2013年09月19日

水曜ミステリー9「新・犯罪交渉人 百合子 伝説の交渉人が再び緊迫現場へ…11人拘束バスジャック犯との闘い!人質から意外な突破口?家族再生の道(再びの現場へ…拳銃発砲バスジャック事件人質を救出する奇妙な方策とは?被害者の心の闇が事件の発端…)」(9月18日放送)ネタバレ批評(レビュー)

水曜ミステリー9「新・犯罪交渉人 百合子 伝説の交渉人が再び緊迫現場へ…11人拘束バスジャック犯との闘い!人質から意外な突破口?家族再生の道(再びの現場へ…拳銃発砲バスジャック事件人質を救出する奇妙な方策とは?被害者の心の闇が事件の発端…)」(9月18日放送)ネタバレ批評(レビュー)です!!

<あらすじ>

警視庁の元・犯罪交渉人である野々村百合子(市原悦子)は現役を引退し海辺で一人暮らしをしている。近所に暮らす栗原祐一(宝田明)に好意を寄せられ、毎日のようにバラの花束を贈られることに少々困惑している。
話し相手は病院勤務の五十嵐敏子(濱田マリ)で、百合子の家にときどき訪ねてきてはお茶を飲みながらおしゃべりをしていく。

そんなある日、バスジャック事件が起きる。警官に拳銃を発砲しバスをハイジャックした木下賢太(金山一彦)は別れた妻・杉山京子(赤間麻里子)を連れてくるように請求するが、京子は関わりたくないと拒絶していた。事件を知った敏子から息子が事件の人質になっているので助けてほしいと頼まれた百合子は現場へ向かう。
すると、やじ馬の中にいた小寺薫(有森也実)からも夫の小寺拓(正名僕蔵)が人質になっているかもしれない、小寺は柔道経験者でバタフライナイフを所持しているはずだと聞かされる。百合子は後輩の警視庁捜査一課SIT交渉班の向井真知子(岩崎ひろみ)のアドバイザーとして交渉にあたることになるが、興奮した木下は聞く耳を持たない。そんな中、百合子が投げかけた言葉に動揺したところを小寺がナイフと体当たりでねじ伏せ、バスジャック事件は終わりを告げる。
マスコミの報道で、小寺はハイジャック犯を捕まえたヒーローとして一躍有名になるが、銃刀法違反となるナイフを所持していたことは秘密にされることに。小寺の活躍は勤務先の社長・啓子(長谷直美)も喜び、小寺に新しい店を任せるなど、これまでとは態度や待遇ががらりと変わる。その変化に薫は不安を隠せない。

一方、人質の中に息子がいるとうそをついた敏子が気になる百合子は理由を尋ねるが、はぐらかされてしまう。
ところが後日、敏子と薫が2人で会っているところを目撃してしまう。百合子は二人が知り合いだったことに驚く。
さらに真知子から拓がナイフを持っていた理由がわかったと報告を受けた百合子は、現場で出会った薫の言葉を思い出し、まだ事件は終わっていないのではないかと考える。
(水曜ミステリー9公式HPより)


では、続きから(一部、重複アリ)……。

10年前、幼稚園児の列にトラックが突っ込んだ。
原因はトラック運転手の居眠り。
「止めて、来ないで!!」
女教師の悲鳴が上がる中、勢いをつけて突っ込んだトラックは3人の子供の命を奪った……。

そして現在。
交渉人として現役を引退してから10年が経過した百合子。
彼女に家族は居ない。
だが、バラの紳士こと栗原祐一や知人の五十嵐敏子に囲まれ、寂しさを癒されていた。

そんなある日、木下賢太は千葉に住む別れた妻・杉山京子に電話で復縁を迫るが断られていた。
木下と京子は5歳の息子を事故で失ったことをきっかけに心が離れたのだ。
何度となく復縁を迫る木下だが京子にその気はない。

苛立つ木下は巡査から拳銃を奪い、これを射殺し追われることに。
追い詰められた木下は、銃を手に目に留まったバスへの立て籠もり事件を引き起こす。
木下は京子を連れて来るよう要求するが……。

