2013年08月14日

「激流〜私を憶えていますか?〜」最終話(8話)「友への誓い」(8月6日放送)ネタバレ批評(レビュー)

「激流〜私を憶えていますか?〜」最終話(8話)「友への誓い」(8月13日放送)ネタバレ批評(レビュー)です。

<あらすじ>

メールを受け取った圭子(田中麗奈)たちは、冬葉の母・裕子(田中美佐子)に話すかどうか悩む。そんな折、貴子(国仲涼子)の娘・華ちゃん(小林星蘭)の行方がわからなくなり、東萩(桐谷健太)たちが捜索。美弥(ともさかりえ)の弟・研二(高橋一生)が連れ出していたのを見つけ問いただすと、研二は――。
(公式HPより)


では、続きから(一部、重複アリ)……

・前回のあらすじはこちら。
「激流〜私を憶えていますか?〜」第7話「悪女の告白」(8月6日放送)ネタバレ批評(レビュー)

佳奈子の告白は圭子たち5人を驚かせるモノであった。
なんと、冬葉は20年前の5月25日時点で既に死亡していたと言うのだ。
しかも、その遺体は佳奈子が埋めたらしい。

矢先、貴子の娘・華が美弥の弟・研二に連れ出され居なくなってしまう。
必死に2人を探す圭子たち。

遂に見つけた研二は意外な事実を明かす。
冬葉メールを送信していたのは研二であった。
研二は個人的に美弥の事を恨んでおり、さらに冬葉を忘れた圭子たちが許せなかったそうだ。

研二は、それぞれのメールアドレスを入手した。
圭子のアドレスは美弥のPCから。
貴子のアドレスは裕子から聞いたらしい。

研二は裕子と再会し、裕子が何かしようとしていると察しそれを代わりに自分がすると引き受けた。
そして、冬葉メールを送り付けたのだ。
つまり、冬葉メールの首謀者は裕子だったことになる。

裕子を訪ねた圭子たち。
裕子は「お前らが妬ましかった」と罵声を浴びせる。
冬葉のことを忘れた5人を許せなかったらしい。
すべては冬葉の居ない卒業式から始まっていたのだ。
ずっとずっと裕子は圭子たち5人を憎んでいたのだ。

常に復讐を目論んでいた裕子。
貴子に嫉妬していたママ友を煽り復讐した。
鯖島のストーカーも裕子が煽り立てた。
貴子の夫が大林を殺害したのも、裕子が仕組んだことであった。

裕子は「ちょっと背中を押したら勝手に彼らがやったのよ」と言い募る。
反発する鯖島だが「お前らはやられて当然だ」と罵られた上に「」

其処へ佳奈子が現れる。
佳奈子は裕子に、冬葉の件について謝罪。

そんな佳奈子に裕子は「冬葉を返せ」と掴みかかる。
一方、佳奈子は「あなたたちが冬葉さんを裏切ったから!!」と応じる。

「そんなことしても、冬葉は帰って来ない!!」
2人を引き離す圭子。
圭子は「冬葉を探しましょう」と裕子に促す。

後日、佳奈子の供述に従い冬葉の遺体が捜索された。
20年の時の流れにより、地形が変わり捜索は困難を極めたが遂に発見に成功する。

「ただいま。ごめんね。心配かけて」
そのとき、冬葉の声を聞く圭子たち。

佳奈子は時効の成立により罪に問われることは無かった。
旭村への取り調べは未だに続いている。

圭子たちは20年後も親友であり続けることを約し、それぞれ新生活を踏み出した。

美弥は音楽と小説の修行をすることとなった。
貴子は夫を待ち続けるのだそうだ。
東萩はこれまで通り刑事の仕事を続けている。
鯖島は銀行を辞め、海外にある外資系企業に再就職することになった。

そして、圭子は―――

原稿紛失事件の真犯人が判明し、副編集長となった。

冬葉の想い出を胸に、それぞれがそれぞれの道を行く―――エンド。

<感想>

ドラマ原作は柴田よしき先生『激流』。
過去にネタバレ書評(レビュー)していますね。

『激流』(柴田よしき著、徳間書店刊)ネタバレ書評(レビュー)

そのドラマ化「激流〜私を憶えていますか?〜」も遂に最終回。
振り返ってみると、イロイロな意味で○○作だったなぁ……。
(○○の中には「話題」「問題」など、好きな言葉を入れてね!!)

