2013年09月28日

「サイレーン」第20話「張り込み」(山崎紗也夏作、講談社刊「週刊モーニング」連載)ネタバレ批評(レビュー)

「サイレーン」第20話「張り込み」(山崎紗也夏作、講談社刊「週刊モーニング」連載)ネタバレ批評(レビュー)です。

<ネタバレあらすじ>

登場人物一覧:
里見偲:男性。警視庁機動捜査隊所属。相棒の猪熊と恋人同士。
猪熊夕貴:女性。警視庁機動捜査隊所属。相棒の里見と恋人同士。
橘カラ:女性マネージャー急性アルコール中毒死(実は他殺?)の犯人?猪熊に興味を持つ。
渡:猪熊の寮の向かいに住む。カラを家に置くこととなった。
月本:美容整形外科医。カラと乃花を担当した。
乃花:カラの元同僚。不倫の恋に生きていたがカラに殺害される。
千歳:生活安全課所属。

・前回までのあらすじはこちら。
「サイレーン」第19話「里見とカラ」(山崎紗也夏作、講談社刊「週刊モーニング」連載)ネタバレ批評(レビュー)

里見と猪熊の間にはあるルールがあった。
2人のうち、いずれか一方でも捜査一課の刑事になったら結婚しようとの物である。

先に起こった主婦殺害事件にて乃花が被疑者であるとの情報を掴んで来た猪熊の評価は上々。
里見は猪熊の方が先に捜査一課の刑事になるのでは……とぼんやり考えていた。

一方、猪熊は上機嫌。
すべてはカラのおかげと、彼女との関係を深めて行く決心をする。

このような状況下で、里見はカラに疑惑を抱いていた。
杞憂であればと思いつつ、里見はカラについて調べ始めることに。

乃花の通っていた整形外科・月本クリニックにカラが現れるのではないかと目星をつけた里見は非番を費やしクリニックを監視する。

そして、4日目。
この日がクリニックの休診日であることに気付いた里見は今日も無駄足かと後悔しかけて……カラを目撃する。
カラは月本と共に走り去る車の助手席に居た。
どうやら、月本自身が迎えに赴いたようである。
里見はさらに疑惑を深める……。

一方、渡は同居しながらも自分の生活に土足で踏み込まないカラへの想いが止められないでいた。
遂には、結婚を真剣に考え始める。
ネット掲示板で相談するも「そんな女性が実在するワケがない」と一刀両断される始末。

そして、当のカラ。
猪熊へ接近することに成功したが、代わりに自身への接近を許した里見の存在を疎ましく思っていた。
前回、抱き上げた際に里見の体格を知ったカラは「これは必ず役に立つ」と心に留めるが……。
とはいえ、カラにとって里見がどれほどのものと思えないのも事実ではあった。
なにしろ、カラは選ばれているのだから―――21話に続く。

<感想>

「週刊モーニング」では『レンアイ漫画家』や『シマシマ』、『はるか17』などで知られる山崎紗也夏先生の新連載です。
『レンアイ漫画家』は設定と展開が面白くて読みました。

そんな「サイレーン」、内容は刑事もの……しかも男女バディもので、「警視庁機動捜査隊(キソウ)」を取り上げた作品となりました。
設定に「キソウ」を採用している点が珍しいですね。
ドラマでも「キソウ」がメインになった作品は「警視庁機動捜査隊216」くらいか。

月曜ゴールデン「警視庁機動捜査隊216V 命の値段 知らされなかった誘拐事件が生んだ最悪の偶然!?命か金か?選択を迫られた家族の運命と犯人を繋ぐ社会の暗闇!」(12月24日放送)ネタバレ批評(レビュー)

その第20話。
ちなみにコミックス1巻が2013年9月20日に発売されています、こちらも注目!!
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サブタイトルは「張り込み」。
カラへの不信感からこれを調べ始めた里見。
カラと月本の関係を知ることに。

一方、カラと同居する渡はカラへの思慕の念を強めて行く。
渡の思慕がカラの完全犯罪を崩すのか。

そして、当のカラ。
里見を歯牙にもかけないかと思いきや、その体格を何かに利用するつもりか。
いや、里見相手なら格闘戦でも負けないとの確信を抱いたのか……。

猪熊はと言えば、カラへの信頼を強めている状態。
これはカラを疑う里見との間に、確実に一波乱起こるだろう。
特に2人は恋人同士でありながら、ライバルでもあるワケだろうから。
里見の老婆心を嫉妬心から里見がカラを排除しようとしていると猪熊が捉える流れか。
揉めるだろうなぁ……。

それにしても、整形外科の月本が早くも再登場。
彼もまたカラに利用されているのか?
それとも、彼がカラを利用しているのか?
こちらも一波乱あるかも。

さて、此処でまとめ。

目標である捜査一課へひた走る猪熊。
そんな猪熊をターゲットとしてロックオンしたカラ。
そんなカラをターゲットとしてロックオンした里見。
追う者と追われる者の構図が明らかになりつつあるようです。

カラの目的は猪熊からの信頼を得ること。
其処で、カラは人に信頼される要素として2つを上げていました。

1.弱味を見せること。
2.役に立つこと。

猪熊を乃花へと誘導したことが2の「役に立つこと」。
過去に整形したことがあることを明かすことが1の「弱味を見せること」だったか。
まさに、マッチポンプの犯罪だなぁ。

ところが、この行為が里見の警戒心を招くことに。
疑心にまでは至っていないようですが、どうなるか?
ただ、猪熊はカラ寄りになってしまっており、里見との不仲の原因になりそう。

「橘カラの欲しいもの」は「猪熊の正義感」。
これを狙うべく、渡宅に潜り込んだ「第一の作戦」に続き「第二の作戦」。
当然、次に来るのは猪熊を孤立させるべく里見との離間策を狙った「第三の作戦」。

最終的には、一旦喧嘩別れしつつ、カラにより猪熊の危機到来。
これを猪熊を心配していた里見が救う流れになるのか。

今回の描写により、今のカラが整形により手に入れた顔であることが判明。
過去を捨てようとしていたらしいことと併せても、事件の匂い。
やはり、薬局店息子殺人事件に関連ありか。

カラはその名の通り、中身の無い虚ろな「空」。
それゆえに、自身に欠ける物を補おうと求めている。
以前から予測している通り「カラは自身に無い物を持っている対象を特定すると、これに近付き相手を殺害することで、自身に欠けた物を相手から奪う」で正しいようです。

キャバクラの女性マネージャーを殺害し「その垢抜けた佇まい」を奪い、綺麗になった。
タクシー運転手は「自身は選ばれた」と語っていたが「その選ばれた存在であること」を彼を殺害することで奪ったものと思われます。
だとすると、これまでにも同様の犯行を重ねているのが当然。
里見が過去に遭遇した「薬局店息子殺人事件」を皮切りに変貌したものと思われますね。
カラの闇は想像以上に深そうだ。

止められるのは里見と猪熊のカップルのみかも。
これに渡が意外な活躍を示しそうな予感。
果たして、如何なる結末を迎えるのか……21話に期待!!

ちなみに、山崎先生と言えば『七瀬ふたたび』のコミカライズでも知られる方です。

「七瀬ふたたび」(筒井康隆著、新潮社刊)ネタバレ書評(レビュー)

◆関連過去記事
「サイレーン」(山崎紗也夏作、講談社刊「週刊モーニング」連載)第1話から第10話までネタバレ批評(レビュー)まとめ

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