この事件に百合子の後輩・向井真知子とその上司・西野が交渉役として立ち向かうことに。
まず、交渉に入ったのは西野。
西野は木下から「太郎」とのニックネームを引き出すと、早期解決を狙うべく撃たれた巡査が生きているからと嘘を吐き罪が小さいうちに投降するよう促す。
だが、巡査が死亡したことをニュースで知った木下はこれに逆上。
乗客の1人に発砲する騒ぎとなり、乗客は一命を取り留めたものの、西野は自信を喪失してしまう。

代わって真知子が交渉に立つことに。
だが、状況が悪化したことと、時間が経過し過ぎていることから打つ手がない。

同じ頃、事件を知った京子は敏子に相談を持ちかける。
敏子は「15歳の息子が人質の中に居る」と嘘を吐き、百合子に助けを求めることに。
こうして、敏子を救うべく百合子が出馬する。

現場に向かった百合子。
其処で小寺薫という女性に声をかけられる。
なんでも、人質の中に夫・小寺拓が居るので助けて欲しいらしい。
薫によれば、拓は柔道の経験者で何故かサバイバルナイフを所持しているそうだが……。

今や民間人である百合子、通常ならば捜査に関与出来る筈がない。
だが、百合子は自身を真知子のアドバイザーとすることで参加を可能にする。

さらに手早く情報を収集。
それによると、木下の所持する拳銃はニューナンブ。
5発装填されており、既に5発発砲されていた。
おそらく残弾はない。
だが、絶対とは言い切れない状況であった。

此処で木下から最後通牒が届く。
これ以上、拘束すれば人質を殺すと通告して来たのである。
残り時間は5分と区切られた。
いよいよ強行突入しかないと思われたが。

百合子はアドバイザーを逸脱し、木下に連絡を取る。
木下の味方であることを強調すると、強行突入の情報と乗客の中にサバイバルナイフを所持した人間が居ることを教えるのであった。

度胆を抜かれる真知子だったが、木下はこの情報を信じ乗客を調べ始める。
百合子はこの隙を突き、強行突入するよう進言。

その頃、車内では小寺がナイフの所持を見抜かれていた。
銃を使うべく引鉄を引く木下だが、空虚な音が鳴るばかり。
これを見た小寺が木下に飛び掛かり格闘することに。
其処に強行突入が実行され、木下は逮捕された。

小寺はバスジャック犯を撃退した英雄として祭り上げられる。
それは彼の勤務先でも同じであった。
小寺は居酒屋「魚天仁」の水道橋店店長。
「魚天仁」は植垣啓子が経営するグループ企業の1部門で、本来小寺は解雇対象であった。
だが、今回の事件で小寺に価値が出たことで一躍、彼は別部門の責任者に抜擢されることに。
小寺は我が世の春を謳歌することに。
実は、小寺は解雇しようとしていた啓子を恨んでおり、サバイバルナイフもこれを殺害する為だったのだが……。

一方、百合子は敏子が嘘を吐いたことに気付きこれを詰問する。
だが、敏子は理由を明かそうとしない。
しかも、敏子と薫は知人であった。

まだ事件は終わっていない……と感じた百合子は薫に注目する。
薫はハウスクリーニング店を友人たちと経営していた。
百合子と出会った薫は「(小寺とは)夫婦でなければいけないんです」と謎の言葉を発する。

その翌日、百合子のもとに「天罰」と書かれた謎の手紙が届く。

一方、薫は啓子宅のハウスクリーニングに赴き、啓子とその息子・勇樹の遣り取りを見て苛立ちを募らせることに。
薫は啓子に「10年前の6月21日を覚えているか」と問うのだが啓子は相手にしない。
不満を態度に表す薫。

さらに数日後、敏子が百合子に黙って引っ越ししてしまった。
残されたのは敏子からの1通の手紙のみ。
其処には10年前に発生した交通事故についての新聞記事が同封されていた。
内容を目にした百合子は驚く。

