今回から結末の展開について推理を開始!!
ネタバレあります!!注意!!
<あらすじ>
立退料百万円払えだなんて。どうかお知恵を分けて下さい―――
日常の裂け目から悪意が滲み出す!
(講談社公式HPより)
<感想>
遂に材料は出揃ったか。
其処で、今回より管理人は今後の展開について推理を開始します!!
此処から管理人の推理が始まります。
誤っている場合にも多分にネタバレを含むこととなると思われるので注意!!
まず、第7話の主要人物は「武蔵野寛治」と「岡部」。
ただ、7話ラストにて岡部は妻子を失う羽目に。
一方、武蔵野には何か取材以外の狙いがある様子だが……。
ポイントになりそうなのは―――
・キャバレーで話題に上がる3億円横領事件。
・和子が拾得した1億円。
この2つだが……。
武蔵野が、わざわざ岡部を選んで連れまわしたからには意味があるんだろうなぁ。
やっぱり、岡部の後輩・美穂が担当している樋口義一の存在が関係しているのか?
さらに、謎の占い師・サクヤの登場。
そして、もっとも注目すべき情報は武蔵野が見かけたという「川口寿々子の生存」か。
しかも、和子の趣味が占いだったとのことで、サクヤとの関連性も見逃せない。
一方、重要度こそ不明だが、4話に登場した千佳らしき人物の噂まで飛び出すことに。
これは、尚更混迷の度を深めて来たぞ……。
前回(第6話)では3つの仮説を立てたが、今回は川口寿々子生存の可能性も出て来たのでこれにもう1つ加えたい。
これまでは、武蔵野の前から姿を消したことから、川口寿々子が被害者として殺害されていることを前提で進めて来た。
だが、生存の可能性が出て来た以上、もっとも自然な仮説はこれだ。
もしかして「川口寿々子が原田和子を殺害し彼女が拾得した1億円を奪った」のかもしれない。
これならば、川口寿々子が姿を消した理由も分かる。
剛が倉庫で死体を発見したのも、殺害したのは川口寿々子、被害者は和子で説明がつく。
和子たちが消えたのも同様だ。
どうだろうか?
では、此処からは前回も唱えた3つの仮説を再度、述べる。
1.川口寿々子失踪事件の犯人こそ武蔵野寛治で、川口寿々子の息子であった樋口あその罪を告発しようとしている。
2.原田家を乗っ取った剛一家が1億円を奪い、川口寿々子も口封じした。
3.和子が1億円を奪い、川口寿々子を口封じした。
いずれにしろ、和子あるいは川口寿々子のどちらかが加害者で被害者となる。
そんな中、現在までに2人のうちのいずれからしい人物が登場しているとすれば、3話にて美里を殺害した実家の隣人くらいかなぁ。
罪の意識に恐れ戦いている為に、あれほど神経質だったのではないか。
そして、この説だとすればケンも生存していることになるが……。
ケンを名乗る人物は登場していただろうか……4話辺りが怪しいが。
うむむ……結局、1つには絞り切れそうにないなぁ。
とりあえず、現状ではこの4つの仮説を中心に次回以降の推移を窺うことにします。
<ネタバレあらすじ>
7話『これって、窃盗ですか?』登場人物一覧:
岡部:編集者。カノンに貢いでいる。2話、7話に登場。
武蔵野寛治:人気作家。2話、5話、7話に登場。
榎本:武蔵野が作家デビューする前に働いていたクッキー工場の同僚。5話、7話に登場。
サクヤ:岡部の妻が心酔している占い師。
「よろず相談室に投稿された記事:
夫が家の金を私に黙って持ち出してしまいます。
何度言っても聞いてくれません。
これは窃盗になりませんか?」
岡部は武蔵野に呼び出されて内心の喜びを隠しきれなかった。
何と言っても、武蔵野は今をトキメク人気作家。
そんな彼に呼び出されれば美味しい話を想像しないワケがない。
武蔵野のもとへ向かった岡部。
武蔵野は消えた川口寿々子について、岡部と共に調べ始める。
武蔵野によれば、最近になって川口寿々子を見かけたらしいが……。
「よろず相談室」の投稿をもとに、原田和子の家に辿り着いた武蔵野たち。
近所の聞き込みを行ったところ、武蔵野がデビュー前に働いていたクッキー工場の同僚・榎本に出会う。
彼女によれば、原田家は今では人の手に渡っているらしい。
さらに、過去に和子が「この家から大金持ちが出る」と占いの結果を吹聴していたそうだが……。
占いと言えば、婚活サイトで婚約者と知り合った近所の女性が占いの結果、結婚を取り止める事態に発展したのだそうだ。
武蔵野と歩き回りヘトヘトになった岡部は帰宅。
自宅で話題に上がったのは人気占い師・サクヤのこと。
岡部の妻も大ファンらしい。
一方、岡部は気が気ではない。
実は岡部は大金を常連のキャバレーの女性にプレゼントしており、それを妻に問い質されることを怖れていたのだ……。
その翌日、今日も武蔵野と情報収集する岡部。
武蔵野を育てたのは俺だと吹聴していた岡部だが、武蔵野本人に「育てたと言えるのは川口寿々子さんだけ」と断言されてしまう。
苛立ちを募らせつつ、接待もかねて行きつけのキャバレーへ。
其処で強かに酔った岡部は、あろうことか武蔵野に暴言を吐いてしまう。
その翌朝、全身から血の気が引く思いの岡部にさらなる追い打ちが。
なんと、岡部の散財を知った妻子が離婚届を残し家を出てしまったのだ。
「よろず相談室からの回答:
窃盗の罪には問えませんね。
ですが、ご主人が誰か別の人に貢いでいればその相手を告訴することは出来ます。 回答者より」―――エンド。
◆関連過去記事
・『<よろず相談室1>居候に悩んでいます』(真梨幸子著、講談社刊『小説現代』掲載)ネタバレ書評(レビュー)
・『<よろず相談室2>しつこいお客に悩んでいます』(真梨幸子著、講談社刊『小説現代』連載)ネタバレ書評(レビュー)
・『<よろず相談室3>隣人に困っています』(真梨幸子著、講談社刊『小説現代』連載)ネタバレ書評(レビュー)
・『<よろず相談室4> これってセクハラですか?』(真梨幸子著、講談社刊『小説現代』連載)ネタバレ書評(レビュー)
・『<よろず相談室5> 私は、どうしたらいいのでしょうか?』(真梨幸子著、講談社刊『小説現代』連載)ネタバレ書評(レビュー)
・『<よろず相談室6> 運命の人に会わせてください!』(真梨幸子著、講談社刊『小説現代』連載)ネタバレ書評(レビュー)
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