2013年10月22日

月曜ゴールデン「夏樹静子サスペンス 霧氷〜イソベン・里村タマミの事件簿〜我が子を殺しました 育児疲れの母が落ちたワナ!霧に消えた更なる殺人!嫉妬・愛憎…家族の秘密とは?」(10月21日放送)ネタバレ批評(レビュー)

月曜ゴールデン「夏樹静子サスペンス 霧氷〜イソベン・里村タマミの事件簿〜我が子を殺しました 育児疲れの母が落ちたワナ!霧に消えた更なる殺人!嫉妬・愛憎…家族の秘密とは?」(10月21日放送)ネタバレ批評(レビュー)です!!

<あらすじ>

弁護士の里村タマミ(沢口靖子)は生後3か月の我が子を殺害した母親の弁護を担当することになった。依頼人は被害者の父親で加害者の夫でもある八尋典孝(飯田基祐)である。恵まれた境遇ながら育児ノイローゼに陥った母親・由花(浜丘麻矢)が息子を殺した悲惨な事件は大きく報道されたため、タマミも鮮明に覚えていた。
典孝は父親の郁造(若林豪)が一代で築いた大企業を受け継ぎ、仕事に忙しくて家族を振り返る余裕が無かったと無念の表情で語る。典孝の妹・峯田加寿子(山下容莉枝)も由花を支えることができなかったと自分を責める。加寿子と夫・繁之(井上康)には子どもがおらず、加寿子は赤ん坊を可愛がっていたのだ。
由花は犯行後、霧ヶ峰に向かい山中を彷徨っていたところを偶然通りかかった地元の陶芸家・乾陶子(櫻井淳子)に保護され、今は心療内科に入院しているという。タマミは主治医の阿久津寛治(太川陽介)と相談しながら慎重に弁護の方針を検討する。
タマミと助手の正木憲一(佐々木岳史)は陶子の元を訪ねる。陶子は由花が自殺をしようとしていたのではないかと語った。その日陶子は行方不明中のカメラマンで恋人の秋島由夫(久ヶ沢徹)を探していたのだと、その場に居合わせた理由を説明する。
その秋島の遺体が山中で発見された。警察は殺人事件として捜査を開始し陶子も取調べを受ける。陶子はタマミに秋島の子を宿していることを打ち明け、助けを求める。
そんななか、タマミは秋島が撮影した霧氷の写真パネルの裏に、別の写真を隠しているのを発見する。その写真には意外な人物が写っていた。調べをすすめると、その人物は誰かに脅迫されていたようだ・・・。
タマミは先輩弁護士・塔之木善隆(古谷一行)のアドバイスを受けて事件の全貌を見直した。すると、由花が起こした子どもの殺害事件と秋島の失踪そして殺害が、見えない糸で結ばれていることに気づく・・・。
(月曜ゴールデン公式HPより)


では、続きから……(一部、重複あり)。

弁護士の里村タマミは、生後3ヶ月の我が子・勝を殺害した母親・八尋由花の弁護を担当することになった。
由花の夫・典孝によれば典孝の不倫に悩んだ由花の発作的な犯行らしいが……。

典孝には父親・郁造と妹・峯田加寿子が居る。
郁造は「由花は到底、子供を育てられるようなタイプでは無かった」と痛烈に批判。
一方、加寿子は育児ノイローゼだったと同情的な言葉を口にする。
加寿子は常々、由花を気にかけており勝が殺害された5月31日にも電話をかけたらしい。
加寿子とその夫・峯田繁之との間には子供が居らず、これも加寿子が由花を気にかけた理由だそうだ。

弁護するべく、事件について調べ始めたタマミ。
由花は犯行後、霧ヶ峰に向かい山中を彷徨っていたところを偶然通りかかった地元の陶芸家・乾陶子に保護されていた。
今は心療内科に入院しているほど精神的に追い詰められているらしい。
タマミは主治医の阿久津寛治と弁護の方針を検討、心神耗弱を訴える方向で定めることに。