被害者は幼稚園に通っていた3人の児童。
それぞれ、小寺正平、木下太郎、畑中良であった。

小寺正平は小寺夫妻の息子。
木下太郎はバスジャックした木下と京子の間の息子。
畑中良は敏子の息子であった。

敏子と京子や薫が知り合いだったのは、同じ事故の被害者だったからである。
しかも、このとき啓子の息子・勇樹も現場に居たのである。
一歩間違えば勇樹も危うかったのだ。

だが、現に正平は死亡し勇樹は助かった。
そして、その母である啓子に小寺の命運は握られている。
薫が不満を抱いたのは此の点であった。

矢先、小寺のサバイバルナイフ所持が問題となり、英雄は一転危険人物とされた。
啓子は小寺の解雇を決める。

追い詰められる小寺。
これを見ていた薫は小寺を批難する。
「もう、啓子を殺す気はないのか?」と。

その翌日、6月21日のこと。
啓子が何者かに襲撃され、入院することとなった。

それから数十分後、「魚天仁」水道橋店に小寺が現れた。
小寺の所為で売り上げが落ちたと罵る新店長。
数日前はあれほど小寺を讃えていた口から、今出る言葉は暴言ばかりだ。
静かに聞いていた小寺は包丁を抜くと、相手に突き付ける。
新たな立て籠もり事件の発生である。

この事件の担当として、真知子が出動することに。
小寺は次の2点を要求として上げる。

1.啓子が土下座すること。
2.記者会見を開き、啓子の非道を世に問うこと。

だが、既に啓子は入院している。
これを聞かされた小寺は死体でいいから連れて来いと言い放つ。
真知子は唇を噛み締める……。

ほぼ同時刻、小寺の立て籠もり事件を知った百合子は今日が6月21日であり10年前の事故の命日であると気付く。
小寺家に薫を訪ねるが、薫は薬を手に部屋に閉じ籠っていた。

百合子は薫の心の扉を押し開くべく交渉を始める。

小寺が立て籠もっていることを薫に教える百合子。
これを聞いた啓子は、その立て籠もり自体が薫を救う為の小寺の行動だと打ち明ける。
啓子がどうしても許せなくなった薫は彼女を襲撃した。
帰宅し、薬を用いて自殺しようとしていたところを小寺に見咎められたのだ。

薫から事情を知らされた小寺は「正平の為に生きろ」と薫を説得。
世間の目を自身に惹くべく、立て籠もり事件を起こしたのである。
薫を庇おうとしたらしい。

これを聞いた百合子は次の言葉を薫に伝える。

「生きた花は枯れて行く。
死んだ花は捨てるしかない」

小寺と薫は夫婦である。
2人居るのだから過去に拘らず、支え合って未来に生きろと言うのだ。

これに説得された薫は出頭することに。
百合子から事情を聞かされた真知子の説得により、小寺も投降することとなった。

こうして、事件は解決した。
小寺と薫―――夫婦は別々に生きることとなるが、心は共にあらねばならない。
百合子はそう願うのであった。

さらに数日が経過した。
百合子のもとへ驚愕の報が飛び込んで来る。
バラの紳士こと栗原が急死したのだ。
百合子は彼女を支える人物を1人、失った。

その葬儀の席。
栗原の葬儀は見送る者も少なく寂しいものであった。
其処に敏子が現れる。
なんでも、百合子に嘘を吐いたことを恥じて引越ししたらしい。
これを聞いた百合子は敏子を許し、こう告げる。

「私に話してみてよ、良君のこと。忘れちゃダメなんだから」

敏子は涙ながらに「考えてみる」と呟くのであった。

その翌日、百合子を真知子が訪ねて来た。
百合子のことが少し分かったと語る真知子。
そんな真知子に、百合子は自身が出馬した動機が「小寺夫婦への嫉妬心にあった」と教える。
小寺と薫は夫婦の絆に結ばれていた―――百合子は最初から察していたのだ。
そして、百合子にはそんな相手が居ないのだ―――エンド。

<感想>

「犯罪交渉人 ゆり子」シリーズが帰って来た!!
というワケで「新・犯罪交渉人 百合子」シリーズ第1弾です。
ちなみに原作はなし、オリジナル作品です。

では、ドラマの感想を!!

