2013年09月22日

『弦楽器、打楽器とチェレスタのための殺人』第4話(麻耶雄嵩著、光文社刊『小説宝石』2013年9月号掲載)

『弦楽器、打楽器とチェレスタのための殺人』第4話(麻耶雄嵩著、光文社刊『小説宝石』2013年9月号掲載)ネタバレ書評(レビュー)です。

ネタバレあります、注意!!

<あらすじ>

名探偵・木更津悠也がバラバラ死体の謎に挑む!
待望の新連載スタート!!
(光文社公式HPより)


<感想>

木更津モノの最新作『弦楽器、打楽器とチェレスタのための殺人』連載4回目です。
掲載誌は『小説宝石』さん。

第3回終盤で明かされた葛子の死―――その詳細が判明。
木更津たちが注目しているのは「銅鑼」「鏡」「砕かれたダイヤ」……そして「ライト」。
明らかに第1の被害者・福住とは趣が異なった殺人のような気がしますね。
一方で「首を切断する」との点は共通の物だし……う〜〜〜ん、分からなくなってきたぞ。
必ず何かの意味がある筈なのですが……。

さらに木更津の慎重姿勢が読者の警戒心をも刺激しますね。
第1と第2の殺人は同一犯なのか、別人による犯行なのか?
また「探偵の推理すら犯人が利用する場合」について触れられていましたが、今回もそれに該当するのか。
もし、該当するのならば「容疑者たちが香月作品のファン」であることは見逃せないポイントか。

さらに「普愛寮(ファイ)」こと「黄金比」もポイントの様子。

現状のところ、管理人は村雲犯人説を取っていますが果たして正しいのか?
葛子殺害時、村雲は出張中でアリバイあり。
となると、葛子殺害は別人の犯行の可能性も残る!?

しかし、それでは面白くない。
此処で管理人はある大胆な仮説を述べて行きたく思います。

それは「木更津と香月が出会った葛子(第3回の彼女)が偽物だった」説。
管理人が注目したのはココ。

第4回時点で「木更津たちが葛子の顔を確認出来ていない」こと。
木更津たちは、第3回で葛子を名乗る人物と会話しています。
一方で、第4回では首は既に片付けられてしまっており、殺害された葛子の顔を確認出来ていません。
つまり「第3回で木更津たちが出会った葛子」と「第4回で死亡した葛子」が別人の可能性はないか!?
別人だとすればどうなるか?

もしも、葛子に愛人が居たとすれば福住の可能性はないか!?
もしかして、村雲は葛子と福住の浮気を知り2人を殺害してしまったのではないか!?
つまり、村雲が出張に出る前に、既に葛子は殺害されていたのではないか。
それを隠す為に朝霞たちが共謀し、偽の葛子を用意した。

その上で、木更津の推理を誤誘導するべく、彼好みの証拠品などを用意し意味ありげに偽装している。
なんとも『木製の王子』っぽい展開ではないか!!
どうだ!!

……と言いたいところなんだけど、福住殺害からかなりの期間が経過しているし葛子の遺体が維持出来ないんだよなぁ。
でも、個人的に葛子の顔を木更津たちが確認出来ていないのは意味がありそうなんだけど。

だとすると、此処は逆で。

「第3回で出会った葛子が本物、第4回の葛子の死体が偽物」なのか?
あるいは「両方とも偽物で、そもそも本物はいない」のか?
あああああああああああああああああああああああ、複雑化して来たぞ!!

待てよ、そう考えると木更津が葛子の顔を確認出来ていないこと自体が偶然の産物のような……。
だとすると、そもそも関係ないのか!?
あああああああああああああああああああああああ、複雑だ!!

とりあえず、福住殺害における村雲犯人説のロジックは下記過去記事をご覧頂くとして。

『弦楽器、打楽器とチェレスタのための殺人』第2話(麻耶雄嵩著、光文社刊『小説宝石』2013年1月号掲載)ネタバレ書評(レビュー)

タイトル『弦楽器、打楽器とチェレスタのための殺人』にも意味がある筈だが……。
これは第5話も目が離せそうにない。
如何なる結末が待つのか、期待大!!

