2013年09月06日

「実は私は」第30話「親父さんを知ろう!」(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

「実は私は」第30話「親父さんを知ろう!」(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)です。

ネタバレあります、注意!!

第30話登場人物一覧:
黒峰朝陽:主人公、通称「アナザル」。
白神葉子:朝陽の意中の人物。ある秘密が……。
紫々戸獅狼:葉子の幼馴染。彼もまたある秘密を……。
紫々戸獅穂:葉子の幼馴染。彼女もまたある秘密を……。

藍澤渚:クラス委員長。彼女にも秘密が……。
藍澤涼:渚の兄、意外な形で登場することに……。
紅本茜:紅本の親族らしい。彼女にも秘密が……。
紅本明里:教師。
朱美みかん:朝陽の幼馴染。新聞部所属。通称「オレンジ」。
岡田:朝陽の友人の1人。通称・岡。眼鏡が特徴。割と友人想いの様子。
嶋田:朝陽の友人の1人。通称・嶋。軽い。
桜田:朝陽の友人の1人。通称・サクラ。渋い。
フクちゃん:「福の神見習い」を名乗る眼鏡。
朝陽の父:朝陽の家族。22話に初登場。
朝陽の母:朝陽の家族。22話に初登場。
朝陽の妹:朝陽の家族。22話、28話に登場。
葉子の父:吸血鬼。額に十字傷を抱く巨人。

<ネタバレあらすじ>

〜〜〜これまでのあらすじ〜〜〜〜

「アナザル」こと「絶対に秘密を守れない男」黒崎朝陽は憧れのヒロイン・白神葉子の秘密を知ってしまった。
その秘密とは「白神葉子がハーフの吸血鬼である」こと。
朝陽は葉子の為に、この秘密を守らねばならない―――。
取り巻く人々を相手に、朝陽は秘密を守り抜くことが出来るのか?

矢先、実は宇宙人であった委員長・渚、狼男で肉食系女子な獅穂、悪魔っ娘の茜も加わって……。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

キャンプの目的地は、葉子の実家・白神家前の河川敷!?
そんなサプライズで幕を閉じた前回(29話)。

「実は私は」第29話「新車に乗ろう!」(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

続く今回は……。

普段に比較して明らかに様子のおかしい葉子。
その視線の先には……白神家、そして彼女の両親が立っていた。

誠実そうな母、その隣には威厳たっぷりの父。
心なしか、朝陽の目には葉子父が大きく見えた。
いや……実際、大きい。
建物に負けず劣らず大きい。
そして、額に傷を持っていらっしゃる。
到底、葉子の父とは思えないほどの威圧感を醸し出している。
まるで、何処かの大魔王のようだ。

「断りもなく帰って来るとは……」
葉子の父が口を開く。
どうやら、葉子の急な帰省を快く思っていたいのか?
一方、葉子は反発心を孕んだ目で父を見遣る。

まさに、一触即発。
意外なシリアス展開に息を呑む朝陽。
ところが、この空気を一変させる言葉が飛び出す。

「いえ、帰って来てませんよ。あの子は自宅前にキャンプしに来ただけです」
発言者は葉子母。
これに葉子父はあからさまに取り乱す。
どうやら、妻から何も聞かされていなかったようだ。

「えっ、あれ、あっ……」
狼狽える葉子父を尻目に、葉子母はにこやかに朝陽たちに挨拶。
これに茜や明里らが礼を述べ、キャンプ道具を受け取ることに。

この間、葉子父は何かを必死に語っているが、誰も聞こうとしない。
なんだか可哀想になって来る朝陽。
だが結局、誰1人して葉子父の言葉に耳を傾ける者はなく、そのままキャンプの準備が始まってしまった。

数分後、テントの設営に勤しむ朝陽たち。
だが、朝陽の表情は硬い。

その原因は数十メートル離れた先、小川に釣竿を垂らす人物にあった。
そう、葉子父だ。

適度な無視を喰らった葉子父。
何故か、先程からああして釣りを始めてしまった。
だが、顔は明らかにこちらを向いている。
狙いが釣りではなく、葉子たちにあるのは明白であった。

葉子の正体が他の人物に知られていないかを確認するつもりなのだ―――警戒心を抱く朝陽。
もしも、朝陽が葉子の正体を知っているとバレれば、葉子は連れ戻されてしまうに違いない。

そんな朝陽の心を読み取ったのか、渚もまた朝陽に警戒を促す。
何としても、葉子の正体を知っていることは隠し通そう、と。
ところが!!

「な〜〜〜んだ、藍沢さんも葉子の正体知ってたんだね」
獅穂が渚の発言を聞いていたのだ。
これに「なんて迂闊なんだ〜〜〜」と反省会を開く渚。
あっさり、洩らしてしまったからだ。
聞かれたのが獅穂だから良かったものの、そうでなければ……。

がっくりと落ち込む渚だが、危機が去ったワケではない。
獅穂は葉子自身に正体を知られていることがバレないよう注意を促すべく、それとなく耳打ちするが……。

バサッ!!