皮肉屋ながら人1倍人を愛する百合子再臨です!!
良かった〜〜〜!!
シナリオこそ疑問な点が多々ありましたが、キャストも台詞も雰囲気もバッチリでした。
充分に良質かつ重厚な2時間サスペンスを堪能出来ました。

シナリオ上の疑問は多いです。

例えば「啓子が既に襲撃され動けないことを知りながら、何故、わざわざ指名してまで呼び出そうとしたのか」。
小寺は薫から襲撃について聞いていた。
薫を庇うだけならば「啓子襲撃犯は自分だ」と名乗りを上げるだけで良かった筈。
そもそも、早々に出頭すれば良く、立て籠もりする必要もない。
明らかに、ドラマの盛り上がりの為だけの物。

例えば「啓子が事故の犯人でもないのに、あそこまで薫が執拗に恨んだのは何故か」。
端的に言えば嫉妬となるのでしょうが、それだけとは言い切れないものを感じました。
本来だとモヤモヤの対象となるのだろうけど、本作では何故か不思議な力強さがあった。
通常のシナリオならば「3人の児童の死の直接的な原因が勇樹にある(勇樹が3人を盾にし生き延びた)」とか「啓子が遠出を強要した為に事故の起こった道路を通らざるを得ず事故に遭った」など、それ相応の理由が必要な筈なのだ。
ところが、本作にはない。
無いにも関わらず、何故か成立している。

公式HPのあらすじが「バタフライナイフ」表記なのにドラマでは「サバイバルナイフ」だったりする。
他にも細かな点は多々あります。

ただ、このドラマはキャストや台詞の力でその疑問を押し切った。
いや、押し切るだけの力があるドラマだった。
少なくとも、管理人にはそう感じられました。

そもそも先に挙げたように「第2の立て籠もり」は必要性が薄い。
単にドラマを盛り上げる為だと思う。
でも、それでも確かに盛り上がりがあったのだ。
だから、面白かった。

導入部から緊迫感があり、ラストも緊迫感で締めた。
此の点も良かった。
本当なら「2時間続けて最初のバス立て籠もり事件を扱い、その中で10年前の事故の真相が明らかになる作品」の方が個人的な好みだ。
展開とサプライズを以て、作品が形作られる方が好みだ。
でも、それでも、本作はそれに負けないくらいに画面に緊迫感があったのだ。
これは認めざるを得ない。

現役引退から10年経過しながら、再起した百合子。
さらに、百合子自身が孤独を抱いているように、栗原も敏子も孤独を抱えた人間。
この寂寥感。
それを表現する台詞回しと雰囲気。

本作はキャストとその台詞により成立している。
それらにより形成された雰囲気により成立している。
これがシナリオ展開の傷自体を上回った。
認めざるを得ないではないか―――本作は面白かった、と。

とりあえず、シリーズ次作を期待!!

<キャスト>

野々村百合子:市原悦子
小寺薫:有森也実
小寺拓:正名僕蔵
向井真知子:岩崎ひろみ
浪江慶四郎:永島敏行
五十嵐敏子:濱田マリ
児玉謙一:浜田学
木下賢太:金山一彦
栗原祐一:宝田明
植垣啓子:長谷直美
吉田龍一:井上高志
西野亘:樋口浩二
杉山京子:赤間麻里子
末永:近童弐吉
中年の巡査:越村公一 ほか
(順不同、敬称略、公式HPより転載)


「犯罪交渉人」です!!
犯罪交渉人





「グレーゾーンの民間交渉人(ネゴシエーター)―ストーカーの完全解決と未然の防止」です!!
グレーゾーンの民間交渉人(ネゴシエーター)―ストーカーの完全解決と未然の防止





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