2013年08月02日

「実は私は」第26話「いい加減認めよう!」(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

「実は私は」第26話「いい加減認めよう!」(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)です。

ネタバレあります、注意!!

第26話登場人物一覧:
黒峰朝陽:主人公、通称「アナザル」。
白神葉子:朝陽の意中の人物。ある秘密が……。
紫々戸獅狼:葉子の幼馴染。彼もまたある秘密を……。
紫々戸獅穂:葉子の幼馴染。彼女もまたある秘密を……。

藍澤渚:クラス委員長。彼女にも秘密が……。
藍澤涼:渚の兄、意外な形で登場することに……。
紅本茜:紅本の親族らしい。彼女にも秘密が……。
紅本明里:教師。
朱美みかん:朝陽の幼馴染。新聞部所属。通称「オレンジ」。
岡田:朝陽の友人の1人。通称・岡。眼鏡が特徴。割と友人想いの様子。
嶋田:朝陽の友人の1人。通称・嶋。軽い。
桜田:朝陽の友人の1人。通称・サクラ。渋い。
フクちゃん:「福の神見習い」を名乗る眼鏡。
葉子の父:吸血鬼。額に十字傷を抱く巨人。

<ネタバレあらすじ>

〜〜〜これまでのあらすじ〜〜〜〜

「アナザル」こと「絶対に秘密を守れない男」黒崎朝陽は憧れのヒロイン・白神葉子の秘密を知ってしまった。
その秘密とは「白神葉子がハーフの吸血鬼である」こと。
朝陽は葉子の為に、この秘密を守らねばならない―――。
取り巻く人々を相手に、朝陽は秘密を守り抜くことが出来るのか?

矢先、実は宇宙人であった委員長・渚、狼男で肉食系女子な獅穂、悪魔っ娘の茜も加わって……。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

夏祭りの夜―――神社の境内で対峙する男女の影。
彼らの正体は……朝陽と渚であった。

だが、彼ら2人ともが何処かドギマギしている。
それもその筈、2人は互いに約束して落ち合ったモノでは無かったのだ。

渚は葉子に誘われ、獅穂と3人で祭に参加するつもりであった。
朝陽は同じく葉子に誘われ、岡田たちと祭に参加するつもりであった。
しかし、実際は誰も来ない。

そう―――朝陽と渚を結び付けようと葉子がセッティングしたのだ。
葉子の仕業であることを察した2人。

渚は気恥ずかしさから「帰ろう」と口にするが……。

「白神のことだから、たこ焼きとか食べながら祭を楽しんでいるに違いないよ」
朝陽は自身の経験に裏打ちされた推測を語り、折角だから祭を楽しみつつ葉子を探そうと提案する。

渚が浴衣を着ていたことで、彼女の祭への期待を察したのだろう。
正直、祭を体験してみたかった渚はこの提案を了承する。
朝陽がその想い人である葉子のことを良く知っているのだなぁ……と胸に痛みを抱えつつ。

一方、当の葉子は朝陽の予想通り祭の中に居た。
しかも、朝陽と渚の様子をこっそり隠れて窺っていたのである。
もちろん、手には朝陽の予想通りたこ焼きを持って。

朝陽の予想に「失礼な!!」と憤慨しつつ、朝陽と渚の仲を取り持とうとする葉子。
そして、これに付き合う獅穂。
(あんたが良いなら構わないけど……)
獅穂は心中に不安を抱えつつ、葉子を見守る。

こうして、先を行く朝陽と渚、これを尾行する葉子と獅穂との構図に。

先日の告白の一件(25話参照)があり、未だぎこちない朝陽と渚。
あの後、渚は告白について慌てて否定し取り繕ったようだ。
冗談だったのかな……と思う朝陽。
渚はと言えば、みかんから真相(フクちゃんの存在)を明かしても良いとお墨付きを貰ったものの、何故か明かす気がしなかったのである。

緊張している渚を見かねた朝陽は自身も緊張しているにも関わらずエスコートを開始。
まずは、軍人である渚に馴染みの深い射的の屋台に挑むことに。

流石は軍人。
渚はあっさりと的にコルクの弾を当てるが……景品が棚から落ちない。
結果、無効になってしまった。

理不尽な!!
憤る渚だが、これが縁日ルールである。

次いで、輪投げに挑むが……これまた輪が地面に着かない為に無効。

こうして、存分に縁日ルールの洗礼を浴びた渚。
母星にはこういった催しがないとのことで、朝陽と2人で満喫する。

そんな2人の様子を影ながら眺めつづける葉子と獅穂。
葉子は胸を押さえつつ「神社も駄目みたい。胸がキューッてなる」と呟く。
その意味に気付かない葉子に「本当にこの娘は……」と頭を抱える獅穂。

一方、朝陽は次に渚にどんな屋台を紹介するか考え込んでいた。
カタヌキにしようか……などと思い悩む朝陽を見た渚。
自分の為に考え込む朝陽を見て、胸を弾ませてしまう。

(これでは、これでは……まるでデートではないか!!)