ちなみに、研二が華を連れ出すことに何の意味があったのだろうか。
しかも、あのシーンだけでその後のフォローもないし。
研二、ひょっとしてメールアドレスの取得先を合理的に説明する為だけの存在だったのでは……。
ふっとそんな妄想が過ったが、きっと気の所為なのだろう。

冬葉メールの真犯人は、研二であり裕子でした。
確かに原作既読者にとっては意外な犯人。
ただ、これで原作と異なり旭村を生存させた理由が本当に分からなくなった……。

そして、裕子は恨む相手を間違えているよなぁ……。
復讐するなら旭村と佳奈子だろうに。
もっとも、冬葉の失踪に旭村と佳奈子が関わっていることを知らなかったんだろうけど。

でもなぁ……旭村に呼び出された先で冬葉が消えているんだから関連付けて考えることも不可能ではないとおも思うが……。
特に、事件後の旭村の反応(別れたくないと主張していたが、あっさり別れた)からは容易に察することも出来たのではないか?
此処は気になるなぁ……。

そう言えば、原作での佳奈子の黒幕ポジションを裕子が担当したことになるのか……。
この変更は人によって賛否が分かれそうなところかな。
個人的には、佳奈子が黒幕の方が良かった気がした。

そして、割と貴子が冷静過ぎて怖い。
佳奈子や裕子に比して、もっと取り乱してもいいと思うんだけど。

冬葉発見時、裕子は夫と同行しているんだけど、ドラマ版は夫居なかったなぁ……。

結局、身勝手な大人たちの行動が、5人の10代の少年少女を狂わせたんだよなぁ……。
ある意味、湊かなえ先生『贖罪』に似たようなところがあるんだけど、あちらは当の本人が自身の行いに気付くフォローがあるからなぁ。
『激流』の方が罪深いな。

『贖罪』(湊かなえ著、東京創元社刊)ネタバレ書評(レビュー)

特に、佳奈子の八つ当たり気味な発言が浮き彫りに。
「20年、冬葉を気にかけていた!!」って言っても埋めてちゃなぁ……そりゃ、気にかけるよ。
むしろ、それで気に留めていなかったら恐ろしいよ。

とはいえ、それでいて冬葉メールの主ではなくなってしまったので原作に比較すると存在意義が薄くなったなぁ。
原作からの改変で一番割を喰ったのは佳奈子だった気がします。
原作のあれはあれで憎悪と身勝手の権化的なキャラとして成立していたのになぁ……。

でもって、ドラマを視てて気付いたんだけど、『激流』って「イヤミス(人間の負の感情を取扱い、読後感の悪い嫌なミステリの略)」だったんだなぁ……。
ジェットコースターサスペンスとして認識していたから新鮮な気持ちになった。
同様の作品を探されている方は、湊かなえ先生や真梨幸子先生の作品がオススメです。
本ブログにも幾つかネタバレ書評(レビュー)している筈なので、良ければ肌に合うか目安にしてみては!?

さて、ドラマ版「激流」。
どちらかと言うと「結論ありきで物語が進んでいる印象」でした。
正直、どう展開するか全く分からなかった原作『激流』の方がらしい気もする。
何より、ドラマ版はこれまでの展開に比べるとラストが「取り敢えず前向きな形」にしただけな感じもするし。
少なくとも、これまでの物語を受けてのラストという感想は出て来ない。

とはいえ、これまで8週間ドキドキさせて貰ったことは事実。
これで終わりと思うと寂しいですね。

◆関連過去記事
『激流』(柴田よしき著、徳間書店刊)ネタバレ書評(レビュー)

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