驚きのあまり、異音と共に葉子の背中から羽が飛び出した。
咄嗟に目を逸らす朝陽と渚。
以後、この調子で葉子自身のミスで正体が発覚しそうになるたびに必死の回避が続けられることとなった……。

そして、料理も準備が整った頃。
ふと、朝陽は思った。
こうして、こそこそと葉子父に怯えながらキャンプするのは違うのではないか、と。

思い切った朝陽は勇気を振り絞って葉子父に直談判に。
こちらを眺めていますが、一体、どうされたんですか……と問いかけたところ。
思いも寄らぬ返答が!!

娘である葉子たち女性グループに男である朝陽が混ざっているのが納得いかないと言うのだ!!
さらに、今晩寝る際に娘と同じテントで寝る気なのかとまで問い質す。

え……。

其処までまったく考えていなかった朝陽。
おそるおそる明里に問うと……。

「ああ、こいつだけテント外に寝袋で寝させますんで」と明るい返事。
「それでも不安なら、寝袋ごと縛っておきましょうか」とまで言い出す。

「まさか、そんな……」
対照的に暗く落ち込む朝陽は助けてくれる仲間を探すが……。
葉子も渚も目を背けてしまう。

「じゃあ、家に泊まって行きなさい」
この状態を見かねたのか、葉子母が助け舟を出す。
だが、白神家に宿泊するということは、朝陽を敵視する葉子父と屋根を同じくするものだ。
それはそれは……気苦労が絶えないものだろう。

それは葉子父も同じらしく、妻の提案に反発するが。

「じゃあ、葉子と同じテントに泊まって貰う?」
この一言で朝陽の運命は決まった、本人の意志に関係なく。
朝陽は巨人……葉子父に肩から担がれるとそのまま荷物のように連れて行かれるのであった。

そんな朝陽を伏し目がちに見送る一同―――31話に続く。

<感想>

「週刊少年チャンピオン」にて「さくらDISCORD」を連載されていた増田英二先生の新作。
「さくらDISCORD」は未読の管理人ですが、1話を読んで注目している作品です。
コミックス1巻も重版出来とのことで、目出度い。
2巻も2013年8月8日に発売されました、表紙は委員長こと渚ですよ!!
そして、本作かなり面白い!!

その30話。
前回が紅本一族メイン回だったのに対し、今回は白神家メイン回。
葉子は父親似なんだなぁ……と再確認。
そして、葉子母はしっかり者ポジション。
しかも、なかなかの策士ぶりを見せる。

葉子母は葉子父と違い、朝陽が葉子の正体を知っていることを分かっている感じか。
どうやら、茜と葉子母の狙いは朝陽のお披露目か。
同時に、その人物が葉子を任せるに足るか確認している模様。
その上で白神家内一泊まで進展したということは、葉子母的には朝陽は一次試験合格を果たしているのだろう。
勇気を振り絞り葉子父に声をかけたのが良かったようだ。

やっぱり、策士だなぁ……。
葉子父を支える葉子母。
これに対し葉子を支えるのは朝陽。
いつか朝陽もあの域に達する日が来るのだろうか。

とはいえ、ひとまずは白神家預かりとなった朝陽。
次回は白神家の内情が判明する筈。
そんな中、朝陽は葉子の恋人としてポジションを確保出来るか。
でも、そもそも朝陽と葉子は交際にまで至ってもいないんだよなぁ。
やっぱり、今回は「学友として認める」で終わってしまうのだろうか。
次回にも期待!!

そう言えば、コミックス2巻が発売されていますね。
表紙は1巻の葉子に続き、渚です。
これだと3巻は獅穂、4巻は茜の順かな?
みかんは後半の切り札か。

ちなみに、上記のあらすじは本作の魅力を伝えられるよう改変を加えてまとめていますが、その面白さを伝えきれていません。
やっぱり、あの絵とコマ割りなどのテンポあっての本作。
是非、「週刊少年チャンピオン」本誌を読んで欲しい。

もう1度繰り返しましょう。
本作に興味を持たれた方には、是非、「週刊少年チャンピオン」本誌を捜して読んで欲しい。
最近の「週刊少年チャンピオン」は「名探偵マーニー」や本作など本当に粒揃いでクオリティが高い作品が多い。
注目の雑誌の1つと言えるでしょう。

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「実は私は(1) (少年チャンピオン・コミックス)」です!!
実は私は(1) (少年チャンピオン・コミックス)





こちらはキンドル版「実は私は(1)」です!!
実は私は(1)





「実は私は(2) (少年チャンピオン・コミックス)」です!!
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