2013年10月05日

「サイレーン」第21話「正義感の源」(山崎紗也夏作、講談社刊「週刊モーニング」連載)ネタバレ批評(レビュー)

「サイレーン」第21話「正義感の源」(山崎紗也夏作、講談社刊「週刊モーニング」連載)ネタバレ批評(レビュー)です。

<ネタバレあらすじ>

登場人物一覧:
里見偲:男性。警視庁機動捜査隊所属。相棒の猪熊と恋人同士。
猪熊夕貴:女性。警視庁機動捜査隊所属。相棒の里見と恋人同士。
橘カラ:女性マネージャー急性アルコール中毒死(実は他殺?)の犯人?猪熊に興味を持つ。
渡:猪熊の寮の向かいに住む。カラを家に置くこととなった。
月本:美容整形外科医。カラと乃花を担当した。
乃花:カラの元同僚。不倫の恋に生きていたがカラに殺害される。
千歳:生活安全課所属。

・前回までのあらすじはこちら。
「サイレーン」第20話「張り込み」(山崎紗也夏作、講談社刊「週刊モーニング」連載)ネタバレ批評(レビュー)

猪熊とカラはプロレス観戦をしていた。
乃花の事件で親しくなった2人は友人として交流を始めたのだ。

その帰路、食事に立ち寄った店で猪熊はカラに「正義感を抱いた理由」について問われる。
家族が全員刑事だったから……と明かす猪熊。

一方、里見は月本医師のもとを訪れカラとの関係を尋ねていた―――22話に続く。

<感想>

「週刊モーニング」では『レンアイ漫画家』や『シマシマ』、『はるか17』などで知られる山崎紗也夏先生の新連載です。
『レンアイ漫画家』は設定と展開が面白くて読みました。

そんな「サイレーン」、内容は刑事もの……しかも男女バディもので、「警視庁機動捜査隊(キソウ)」を取り上げた作品となりました。
設定に「キソウ」を採用している点が珍しいですね。
ドラマでも「キソウ」がメインになった作品は「警視庁機動捜査隊216」くらいか。

月曜ゴールデン「警視庁機動捜査隊216V 命の値段 知らされなかった誘拐事件が生んだ最悪の偶然!?命か金か?選択を迫られた家族の運命と犯人を繋ぐ社会の暗闇!」(12月24日放送)ネタバレ批評(レビュー)

その第21話。
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サブタイトルは「正義感の源」。
これこそ、猪熊の行動力であり、カラが欲する物。
そのルーツを知った以上、カラは次に猪熊の家族を狙うのか?
猪熊家ピンチ!?

この状況を覆しうるのは里見のみ。
その里見は月本を調査。
果たして、此処からカラに辿り着けるか!?

それにしても、整形外科の月本。
彼もまたカラに利用されているのか?
それとも、彼がカラを利用しているのか?
こちらも一波乱あるかも。

さて、此処でまとめ。

目標である捜査一課へひた走る猪熊。
そんな猪熊をターゲットとしてロックオンしたカラ。
そんなカラをターゲットとしてロックオンした里見。
追う者と追われる者の構図が明らかになりつつあるようです。

カラの目的は猪熊からの信頼を得ること。
其処で、カラは人に信頼される要素として2つを上げていました。

1.弱味を見せること。
2.役に立つこと。

猪熊を乃花へと誘導したことが2の「役に立つこと」。
過去に整形したことがあることを明かすことが1の「弱味を見せること」だったか。
まさに、マッチポンプの犯罪だなぁ。

ところが、この行為が里見の警戒心を招くことに。
疑心にまでは至っていないようですが、どうなるか?
ただ、猪熊はカラ寄りになってしまっており、里見との不仲の原因になりそう。

「橘カラの欲しいもの」は「猪熊の正義感」。
これを狙うべく、渡宅に潜り込んだ「第一の作戦」に続き「第二の作戦」。
当然、次に来るのは猪熊を孤立させるべく里見との離間策を狙った「第三の作戦」。

最終的には、一旦喧嘩別れしつつ、カラにより猪熊の危機到来。
これを猪熊を心配していた里見が救う流れになるのか。

今回の描写により、今のカラが整形により手に入れた顔であることが判明。
過去を捨てようとしていたらしいことと併せても、事件の匂い。
やはり、薬局店息子殺人事件に関連ありか。

カラはその名の通り、中身の無い虚ろな「空」。
それゆえに、自身に欠ける物を補おうと求めている。
以前から予測している通り「カラは自身に無い物を持っている対象を特定すると、これに近付き相手を殺害することで、自身に欠けた物を相手から奪う」で正しいようです。

キャバクラの女性マネージャーを殺害し「その垢抜けた佇まい」を奪い、綺麗になった。
タクシー運転手は「自身は選ばれた」と語っていたが「その選ばれた存在であること」を彼を殺害することで奪ったものと思われます。
だとすると、これまでにも同様の犯行を重ねているのが当然。
里見が過去に遭遇した「薬局店息子殺人事件」を皮切りに変貌したものと思われますね。
カラの闇は想像以上に深そうだ。

止められるのは里見と猪熊のカップルのみかも。
これに渡が意外な活躍を示しそうな予感。
果たして、如何なる結末を迎えるのか……22話に期待!!

ちなみに、山崎先生と言えば『七瀬ふたたび』のコミカライズでも知られる方です。

「七瀬ふたたび」(筒井康隆著、新潮社刊)ネタバレ書評(レビュー)

◆関連過去記事
「サイレーン」(山崎紗也夏作、講談社刊「週刊モーニング」連載)第1話から20話までネタバレ批評(レビュー)まとめ

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posted by 俺 at 12:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 漫画批評(レビュー) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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