この記事は番組内容を文字で起こした物になります。
当然、内容についてネタバレがあります。未視聴の方は注意!!
22時55分、放送スタート!!
暗闇の中に顔の半分をマスクで覆い隠したタキシード姿の人物(西村雅彦さん)が浮かぶ。
彼は自身をミステリーマスターと名乗ると彼の名探偵の言葉を口にする。
「彼の名探偵シャーロック・ホームズはこう言った。見るべき物を見ないから見落とすのさ」
それと同時に、光に照らし出されたのはビビる大木さん、やくみつるさん、春香クリスティーンさんの3人。
3人は謎の箱の中に閉じ込められている。
脱出する為にはミステリーマスターからの問いに答えなければならないらしい。
そんな中で第1問。
ある女性が殺害された。
犯行現場の写真を見て容疑者3人の中から犯人を推理せよ。
被害者の女性の前には鏡が立っており、血文字で「シシ」と縦に書かれていたが……。
容疑者は次の3人。
被害者の義兄・宍戸。
友人の小杉。
上司の浅沼。
さて誰が犯人だ!?
この問いに対し。
大木さんと春香さんは「シシなので宍戸」と解答。
これに、やくさんが「シシはサンズイなので浅沼」と解答。
さて、正解は―――犯人は浅沼であった。
「シシ」はサンズイだったのだ。
被害者が「浅沼」と遺したことを目撃し、宍戸に罪を着せようと浅沼が工作したのであった。
こうして、やくさんが正解しご褒美の「さくらんぼ」をゲットした。
続いて普及の名作ことクラシックミステリーよりの出題。
まずは、松本清張『眼の壁』より。
山の中で死体が発見された。
被害者は餓死しており、登山中の遭難と思われた。
だが、これは犯人の仕掛けた罠であった。
犯人は2つのトリックを仕掛けていたのだ。
まず、遺体に登山用の装備を着させること。
そして、もう1つは生きているうちに仕掛けられていた。
このもう1つのトリックとは何か!?
ヒント:山で遭難すると何をするか。
これに対し解答者は―――。
大木さん:数日間食事を摂らせない。
春香さん:数日間食事を摂らせない。
やくさん:野草や木の実を食べさせた。
以上のように、大木さん、春香さんの2人とやくさんの間で答えが正反対に。
果たして真相は!?
そして明かされた解答は「山で採れる果物を食べさせた」であった。
山中での遭難を不自然にしない為の工作だったのだ。
こうして、やくさんは「ろうそく」をゲット!!
続いてもクラシックミステリー。
出題はE・ジュプスン、R・ユーティス『茶の葉』より。
サウナの一室で男性が胸を刺されて殺害された。
被害者の傍には空の魔法瓶が転がっていた。
容疑者として浮上したのは、被害者と犬猿の仲の人物であった。
しかし、凶器が見つからない。
しかも、被害者は自殺であった。
刺し傷から茶の葉が検出されたのが決め手であった。
被害者はどうやって自殺したのか?
ヒント:サウナの中はどうなっているか。
解答は次の通り。
大木さん:サウナの石を凶器にした。
春香さん:氷を凶器に使った。
やくさん:氷を凶器に使った。
真相:魔法瓶に氷を凶器として忍ばせていた。
これを用い自殺したのだが、普段から魔法瓶にお茶を入れておりその茶葉でバレたのだ。
こうして、春香さんとやくさんが「チーズ」をゲット!!