<ネタバレあらすじ>

・登場人物一覧
木更津:名探偵。香月との関係は……。
香月:今回も香月らしい活躍を……。

村雲:今回の依頼人。
朝霞:村雲の娘、福住とは恋人同士。福住殺害の有力容疑者とされている。
葛子:村雲の後妻で朝霞の継母。第2の被害者に……。
梅昭:村雲の弟。
磐人:村雲の長男。朝霞の兄。
珠代:村雲家の家政婦。

福住:第1の被害者、朝霞の恋人。普愛寮の寮生。
日置:福住の友人。普愛寮の寮生。

岡野:福住の手首を発見したコンビニ店員。
西町恵:岡野の憧れの同僚、コンビニ店員。

〜〜〜前回までのあらすじ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

先輩・西町恵とコンビニのバイトをしていた岡野は切断された手首を発見する。
バラバラ殺人であった。

被害者は大学生・福住。
容疑者はその恋人・朝霞。

この事件に挑むのは木更津と香月。
だが、事件は木更津の頭脳を以てしても膠着状態に陥ってしまう。
果たして、依頼人・村雲の娘である朝霞の無実を証明することが出来るか?

矢先、朝霞の継母である葛子までもが謎の死を遂げてしまう……。

・前回のあらすじはこちら。
『弦楽器、打楽器とチェレスタのための殺人』第3話(麻耶雄嵩著、光文社刊『小説宝石』2013年4月号掲載)ネタバレ書評(レビュー)

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

木更津のもとに思わぬ報が届いた。
朝霞の継母である葛子が首を切断された状態で殺害されたのだ。
事件解決に乗り出しながら、第2の被害者を出してしまったことを悔いる木更津。

葛子の死体は離れ小屋で発見されていた。
既に首は片付けられていたが、銅鑼の上に乗せられていたと言う。
これを聞いた木更津は犯人の何らかのメッセージに違いないと呟く。
さらに、福住殺害と趣が異なることから、犯人側に何らかの事情が生じたのではないかと考えるが……。

ならば、同一犯なのか!?
だが、木更津は別人の犯行説も考慮しなければならないと慎重論を取る。
「犯人が探偵の推理法を知っていれば、それを利用して推理すら犯行に組み込まれる恐れがある」とまで述べるが……。

さらに、葛子の殺害現場には不審な点が幾つか残されていた。
まず、葛子がファンであった小説家が手掛けた作中人物を模して着用していた髪留めのダイヤが外され、粉々に砕かれていた。

次に、何者かが衣服を着せた痕跡(ボタンがずれていた)があった。
愛人と逢瀬を楽しんだ直後の殺害も疑われたが……。

そして、何故か念入りに鏡が割られていた。
これは故意なようだが―――。

木更津はダイヤを粉々に砕くことに意味がある筈と断言。
鏡について触れるやライトが、ライトが……と謎の言葉を口にする。

次いで木更津は容疑者に注目した。

当時、夫の村雲は海外出張中で留守。
娘の朝霞はショックを受けている様子。
村雲の弟である梅昭は遊び人らしいが、飄々としていて掴み所が無い。
村雲の長男で朝霞の兄・磐人は実務家の印象を受けるやり手。
家政婦の珠代は温厚そうな表情の女性である。
「普愛寮」の寮生たちも特に不審な様子はない。

葛子の死を悲しむ者は、村雲を除き誰1人として居ないようだ。
つまり、誰しもに犯行動機が存在しているのだ。
やはり容疑者を絞る手は無いのではないか……そう考える香月。
だが、木更津は「割れた鏡」と「ライト」に何かの意味を見出しているようで―――5話に続く。

【前回までのあらすじはこちら】
『弦楽器、打楽器とチェレスタのための殺人』第1話(麻耶雄嵩著、光文社刊『小説宝石』2012年10月号掲載)ネタバレ書評(レビュー)

『弦楽器、打楽器とチェレスタのための殺人』第2話(麻耶雄嵩著、光文社刊『小説宝石』2013年1月号掲載)ネタバレ書評(レビュー)

『弦楽器、打楽器とチェレスタのための殺人』第3話(麻耶雄嵩著、光文社刊『小説宝石』2013年4月号掲載)ネタバレ書評(レビュー)

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小説宝石 2013年 09月号 [雑誌]





第3話が掲載された「小説宝石 2013年 04月号 [雑誌]」です!!
小説宝石 2013年 04月号 [雑誌]





第2回が掲載された「小説宝石 2013年 01月号 [雑誌]」です!!
小説宝石 2013年 01月号 [雑誌]





連載が開始された「小説宝石 2012年 10月号 [雑誌]」です!!
小説宝石 2012年 10月号 [雑誌]





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