<あらすじ>
タクシードライバーの夜明日出夫(渡瀬恒彦)は、元警視庁の敏腕刑事。ある日の夕方、夜明のタクシーに格安航空会社のキャビンアテンダント・田島結衣(若村麻由美)が乗車した。羽田に向かってほしいという結衣の携帯が鳴ったのは、乗車してすぐの午後5時15分だった。「木下さん? その件は会社の広報を通して下さい」と言って切ったあと、ため息をつく結衣。どうやら取材の申し込みのだったようだが、夜明は、結衣が何か心配事を抱えているかのように見えた。
翌朝、木下征二(村杉蝉之介)というルポライターの死体が発見される。自宅マンションの踊り場から突き落とされたらしく、死亡推定時刻は前日の午後4時から7時。だが、まもなく調布市内の路上で木下の携帯電話が発見され、通話記録から最後にかけた電話は午後5時15分と判明、その直後に死亡したとみられた。そして、木下の最後の通話相手こそ、夜明が前夜タクシーに乗せたキャビンアテンダント・結衣だった。
結衣を会社に訪ねた東山刑事(風見しんご)たちは、彼女の指名で会社まで送ってきた夜明と鉢合わせ! しかも、あゆみ(林美穂)もその航空会社でアルバイト中という、おまけつきだった…! 結衣は木下から格安航空についての取材を依頼されたが、社の広報を通してほしいと断っていたと、東山たちに説明。前日の午後5時から7時のアリバイは夜明の証言もあり、完璧だった。
ところが、そこにひとりの男が訪ねてきた。宝石店経営者の明神孝(管勇毅)で、彼は結衣の妹・珠美(馬渕英俚可)と婚約しているが、その珠美が昨日から連絡がつかないのだと東山たちに打ち明ける。警察に探してもらおうという明神を止め、「大げさにしたくない」「妹を待ってやって下さい」と懸命に頼みこむ結衣の姿に、東山たちは疑惑を抱く…。
そんな中、厳重にロックされていた木下の事務所デスクの引き出しが、ようやく開いた。中には何十本というUSBメモリーが整然と並べられており、明らかにその中の1本がなくなっていた。メモリーを確認したところ、木下はルポライターとは名ばかりで、脅迫まがいの行為で金銭を脅し取っていたようだった。なくなったUSBが今回の事件に絡んでいるとみた神谷は、結衣、そして姿をくらました珠美の姉妹が怪しいとにらむ。
折しも、夜明は結衣から神戸までの“ロング乗車”を依頼される――。しかも、木下に500万円を貸していた六本木のクラブ経営者・畑中辰則(鈴木省吾)も、同じく神戸に向かっていることがわかり…!?
(土曜ワイド劇場公式HPより)
では、続きから……(一部、重複あり)
タクシードライバーの夜明日出夫は元警視庁の敏腕刑事。
ある日の夕方、夜明が運転するタクシーに、格安航空会社のキャビンアテンダント・田島結衣が乗車する。
目的地は羽田。
急ぎタクシーを走らせる夜明。
すると、結衣の携帯が鳴った。
「木下さん?その件は会社の広報を通して下さい」
結衣は電話相手にそれだけを告げると、一方的に電話を切った。
これが17時15分のことであった。
翌朝、ルポライターの木下征二が死体で発見された。
自宅マンションの踊り場から突き落とされたらしい。
解剖の結果、死亡推定時刻は前日の16時から19時の間と思われた。
神谷や東山たちが捜査に乗り出す中、調布市内の路上で木下の携帯電話が発見。
通話記録から最後にかけた電話は17時15分、相手は結衣であった。
どうやら、木下は通話直後に死亡したと思われるが……。
その時刻に夜明のタクシーに乗車しており、その後は勤務していた結衣のアリバイは完璧であった。
一方、結衣の妹・珠美の婚約者で宝石店経営者の明神孝は東山たちに珠美が消えたと訴える。
だが、これを聞いた結衣は何故か珠美の捜索を拒否する。
矢先、木下のデスクからUSBが盗まれていたことが判明。
木下はUSBの情報をもとに誰かを脅迫していたらしい。
数日後、木下の仲間とみられるクラブ経営者・畑山が何者かに殺害されてしまう……。
犯人は誰なのか?