続いて「ミステリーキューブ」オリジナル問題。
これは再現ドラマ。
2人の男が見合っている。
「生き残った方がスミレと結婚する」と宣言した男たちはグラスに手を伸ばす。
そして、2人同時に飲み干すなり苦しみ出した。
「騙したな……」と恨み言を述べつつ絶命する2人だが……。
此処でタイトル「ジャンケンする死体」。
刑事役の中原丈雄さんが登場。
現場には3人の被害者が倒れ込んでいた。
不思議なことにそれぞれがジャンケンの手を出し合っていたのである。
まず、冒頭で毒杯により死亡した2人。
グーを出しているのは小説家の沼田。
パーを出しているのは宝石商の深井。
そして、チョキを出しているのは大石スミレだ。
スミレはクラブのナンバーワンホステス。
沼田の愛人であり、恋人の居る深井とも交際していた。
2股である。
後輩刑事の報告によると、スミレだけ死亡時刻が異なっていたらしい。
沼田と深井の死亡推定時刻は午後6時、スミレだけは10時間後の午前4時だったそうだ。
直後に容疑者が3人浮上した。
まず、沼田の妻である沼田愛子。
次に深井の恋人である浅見瞳。
弟がスミレの婚約者であったがスミレにフラれ自殺していた石神信太郎。
後輩刑事はジャンケンがダイイングメッセージと推測。
スミレがチョキだったことから「HASAMI→H.ASAMI」で「浅見瞳」説を唱える。
だが、中原刑事によれば別の理由があるらしい。
此処で解答者が解答。
やくさん:状況があいこだから沼田愛子。
大木さん:状況があいこだから沼田愛子。
春香さん:沼田と深井はグーとパー、つまり石と紙。だから石神。
解答編に突入。
ポイントは3人の死亡時刻のズレにあった。
後で死亡したスミレは犯人による工作だったのである。
沼田と深井は死の間際に犯人の名を遺した。
「グーとパー」つまり「石と紙」だから、石神なのだ。
石神はスミレへの復讐の機会を伺っており、沼田と深井を利用しようと思い立つ。
其処で、スミレを賭けた決闘を2人に誘導した。
そして、2人を先に殺害するとスミレをも殺した。
だが、沼田と深井の手により自分を示していることを知った。
死後硬直で手を変えることは出来ない。
其処でスミレを加え捜査攪乱を狙ったのだ。
正解者である春香さんが「猫の置物」をゲット!!
此処で脱出を賭けた最後の関門が。
「ABCと書かれた3枚のカードのうち、正しい1枚を選べ」とのもの。
ヒントはこれまでのご褒美にあるらしい。
ご褒美の内容は「さくらんぼ、ろうそく、チーズ、猫の置物」の4つだが……。
しかし、このご褒美の内容は正解者本人しか知らないのだ。
つまり、3人が得たヒントの量は次のようになる。
大木さん:なし
やくさん:さくらんぼ、ろうそく、チーズ
春香さん:チーズ、猫の置物。
此処で最終ヒント「アタマを使え」。
大木さんが困惑する中、やくさんと春香さんが大きく頷く。
その結果は!?
大木さんは「B」のカードを選択。
一方、やくさんと春香さんは「C」のカードを選択。
脱出出来たのはやくさんと春香さんであった。
英語にするとご褒美の品物は頭文字がすべて「C」となるのだ。
こうして、第1回「ミステリーキューブ」は終わりを告げるのであった―――23時20分エンド。
<感想>
本当にクイズだけだったなぁ……もう少しドラマもあると思ったんだけど。
正直、同局の「ミステリーハウス〜名探偵はあなた!?〜」に流行の「脱出ゲーム」テイスト(間違っても「脱出ゲーム」そのものではない)を加えただけだったかなぁ……。
その追加部分である脱出部分も割とおざなりだった印象。
特に脱出できないことに対して何らのペナルティも課されていないので、視聴者の中で脱出への危機感も感じられ無いし。
ある意味、淡々と視聴は出来た。
ただ、「なんか違う」とだけ言いたい。
それと、4問中2問がダイイイングメッセージネタなのも閉口。
ダイイングメッセージネタは恣意的に過ぎるから、どうとでもなるし避けるべきだろうになぁ……。
問1からして宍戸で駄目な理由がないものなぁ……。
普通に書きかけで絶命いたのかもしれないじゃん。
そもそも工作うんぬん言い出したら、瀕死の被害者が「浅沼」と漢字で書いたこと自体が不自然だし。
それこそ犯人の工作が疑われるし。
問4のジャンケンも愛子の方が自然だろうに。
1人で石神を示す為に「両手でグーとパー」ならまだ分かるけど、2人で打ち合わせも無しであれを理解するのは無理だろう。
幾ら沼田に推理小説家の設定があっても、深井は宝石商なんだし。
あれだったら、偶然沼田と深井が出していた「グーとパー」にスミレが「チョキ」を添えて「愛子」を示した可能性も消去できないだろうし。
後出しの方が状況を整理できるのは事実なんだし。
なんだかなぁ……モヤモヤした。
まぁ、あくまでクイズ形式だから仕方が無いのかなぁ……。
この「ダイイングメッセージ問題」については、東野圭吾先生『名探偵の掟』や麻耶雄嵩先生の短編『氷山の一角』などでも様々な切り口で触れられているので興味のある方は是非!!