タマミは陶子に証言を求める。
その日、陶子は6月1日以来消息不明のカメラマンで恋人・秋島由夫を探していたらしい。

ところが、その秋島の遺体が山中で発見。
殺人事件であった。
秋島の子を宿していた陶子は大きなショックを受けタマミに助けを求める。

一方、タマミは遂に由花と面会することに。
「勝は望まれていなかったんです」
何故か、繰り返す由花だが……。

由花の裁判が始まった。
心神耗弱を理由に執行猶予を狙うタマミ。

情状証人として、典孝、阿久津、陶子らが証言する中、1人・加寿子だけが前言を翻し由花の行動を批難する。
これに違和感を抱くタマミ。

結審の日を迎えた。
由花には執行猶予がつき、検察が控訴する流れとなった。

そんな中、秋島の撮影した写真の額の裏側から繁之と密会する由花の写真が発見される。
タマミは繁之を問い詰めることに。

繁之は由花との不倫関係を認める。
典孝の浮気を相談されるうちに、男女の仲になったらしい。
しかも、勝は繁之の息子であった。
由花が口にしていた「勝は望まれていなかった」とはこのことだったのだ。

秋島と繁之は大学時代の同級生。
繁之の不倫を嗅ぎ付けた秋島は繁之を脅迫したのだ。
繁之は金で決着をつけるつもりだったそうだ。
本来なら、5月31日に訪問する予定であったが、6月1日になったと語る繁之。
それは秋島が死亡した当日であった。

矢先、海岸に出掛けた由花が何者かに襲撃される事件が発生。
だが、これも幻覚かと思われたが……。

由花を見舞ったタマミは繁之が秋島を殺害していないことを教える。
由花は繁之が秋島を殺害したと勘違いしていたのである。
誤解を知らされた由花は心底、ほっとした様子で真相を語り始めた。

由花は自身の不倫が何時露見するかに怯えていた。
だからこそ、常に情緒不安定だったのだ。

由花にとって、勝の父親の繁之だけが頼りであった。
ところが、繁之は秋島に脅迫され始めた。
繁之は「秋島を何とかする」と主張した。
「まさか、殺す気なんじゃぁ……」と考えた由花は、繁之が殺人罪で逮捕されることまでも夢想した。

繁之が居なくなれば生きていられない……不安に駆られる由花に5月31日、電話がかかって来た。
これは由花の様子を心配した加寿子からであったが、由花は繁之が秋島を殺害した報告であると勘違いした。
もう生きていけない……思い込んだ由花は勝を手にかけると、繁之のもとで自殺するべく外出したのであった。
これを陶子に保護されたのだ。

そう、由花の見た幻覚の正体は彼女自身の罪の意識であった。
由花は罪を償いたいと主張する。
一方、海岸で由花を襲った人物の正体は杳として知れなかった。

その週末、由花は典孝の自宅で過ごす予定であった。
だが、典孝の都合で中止とされた。
此の事情を知る者は、典孝、由花、阿久津、タマミの4人だけである。
タマミは罠を仕掛けることに。

由花に化けたタマミに襲撃者の影が迫る。
襲撃者は飛び掛かろうとするが……「由花さん、逃げて!!」加寿子が叫ぶ。
襲撃者の正体は……郁造であった。

加寿子は早くから夫・繁之と義姉・由花の関係に気付いていた。
当然、勝が繁之の息子であることにも気付いた。

もし、この事実が露見すれば八尋家は崩壊するだろう。
苦しみ悩んだ加寿子だが、自分さえ耐えれば誰も傷付かないと胸の内に秘めることに。

ところが、この事実を嗅ぎ付けた者が居た。秋島だ。
秋島は加寿子を揺さぶり始めた。
精神的に追い詰められた加寿子はつい郁造に真実を明かしてしまった。

加寿子は自分よりも八尋家を優先する人柄。
その苦しみを察した郁造は加寿子の為に、秋島を殺害した。
そして、今また由花をも殺害しようとしたのだ。

一方、加寿子もまた郁造の犯行に気付きこれを止めようとしていた。
そして、だからこそすべての原因となった由花を許せず裁判にて批難したのであった。

こうして、郁造と加寿子は出頭することに。
加寿子が繁之とどうなるのかは分からない。
だが、加寿子は郁造を支えると宣言する。
そして、典孝と由花はどうなるのだろうか……。