謎が謎を呼ぶ中、結衣と珠美の父・田島秀彦が10年前に溝口という男性を殺害していたことが分かる。
しかも、当の秀彦が木下と畑中殺害でも自首して来た。
結衣の為にも、秀彦の無実を証明したい夜明は調査を開始。
そんな夜明に神谷は「犯人は結衣に違いなく、アリバイはトリックだ」と訴える。
結衣は17時前の時点で木下を殺害し、携帯を奪った。
その後、夜明のタクシーに乗車し、隙を見て木下の携帯から自身の携帯へ発信。
これにより着信履歴を残したに違いないとの推理だ。
だが、夜明は「だったら、調布で木下の携帯が見つかったことはどう説明するのか」と詰め寄る。
神谷は「結衣が犯人に違いないのだが……」と悔しがることに。
その数日後、ふとした拍子に夜明は結衣のトリックを見破ることに。
さらに、盗まれたUSBも発見され、すべての事情が明らかになった。
USBの中には10年前の溝口殺害の真相が秘められていた。
溝口を殺害した犯人は秀彦ではなく、珠美であった。
秀彦は珠美を庇ったのだ。
珠美はこれで木下に脅迫された。
この事実を知った結衣が木下と揉み合う内に殺害してしまったのだ。
結衣は木下の携帯を奪うと神谷の推理通りのトリックを用いた。
だが、問題は木下の携帯がどうやって調布に移動したかだ。
結衣はイチかバチか運送業者の荷物に木下の携帯を紛れ込ませた。
運送業者は偶然にも調布へ移動し、荷物を下ろした。
この際に、携帯が落ちたのだ。
これこそが調布に携帯が移動した理由であった。
さらに、木下に次いで脅迫者となった畑山をも結衣が手にかけたのであった。
結衣が逮捕され、珠美も保護されると10年前の事件の真相を明かした。
こうして事件が解決した―――エンド。
<感想>
前回の2013年4月6日放送分(第32弾)に次ぐ第33弾です。
第32弾からは6ヶ月ぶりの新作放送となりました。
・第32弾はこちら。
土曜ワイド劇場「タクシードライバーの推理日誌 殺人ツアーの乗客!!信州松本〜仕組まれた小京都旅行 犯人は三日遅れの筋肉痛!?」(4月6日放送)ネタバレ批評(レビュー)
では、ドラマの感想を。
キャスト一覧でこれまでだとヒロイン役の方が2番目に掲載されていたのですが、今回は神谷が2番目に。
遂にヒロイン枠を神谷が奪ったか……。
と思わせといて、過去にもこの順番だったことがあるので違ったりします。
神谷ファンの方は注意!!
それにしても、前回(第32弾)に続いて偶然に頼り過ぎなトリックだなぁ。
夜明自身も「イチかバチか」と認めちゃってるし。
流石に、あれをトリックと言い切るのは……恥ずかしい気も。
とはいえ、本作のキモはトリックに非ず。
如何にお約束を守るかにあると見た。
此処で気になるのは今回も前回同様“夜明の法則”は発動したのかどうか?