・『氷山の一角』(麻耶雄嵩著、角川書店刊『赤に捧げる殺意』収録)ネタバレ書評(レビュー)
残る第2問と第3問ですが、それぞれ原作がある作品からの出題。
まず第2問が『眼の壁』(新潮社刊)。
次に第3問が『茶の葉』(東京創元社刊『世界短編傑作集3』収録)。
それぞれ興味のある方は本記事下部にアマゾンさんへのリンクを用意したのでどうぞ!!
それと、この内容だと放送時間も不適切かなぁ。
これなら家族でワイワイ言いながら視ることも出来たと思う。
だったら、19時や20時代の方が適していた気もする。
深夜に向けて放送するなら、問題内容をもっと先鋭化させるべきだったかなと思った。
とはいえ、本作はおそらくテストとしての放送の筈。
今回の反響を受けてレギュラー放送になった暁には是非、ミステリ者から万全の支持を得られる作品にして欲しい。
いや、なったらイイなぁ……と思う。
期待が大きいからこその辛口レビューなのです!!
そう言えば、予告にあった「ホームズと刑事コロンボ」は何処に消えたのだろうか。
これが「ミステリーキューブ」最大の謎だったりする。
ちなみに下記がそれ。
<あらすじ>
密室に閉じ込められ、出された問題を解かないと脱出できないという、新感覚推理ショー。出題されるのは、シャーロック・ホームズ、刑事コロンボ、松本清張作品など、古今東西のミステリー作品の「肝」となる部分を取り出したもの。一つ謎を解決するたびに、最後に脱出するためのヒントを手にすることができる。試されるのは推理力、直感力、注意力。先入観にとらわれずに見抜く力が必要だ。出演は西村雅彦ほか。
(@nifty tv番組表より)
そして「ミステリーキューブ」と言えば思い出すのは「キュボロ社」の玩具。
スチール製の玉が引力に反発しつつ、下から上へと進む玩具です。
まさに、こちらもミステリー!?
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『眼の壁』『茶の葉』のトリックも確かに超有名ではありますが、あまりにも前後を省き過ぎているので本当にそれが唯一無二の解答か?と言われると微妙でした。
最後のクイズに至っては「直接恨みのない人を二人も殺すのはリスクがありすぎるのでは」「明らかに自分を恨んでいる相手とワインなんか飲むか?」とツッコみ処がたくさんあって…
もう少しストーリーを上手く整理できたんじゃないかなあと思いました。
しかし、スタッフロールによると徳山諄一さんと新保博久さんが協力しているようです。『マジカル頭脳パワー!!』での「マジカルミステリー劇場」原案者のお二人だけに、せめて10分くらいのミステリードラマであればもっと面白くなったのかもしれませんね。
管理人様と同じく、1時間くらいのレギュラー放送を希望しています!
こんばんわ!!
管理人の“俺”です(^O^)/!!
いろいろと不満点が残る印象でしたね。
1問でも良いので、もっと丁寧に作り込んで貰った方が楽しめたかもしれません。
確かに「マジカルミステリー劇場」は短いながらも面白かったですよね。
あのレベルの作品なら文句なしだと思います。
不満点については回を重ねるごとに解消されることも可能な筈なので、まずはレギュラー化。
というワケで、是非レギュラー放送希望ですね(^O^)/!!