2013年10月16日

「リピートアフターミー」第8話「私には世界なんて救えない」(ヤマモトマナブ作、マッグガーデン刊「月刊コミックブレイド 9月号」掲載)ネタバレ批評(レビュー)

「リピートアフターミー」第8話「私には世界なんて救えない」(ヤマモトマナブ作、マッグガーデン刊「月刊コミックブレイド 9月号」掲載)ネタバレ批評(レビュー)です。

ネタバレあります、注意!!

第8話登場人物一覧:
三好善美:主人公、善行ポイントを集めている。ループの中心……の筈。
九條:上司(大浦)に解雇通告を受けた男。善美と共に事件解決に挑む。ループを理解している。
大浦:九條を解雇した。何故か何度も「通行止め」の手で殺害されてしまう。
石名坂:九條の同僚。何かある?
佐藤:野球部のエース。1周目以降、善美からコンビニ強盗対策に使われている。
アイカ:善美の親友。
時雨零子:元・アイカの担任教師。晴華の死がきっかけで現在は引き籠りになっている。
時雨晴華:零子の娘。事故で死亡した。
寄谷得人(ダニエル):委員長。名前の真ん中(谷得)を取って「ダニエル」と呼ばれている。
寄谷父:「ナカハシ」に勤務するサラリーマン。5周目で死亡してしまう。
矢田刑事:3話で九條を逮捕した刑事。
成田刑事:矢田の後輩だが……。
通行止め:街で噂の連続殺人鬼。
謎の少女:善美が助けた謎の少女、実は……。

<ネタバレあらすじ>

9周目にてビルから転落してしまった善美。
同時にアイカもまた命を絶っていた。
零子を善美が助けたことに無力感を抱いた為だ。

ここで12時に。
いよいよループも最終周、泣いても笑ってもこれが決定版となる。

善行なんて言っといて、親友1人救えない!!
アイカの無力感が感染したかのように無気力になった善美。

そんな善美を九條が励ます。
善行ノートを取り上げるや、自身の名前を記入したのだ。
もし、善美が居なければ九條は救われなかった。
いや、正確には未だ救われていない。
そして、此処で通行止めの野望を阻止せねば多くの人が犠牲になるのだ。

これを受けて善美はアイカを含め、街を救う決意をする。

九條に神様探しを依頼しつつ、善美自身は「通行止め」のもとへ。
そう、善美には既に「通行止め」の正体が分かっていた。

その正体は……時雨零子。

「通行止めのマーク」と思われていたものは「数字の零」だったのだ。
零子は催眠術を使い、町の住人を自由に操ることが出来たのだ。
だから、「通行止め」は不特定多数かつ神出鬼没だったのだ。

善美の問いにあっさりと正体を明かす零子。
娘・晴華を事故で失った零子は世界を憎んだ。
そして、自身も含めたすべてに責任を取らせる必要があると考えた。
其処で、テロを起こしすべてを無かったことにしようとしているのだ。

「娘さんがそれを望んでいるとでも!?」
6話と同じ論法で零子の説得にかかる善美だが……。
「そうよ!!それをあの娘は望んでいるの!!」
到底、説得が通じるような状態ではない。

さらに、零子は朝日河市だけではなく世界規模で事を起こすと宣言する。
この1年、傷心で引き籠っていたと思われていた零子だが、単なる準備期間に過ぎなかったようだ。

こちらはもはや止められない……。
零子の説得に失敗した善美は自身も神様探しに切り替える。
もはや、神頼みしか残されていないのだ。

神様は意外なところであっさりと見つかった。
またも、子供扱いされていたのである。

神様に事態の収拾を依頼する善美。
だが、神様は人の理に干渉は出来ないと拒否する。

「じゃあ、なんで私を救ったの?」
叫ぶ善美。
「偶然な筈がないのよ」
さらに訴える。

何故なら……零子の死亡した娘・晴華と神様の容姿はそっくりだったのだから。
だが、晴華似の神様は何も答えない。
善美は諦めたようにその場を後にする。

九條と連絡を取った善美は打つ手が失われたことを告げる。
一方で「私には世界なんて救えない。でも、親友だけは救ってみせる」と宣言。
これを聞いた九條は善美の身に何か起こるのではないかと不安を覚え、善美を探す。

数時間後、前回と同じビルの屋上にて自殺しようとするアイカの姿があった。
今回は時雨を助けていない以上、無力感を抱くことも無い筈なのにどうして!?
驚く善美だが、どうやら零子がわざわざ善美に救われたと嘘を吐いて電話したらしい。
どこまでも、アイカを殺すつもりのようだ。

善美はそんなアイカを抱きしめて止める。
これにアイカは自殺を思い留まるのだが……。

何時の間にか、その背後に零子が居た。
「あんたたち気持ち悪いのよ」
その一言と共にアイカごと善美を突き飛ばす!!

しまった……慌てる善美だがもう遅い。
今回は最終周、したがって此処で死亡することはやり直しが効かない。
真実の死だ。

絶望の中、落下して行く善美だが……。
ビルの窓が割れ、下から九條が現れた。
九條は善美を助けようとする―――最終話(9話)に続く。

<感想>

「月刊コミックブレイド」にて連載が開始されたヤマモトマナブ先生の作品です。
「善行をポイント化することが生きがいの女子高生が、ひょんなことから同じ1日を10回繰り返す」ことになる作品。
その中で「如何にして皆をハッピーにするか」がポイントの模様。
2013年7月には1巻も発売されています!!

そんな本作も、いよいよ次回最終回。
つまり全9話、コミックスにして2巻かな。
全10話を予想していましたが、1話少ないですね。

それにしても、前回(第7話)を読み損ねたのは大きかったな。
何時の間にか善美の中で「通行止め=時雨零子犯人」が固まっていたとは……。
さらに、アイカと善美がビルから転落で8話がスタート。
正直、かなり戸惑いました。
1話冒頭のシーンは7話ラストのことだったのかな。

では、此処から8話の感想。

まさか、通行止めが催眠術にかかった人々だったとは。
善美側がファンタジックな能力だけに、通行止め側もファンタジックな異能だと思ったんだけどなぁ。
もちろん、催眠なので異能と言えば間違いなく異能だけど、思っていたよりは割と現実的な能力だった。
人為的な仕掛けとなると……尚更、「ひぐらし」に総合的な印象が近くなるかな。

それと、零子の娘・晴華こそが神様なのでしょうね。
とすると、母・零子の暴挙を止めるべく地上に現れたものか。
だからこそ、アイカと近しい善美を選んだと思われる。

それと以前からの予想通り、善美の10万善を用いて奇跡を起こす結末は不動だと思う。
九條の活躍により九死に一生を得た善美の逆襲が此処から始まる筈、最終回に注目だ!!

◆関連過去記事
「リピートアフターミー」第1話「今日という日は2度と来ない」(ヤマモトマナブ作、マッグガーデン刊「月刊コミックブレイド 3月号」掲載)ネタバレ批評(レビュー)

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「リピートアフターミー」第6話「猫なら5匹は被れるから」(ヤマモトマナブ作、マッグガーデン刊「月刊コミックブレイド 9月号」掲載)ネタバレ批評(レビュー)

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