陶子は秋島の罪すべてを知りながらその子供を産むことにした。
子供を守ろうと決めたのだと言う。

半年後、由花の罪が確定した。
前判決を破棄し、懲役3年。
それが由花の罪の年数であった―――エンド。

<感想>

「イソベン・里村タマミの事件簿」がシリーズになりました。
今回はその第2弾。
前作は2010年6月7日に放送されているので、3年越しのシリーズ新作となります。
前作については過去記事ありますね。
興味のある方はどうぞ!!

月曜ゴールデン 夏樹静子サスペンス「見えない貌〜イソ弁里村タマミの事件簿〜ダムに美しき水死体!出会い系美人妻の孤独と禁断愛…真相を追う母を襲う新たな殺人…真実のカギは親子愛」(6月7日放送)ネタバレ批評(レビュー)

ドラマ原作は夏樹静子先生『霧氷』(光文社、文藝春秋社刊)。

<あらすじ>

一見幸せな環境にありながら我が子を殺した人妻、独身のまま妊娠した女流陶芸家の二人を通して、現代人にひそむ愛憎の心理をさぐり、社会現象に取り組んだ本格推理。(徳田良仁)
(文藝春秋社公式HPより)


では、ドラマ版感想。

制作者の狙い通りなんだろうけど、由花が凄いなぁ……との感想。
裕福な家庭の出身な割には「繁之が居ないと生活できない」とかの感覚が理解できないなぁ。
お嬢様感覚なら生活はあまり考えず理想を追いそうなんだけど、なんで、生活感覚だけは優れているのかなぁ……。
そもそも、普通は実家に戻ることも視野に入れるんじゃないかなぁ……。
少なくとも、あれだけ精神的に弱いのなら義妹の夫に相談などせず、実家に帰ると思うけど。
だから、始めから繁之狙いとしか思えない……。

繁之狙いと言えば、勝を手にかけつつその場で後を追わなかったのも不自然。
勝よりも繁之が優先だったということだろうか。
だとすると、息子・勝も繁之を繋ぎ止める為の道具だったのかもしれないな。

こうなると、本当に加寿子が不憫だ。
兄夫婦に巻き込まれ、自分の家庭がボロボロに。
郁造でなくとも同情するだろうし。
典孝は浮気していた割には由花を助けようと必死になるし、本当に加寿子が報われない。
何の為に家族崩壊にまで追い込まれたのだか……。
早々に典孝と由花が別れていればなぁ……。

陶子も辛いなぁ……秋島の子供を産んだとして秋島の遺族も居るだろうしなぁ。
「孫は渡さない!!」とかにはならないのだろうか。
それとも「勝手に生んだんだから勝手に育てろ」との非情に告げられるのだろうか。

なんだか皆切ない結末だったなぁ……。
とはいえ、「里村タマミ」もシリーズ化されたので次回に期待!!

◆夏樹静子先生関連過去記事
【書籍】
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【ドラマ】

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その他
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【その他情報】
夏樹静子先生インタビュー記事が「asahi.com」に掲載!!

夏樹静子先生、読売オンラインにて囲碁について語られる!!

<キャスト>

里村タマミ:沢口靖子

乾 陶子:櫻井淳子

八尋由花:浜丘麻矢
八尋典孝:飯田基祐

八尋侑造:若林 豪

峯田加寿子:山下容莉枝
峯田繁之:井上 康

阿久津寛治:太川陽介

正木憲一:佐々木岳史
相川奈緒:西 慶子

塔之木善隆:古谷一行 ほか
(順不同、敬称略、公式HPより)


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