この法則をいかにストーリーに放り込んで来るか(または捻ってくるか)が本シリーズの見所。
解説!!夜明の法則とは―――
土曜ワイド劇場「タクシードライバーの推理日誌」にて適用される法則。
犯人(女性)は夜明のタクシーに乗りアリバイを作る。
そして、最初に疑われる。
が、夜明が「あの人は犯人じゃない、だってアリバイあるし」と頑固に庇う。
別の容疑者浮上。
だが、急に夜明の気が変わる(偶然、何かに気付く)。
夜明アリバイ崩しに挑戦。
やっぱり、あの人が犯人でした。
―――完―――
のこと。
はい、普通に発動してました。
しかも、直球かつ王道。
やっぱり、これがないと「タクシードライバー」じゃないよ。
と言うワケで、この点は満足です。
ちなみに「タクシードライバー」シリーズの原作は「木枯らし紋次郎」の著者で知られる笹沢左保先生の「タクシードライバーの推理日誌」シリーズ。
とはいえ、本作においてはモチーフというべきでしょう。
完全に別物なので、そこは注意。
◆関連過去記事
【シリーズはこちら】
・土曜ワイド劇場「タクシードライバーの推理日誌26 東京〜京都・琵琶湖、土地鑑のある乗客」(1月23日放送)ネタバレ批評(レビュー)
・土曜ワイド劇場「タクシードライバーの推理日誌 甲州石和〜殺意の子守唄!!車内に赤ちゃんの忘れ物…!?密封された死体の謎」(10月9日放送)ネタバレ批評(レビュー)
・土曜ワイド劇場「タクシードライバーの推理日誌 能登和倉〜午前3時の同乗者!!深夜ラジオに届いた殺人リクエスト!?」(12月11日放送)ネタバレ批評(レビュー)
・土曜ワイド劇場「タクシードライバーの推理日誌 塀の中からの乗客・星降る夜のアリバイ殺人!!吸い取られたDNAと謎の記号の秘密」(7月2日放送)ネタバレ批評(レビュー)
・土曜ワイド劇場「タクシードライバーの推理日誌 東京〜京都〜博多、殺人犯を追う乗客 10年目の再会と疑惑の銃弾!!その女に指紋なし!?」(1月7日放送)ネタバレ批評(レビュー)
・土曜ワイド劇場「タクシードライバーの推理日誌 伊豆熱川〜殺人疑惑の乗客!!冷たいアリバイを持つ女!!仕組まれた臨床治験の謎!?」(12月8日放送)ネタバレ批評(レビュー)
・土曜ワイド劇場「タクシードライバーの推理日誌 殺人ツアーの乗客!!信州松本〜仕組まれた小京都旅行 犯人は三日遅れの筋肉痛!?」(4月6日放送)ネタバレ批評(レビュー)
・2011年3月19日(土)……今夜の土曜ワイド劇場は傑作選「タクシードライバーの推理日誌26 東京〜京都・琵琶湖、土地鑑のある乗客」です!!
<キャスト>
夜明日出夫:渡瀬恒彦
神谷警部:平田 満
田島結衣:若村麻由美
田島秀彦:石橋蓮司
田島珠美:馬渕英俚可
上田和子:山口果林
東山刑事:風見しんご
国代刑事:小林 健
馬場刑事:正名僕蔵
あゆみ:林 美穂 ほか
(順不同、敬称略、公式HPより)
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こんにちわ♪
このシリーズももう33弾ですか…
お決まりの寸劇から始まって、恋して実らず的な…
正直、このシリーズには飽きてきてます…
所轄の刑事さんが増えたり、タクシー会社の人が増えたり変わったりとマイナーチェンジはあるものの、結局は最初から最後まで各話とも同じ流れで同じオチ…
温泉若女将シリーズのように有名観光地のタクシードライバーが事件を解決するというスタイルの方が、よっぽど現実的な気がするのですが…
私自身、あまりタクシーに乗車しないので、高速を使って遠出なんてお財布の中身が気になって、とてもじゃないですが利用できません。
ましてや今回は東京―神戸だけでも設定上市場調査であるとはいえ、タクシーで行こうと思う人が世の中にどれくらいいるのかな?と考えてしまいました。しかもさらに足を延ばして大分まで行くとは…
心配しなくてもLCCの航空会社の方が、安いし早いですよ!と猛烈に突っ込みたくなりました。
ただ、やっぱり予告で映像が流れると見ちゃうんですよね〜
こんばんわ!!
管理人の“俺”です(^O^)/!!
ご指摘の通り、このシリーズは如何にお約束が守られているかが重要なポイント。
ただ、それに拘らざるを得ない為に設定に無理が出て来つつあるのかもしれませんね。
とはいえ、視聴者にとって約束が履行されているかどうかを確認することがこのシリーズを視聴する醍醐味にもなっているので、変化を加えるべきかどうか難しいところとも言えそうです。
此処は匙加減とかバランスが必要とされるのかもしれません。
管理人もついつい視聴するシリーズの1つなので、上手くバランスをとって続けて欲しいです(^O^)/!!