ふと気づいた渚は慌てて浮かれた思考を切り替えるべく、頭を冷やせるようにアイスクリームを買おうとするが……。

屋台のオヤジに「おや、恋人かい?」と声をかけられ動揺してしまう。
さらに、食欲に釣られアイスクリーム欲しさに出て来た葉子を発見し……。

「ち、違うんだ白神」
慌てた拍子に身体のバランスを崩して、アイスを両手にしたまま盛大に朝陽へとダイブを敢行することに。

「え〜〜〜と、今どうなってるのかな」
そんな朝陽の声に、渚が見上げれば目の前には朝陽の顔。
そう、此処は朝陽の胸の中。

当の朝陽の目にはアイスクリームが2つ、ご丁寧に突き刺さっている。
これでは前は見えないだろう。

「大丈夫?」
そんな状態でも渚の安否を気遣う朝陽。
そして、渚は……。

(いい加減認めよう!私は……)

遂に朝陽への恋心を認識するのであった。

そんな渚の様子を目にした獅穂。
おや、これは……と驚きに目を見張る。
今回ばかりは葉子の早合点ではないと分かったからだ。

そして……。

(だから、言わんこっちゃない)
獅穂の視線の先、朝陽と渚を見詰める葉子の表情は泣き笑いになっていた―――27話に続く。

<感想>

「週刊少年チャンピオン」にて「さくらDISCORD」を連載されていた増田英二先生の新作。
「さくらDISCORD」は未読の管理人ですが、1話を読んで注目している作品です。
コミックス1巻も重版出来とのことで、目出度い。
2巻も発売予定で、表紙は委員長こと渚ですよ!!
そして、本作かなり面白い!!

その26話。
新キャラ(?)眼鏡のフクちゃん登場でさらなる盛り上がりを見せる「実は私は」。
公式ツイッターによれば「あのトム・クルーズも面白いとツイートした話題の作品」とのことで目が離せない。
しかも、これがニュースになり、テレビ朝日さんの「やじうまワイド」でも取り上げられたとのことで、勢いは止まりません。

その勢いを活かした前回、からの〜〜〜今回のこの展開に多くの読者が驚愕したことでしょう!!
遂に渚が朝陽への恋心を認めました。
それと呼応するように、葉子もまた無意識に朝陽への恋心を認識した様子。

これで、恋のトライアングルが成立してしまいました。

朝陽にとっては「過去にフラれた相手で今は友人の渚」と「今は欠かせない存在となりつつある葉子」。
葉子にとっては「恩人と思いつつ、実は恋愛対象であった朝陽」と「親友とでも言うべき渚」。
渚にとっては「過去にふった朝陽」と「親友と認めている葉子」。

「朝陽は葉子が好き」だが、葉子には気付いて貰えないと思っている。
「葉子は朝陽が好き」だが、明確に認識できていない。また、朝陽は渚が好きだと思い込んでいる。
「渚は朝陽が好き」だが、朝陽が葉子のことが好きなことを知っている。また、葉子には友情がある。

くは〜〜〜っ、複雑になって来た。
これにみかんが加われば、さらに複雑化は必至か。
この作品、本当に面白い!!
次回がどうなるのかが気になって仕方なく、本当に楽しみ!!

そう言えば、コミックス2巻も発売予定。
表紙は1巻の葉子に続き、渚です。
これだと3巻は獅穂、4巻は茜の順かな?
みかんは後半の切り札か。

ちなみに、上記のあらすじは本作の魅力を伝えられるよう改変を加えてまとめていますが、その面白さを伝えきれていません。
やっぱり、あの絵とコマ割りなどのテンポあっての本作。
是非、「週刊少年チャンピオン」本誌を読んで欲しい。

もう1度繰り返しましょう。
本作に興味を持たれた方には、是非、「週刊少年チャンピオン」本誌を捜して読んで欲しい。
最近の「週刊少年チャンピオン」は「名探偵マーニー」や本作など本当に粒揃いでクオリティが高い作品が多い。
注目の雑誌の1つと言えるでしょう。

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「実は私は(1) (少年チャンピオン・コミックス)」です!!
実は私は(1) (少年チャンピオン・コミックス)





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実は私は(1)





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