ!!
そして、本作かなり面白い!!
その24話。
新キャラ(?)眼鏡のフクちゃん登場でさらなる盛り上がりを見せる「実は私は」。
なんでも、公式ツイッターによれば「あのトム・クルーズも面白いとツイートした話題の作品」とのことで目が離せません。
このトム・クルーズのエピソード、正確には第3者のツイートをトムがリツイートしたとのことですが凄いよ!!
これで一気にハリウッドか!?
そんな大注目の中での今回は「外道クイーン」こと「みかん」回。
「外道クイーン」のキーアイテムである「眼鏡」について触れられました。
あの眼鏡……朝陽からのプレゼントだったんだねぇ。
朝陽本人は覚えていない様子なのに、いじらしいなぁ……。
そう言えば、みかんや渚と茜は初対面か。
残るは、茜と獅穂(獅狼)の顔合わせだなぁ……。
なんだか、獅穂のセクハラ攻撃に茜が真っ赤になって沈む姿しか想像できない……。
でもって、フクちゃん。
まさかの器物キャラでしたね。
これには度胆を抜かれた……。
そして、フクちゃんは「みかんを幸せにすべく現れた」とのこと。
「みかんの幸せ」=「朝陽と結ばれること」だとすると、これでみかんも朝陽争奪戦に復帰か。
ただし、みかんは朝陽の事を諦めており、見守ろうとしている以上、波乱は必至。
次回以降、フクちゃんに心中の朝陽への想いを暴露されそうになり、慌てふためくみかんの姿が見られそうだな。
従って、もはや「外道クイーン」は過去の姿になりそうな予感。
多分、今後は眼鏡をかけて「外道クイーン」になり朝陽に突っ張るも、「眼鏡」こと「フクちゃん」に本音を明かされ慌てるみかんパターンが定着する……筈。
いよいよ本格的にみかんエピソードが開始か。
1巻とのギャップに悶えるしかない!?
一方、そんなみかんに対し好意を抱いている様子の岡田にも注目。
次回も必読だな!!
そう言えば、コミックス2巻も発売予定。
表紙は1巻の葉子に続き、渚です。
これだと3巻は獅穂、4巻は茜の順かな?
みかんは後半の切り札か。
ちなみに、上記のあらすじは本作の魅力を伝えられるよう改変を加えてまとめていますが、その面白さを伝えきれていません。
やっぱり、あの絵とコマ割りなどのテンポあっての本作。
是非、「週刊少年チャンピオン」本誌を読んで欲しい。
もう1度繰り返しましょう。
本作に興味を持たれた方には、是非、「週刊少年チャンピオン」本誌を捜して読んで欲しい。
最近の「週刊少年チャンピオン」は「名探偵マーニー」や本作など本当に粒揃いでクオリティが高い作品が多い。
注目の雑誌の1つと言えるでしょう。
◆関連過去記事
・「実は私は」第1話から第20話まで(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)まとめ
・「実は私は」第21話「心配しよう!」(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)
・「実は私は」第22話「男同士の話をしよう!」(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)
・「実は私は」第23話「ケーキバイキングに行こう!」(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)
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